加藤訓子レクチャーコンサート
パーカッションアーツ
inアートフォーラムあざみ野
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/63/f85835689c67424c78def97a1658857c.jpg)
久しぶりの加藤訓子。
今回はアートフォーラムあざみ野の企画で
昼12時からホールでログドラムを
一緒に叩くというワークショップとセットになった
レクチャー式のコンサート。
会場も正式なコンサーホールではなく
レクチャールーム(結構いい設備)で行われた。
自分はコンサートのみ観賞。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/c5/eb3e2932bae08383599ed56cbb1a532c.jpg)
※ワークショップで使われたログドラムがホールに置かれていた・・・
そういう企画もののせいか
会場はお子様連れやお年寄りのご夫婦など
市民向けロビーコンサートといった雰囲気。
14時の開演と同時に加藤訓子はいつもどおり
客席後方からオモチャのホースを回しながら
ヒョ~~チャラララ・・・と
コズミックな音を響かせつつ入場。
ワークショップの流れを汲んで
ステージ下のログドラムを叩く
インスタレーションから演奏が始まった。
今日は「宇宙」というテーを明確に打ち出した構成。
「天動説」という言葉にもあるように
物理的な宇宙が本当はどうなっているかは別にして
人間の想像の中で宇宙や天体は
常に美しく、不思議な魅力をたたえて存在している。
そんな人間の想像の中に存在する「宇宙」のイメージを
表現してみたい、ということだった。
前半は『ルーツ・オブ・マリンバ』で
地球をさまよう人間の創造をたどる
時間軸的展開。
後半がジェフスキーの『To the Earth』から始まって
打楽器リズムのインスタレーションをはさみながら
ドナトーニ、クセナキスへと続く
空間的大展開の世界。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/d0/f43083a60509c63d8258f92250f2f263.jpg)
会場のアットホームな雰囲気とはまったく別に
今日の演奏のキレのよさ、メリハリの効いた
迫力ある音響とスピードは
ここ数回聴いた中でも最高の完璧さだったと思う。
体にピッタリしたTシャツにスポーティなパンツという
音楽家というよりはアスリートといった方が似合う
コスチュームだったせいもあるけれど
演奏している姿勢の端正な美しさ
ムダのない、流れるようなフォルムは
本当に体操選手の演技を見ているような爽快感を感じさせる。
テーマそのものが「宇宙」という深遠なものを含みながら
以前のような「巫女的な」怪しさやエロティシズムのようなものは
影を潜め、その芯にある人間の明快な創造性や
宇宙や時間に対する純粋な夢や希望を
思いっきりストレートに表現していたように思う。
特に最後の『ルボン(Rebonds [a.b])』クセナキス(1987/89)は
今回初めて聴いた演奏だが
単純なバスドラムの単打から始まって、
祭り太鼓のような複雑なリズムの饗宴に突入、
エネルギーを一気に爆発させる強烈な響きに展開する様は
人間の持つ原始の力の表現であり、ビッグバンそのものでもあろう。
たたき出される音の強烈さは
あの細いからだのどこから、と思わせるほどパワフルだが
最初から最後まで緊張を保ちつつ
体の全てを使って正確無比なリズムと間を叩き分ける技術は
たとえプロとはいえ、さすが世界屈指の才能。
精神と肉体そして宇宙(表現)が完璧に一体となった
もの凄い演奏であった。
絵に描いてしまうと
まるでマンガでしかないのが残念だけれど
オープニングから最後の一音まで
見事に計算された世界観は圧倒的。
改めて、加藤訓子の凄さを実感したコンサートであった。
アメリカ在住のはずの彼女が
半年前に横浜に引越してきたそうな。
なんだかすぐ近くにいるというのも
非常に嬉しい、、、
というミーハーな心理をくすぐる
オマケもあった(^ ^ )のでした。
加藤訓子 パーカッションアーツ アートフォーラムあざみ野にて
2008年11月9日(日)14時~
<演奏曲目>
~プラネット(さまよう人)より「天動説」
木星―Sound Installation
加藤訓子/ルーツ・オブ・マ・リンバ(2006~)
1.Roots of MA・RIMBA Ⅰ
2.てぃんさぐぬ花(沖縄民謡)
3.Roots of MA・RIMBA Ⅱ-Asia
4.イパネマの娘(アントニオ・カルロス・ジョビン)
5.Roots of MA・RIMBA Ⅲ-Africa
6.ショナ・ドリーム・ダンス(マーク・ダガン)
7.Roots of MA・RIMBA Ⅳ-Georgian song
8.Coup d’alle
フレデリック・ジェフスキ/大地への賛歌(1985)
地球―To the Earth
金星・水星―Sound Installation
フランコ・ドマトーニ/オマー(1985)
太陽―Omar DUE PEZZI PER VIRAFONO
月・火星・土星―Sound Installation
ヤニス・クセナキス/ルボン(1987/1989)
タイタンーRebonds[a.b]
アンコール ドボルザーク/家路
パーカッションアーツ
inアートフォーラムあざみ野
