箱崎ャンクショジン藤沢 周文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
最近は小説を読む気分になれないと書いたばかりだけど、休日の朝から読んだ。
ちょっと見てみるだけのつもりが、一気に読破した。
自分の未来を読んでいるような気がして、中断できなかった。
話は湿ってる。どうにもならない現実を生きる三十歳の男。
物語の起伏はあるが、恋愛や大事件、意外な終演もない。
どうしようもないし、どうでもいいし、誰を責めるわけでもない、
それでもどうにかしようともがく男。
過去に縛られ続ける男の話。
学生時代良く読んだ、暗めの小説を読み終えた後の読後感似たを覚えた。
似た境遇にある男の心の中を覗いたようなこの感触。
決してこうなりたいわけじゃない。
だけど、ジリジリと滑っていく気がする。
毎日毎日思う。
こうゆう話を書ける作家の精神力は凄い。
彼の人生の目標は何だろうか。