ヒット大地にとって、
萩本欽一というタレントは、
滅多に出会えない天才だ。
また心のとても温かい男だ。
いつかブログにも書いたが、
ヒット大地にとって、
これまで最も面白かったTV番組は、
大学生の時に見た
日テレの『コント55号の、なんでそうなるの?』
だった。
また同じころにやっていた
『スター誕生』の名司会も、
忘れられないよな。
いつも・・・「え?欽ちゃんって、すばらしい男だよな」・・・と驚きながら、見てたよ。
合格者が出なかったときの、「バンザ~イ、なしよ!」はすごいよな。
それから、歌番組なのに、「欽ちゃんと遊ぼう!」コーナーをやったことが、すごいぜ。
あとで萩本は述懐していた。
「ああいうことをやるのは、大変だった。
普通のプロデューサーはやらせてくれないからね」
そりゃ、そうだろうな・・・
公開収録だから、できたんだろうな。
その他、『欽ドン』では、完全に、素人が番組を乗っ取ったな。
素人のハガキが、番組を作ったんだ。
演技者も「気仙沼ちゃん」や「おっくん」など、
なんだこりゃ?・・・という素人を使ったよな。
『欽どこ』でも、見栄晴という、まるで下手なタレントを、
オーディションで選んでたな。
これも大成功だったな。
既成の俳優でも、生田悦子、前川清、若原一郎、真屋順子などを、うまくいじったな。
これって、超敏腕プロデューサーでもできないことだぜ。
そして、すべてが、ズバリ当たったな。
その他、あのチャップリンにスイスまで会いに行き、
「誰にも会わない」というチャップリンも、根負けして、
実際に萩本に会ってんだよな。
それからクラブ野球チームの監督になり、日本一にも導いている。
その中には、片岡という女性の選手も混ぜたな。
競馬でも、重賞の勝ち馬を所有していたよな。
アンブラスモア!
(アンブラスモアは、フランス語で、「キスしてちょうだい!」・・・という意味)
彼はいろいろ素晴らしいことをしてんだ。
だが彼の最もすばらしいところは、
下積み時代、世話になった、浅草のストリップ・ダンサーの女性を
奥さんに選んだことだろうな。
萩本くらいの売れっ子なら、
ミス日本や超美人俳優と結婚もできた。
また、いわゆる1000人切りなども、やる気になれば、
簡単にできただろう。
(チャップリンは、美人ばかり、4人の若い女性と結婚している)
しかし、萩本は、下積み時代のストリッパーの女性の恩を忘れず、
2歳年上の彼女と結婚して、一人の女性を幸福にしたこと・・・
また、子供も3人作ったこと・・・
普通の男には、できないことだぜ!
奥さんのことは、「秘密のベール」に包まれているが、
ネットを調べると、
「高峰みゆき」という芸名で、本名が「澄子」となっていた。
実家の稼業がうまく行かなくなり、18歳で踊り子になったという。
性格は、面倒見のいい女性だったらしい。
笑い上戸の明るい性格で、
自分のショーの出番が終わると、
舞台の袖から、コントを見て楽しんでいたようだ。
特に萩本を気に入っていたようだな。
「あんた、素質あるんだから、がんばってね」と、常々励ましていたようだ。
しかし彼女は、萩本が有名になると、身を引いたのだという。
だが、結局、二人は、結婚し、幸福な家庭を築いたんだよな。
ヒット大地、若い二人の出会いや会話など、ありありと想像できるぜ。
駆け出しの芸人って、金がねえからな・・・・
きっと彼女は、若い萩本の人柄と将来性を考え、いろいろ援助したんだろうな・・・
仕事が終わると、萩本に飯をおごったり、
少しばかり小遣いを与えたり・・・
そしていつしか、自然と男女の愛情へと変っていったんだろうな。
萩本が22歳、高峰みゆきが24歳のときに、
二人は一緒に暮らし始めたそうだ。
豆腐屋の2階の4畳半が、同棲の場所であったという。
そのうち、萩本は、少しずつ売れ始める。
