日テレにドラマ「明日ママがいない」の第一回（2014年2月15日放映）に
クレームが入った。
熊本市の慈恵病院からだ。
ここは、「赤ちゃんポスト」を設置している。
いわゆる「親が育てられない子どもを、匿名で受け入れよう」
とするものだ。
クレームの内容は、
「養護施設の子どもや職員への誤解偏見を与え、人権侵害だ」
という抗議だった。
「明日ママがいない」は、
児童養護施設が舞台の連続ドラマだが、
ドラマ内で
「赤ちゃんポスト」に預けられた子に「ポスト」というあだ名が付けられている。
慈恵病院は言う。
「預けられた子どもを傷つけ、精神的な虐待、人権侵害になる」と批判した。
その他、養護施設内の描写にも
「職員が子どもに暴言を吐き、
泣くことを強要するなど現実と懸け離れたシーンが多すぎる。
誤解や偏見、差別を与える」
と指摘している。
一方、日本テレビの反論はこうだ。
「ドラマの趣旨は、子どもたちの心根の純粋さや強さ、
たくましさを全面に表し、
子どもたちの視点から『愛情とは何か』を描くものだ。
子どもたちを愛する方々の思いも、真摯に描いていきたい」
そして第２回以降も予定通り放送を続けるとし
「ぜひ最後までご覧いただきたいと思います」とコメントした。
レベルは違うが、
こういうことは、
大地一人も、長い人生、
何度も経験している。
千葉県に住んでいたときのことだ。
自転車に乗っていると、
道一杯に、ゴミ収集車が停まっていた。
しかも、車のドアが、
両方とも、開けっ放しだ。
自転車はおろか、
歩行者も歩けない。
俺は、怒りを覚えた。
自転車に乗っているので、
両手はハンドルにある。
だから空いている
短い足で、
ドアをバタンと閉めた。
トラックのドアは、
力を入れないと閉まらない。
足の方がいいと思った。
すると、これを見ていた
ゴミ収集職員は、
「足でするかい？」
と言った。
俺は「？」と思った。
しばらくして俺は気づいた。
「そうか。
ゴミ収集職員は、ゴミ収集車が、
不潔だから、
俺が足で閉めた」
と勘違いしているな・・・と気づいた。
無論違う。
ロ－ルスロイスでも、
俺はそうしただろう。
足でやったからと言って、
壊れるはずもない。
ＳＮＳに入会していたときだ。
ある日のブログで、
「大地一人はブスが好きだ」
と書いた。
実際その通りなので、
その理由を、細かく書いた。
ほとんどの女性は、
「おもしろい」
と言ってくれた。
しかし一部の女性たちは、
「これはブスへの差別だ」
と捉えた。
俺はその後、
そうじゃない・・・と反論し、
「続、なぜ大地一人はブスが好きか？」
を書いた。
これで事態は収拾すると思った。
しかし違った。
また一部の女性たちは、
「あいかわらず、大地一人は、ブスを差別している」
と訴えた。
そこで、大地一人は、
「続々、大地一人は本当に、ブスが好きなんだ」
と弁明した。
しかし何度も書いても無駄だった。
「大地一人は、ブスを差別している」
と感じているようだった。
そこで俺はその後、
「サルトルの存在論」を持ち出して、
「ブスという言葉自体に、差別があるんで、
何を言っても無駄だ。
ブスは放っておくにかぎる」と書いた。
これは、案外好評だった。
今回の「明日ママがいない」は、
たとえドラマが好意的な内容でも、
慈恵病院から見ると、
「放っておいてくれ」
と思っているんじゃないだろうか。
たしかに、児童養護施設で育った方々は、
自ら自分たちの出自を公表する人は少ない。
皆、父親がいて、
母親がいるような顔をしている。
大地一人も、母がいなかったんで、
その体験は理解できる。
だからＮＨＫは、
無神経にも、
「お母さんといっしょ」
なんていう番組を40年以上も放映している。
子供の音楽の本に
「母さんの歌」も載っている。
文部省唱歌に、
「母さん」はたびたび登場する。
そして、母のない子は、それで傷つく。
でも、誰も問題にしない。
結論を言おう。
俺は、「明日ママがいない」は続けるべきだと思う。
そして童養護施設で育った方々への差別感がなくなり、
「母の歌」がなるべく、
子供の音楽の本から、なくなるようになってもらいたい。
・・・なんて思ってたら、
幼児虐待のニュースを目にした。
俺はため息をついた。
こりゃ、親は免許制にしないとダメだね。
理想的宇宙人の社会では、
子供は社会のものなので、
「経験豊富な大人」が育てている。
親に任せていたら、
親の自己愛で、とんでもない子が育つ可能性が高い。
また、せっかくの適性の芽も、摘んでしまう。
理想は、子供は、その適性に応じて、
社会全体で育てることだ。
今すぐは無理だが、
そういう意味で、
児童養護施設出身こそが、
すばらしい・・・と思える日が来るのではないだろうか？