
北海道・三陸沖後発地震注意情報の認知度課題 名称変更も検討 NHK 2025年3月7日 15時05分
北海道から岩手県にかけての沖合で大地震が起きた際に、その後の巨大地震への注意を呼びかける「北海道・三陸沖後発地震注意情報」について、坂井防災担当大臣は、認知度が課題となっているとして名称の変更も含めて検討するよう指示したことを明らかにしました。
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」や「日本海溝」、それに、その周辺でマグニチュード7クラスの地震が起きた際に、その後の巨大地震の発生に注意を呼びかける情報です。
事前の避難などは呼びかけず、発表から1週間程度は日常の生活を維持しつつ、すぐに避難できるよう備えておくことなどを求めます。
2022年12月の運用開始から2年が過ぎましたが、これまでに1度も発表されたことがなく、認知度の低さが課題となっています。
これについて坂井防災担当大臣は7日の閣議後の会見で「周知や広報を行ってきたが十分に知られていない状況で、わかりやすい名称であることも重要だと考えている」と述べました。
そのうえで、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」と防災対応が同じことに触れ、名称の変更も含めて検討するよう指示したことを明らかにしました。
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」とは
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、大地震のあとに巨大地震が起きたケースが過去にあったことから、国の検討会で専門家を交えて議論され、2022年に運用が始まりました。
「千島海溝」や「日本海溝」、それに、その周辺でマグニチュード7クラスの地震が発生した場合、おおむね2時間後をめどに発表され、後発の巨大地震が発生する可能性がふだんよりも高まっているとして注意を呼びかけます。
対象は、3メートル以上の津波や震度6弱以上の揺れなどが想定されている北海道と青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県と千葉県の合わせて182の市町村です。
事前の避難などは呼びかけず、発表から1週間程度は日常の生活を維持しつつ、すぐに避難できるよう備えておくことなどを求めます。
また、
▽企業に対して、津波や土砂災害のおそれのある場所での作業を控えるよう求めるほか
▽地域に対しては、高齢者への声かけや連絡手段の確認を呼びかけます。
名称をめぐっては、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」と防災対応が同じことから、検討の段階で「臨時情報」ということばを用いる案も示されました。
これに対して専門家からは、後発地震を対象にした情報であることを明確にすべきだとか、南海トラフ地震臨時情報には事前の避難などを求める「巨大地震警戒」もあり、混同されかねないといった指摘があり「臨時情報」の採用は見送られ、今の名称になりました。
内閣府は、こうしたいきさつも踏まえ、今後、名称を変更するかどうか検討を進めるとみられます。
専門家「防災行動にどう役立てるべきかが重要」
坂井防災担当大臣の発言について「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の名称を決めた国の検討会で座長を務めた東京大学大学院の片田敏孝特任教授は「情報の認知度が低いことは事実だ。問題は情報が出たときに国民がどのように防災行動に生かせばいいのか十分に知られていないことだ」と指摘しています。
そのうえで、名称の変更について「国民に事前避難などの行動を促す情報と受け取られると混乱が生じるおそれがある。名称の変更よりも一人一人の防災行動にどう役立てるべきかをもっと国民に広く普及・啓発していくことが重要ではないか」と話しています。
北海道から岩手県にかけての沖合で大地震が起きた際に、その後の巨大地震への注意を呼びかける「北海道・三陸沖後発地震注意情報」について、坂井防災担当大臣は、認知度が課題となっているとして名称の変更も含めて検討するよう指示したことを明らかにしました。
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」や「日本海溝」、それに、その周辺でマグニチュード7クラスの地震が起きた際に、その後の巨大地震の発生に注意を呼びかける情報です。
事前の避難などは呼びかけず、発表から1週間程度は日常の生活を維持しつつ、すぐに避難できるよう備えておくことなどを求めます。
2022年12月の運用開始から2年が過ぎましたが、これまでに1度も発表されたことがなく、認知度の低さが課題となっています。
これについて坂井防災担当大臣は7日の閣議後の会見で「周知や広報を行ってきたが十分に知られていない状況で、わかりやすい名称であることも重要だと考えている」と述べました。
そのうえで、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」と防災対応が同じことに触れ、名称の変更も含めて検討するよう指示したことを明らかにしました。
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」とは
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、大地震のあとに巨大地震が起きたケースが過去にあったことから、国の検討会で専門家を交えて議論され、2022年に運用が始まりました。
「千島海溝」や「日本海溝」、それに、その周辺でマグニチュード7クラスの地震が発生した場合、おおむね2時間後をめどに発表され、後発の巨大地震が発生する可能性がふだんよりも高まっているとして注意を呼びかけます。
対象は、3メートル以上の津波や震度6弱以上の揺れなどが想定されている北海道と青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県と千葉県の合わせて182の市町村です。
事前の避難などは呼びかけず、発表から1週間程度は日常の生活を維持しつつ、すぐに避難できるよう備えておくことなどを求めます。
また、
▽企業に対して、津波や土砂災害のおそれのある場所での作業を控えるよう求めるほか
▽地域に対しては、高齢者への声かけや連絡手段の確認を呼びかけます。
名称をめぐっては、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」と防災対応が同じことから、検討の段階で「臨時情報」ということばを用いる案も示されました。
これに対して専門家からは、後発地震を対象にした情報であることを明確にすべきだとか、南海トラフ地震臨時情報には事前の避難などを求める「巨大地震警戒」もあり、混同されかねないといった指摘があり「臨時情報」の採用は見送られ、今の名称になりました。
内閣府は、こうしたいきさつも踏まえ、今後、名称を変更するかどうか検討を進めるとみられます。
専門家「防災行動にどう役立てるべきかが重要」
坂井防災担当大臣の発言について「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の名称を決めた国の検討会で座長を務めた東京大学大学院の片田敏孝特任教授は「情報の認知度が低いことは事実だ。問題は情報が出たときに国民がどのように防災行動に生かせばいいのか十分に知られていないことだ」と指摘しています。
そのうえで、名称の変更について「国民に事前避難などの行動を促す情報と受け取られると混乱が生じるおそれがある。名称の変更よりも一人一人の防災行動にどう役立てるべきかをもっと国民に広く普及・啓発していくことが重要ではないか」と話しています。