砂上の楼閣

たまに思いついたことを時々書いたり書かなかったり。
ジャンル未定の備忘録みたいなものです。

人面瘡(じんめんそう)

2009-04-13 01:12:00 | インポート
人面瘡を思い出した。
何故思い出したかというと、庭に貝母という植物があったからである。

中国の唐の時代に、酉陽雑俎(ゆうようざっそ)という書物があり、その中に記されている話である。

ある商人の左の二の腕に不思議な腫物が出来た。その腫物は人の顔の形をしており、あるとき商人は戯れに酒を与えたところすべてを飲み干し、酔ったような赤くなった。食い物を与えると大抵のものはみな食った。食い過ぎたときは、二の腕の肉が腹のようにふくれ、何も食わせなかったときはその臂(ひじ)が動かなくなった。
ある名医が、「あらゆる薬や金石草木のたぐいを食わせてみろ」と言った。
そこで商人はあらゆるものを与えていたが、貝母という植物を与えようとしたとき、その腫物は眉をよせ、口を閉じて食おうとはしなかった。
商人は、葦(よし)の管で腫物の口をこじ開け、貝母の絞り汁をその管を通してそそぎ込むと、その腫物は数日の後にかせて治ったとのこと。
(岡本綺堂 中国怪奇小説集 光文社 より)

貝母の写真をアップしようとしたが出来なかったのでご勘弁のほど。

AUって画像アップ出来ないことが多いなぁー

コメント
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