子どもが
生まれてはじめて
海に出会う時を
大切にしたいと
思っていました。
長女が歩きはじめてから
家族で海に行った時
はじめ
長女は砂浜に座り込んで
砂で
遊んでいました。
私も一緒に遊びました。
私は
「海」について
何も言葉にしない。
説明しない。
見て!広い海だよ〜とか
ほら!きれいだね〜とか
波が来るよ〜とか
お魚いるかな〜とか
こわいよ〜とか
あぶないよ〜とか、
気をつけてね〜とか、
何も言葉にしないで
砂と遊ぶ。
しばらくすると
長女は
はじめて
波の音に気づき、
そして
波が行ったり来たりするのを
見る。
波を見つめる。
その時、
彼女は
どんな風にするのかな?
行った来たりする波に
はじめて出会って
興味しんしんで
ジャブジャブと海に入ろうとするのか、
それとも
こわくて
私にしがみつくのか、、
子どものペースで
海と
出会ってほしいと思っていたのです。
けれど
砂で遊んでいる長女を
夫は
さっと
抱っこして
ジャブジャブ海に入って行きました。
彼女は
突然のことに
驚いて
悲鳴を上げました。
まるで
人さらいにあったみたいに
必死に
私の方に腕を伸ばして
泣き叫んで。
私はずいぶん経ってから
夫に
「子どもがはじめて海に出会うときを大切にしたかった」と
話しました。
けれど
長男の時も
まるっきり同じでした。
夫は
砂で遊んでいる長男を
さっと抱きかかえて
ジャブジャブ海に入り
長男は
私に助けを求めて
泣き叫けぶ。
あの時の
泣き声はすごかったよ〜と
笑い話にもできるのですが、
でも
やっぱり
子どもと海との最初の出会いを
大切にできなかったことを
残念に思っています。