俺は、昨年(2013年)の5月頃、
やしきたかじんのことを書いた。
そのとき正直「もうすぐ死ぬな」と思った。
だからブログの最後に、そのことを書いた。
もう一度、故人を偲んで、たかじんのブログを再掲したい。
ありがとう、たかじん!
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やしきたかじん・・・って、何者?
大阪で最も面白い番組のひとつが、
読売テレビの『そこまで言って委員会』(2002年開始)だ。
政治経済を初めとする時事問題をストレートに扱い、
「弱虫の東京の放送局」には制作できない番組だ。
いや、東京では、放送さえされていない。
とにかくズバズバ世相を、ぶった斬る。
ガオー(効果音)という音声中断も、ときどき登場する。
そして、この番組の司会者が、
やしきたかじんだ。
(本名は家鋪 隆仁(やしきたかじん)、大阪市西成区出身。1949年10月5日 生まれの63歳)
そもそも、正確な番組名が、
『たかじんのそこまで言って委員会』となっているから、
彼ナシでは成り立たない番組だ。
しかし、やしきたかじん、
食道がんで、2012年1月より、
1年2ヶ月後の2013年3月まで休養。
(ただし休養中も、手術はしたものの、
医師の言うことは、あまり聞かず、
かなり好き勝手に、生活していたようだ)
また今年2013年の5月、体調不良により、再度、休養を発表した。
やしきたかじんは、もともと歌手だが、
毒舌家であり、
放送禁止用語を含め、どんどん言いたいことを言う。
そういうせいもあって、
関西では、とても人気者で、彼のTV番組は、視聴率が高い。
そこで、性格や行動とも相俟って、「ナニワの帝王」とも言われる。
その他、視聴率が高い理由は、
たかじんは、テレビスタッフも大切にして、
番組終了後、飲み会を丁寧にやるのだという。
だが彼は東京となると、大嫌いだ。
権力的なものには、どんどん歯向かってゆくんだな。
実際、彼の経歴は、暴力さえ含むケンカの連続だ。
東京の放送局とも、しばしばトラブルを起こしている。
(一度、東京進出を考えたこともあるが、
東京のテレビ局とうまくいかず、大失敗した経験もある。
何ていうテレビ局かって?それは秘密さ!・・・でもヒントを与えよう。テレビ朝日さ!)
俺はさきほど、『そこまで言って委員会』は、東京では放送されない・・・と書いたが、
この理由は、やしきたかじんが、東京での放映を望まないからだ。
たかじんが東京嫌いの理由は、以下の通りだ。
① 利権やしがらみのために制約が多い
② すぐ掌を返す体質
③ 極端に横柄な態度
④ いろいろなことをしゃべっても、どんどんカットされる
・・・などを上げている。
また彼はNHKも大嫌いで、彼の発言では、NHKのことを、
① 腐ったヤクザな放送局
② アホの集まり
③ さっさと潰れろ
④ 民営化しろ
⑤ 価値がない
⑥ 誰が糞NHKなんかに出演するか
⑦ 俺はNHK受信料も払っていない
・・・・など酷評している。
とにかく彼は権威的なものが大嫌いで、
大阪のテレビ局のABC(朝日放送)も、
態度がデカイということで、大嫌いだ。
「あそこでは絶対仕事しない」と決めている。
またキャンペーンのため、
読売新聞社へ訪れたとき、
新聞記者の態度が大柄だったので、
その男の髪をつかんで、
引きずり回したという。
ただし、たかじんは、ユーモアもあるし、
大阪の芸人との交流も深い。
弱者には、やさしいんだな。
また案外、シャイであるとも言われる。
ファンも大切にすることでも有名だ。
その他、「いいものは、素直に、評価する性格」も持っている。
大嫌いなNHKでも、『プロジェクトX』などは推奨しているんだよな。
そういうところも含めて、
東京人が信じられないほど、
大阪人から、大きな人気を得ている。
さらには、東京では放送されないものの、
『そこまで言って委員会』は、
北海道や名古屋や熊本などでは、放送され、
最近の彼の人気は、大阪を越え、全国区になりつつある。
俺は、たかじんを理解できる。
俺の心の中にも、
たかじん的なところがあるからだ。
権威主義的なものを、怒鳴りつけたい気持ちがある。
そういうところは、ときどき俺のブログでも書いている。
ただ俺の場合は、
アホどもとケンカするのも面倒と思うので、
直接的なケンカは、あまりしないだけだ。
たかじんは、その点、がんがん行動しちゃうんだよな。
そういう点で、
ワキがすごく甘いと言えば甘い。
純粋と言えば純粋だ。
短気と言えば、異常に短気だ。
でも、その行動力のせいで、怪我や病気もいっぱいしている。
(彼はもともと目が悪いらしい)
また、個人的に、大芸人と、ケンカ別れすることも多い。
ケンカ別れの例は、テレビ番組中に、
芸人のプライヴァシーをどんどん話してしまうからだ。
犠牲者の一人に、間寛平がいる。
寛平は、アヘェ~と驚いたそうだ。
でもよぉ、友人とは絶縁関係になるとわかってても、
それでも、やっちゃうんだから、
もはや誰も止められないよな、たかじん、ハハハハ。
その結果、たかじんには、『共演NGリスト』もあるとか・・・・
「こいつとは、競演しない」っていうリストだよな、ハハハハ。
おもろいやっちゃで、ハハハハ。
こういう男を見ると、
俺はすぐに、
「この男の家庭環境は?」
と調べたくなる。
彼の父は、家鋪権三郎。
