
【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月3日の動き) NHK 2025年3月3日 18時32分
ゼレンスキー大統領 “真の平和には安全の保証が必要”
ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、アメリカやイギリスへの訪問を終えたあとビデオ演説を公開しました。
この中で、ヨーロッパ各国やカナダ、トルコの首脳らが参加したロンドンでの会合を念頭に、真の平和には安全の保証が必要だという認識で各国と一致したとしたうえで「これから数日、数週間で会合や共同作業がいくつも行われ、平和のための外交が行われるだろう。ウクライナ、全ヨーロッパ、そしてもちろんアメリカが団結するための外交だ」と述べました。
そして、今後、各国との間で妥協できない条件など共通の立場をまとめアメリカ側に提示するとしています。
ロンドンでの会合では、イギリスのスターマー首相が停戦後の平和を守るため有志連合を結成する考えを示したほか、フランスのマクロン大統領はフランスメディアとのインタビューで、まずは海や空での戦闘、それにエネルギー施設への攻撃を停止する1か月間の停戦を行い、和平が実現すれば、平和維持部隊を派遣する考えを明らかにしています。
両首脳はアメリカによる安全の保証が必要だという考えも強調していて、ゼレンスキー大統領とアメリカのトランプ大統領との会談が激しい口論で終わる中、アメリカとウクライナの関係の修復をできるかが焦点となっています。
“ゼレンスキー大統領 会談前に忠告受けていた ”米メディア
激しい口論になった首脳会談の前、ゼレンスキー大統領は、トランプ大統領と口論しないよう忠告を受けていたと複数のアメリカメディアが伝えました。
共和党の重鎮でウクライナへの支援の必要性を訴えてきたグラム上院議員は先月28日、記者団に対し、首脳会談の前にゼレンスキー大統領と面会していたとしたうえで「『わなに引っかかるな』と伝えていた」と述べました。
そのうえで、会談について「完全な大惨事だ。大統領執務室で目にしたのは敬意に欠ける態度だった。ゼレンスキー大統領は辞任して、われわれと一緒に仕事ができる人物を送るか、自分自身を変える必要がある」と述べ、ゼレンスキー大統領を批判しました。
また、ニュースサイト「アクシオス」は、グラム議員が事前にゼレンスキー大統領に対し「メディアやほかの誰にもトランプ大統領と口論するよう仕向けられてはならない」と伝えていたと報じました。
さらに、ABCテレビは2日、関係者の話として、忠告したのはグラム議員だけではなかったとしたうえで、このうちグラム議員は「少しは我慢しろ」と述べ、トランプ大統領に感謝を表すよう忠告していたと伝えました。
ゼレンスキー大統領 米での会談について「話したくない」
ゼレンスキー大統領は2日、ロンドンでの会合のあと記者の取材に応じ、激しい口論に終わったアメリカのトランプ大統領との会談について「何が起きたか、なぜそうなったかについては話したくない」と述べました。
一方で「われわれはもちろんアメリカの支援を頼りにしている。アメリカの支援停止はプーチンを利することにしかならない」と述べ、アメリカの支援を引き続き求めていく考えを示しました。
そのうえで「私は各国の支援に大きく依存する国の利益を代表している。問題解決に向けた建設的な対話に招かれれば、アメリカとアメリカ国民、それにアメリカ大統領への敬意を持って応じる」と述べ、アメリカとの対話に前向きに応じる姿勢を強調しました。
ゼレンスキー大統領は、今回は英語ではなくウクライナ語で記者の質問に答えました。
“まず1か月間の停戦を” 仏大統領 和平に向けた計画を説明
フランスのマクロン大統領は、フランスの新聞フィガロのインタビューに応じ、ウクライナでの和平に向けてイギリスとともに検討している計画について説明しました。
計画ではまず、海や空での戦闘、それにエネルギー施設への攻撃を停止する1か月間の停戦を提案するとしています。
最初の段階がうまくいけば、戦闘停止の範囲を地上にも広げるとしています。
そして、この間に交渉を行い、和平が実現すれば、フランスやイギリスが中心となって検討している平和維持のための部隊を派遣するとしています。
マクロン大統領は「われわれは平和を望んでいる。ただし、どんな代償を払ってもよいわけではなく、保証が必要だ」と述べ、アメリカによる安全の保証が必要だという考えを改めて強調しました。
フィガロによりますと、マクロン大統領はここ数日の間、アメリカのトランプ大統領と繰り返し電話で話し合っているということです。