でも、売れ始めたって言っても、駆け出しのコメディアンの給料は安いぜ。
萩本の月収が1万円くらいだった頃、
美人のみゆきは6万円以上だったそうだ。
で、アパートの賃貸料や食費、萩本の小遣いなど・・・
みゆきが全面的に援助していたらしいな。
萩本は一度、麻雀賭博で捕まり、留置所の厄介なったことがあった。
そのときも、萩本を救い出そうとして、
みゆきはストリップ劇場仲間の署名嘆願書を集めたという。
その後、コント55号は大ブレークしたよな。
最盛期を迎えた昭和42年頃、萩本とみゆきは、自然と別れたんだよな。
むろん、女には未練はあったはずだ。
でも、内心は、覚悟していたんだろうな。
当時は、萩本のような売れっ子タレントにとって、
ゴシップは致命傷にもなりうる時代だったからな。
結局、彼女は、萩本に迷惑がかかるだろうと考え、
踊り子も辞め、浅草も去ってしまった。
そして、ひっそりとスナックなどで働いた。
それでも何度かマスコミに追いかけられたことがある。
そのたびに、勤め先を転々としたそうだ。
その後、音信不通のまま、数年が過ぎた。
しかし、みゆきは萩本のことが忘れられず、
自暴自棄のような感じで酒に浸っていたらしい。
そんな姿を見かねた知人が、思い余って萩本に連絡した。
萩本も一度は、自分から別れを切り出したが、
ずっと、彼女のことが、心配だったんだ。
意を決して、萩本はみゆきに会いに行った。
そして、二人の関係は元のサヤに納まったんだよな。
萩本はあらためて、みゆきに会ってみると、
彼女のやさしさが、しみじみと身に沁み、
心がグンと落ち着いたんだろうな。
萩本も、内心、「なんで、こうなるの?」と思ったろうな(笑)。
そのうち、二人には希望通りに子供ができた。
その翌年、萩本はテレビで電撃的な結婚発表をしたんだっけな。
萩本をそういう思いにさせたということは、
彼女の人徳が大きかったんだろうな。
彼女、きっと、心のすごく温かい女性だって思うぜ。
笑顔がきれいでさ。
ヒット大地も、水商売を少し経験したことがある。
だから風俗嬢を含め、
いろいろな女性を知ってる。
だから思うことは、どこに行っても、素晴らしい女性はたくさんいるってこったよ。
水商売していても、スカシッ屁が、鼻が曲がほど臭くても、
本当に心のきれいな女性はたくさんいるんだよな。
ヒット大地、今でも、いろんな水商売の女性を、思い出すぜ。
本当に真面目な女性も多かったよな。
逆に官僚の妻など、一部を除き、見栄っぱりばかりのパー助で、
ロクな女がいねえぜ。だろ?
ヒット大地、いろんな経験しているから、これも実感だぜ。
昔から、「職業に貴賎はない」・・・とは、よく言ったもんだぜ。
どんな職業も、法律に触れない限りは、いかに屁が臭くても、尊いのさ。
(俺、屁にこだわりすぎか?(笑))
・・・っつうわけで、いろいろ書いたが、
ヒット大地、天才・萩本欽一に、国民栄誉賞を上げたいんだ。
上げるとしたら、奥さんと二人に・・・って感じだよな。
いや、ついでになって申し訳ないが、
萩本のお母さんも、メチャすばらしかったよな。
実は萩本のお父さんは発展家で、外に愛人を作っていたんだ。
当然、家を留守にしがちだった。
でも、母親は「アタシが悪いの・・・」と子供に言っていたそうだぜ。
ウソでも、母親にそう言われたら、
子供は、グレないよ。
逆に、母親のためにも、頑張っちゃうよな。
萩本は、いろいろな人に、世話になってんだな。
東八郎を師匠にしたのも良かったな。
坂上二郎をパートナーに選んだのも良かった。
二人とも、まれに見る好人物だからな・・・
人生、最後は、運だよな。
でも、運を得るには、また社会のために、いいことしないといけねえんだ。
鶏と卵だよ。
萩本は、前世では、よっぽど、いいことをしたんだろうな・・・。