『岳』第8巻 石塚真一
『ホワイトハウス』というテレビドラマの一話に
火星探査船ガリレオ5号の話がある。
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無人の探査船ガリレオ5号が
火星への着陸に失敗して危機に瀕しているのだが
ある女性教師が
「大金をかけて火星探険をするより
住宅や福祉、教育に税金を投じるべきだ」と
大統領の広報部次長サム・シーボーンを問い詰める。
彼は、
「遠い昔人類の祖先は森を出て歩くことで
手を使い、丘を越えて旅をしながら
道具や火の使い方を覚えた。
冒険こそが人類を誕生・進化させたんだ」
と答える。
限りない進化・発展こそ善とする
極めて西洋的な考え方の表出した言葉であろう。
つい、なぜ山に登るのかと訊かれて
「そこに山があるから」と答えた
イギリスの登山家ジェームス・マロリーを
思い出してしまった。
これも(解釈の仕方は様々だが)
好奇心こそ人間の本質、というところに
行き着くのだろう。
人の好奇心を刺激する山は
もっと高い山へと人を導く。
登山家が目指すのは
どことも違う山の、
未知の世界を発見することである。
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『岳』の世界に描かれている
山好きの人々は、誰もが日常の中で
今を生きることに、懸命になっている。
必死になって高い山を目指すのではなく
「穂高に登るために生きている」と言いながら
淡々と、同じ山に登り続けている。
もちろん、山はいつも同であることはないし
年齢とともに、山に登る意味も変わるであろう。
彼らが目指しているのは
同じ山で、変わっていく自分を発見することである。
山好きにしてみれば、
どちらも結局同じことなのかもしれないが
山を知らない自分には、
随分と違いがあるような気がする。
それが
「こいつは無益で・・・豊かな男」
という言葉に表れていると思うのだが
どうだろうか。
『岳』第8巻 石塚真一 小学館 本体524円+税
『ホワイトハウス』というテレビドラマの一話に
火星探査船ガリレオ5号の話がある。
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無人の探査船ガリレオ5号が
火星への着陸に失敗して危機に瀕しているのだが
ある女性教師が
「大金をかけて火星探険をするより
住宅や福祉、教育に税金を投じるべきだ」と
大統領の広報部次長サム・シーボーンを問い詰める。
彼は、
「遠い昔人類の祖先は森を出て歩くことで
手を使い、丘を越えて旅をしながら
道具や火の使い方を覚えた。
冒険こそが人類を誕生・進化させたんだ」
と答える。
限りない進化・発展こそ善とする
極めて西洋的な考え方の表出した言葉であろう。
つい、なぜ山に登るのかと訊かれて
「そこに山があるから」と答えた
イギリスの登山家ジェームス・マロリーを
思い出してしまった。
これも(解釈の仕方は様々だが)
好奇心こそ人間の本質、というところに
行き着くのだろう。
人の好奇心を刺激する山は
もっと高い山へと人を導く。
登山家が目指すのは
どことも違う山の、
未知の世界を発見することである。
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『岳』の世界に描かれている
山好きの人々は、誰もが日常の中で
今を生きることに、懸命になっている。
必死になって高い山を目指すのではなく
「穂高に登るために生きている」と言いながら
淡々と、同じ山に登り続けている。
もちろん、山はいつも同であることはないし
年齢とともに、山に登る意味も変わるであろう。
彼らが目指しているのは
同じ山で、変わっていく自分を発見することである。
山好きにしてみれば、
どちらも結局同じことなのかもしれないが
山を知らない自分には、
随分と違いがあるような気がする。
それが
「こいつは無益で・・・豊かな男」
という言葉に表れていると思うのだが
どうだろうか。
『岳』第8巻 石塚真一 小学館 本体524円+税
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