2021-0628-man4017
万葉短歌4017 東風3728
東風 いたく吹くらし 奈呉の海人の
釣りする小舟 漕ぎ隠る見ゆ 大伴家持
3728 万葉短歌4017 ShuI326 2021-0628-man4017
□あゆのかぜ いたくふくらし なごのあまの
つりするをぶね こぎかくるみゆ
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第128首。初句割注に、「越俗語東風謂之安由乃可是也(こしのくにひとのことばには こちのかぜを あゆのかぜ といふ)」。4020左注参照。
【訓注】東風[下記注]。奈呉(なご)[3956注参照]。
【編者注-東風】ほかには、17-4006(長歌)安由能加是 伊多久之布気婆(あゆのかぜ いたくしふけば)。<こち>訓は、10-2126朝東 風尓副而(あさこちの かぜにたぐひて)、の1例。「日本海沿岸の各地に今日も残る<あゆの風>(<あい><あえ>とも)・・・」(依拠本)。春三月の季語としては、ほかに朝東風(あさごち)、夕~(ゆふ~)、強~(つよ~) 荒~(あら~)、梅~(うめ~)、桜~(さくら~)、雲雀~(ひばり~)、鰆~(さはら~)、稲田~(いなだ~)など。(三省堂『俳句季題便覧』)、電網「俳句歳時記」、など参照)