また、AFP通信は、フランスの複数の当局者の話として、2月28日の首脳会談で激しい口論に発展したトランプ大統領とゼレンスキー大統領の関係修復に向けた糸口を、フランスとイギリスが探っていると伝えています。
米 ウォルツ大統領補佐官「ゼレンスキー大統領は無礼」
アメリカ ホワイトハウスで安全保障政策を担当するウォルツ大統領補佐官は、1日、FOXニュースの取材に対し、トランプ大統領とゼレンスキー大統領が激しい口論になったあとの、アメリカ側の対応を明らかにしました。
それによりますと、記者団が退出したあと、トランプ政権の幹部で対応を話し合い、出席者ほぼ全員が「侮辱を受け、どのように物事を前に進めていけるのか先が見えない」などとして、トランプ大統領に協議を打ち切るよう提言したということです。
その結果、ウォルツ補佐官がウクライナ側にホワイトハウスから去るよう伝えたところ、ゼレンスキー大統領は引き続き議論をしたい姿勢を示し、補佐官は「ときはあなたの味方をしていない。最も重要なのはアメリカや納税者の寛容さは無限ではないということだ」と伝えたとしています。
その場にいたウクライナの大使らは涙を流していたということです。
ウォルツ大統領補佐官は2日、CNNテレビに出演し「われわれには、ゼレンスキー大統領が戦争の終結に向けて話し合う準備ができているかが分からなかった。首を振り、腕を組むなど、信じられないほど無礼だった」と振り返りました。
その上で「ウクライナにはわれわれと、そして最終的にはロシアとも取り引きし、戦争を終えることができる指導者が必要だ」と述べ、ゼレンスキー大統領と協議を進めるのは現状では難しいという認識を示しました。
また、ウォルツ補佐官は「この戦争を終わらせる必要があり、領土に関する妥協をすることになるだろう」と述べました。
“米がウクライナへの武器輸送とりやめる可能性” 米有力紙
アメリカの有力紙ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズは、トランプ政権の高官の話として、アメリカが今後予定しているウクライナへの武器の輸送をとりやめる可能性もあると伝えています。
このうち2月28日付けのワシントン・ポストは、武器の輸送をとりやめる場合、数十億ドル規模の弾薬やミサイル、レーダーなどが含まれるとしています。
米 ルビオ国務長官 ウクライナ次第で再び話し合い応じる考え
アメリカのルビオ国務長官は2日、ABCテレビに出演し、当時のゼレンスキー大統領の対応について「われわれはプーチン大統領を交渉の席に着かせようとしている。妨げるようなことをすべきではない。率直に困惑しているし、理解できない」と述べ、不快感をあらわにしました。
一方で「和平に向けたウクライナの準備が整えば、われわれはこの件に再び関与する用意がある」と述べ、ウクライナ側の姿勢次第では再び話し合いに応じる考えも強調しました。
また、与党 共和党のジョンソン下院議長もNBCテレビに出演し「何かを変えなくてはいけない。ゼレンスキー大統領が感謝の気持ちを持って交渉の席に戻ってくるか、それとも、ほかの人物が国を率いるかだ」と述べ、ゼレンスキー大統領の辞任も選択肢だと指摘しながら、ウクライナ側に歩み寄りを求めました。
専門家「会談失敗も 欧州が危機感持つきっかけに」
ウクライナの外交やヨーロッパの安全保障などに詳しい、キーウ・モヒーラ・アカデミー国立大学のオレクシー・ハラン教授は、2日、NHKのオンラインインタビューに応じました。
ハラン教授は、激しい口論になった首脳会談について「トランプ氏と良好な関係を築きたいと思っていたウクライナには間違いなく悪いことだ。会談自体は失敗だった」と述べ、会談の結果、ウクライナがアメリカからさらなる支援を引き出すことが難しくなったという見方を示しました。
一方で「ヨーロッパにとっては、ウクライナを含め地域全体の安全保障のあり方について、危機感を持って考えていくきっかけとなった」と指摘し、「ヨーロッパがウクライナへの支援を強化することが期待される」と述べ、ヨーロッパ各国による外交や軍事面の支援の動きが活発化するという考えを示しました。
石破首相「何でこんなことになったのかという思い」
石破総理大臣は衆議院予算委員会で「何でこんなことになったのかという思いはある。トランプ大統領には、アメリカがどこまで負担すべきかの考えがあり、ウクライナ側からそれにふさわしい思いが提供されていなかったという思いがあったのだろう。ただ、多くの国民が命を落としていく状況で、いかにして平和をもたらすか、ゼレンスキー大統領の訴えが十分な功を奏さなかったとすれば、極めて残念なことだ」と述べました。
その上で「私どもとしてどちらの側に立つといったつもりは全くないが、とにかくG7が結束していくことが何より大事だ。いかにしてアメリカの関与をつなぎ止め、G7全体の結束を図るかに、さらに尽力していきたい」と述べました。
