富山交番襲撃事件 裁判で警察官 “住民に避難の警告はできず” NHK 2025年3月12日 20時24分
7年前、富山市の交番で警察官が殺害され、奪われた拳銃で警備員が射殺された事件で、警備員の遺族が「警察が適切に注意を呼びかけなかった」と主張して県を訴えた裁判で、当時、通信指令官だった警察官の証人尋問が行われました。警察官は「犯人の詳しい情報がわからず、周辺住民に避難の警告はできなかった」と述べました。
7年前、富山市の交番で警察官が元自衛官に殺害され、奪われた拳銃で近くの小学校にいた警備員の中村信一さん(当時68)が撃たれて殺害されました。
中村さんの妻は「警察が周辺の住民に避難を呼びかけるなどの対応をとっていれば、殺害されることはなかった」などと主張して、富山県と元自衛官に対して賠償を求める訴えを起こし、裁判で県側は「詳しい状況が分からない中で警告の判断をすることは不可能だった」と争っています。
12日は富山地方裁判所で、およそ3年ぶりに公開の審理が開かれ、2人の警察官の証人尋問が行われました。
このうち、当時、通信指令官だった警察官は当時の状況について「通報を受理した段階では犯人の人相や服装、逃走方法など詳しい状況がわからず、周辺住民に避難の警告はできなかった」と述べました。
そのうえで「犯人がもし建物の中に潜んでいたら、屋内への避難を呼びかけた場合、立てこもり事件になる可能性もあった」と述べ、警告はできなかったという見解を示しました。
この裁判では、元自衛官の審理が分離されて行われ、3年前に2600万円余りの支払いを命じる判決が言い渡され、確定しています。
遺族「夫は守ってもらえなかった」
亡くなった中村さんの妻は、裁判後の会見で「警察は市民の安全確保より、犯人の逮捕を優先したと感じ、夫は守ってもらえていなかったのだと思った。市民の皆さんも、身近な問題としてこの裁判を受け止めて警察組織のあり方を考えてほしい」と話していました。
妻の代理人を務める清水勉弁護士は「2人の証言を聞いて、警察は犯人を捕まえることを優先し、市民が事件に巻き込まれないようにすることは考えていなかったと感じた」と述べました。
7年前、富山市の交番で警察官が殺害され、奪われた拳銃で警備員が射殺された事件で、警備員の遺族が「警察が適切に注意を呼びかけなかった」と主張して県を訴えた裁判で、当時、通信指令官だった警察官の証人尋問が行われました。警察官は「犯人の詳しい情報がわからず、周辺住民に避難の警告はできなかった」と述べました。
7年前、富山市の交番で警察官が元自衛官に殺害され、奪われた拳銃で近くの小学校にいた警備員の中村信一さん(当時68)が撃たれて殺害されました。
中村さんの妻は「警察が周辺の住民に避難を呼びかけるなどの対応をとっていれば、殺害されることはなかった」などと主張して、富山県と元自衛官に対して賠償を求める訴えを起こし、裁判で県側は「詳しい状況が分からない中で警告の判断をすることは不可能だった」と争っています。
12日は富山地方裁判所で、およそ3年ぶりに公開の審理が開かれ、2人の警察官の証人尋問が行われました。
このうち、当時、通信指令官だった警察官は当時の状況について「通報を受理した段階では犯人の人相や服装、逃走方法など詳しい状況がわからず、周辺住民に避難の警告はできなかった」と述べました。
そのうえで「犯人がもし建物の中に潜んでいたら、屋内への避難を呼びかけた場合、立てこもり事件になる可能性もあった」と述べ、警告はできなかったという見解を示しました。
この裁判では、元自衛官の審理が分離されて行われ、3年前に2600万円余りの支払いを命じる判決が言い渡され、確定しています。
遺族「夫は守ってもらえなかった」
亡くなった中村さんの妻は、裁判後の会見で「警察は市民の安全確保より、犯人の逮捕を優先したと感じ、夫は守ってもらえていなかったのだと思った。市民の皆さんも、身近な問題としてこの裁判を受け止めて警察組織のあり方を考えてほしい」と話していました。
妻の代理人を務める清水勉弁護士は「2人の証言を聞いて、警察は犯人を捕まえることを優先し、市民が事件に巻き込まれないようにすることは考えていなかったと感じた」と述べました。