うるま市長選が始まった。名護市民である私が解説できることは少ないが、いささか書いておこう。
①うるま市:沖縄島中央部に位置し、金武湾と中城湾に面している87.02平方キロの市。人口122371人(2021年3月Ⅰ日現在)。2005年4月石川市、具志川市、勝連町、与那城町が合併してうるま市となった。
石川火力発電所などがある石川地区、うるま市役所本庁舎や安慶名城址がある具志川地区、勝連城址や海軍基地のホワイトビーチがあり、浜比嘉島や津堅島の勝連地区、同じく勝連半島の北側と平安座島・宮城島・伊計島などで構成されている与那城地区となる。金武湾中心部を中心に180度の半円をなしており、面積の割に線的に距離が離れている。約35キロ。このため、山間部は殆どないが地域差は少なくない。
②米軍基地など:基地が目立つ市ではないが、嘉手納基地が東にあり、普天間基地が南東部にあり、飛行経路下に当たる。1959年6月30日に起きた米軍ジェット戦闘機の宮森小学校への墜落事故は18名の死者を出すなど大惨事となった。嘉手納の戦闘機等は、金武湾上空を飛び、北東に位置しているホテルホテル訓練空域やアルファ訓練空域と行ききしている。また岩国飛行場や朝鮮半島周辺、中国周辺空域に飛ぶのもこの周辺上空を飛ぶことが多いようだ。普天間のヘリ等は、この周辺空域を抜け、北部演習場や奄美大島、伊江島等に日々飛んでいる。
また勝連半島先端にホワイトビーチ海軍基地があり、随時、揚陸艦が佐世保港からやってきて、伊計島の東側海域から金武町レッドビーチ、ブルービーチ、名護市辺野古沖、東村北部訓練場沖などを一またぎに航行・訓練している。
また津堅島訓練水域、浮原島訓練場・訓練水域があり、特に近年パラシュート降下訓練が繰返されている。
天願桟橋は弾薬等の搬入路であり、嘉手納基地等への弾薬等の移送の要となっている。
嘉手納弾薬庫の一部はうるま市であり、嘉手納弾薬庫と隣接していることも看過できないことだ。
具志川地区の中心部に隣接し海兵隊のキャンプコートニーがあり、第3海兵遠征軍司令部等の司令部機能が集中している。
これだけでも、うるま市政にとって基地問題を問うことは重要な問題だと分かるはずだ。
③うるま市政を巡る政治状況:2005年のうるま市発足以来、保守系市長となっている。現職の島袋俊夫氏は2009年5月から3期務めた。
今回の市長選は、島袋氏の後継候補、中村正人氏(1965年3月生まれ、98年具志川市議に当選以来市議)対オール沖縄から照屋寛之氏(1952年10月生まれ。沖縄国際大教授。政治学・行政学)の選挙となる。中村市は自民、会派おきなわ、公明、無所属の会推薦、照屋氏は立憲民主党、社会大衆党、社民党、共産党、新しい風・にぬふぁぶし推薦。
島袋市政の継承か、刷新かとなるが、違いを確かめながら投票して頂きたい。なお投票日は4月25日だが、台風2号が接近する可能性があり、期日前投票が両陣営から呼びかけられている。本日19日~期日前投票可能。