障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

障害年金と労災との併給調整

2011-11-16 | 社労士の障害年金
こんにちは!社労士の吉野千賀です!

今日は良い天気ですね~。ちょっと遠回りして歩いてみたくなります。
日暮れが早くて、そんなことをしているとアッという間に、夜になってしまいます。
時計を見るとまだ夕方5時。まだまだこれからなのにね~。

病気やケガで長期間働けない時に支給される障害年金は、他の社会保障制度と同一事由で支給されるときは、支給調整されます。
会社員などが加入している健康保険の傷病手当金、業務上の病気やケガに補償される労災との調整、交通事故などの第三者行為による損害賠償との調整などです。

また、同一事由ではありませんが、「一人一年金」が原則になっているため、老齢年金との併給調整もあります。

昨日は、傷病手当金について書きました。今日は、労災との調整について、です。

1 労災補償の種類

ここで、労災の補償について書き出すとたいへんな分量になってしまうので、障害年金と調整されるものだけ簡単にあげてみます。

休業補償給付
4日目から労働できない日について、平均賃金の100分の60支給。特別支給金としてさらに100分の20支給。

傷病補償給付
療養の開始後1年6カ月を経過して治っていない場合に傷病等級1級~3級に該当すれば支給。
支給額は1級313日分、2級277日分、3級245日分。

障害補償給付
業務上の傷病が治癒したときに一定の障害が残った場合に障害の程度に応じて支給。
支給額は1級313日分、2級277日分、3級245日分、4級213日分、5級184日分、6級156日分、7級131日分が年金として支給される。8級~14級に該当の場合は、一時金として支給される。

注意事項:傷病等級・障害等級ともに、障害年金の等級とは異なること

理由は、労災の補償給付の等級は「労働できるか、できないか」で判断し、障害年金の等級は、「生活・就労にどれだけ支障があるか」で判断するため。


2 併給調整

上記3つの労災給付と障害年金が、同一事由で支給される場合は、労災給付が減額支給されます。障害年金はそのまま全額支給されます。

なお、労災の特別支給金(休業補償の場合は平均賃金の100分の20など)は、併給調整の対象とならず、全額給付されます。


3 併給調整の場合の労災支給率

労災支給率表に沿って、労災給付が減額支給されます。たとえば、

休業補償給付と障害基礎+障害厚生 → 73%が支給
休業補償給付と障害厚生のみ → 86%が支給
休業補償給付と障害基礎のみ → 88%が支給

他の労災給付もほぼ同じ支給率です。

だいたい、労災給付が80%くらいに減額されます。

気を付けることは、障害年金がさかのぼって支給決定された場合、です。

この場合は、労災給付もさかのぼって減額される ので、後に返還することになります。

一度、支給されたものを返還するのは心理的に抵抗があり、実際は次の支給の時にさかのぼって減額するようです。

そうすると、80%くらいの減額かなと思っていたものが大きく減額されることになり、仕組みを知らないとがっかりしてしまうものです。


労災の給付は手厚いです。それに加えて特別支給分もあります。
財源も労働保険で賄っており、年金の財源とは根本的に異なります。
業務上の病気やケガの場合は、会社も積極的にサポートして、労災の申請をしてくださいね。


今日は天気がいいので、事務所周りの北の丸公園へ昼休みに散歩してみよう。
虫に刺されやすい体質だけど、もう大丈夫かな。。。

みなさんも秋の好日を楽しんでくださいね!


See you tomorrow!

Chika Yoshino


障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀

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