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/63/f85835689c67424c78def97a1658857c.jpg)
久しぶりの加藤訓子。
今回はアートフォーラムあざみ野の企画で
昼12時からホールでログドラムを
一緒に叩くというワークショップとセットになった
レクチャー式のコンサート。
会場も正式なコンサーホールではなく
レクチャールーム(結構いい設備)で行われた。
自分はコンサートのみ観賞。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/c5/eb3e2932bae08383599ed56cbb1a532c.jpg)
※ワークショップで使われたログドラムがホールに置かれていた・・・
そういう企画もののせいか
会場はお子様連れやお年寄りのご夫婦など
市民向けロビーコンサートといった雰囲気。
14時の開演と同時に加藤訓子はいつもどおり
客席後方からオモチャのホースを回しながら
ヒョ~~チャラララ・・・と
コズミックな音を響かせつつ入場。
ワークショップの流れを汲んで
ステージ下のログドラムを叩く
インスタレーションから演奏が始まった。
今日は「宇宙」というテーを明確に打ち出した構成。
「天動説」という言葉にもあるように
物理的な宇宙が本当はどうなっているかは別にして
人間の想像の中で宇宙や天体は
常に美しく、不思議な魅力をたたえて存在している。
そんな人間の想像の中に存在する「宇宙」のイメージを
表現してみたい、ということだった。
前半は『ルーツ・オブ・マリンバ』で
地球をさまよう人間の創造をたどる
時間軸的展開。
後半がジェフスキーの『To the Earth』から始まって
打楽器リズムのインスタレーションをはさみながら
ドナトーニ、クセナキスへと続く
空間的大展開の世界。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/d0/f43083a60509c63d8258f92250f2f263.jpg)
会場のアットホームな雰囲気とはまったく別に
今日の演奏のキレのよさ、メリハリの効いた
迫力ある音響とスピードは
ここ数回聴いた中でも最高の完璧さだったと思う。
体にピッタリしたTシャツにスポーティなパンツという
音楽家というよりはアスリートといった方が似合う
コスチュームだったせいもあるけれど
演奏している姿勢の端正な美しさ
ムダのない、流れるようなフォルムは
本当に体操選手の演技を見ているような爽快感を感じさせる。
テーマそのものが「宇宙」という深遠なものを含みながら
以前のような「巫女的な」怪しさやエロティシズムのようなものは
影を潜め、その芯にある人間の明快な創造性や
宇宙や時間に対する純粋な夢や希望を
思いっきりストレートに表現していたように思う。
特に最後の『ルボン(Rebonds [a.b])』クセナキス(1987/89)は
今回初めて聴いた演奏だが
単純なバスドラムの単打から始まって、
祭り太鼓のような複雑なリズムの饗宴に突入、
エネルギーを一気に爆発させる強烈な響きに展開する様は
人間の持つ原始の力の表現であり、ビッグバンそのものでもあろう。
たたき出される音の強烈さは
あの細いからだのどこから、と思わせるほどパワフルだが
最初から最後まで緊張を保ちつつ
体の全てを使って正確無比なリズムと間を叩き分ける技術は
たとえプロとはいえ、さすが世界屈指の才能。
精神と肉体そして宇宙(表現)が完璧に一体となった
もの凄い演奏であった。
絵に描いてしまうと
まるでマンガでしかないのが残念だけれど
オープニングから最後の一音まで
見事に計算された世界観は圧倒的。
改めて、加藤訓子の凄さを実感したコンサートであった。
アメリカ在住のはずの彼女が
半年前に横浜に引越してきたそうな。
なんだかすぐ近くにいるというのも
非常に嬉しい、、、
というミーハーな心理をくすぐる
オマケもあった(^ ^ )のでした。
加藤訓子 パーカッションアーツ アートフォーラムあざみ野にて
2008年11月9日(日)14時~
<演奏曲目>
~プラネット(さまよう人)より「天動説」
木星―Sound Installation
加藤訓子/ルーツ・オブ・マ・リンバ(2006~)
1.Roots of MA・RIMBA Ⅰ
2.てぃんさぐぬ花(沖縄民謡)
3.Roots of MA・RIMBA Ⅱ-Asia
4.イパネマの娘(アントニオ・カルロス・ジョビン)
5.Roots of MA・RIMBA Ⅲ-Africa
6.ショナ・ドリーム・ダンス(マーク・ダガン)
7.Roots of MA・RIMBA Ⅳ-Georgian song
8.Coup d’alle
フレデリック・ジェフスキ/大地への賛歌(1985)
地球―To the Earth
金星・水星―Sound Installation
フランコ・ドマトーニ/オマー(1985)
太陽―Omar DUE PEZZI PER VIRAFONO
月・火星・土星―Sound Installation
ヤニス・クセナキス/ルボン(1987/1989)
タイタンーRebonds[a.b]
アンコール ドボルザーク/家路
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