【ジャパンC/危険な人気馬】人気先行の感、タイトルホルダーも敗れた
■母父ガリレオが示す日本競馬への対応力に懸念
ディープインパクトのラストクロップとして注目を集めていたオーギュストロダンが、ついに日本でその走りを披露する。3歳時には英ダービー、愛ダービーと2カ国のダービー馬に輝き、昨年はBCターフ、今年はプリンスオブウェールズSを制するなど、6つのGIタイトルを引っ提げて父の祖国にやってきた。ディープインパクト産駒は、ジャパンCで4勝を数え、種牡馬としては最多勝利数を誇るだけに、人気面でも上位に支持されるだろう。
しかし、近年のジャパンCは日本馬が優勢で、2005年アルカセットを最後に、外国馬は優勝から遠ざかっている。過去10年でも【0.0.0.25】と、馬券圏内にすら入っておらず、厳しい戦いを強いられている。オーギュストロダンを含め、近年では最高と称されるメンバーが来日しているが、地の利で上回る日本馬が優位なのは今年も変わらないだろう。「また、日本の高速馬場への対応という点でも不安は残る。高速コースで知られるサンタアニタで行われた昨年のBCターフでは、2分24秒3の時計で制しており、ある程度の持ち時計で走れることは証明済みだが、力の要る欧州競馬を主戦場としているだけに、2分20~21秒前後の決着になるようだと、果たして自身のパフォーマンスを存分に発揮できるだろうか。
加えて、“母父ガリレオ”という点も大いなる懸念材料。欧州では父として、また母父としてもビッグタイトルを総なめしている大種牡馬だが、日本では父として重賞勝ちはなく、母父として重賞は8勝しているが、GIでは昨年ホープフルSのシンエンペラーの2着が最高着順と、未だに勝利がない。父か母または両方がサドラーズウェルズ系である馬のジャパンCの成績は過去10年で【0.0.0.19】と、ドゥラメンテ産駒のタイトルホルダーでさえも5着に敗れている。例えディープ産駒といえども、サドラーズウェルズの血を持つとなると、血統面で決して強調できるものではないだろう。
今季は5戦して、プリンスオブウェールズSの1勝のみと、3歳時に比べると取りこぼすケースも目立っており、全盛期よりやや力は落ちてきている印象。ムラのある戦績を踏まえても、ディープのラストクロップとして当初から日本でも話題になっていた馬で注目されやすいため、妙味は薄く、今回は思い切って「消し」でいってみたい。0.0.0.19」 血が示す適性外の舞台で“消し”
※でしょうな
※そもそも論として欧州馬には「近代日本競馬」のコースは基本的に合わないという結論ありき
☆こちらは「買い情報」か?
【ジャパンC】ドゥレッツァ 2戦2勝府中で再輝へ復調ムード 今年は不振も敗因明確 菊V時と重なる雰囲気に尾関師も期待
目標としてきた秋の大一番に向けて、昨年の菊花賞馬ドゥレッツァに復調ムードが漂っている。2走前の天皇賞・春は熱中症の影響もあり15着に敗れ、初の海外遠征となった前走の英インターナショナルSでも5着完敗と今年は思うような結果が残せていないが、2戦2勝の府中で復活のシーンを描き、1年前の輝きを取り戻してみせる。
美浦坂路を4F63秒4で駆け上がり、その後はダートで軽いキャンターを行った19日火曜朝のドゥレッツァ。青鹿毛の馬体を見届けた尾関師は、満足げにうなずいた。「順調に良くなっている感じですね。先々週、先週、今週と(やるごとに)身のこなしが良くなってきた」。昨年の菊花賞V以降は3連敗を喫しているが、復活への道筋はしっかりと見えている様子だ。
破竹の5連勝でラスト1冠を制した1年前と雰囲気が重なる。「あの時はやる分だけどんどん上がっていく感じでした。今回も早めに牧場から戻して、やるごとに上がっている手応えはある。今週もう一段階上がれば、菊花賞の時のような状態になってくれるんじゃないかと期待しています」と言葉にも力が入る。
前走の英インターナショナルSは5着。今年の世界最強芝馬シティオブトロイに1秒7差をつけられたが、初の海外遠征で勝ち馬より3・5キロ重たい斤量(61キロ)を背負っていたことを思えば、悲観する必要はないだろう。指揮官は「斤量の影響もあったし、勝ち馬が(序盤に)出して行ったことで内に入っていけず、思うような競馬にならなかった。かみ合えばもう少しやれたと思っています」と前を向く。
意外にも2400メートルの距離は初めて。「長く切れる脚を使える馬。2勝クラスを勝った時(ホンコンJCT=1着)や菊花賞の強い走りを見て、この条件を一回走らせたいと思っていました」。秋の府中の頂上決戦で、菊花賞馬が反撃に出る。
※ただ馬自体になんとなく「素軽さ」を感じないのがちと気がかりではある