先週、九州地方を震源とする大きな地震が発生しました。
大きな前震のあとにさらに本震が襲うという事態に
被災地の皆様におかれましては本当に驚愕されたことと思います。
また昨日は各地で強風が吹き荒れあちこちでいろいろな被害がでました。
被災された皆様に慎んでお見舞い申し上げます。
今週のお題…
今回の地震の被災地になっている熊本、八代に
その昔「鏡池」という池があったそうです。
(熊本はよく「火の国」といわれていますが
じつは地下水が豊富な水の豊かな土地だそうで
清らかな池だったようです。)
そこに言い伝えられているおしどりの伝説をもとに
今回の作品を描くことにしました。
「ここは八代 鏡が池のひとつ鴛 おのが影をや夫(つま)と見るらん」
八代の名勝を謡いこんだ謡曲(能の演目)の謡いだしの詞章です。
ひとつ鴛の伝説について詳しくはここでは省きますが
「仲の良かった鴛鴦(おしどり)のオスがなくなり
それを悲しんだメスがいつもじっと水面に目を落とし、
一羽さびしく浮かんでいる姿をみた人々が
メスどりは水にうつる自分の姿を夫と思い心を慰めているのだろうと
心を打たれた」
という締めくくりになっています。
震災で突如として全てのものを失い、
また大切な人の命を奪われた悲しみは
癒えることはないのかもしれません。
でも、どうか哀しみのどん底にあっても
何かを慰めにして、今日を乗り越えてほしい…
そんな願いと
不幸にもお亡くなりになられた方々の冥福を祈り
描かせていただきました。
今週のお題「かがみ」でした。