ゼレンスキー大統領 “真の平和には安全の保証が必要”
ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、アメリカやイギリスへの訪問を終えたあとビデオ演説を公開しました。
この中で、ヨーロッパ各国やカナダ、トルコの首脳らが参加したロンドンでの会合を念頭に、真の平和には安全の保証が必要だという認識で各国と一致したとしたうえで「これから数日、数週間で会合や共同作業がいくつも行われ、平和のための外交が行われるだろう。ウクライナ、全ヨーロッパ、そしてもちろんアメリカが団結するための外交だ」と述べました。
そして、今後、各国との間で妥協できない条件など共通の立場をまとめアメリカ側に提示するとしています。
ロンドンでの会合では、イギリスのスターマー首相が停戦後の平和を守るため有志連合を結成する考えを示したほか、フランスのマクロン大統領はフランスメディアとのインタビューで、まずは海や空での戦闘、それにエネルギー施設への攻撃を停止する1か月間の停戦を行い、和平が実現すれば、平和維持部隊を派遣する考えを明らかにしています。
両首脳はアメリカによる安全の保証が必要だという考えも強調していて、ゼレンスキー大統領とアメリカのトランプ大統領との会談が激しい口論で終わる中、アメリカとウクライナの関係の修復をできるかが焦点となっています。
“ゼレンスキー大統領 会談前に忠告受けていた ”米メディア
激しい口論になった首脳会談の前、ゼレンスキー大統領は、トランプ大統領と口論しないよう忠告を受けていたと複数のアメリカメディアが伝えました。
共和党の重鎮でウクライナへの支援の必要性を訴えてきたグラム上院議員は先月28日、記者団に対し、首脳会談の前にゼレンスキー大統領と面会していたとしたうえで「『わなに引っかかるな』と伝えていた」と述べました。
そのうえで、会談について「完全な大惨事だ。大統領執務室で目にしたのは敬意に欠ける態度だった。ゼレンスキー大統領は辞任して、われわれと一緒に仕事ができる人物を送るか、自分自身を変える必要がある」と述べ、ゼレンスキー大統領を批判しました。
また、ニュースサイト「アクシオス」は、グラム議員が事前にゼレンスキー大統領に対し「メディアやほかの誰にもトランプ大統領と口論するよう仕向けられてはならない」と伝えていたと報じました。
さらに、ABCテレビは2日、関係者の話として、忠告したのはグラム議員だけではなかったとしたうえで、このうちグラム議員は「少しは我慢しろ」と述べ、トランプ大統領に感謝を表すよう忠告していたと伝えました。
ゼレンスキー大統領 米での会談について「話したくない」
ゼレンスキー大統領は2日、ロンドンでの会合のあと記者の取材に応じ、激しい口論に終わったアメリカのトランプ大統領との会談について「何が起きたか、なぜそうなったかについては話したくない」と述べました。
一方で「われわれはもちろんアメリカの支援を頼りにしている。アメリカの支援停止はプーチンを利することにしかならない」と述べ、アメリカの支援を引き続き求めていく考えを示しました。
そのうえで「私は各国の支援に大きく依存する国の利益を代表している。問題解決に向けた建設的な対話に招かれれば、アメリカとアメリカ国民、それにアメリカ大統領への敬意を持って応じる」と述べ、アメリカとの対話に前向きに応じる姿勢を強調しました。
ゼレンスキー大統領は、今回は英語ではなくウクライナ語で記者の質問に答えました。
“まず1か月間の停戦を” 仏大統領 和平に向けた計画を説明
フランスのマクロン大統領は、フランスの新聞フィガロのインタビューに応じ、ウクライナでの和平に向けてイギリスとともに検討している計画について説明しました。
計画ではまず、海や空での戦闘、それにエネルギー施設への攻撃を停止する1か月間の停戦を提案するとしています。
最初の段階がうまくいけば、戦闘停止の範囲を地上にも広げるとしています。
そして、この間に交渉を行い、和平が実現すれば、フランスやイギリスが中心となって検討している平和維持のための部隊を派遣するとしています。
マクロン大統領は「われわれは平和を望んでいる。ただし、どんな代償を払ってもよいわけではなく、保証が必要だ」と述べ、アメリカによる安全の保証が必要だという考えを改めて強調しました。
フィガロによりますと、マクロン大統領はここ数日の間、アメリカのトランプ大統領と繰り返し電話で話し合っているということです。
また、AFP通信は、フランスの複数の当局者の話として、2月28日の首脳会談で激しい口論に発展したトランプ大統領とゼレンスキー大統領の関係修復に向けた糸口を、フランスとイギリスが探っていると伝えています。
