競馬はブラッドスポーツという言葉があるが、こういうデータとはちょっと違う意味で使われているし、そっちの意味の方が正しいとは思うが
昔「優駿」に親しんだころを思い出すなー
大昔の強豪馬やその血統や、当時のライバル関係とか騎手などの話を興味深く読んだのが懐かしいw
思い出したので追記するが大昔には「父系3代」での8大競争制覇の例はいくつかあったんじゃないかと気づいた
一大父系を成した種牡馬が何頭かいたし、内国産種牡馬の系譜でもいくつか例があったように記憶があるんだが。
一つ挙げると「チャイナロック・ハイセイコー・カツラノハイセイコ」がそうだったと思うんだが。あー草加チャイナロックは日本の競走馬じゃなかったw
うーむ、そうかー
史上初の父系4代JRA・GI制覇について/島田明宏
先週のスプリンターズステークスでピクシーナイトが勝利を挙げ、曾祖父グラスワンダー、祖父スクリーンヒーロー、父モーリスにつづく「父系4代JRA・GI制覇」という偉業を達成した。「父仔4代JRA・GI制覇」としてもいいのだが、細かいことを言うと、「曾祖父スペシャルウィーク、祖母シーザリオ、父エピファネイア、仔デアリングタクト、エフフォーリア」も、父仔4代でJRA・GIを勝っていると言えなくもないので、「父系」とするほうが無難だろう。
こうした表現を私が多用するようになったのは、メジロマックイーンが、祖父メジロアサマ、父メジロティターンにつづく、史上初の「天皇賞父系3代制覇」を達成したころからだった。今は「父系」と記したが、最初は「父子」と書いており、それを馬の場合は「父仔」としたほうがいいのではないかとスポーツ誌の校正者に指摘され、以来、ずっと「父仔3代制覇」と書いてきた。
マックイーンがそれを達成したのは1991年。ということは、実に30年ぶりに、私は表記をアップデートさせたわけだ。
30年前は、「父仔」か「父系」かを気にするまでもなかった。3代もつづけてGIを勝つ父仔がそう現れるわけがない、と思い込んでいたからだ。
そうした認識をピクシーナイトというスーパーホースが改めさせてくれたわけだが、今振りかえると、前述したメジロ父仔につづいて「父仔3代GI制覇」を達成したのは、「祖父アンバーシャダイ、父メジロライアン、仔メジロドーベル」だった。メジロドーベルがGI初制覇を果たしたのは1997年のオークス。翌々年の98年天皇賞・春をメジロライアン産駒のメジロブライトが勝ち、この「父仔3代GI制覇」のリストに加わった。
では、「父系3代JRA・GI制覇」を達成したラインは、ほかにどれだけあるのか。netkeiba.comの公式ツイッターでも独自調査で交流GIも含めたリストを公開していたが、数が多くなるので、ここでは平地のJRA・GIと、海外の国際G1のみとする。なお、3代目、つまり「仔」には牝馬も加え、3代制覇を初めて達成した年をカッコで記す。
「祖父サクラユタカオー、父サクラバクシンオー、仔ショウナンカンプ(2002年)、グランプリボス、ビッグアーサー」
「祖父サクラユタカオー、父エアジハード、仔ショウワモダン(2010年)」
「祖父シンボリルドルフ、父トウカイテイオー、仔トウカイポイント(2002年)、ヤマニンシュクル」
「祖父グラスワンダー、父スクリーンヒーロー、仔モーリス(2015年)、ゴールドアクター」
「祖父ネオユニヴァース、父ヴィクトワールピサ、仔ジュエラー(2016年)」
「祖父キングカメハメハ、父ルーラーシップ、仔キセキ(2017年)、メールドグラース」
「祖父キングカメハメハ、父ロードカナロア、仔アーモンドアイ(2018年)、ステルヴィオ、サートゥルナーリア、ダノンスマッシュ」
「祖父ステイゴールド、父オルフェーヴル、仔エポカドーロ(2018年)、ラッキーライラック」
「祖父シンボリクリスエス、父エピファネイア、仔デアリングタクト(2020年)、エフフォーリア」
「祖父ディープインパクト、父リアルインパクト、仔ラウダシオン(2020年)」
「祖父ハーツクライ、父ジャスタウェイ、仔ダノンザキッド(2020年)」
「祖父ステイゴールド、父ゴールドシップ、仔ユーバーレーベン(2021年)」
2000年代に入ってから、特に、2015年以降に増えていることがわかる。
母系はどうかというと、こちらは意外と少ない。
「母系4代GI級制覇」を達成しているのは、「曾祖母ダイナカール、祖母エアグルーヴ、母アドマイヤグルーヴ、仔ドゥラメンテ」のみ。ダイナカールがオークスを勝った1983年はグレード制が導入される前年だったので「GI級」とした。
これを「親仔4代GI級制覇」とすると、前述した「曾祖父スペシャルウィーク」からつながるラインと、「曾祖母アグネスレディー、祖母アグネスフローラ、父アグネスタキオン、仔ロジック、ダイワスカーレット、キャプテントゥーレ、ディープスカイ、リトルアマポーラ、レーヴディソール」がある。
「母系3代GI級制覇」を達成したのは、上述したダイナカールとアグネスレディーの牝系だけだ。
こうしたデータからどんなことが見えてくるのか。
父系に関しては、そもそも種牡馬というのは、一部の例外を除き、GIを勝った馬がなるものだから、父系で何代もGI制覇がつづいて当然と言える。が、それが国内で4代つづいたことに価値がある。
グラスワンダー(米国産、半沢有限会社所有、美浦・尾形充弘厩舎)、スクリーンヒーロー(社台ファーム生産、吉田照哉氏所有、美浦・鹿戸雄一厩舎)、モーリス(戸川牧場生産、吉田和美氏所有、美浦・堀宣行厩舎)、そしてピクシーナイト(ノーザンファーム生産、シルクレーシング所有、栗東・音無秀孝厩舎)は、生産者も馬主も厩舎もすべて異なる。これはすなわち、日本の競馬界全体のレベルが上がったがゆえに成し得た、と見ていいだろう。
母系のほうは、これだけ牝馬が強くなった今でも、何代もつづけてGIを勝つことの難しさを示している。畑は、焦らず、じっくり時間をかけて耕すしかない、ということか。
本稿がアップされる木曜日、スポーツ誌「ナンバー」の競馬特集号が発売される。
テーマは「名牝」で、私はシラユキヒメとユーバーレーベン、レイパパレのページを担当した。手に取っていただけると嬉しい。
なお、北海道などの一部地域では発売が数日遅れるようだ。
(文=島田明宏)