日新ステンレス(資本金5000万円、従業員約80人)の社長をやっていたが、
すでに倒産したという。
権三郎、思想的には、極右だったという。
名前にピッタリだよな。
母は光子。たかじんは、彼女を、一時憎んでいたと言っている。
今でも、基本的に、母とは音信不通。
でも、連絡を取ろうと思えば取れるとか。
今は憎しみという関係ではないようだ。
むしろ愛情はかなり感じられる気がする。
兄弟は男ばかり四人で、たかじんは次男だ。
兄は癌で、すでに他界。
弟の一人は中学校の校長をしているという。
たかじんは、過去に2度結婚。
一人目の妻とは、20代前半で別れた。
彼女の間に一女がいる。
離婚理由について「1人目は、風呂屋に行ったまま帰ってけぇへんねん」と言っていた。
2人目は「離婚届、送ってきよった」と発言している。
そして、たかじんの立派なところは、
「1人目、2人目も、280%僕が悪い」と非を認めている。
現在、恋人はいるそうだが、「自分は結婚すると、その女と別れるかも」と考え、
結婚には慎重のようだ。
こうしてみると、
やしきたかじんは、家族の者とは、
うまくいかない運命にあるようだ。
そういう人間っているよな。
友人でも、仲良くなりすぎると、すぐケンカする奴。
実は俺も、そういう傾向はある。
ウチのオヤジもそうだったんで、遺伝かもしれん。
(うまく、ごまかしたな)
次に、歌手やしきたかじんを見てみよう。
まず彼の学校であるが、成南中学校卒業。
桃山学院高等学校在学中は、新聞部に所属。
ところが高校時代、生まれて初めて作曲した『コーヒーインタイム』が、
NHK『あなたのメロディー』に採用された。
大学は、桃山学院大学経済学部に進学するが、
父の権三郎と対立し勘当され、同大学を中退。
その後、龍谷大学経済学部へ入学するも、また中退。
しかし龍谷大学在学中に歌手を目指し、作曲活動も行うようになる。
その後、紆余曲折があったが、歌手として、認められるようになった。
たかじんは、基本的に、作詞は他人に任せる。
作曲は、自分ですることもあるが、
これも他人の曲の方が、ずっと多い。
ヒット大地、彼の歌をいろいろ聴いたが、
女性が主人公の歌詞が非常に多い。
『やっぱ、好きやねん』など独白調だ。
また男の独白の歌も、たくさんある。
基本的には、この二つだ。
歌唱力であるが、歌はかなりうまい。
音程はしっかりしている。
(ただ、多少、ふらつくときもあり)
また声質も、いろいろなものを出せる。
(基本的には、松山千春と、かなり似ている)
この幅広い声質が、彼の大きな特長だ。
また彼の歌の長所は、声を大きく張ること、これもセールスポイントだ。
この声張りは、歌手としての大きな強みだ。
彼は間違いなく、『無法松の一生』のような演歌も歌えるだろう。
ただ欠点もある。
歌詞が聞き取れないものが少なからずあることだ。
感情がこもりすぎているせいだろうか?
この男、根は、繊細なところもあるんだろうな。
実際、コンサートのときは、かなり緊張するそうだ。
それはかなりのもので、軽い病気になるほどだという。
なお彼のコンサートは、非常にトークが長いので有名だ。
これ、観客も喜ぶので、ある意味で、大阪スタイルなのかもしれんな。
結論を言うと、
歌手としてのたかじんは、全体としては、やっぱプロの歌手だと思う。
心ひきつけられる歌唱力だ。
それは間違いないで。
さて、ここらで彼の人間性をまとめておこうか。
彼は繊細な反面、個性が強烈過ぎる。
だから近くにいる者は、「やけど」するんだろうって思う。
だから、それを恐れて、逃げていくのかもしれん。
やしきとうまく行く人間は、
基本的に、たまに会うタイプかもしれんな。
たとえば、明石家さんまだ。
たかじんは、
明石家さんまとはうまく行っているが、
普段は付き合いがないからだろうな(笑)。
でも、さんまも、たかじんの芸や歌を、内心は高く評価しているようだ。
俺はさんまが大好きなんで、彼の考えていること、わかるんだ。
むろん、やしきも、さんまを高く評価しているはずだ。
だって、『でっぱ、好きやねん』って歌ってるからな。
違った?ハハハハ。
もう一度言うが、
ヒット大地、基本的に、やしきを支持する。
でも、彼は主流派になれない性格だよな。
だから彼の限界も、ハッキリと感じちゃうんだな。
でもよぉ、この世に、欠点のない人間はいねえぜ。
だからよぉ、これからは体を、うんと大事にして、
日本のために、ずっと毒舌を吐いて欲しいと思うんだ。
つまり日本人がこの際、たかじんに期待しているのは、
日本をどんどん、ぶっ壊して欲しいということだろうな。
そのあと、日本の文化や社会の中に、
「仁政に満ちた、いい屋敷」を、たくさん作ってほしいもんだ。
お後がよろしいようで・・・
追記:
このブログ、「やしきたかじんって何者?」というタイトルだが、
やしきたかじんは、他人の評論や批評を超えた人間だ。
たとえ亡くなっても、ずっと記憶に残る、稀有な存在なんだろうな。
え?縁起でもないって?
バカ言え!
誰だって、いつか、死ぬよ!
だろ?
やしきたかじんも、そのうち、死ぬだろ。
そのとき閻魔様は、彼を、極楽に連れて行く?・・・それとも地獄に落とす?
そこまで言って委員会!
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ご冥福を、お祈りします。