よしべや自然博物館

2022年11月の月蝕を契機に電視観望を始めました。
通信販売とSNS頼りに頑張ります。
天文初心者の悪戦苦闘の記録。

電視観望の記録088(ケフェウス座 ガーネット・スター、IC1396)

2023-06-20 05:00:00 | NGC天体他

ケフェウス座 ガーネット・スター、IC1396(Sh2-131)

画像①QBPフィルターⅢ使用、2400×1400トリミング

SynScanProアプリの「名前がつけられた恒星」でガーネット・スターをやっと見つけ待望の観望ができた。天文学者ウィリアム・ハーシェルが1783年に発見を報告した際にその赤い色をガーネットにたとえたことから「ガーネット・スター」の通称で知られているそうだ(資料10)。画面の中心に導入され満足。SharpCapProで、ディープスカイ・イメージ・アノテーションをかけると、画面右上にIC天体があった(画像②)。どうせならと両方入るようにと調整し、IC1396も含めて画像撮影。満足。めでたしめでたし・・・

で終わらないのが、よしべや天体観測員の電視観望。

いつもの事後学習でIC1396で検索をかけると、英語版Wikipediaで「Elephant's Trunk Nebula(象の鼻星雲)」がヒット。散開星団に見えていた部分をガーネットスターまで赤い星雲が続き、その形から天文ファンの間では、象の鼻星雲と呼ばれているらしい。ネットで画像を検索すると、でるはでるは・・・確かに象の鼻に見える。知っていたらIR640PROフィルターⅡで観望していた。残念。自分の画像ではノイズと思って一生懸命消すように調整していた。一転見えるように調整・・・薄い。象の鼻には見えない・・・次の機会があれば頑張る。

なお、IC1396の赤く見えるHⅡ領域(水素が放つ光の領域)はSh2-131で、北アメリカ星雲より広大で、ガーネットスターまでの範囲は象の鼻だが、近くにはSh2-129があり、そちらは「空飛ぶコウモリ星雲」とも呼ばれ、さらに、OIIIナローバンドフィルターというのを使って撮ると、コウモリの中に青い「ダイオウイカ星雲」が現れるというおまけ付き。

画像②SharpCapProによるディープスカイ・イメージ・アノテーション

画像③アスタップによるプレートソルブ、α,δ grid表示、ディープスカイ・アノテーション

画像④ガーネット・スター(VGA切り出し)

画像⑤IC1396中心部(1028×768切り出し)

参考資料

1)中西昭雄著「メシエ天体&NGC天体ビジュアルガイド」誠文堂新光社

2)浅田英夫著「エリア別ガイド 星雲星団ウォッチング」地人社館

3)早水 勉著「The Book of The Starry Sky 星空の教科書」技術評論社

4)渡邉耕平著「電視観望 実践ガイドブック Ver 1.1」株式会社サイトロンジャパン

5)Player One Neptune-C Ⅱ | 株式会社サイトロンジャパン

6)Askar 『FMA135』 口径30mmF4.5 EDアポクロマート鏡筒~シュミット

7)Quad BP フィルター III~サイトロンジャパン

8)Sky-Watcher VIRTUOSO GTiシリーズの特長

9)ケフェウス座~Wikipedia

10)ガーネット・スター~Wikipedia

11)Elephant's Trunk Nebula~英語版Wikipedia

12)IC1396広域~StellaScenesさんWebsite

13)neko-CAT

 

撮影データ

2023年6月16

メダカ部屋観測所

ケフェウス座 ガーネットスター、IC1396(象の鼻星雲)
FMA135+Neptune-CⅡ+VirtuosoGTi+QBPフィルター
SharpCapPro4.0でライブスタック、Save exactly as seenでpng保存
Raw16、Area2712x1538、Offset=120、Gain=300
Exposure=1s×361frames=361s
ホワイトバランス(AUTO)、ダーク補正(あり)
Astapで、プレートソルブ、α,δ grid表示、Deepsky annaotation処理
ステライメージLiteで、調整。
Microsoftフォトで、色・明るさ調整、トリミング等