米 ウォルツ大統領補佐官「ゼレンスキー大統領は無礼」
アメリカ ホワイトハウスで安全保障政策を担当するウォルツ大統領補佐官は、1日、FOXニュースの取材に対し、トランプ大統領とゼレンスキー大統領が激しい口論になったあとの、アメリカ側の対応を明らかにしました。
それによりますと、記者団が退出したあと、トランプ政権の幹部で対応を話し合い、出席者ほぼ全員が「侮辱を受け、どのように物事を前に進めていけるのか先が見えない」などとして、トランプ大統領に協議を打ち切るよう提言したということです。
その結果、ウォルツ補佐官がウクライナ側にホワイトハウスから去るよう伝えたところ、ゼレンスキー大統領は引き続き議論をしたい姿勢を示し、補佐官は「ときはあなたの味方をしていない。最も重要なのはアメリカや納税者の寛容さは無限ではないということだ」と伝えたとしています。
その場にいたウクライナの大使らは涙を流していたということです。
ウォルツ大統領補佐官は2日、CNNテレビに出演し「われわれには、ゼレンスキー大統領が戦争の終結に向けて話し合う準備ができているかが分からなかった。首を振り、腕を組むなど、信じられないほど無礼だった」と振り返りました。
その上で「ウクライナにはわれわれと、そして最終的にはロシアとも取り引きし、戦争を終えることができる指導者が必要だ」と述べ、ゼレンスキー大統領と協議を進めるのは現状では難しいという認識を示しました。
また、ウォルツ補佐官は「この戦争を終わらせる必要があり、領土に関する妥協をすることになるだろう」と述べました。
“米がウクライナへの武器輸送とりやめる可能性” 米有力紙
アメリカの有力紙ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズは、トランプ政権の高官の話として、アメリカが今後予定しているウクライナへの武器の輸送をとりやめる可能性もあると伝えています。
このうち2月28日付けのワシントン・ポストは、武器の輸送をとりやめる場合、数十億ドル規模の弾薬やミサイル、レーダーなどが含まれるとしています。
米 ルビオ国務長官 ウクライナ次第で再び話し合い応じる考え
アメリカのルビオ国務長官は2日、ABCテレビに出演し、当時のゼレンスキー大統領の対応について「われわれはプーチン大統領を交渉の席に着かせようとしている。妨げるようなことをすべきではない。率直に困惑しているし、理解できない」と述べ、不快感をあらわにしました。
一方で「和平に向けたウクライナの準備が整えば、われわれはこの件に再び関与する用意がある」と述べ、ウクライナ側の姿勢次第では再び話し合いに応じる考えも強調しました。
また、与党 共和党のジョンソン下院議長もNBCテレビに出演し「何かを変えなくてはいけない。ゼレンスキー大統領が感謝の気持ちを持って交渉の席に戻ってくるか、それとも、ほかの人物が国を率いるかだ」と述べ、ゼレンスキー大統領の辞任も選択肢だと指摘しながら、ウクライナ側に歩み寄りを求めました。
専門家「会談失敗も 欧州が危機感持つきっかけに」
ウクライナの外交やヨーロッパの安全保障などに詳しい、キーウ・モヒーラ・アカデミー国立大学のオレクシー・ハラン教授は、2日、NHKのオンラインインタビューに応じました。
ハラン教授は、激しい口論になった首脳会談について「トランプ氏と良好な関係を築きたいと思っていたウクライナには間違いなく悪いことだ。会談自体は失敗だった」と述べ、会談の結果、ウクライナがアメリカからさらなる支援を引き出すことが難しくなったという見方を示しました。
一方で「ヨーロッパにとっては、ウクライナを含め地域全体の安全保障のあり方について、危機感を持って考えていくきっかけとなった」と指摘し、「ヨーロッパがウクライナへの支援を強化することが期待される」と述べ、ヨーロッパ各国による外交や軍事面の支援の動きが活発化するという考えを示しました。
石破首相「何でこんなことになったのかという思い」
石破総理大臣は衆議院予算委員会で「何でこんなことになったのかという思いはある。トランプ大統領には、アメリカがどこまで負担すべきかの考えがあり、ウクライナ側からそれにふさわしい思いが提供されていなかったという思いがあったのだろう。ただ、多くの国民が命を落としていく状況で、いかにして平和をもたらすか、ゼレンスキー大統領の訴えが十分な功を奏さなかったとすれば、極めて残念なことだ」と述べました。
その上で「私どもとしてどちらの側に立つといったつもりは全くないが、とにかくG7が結束していくことが何より大事だ。いかにしてアメリカの関与をつなぎ止め、G7全体の結束を図るかに、さらに尽力していきたい」と述べました。