2021-0621-man4009
万葉短歌4009 玉桙の3721
玉桙の 道の神たち 賄はせむ
我が思ふ君を なつかしみせよ 大伴池主
3721 万葉短歌4009 ShuI304 2021-0621-man4009
□たまほこの みちのかみたち まひはせむ
あがおもふきみを なつかしみせよ
○大伴池主(おほともの いけぬし)=08-1590歌注参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第120首。題詞(要旨)に、入京述懐一首并二絶。4008は長歌。次歌左注参照。
【訓注】玉桙(たまほこ=多麻保許)。神たち(かみたち=可未多知)[「<たち>は<ども>より尊敬の度合の強い接尾語」。ここと、05-0894(長歌)大御神等(おほかみたち、3か所)、19-4240伊波敝神多智(いはへかみたち)、の5か所に出現]。我が思ふ君(あがおもふきみ=安賀於毛布伎美)[この訓は、集中ここだけ。他の17か所はすべて同義<あがもふきみ>訓]。賄はせむ(まひはせむ=麻比波勢牟)[「<賄>は願い事のため予め贈る謝礼」。下記注]。なつかしみせよ(奈都可之美勢余)[「心引かれてたいせつなもとする」]。
【編者注-まひ】幣。謝礼としての神への供物。また、人への贈り物。賂(まひな)ひ。(『詳説古語辞典』) 幣。謝礼の品として神にささげたり、人に贈ったりするもの。(旺文社『全訳古語辞典』)