ネアンデルタール人の復活

ネアンデルタール人は、絶滅した人類の一種で、最近の研究によるとヨーロッパに居住したネアンデルタール人は約4万2000年前に絶滅したと言われている。そんな『ネアンデルタール人が復活』（蘇った‼︎）したような印象を受けた報告が先日なされた。
というのは独マックス・プランク進化人類学研究所の遺伝学研究分門トップのスバンテ・ペーボ氏らは「約6万年前の人間のゲノム（染色体にある遺伝子）に入ったネアンデルタール人の遺伝子を受け継いだ人は、新型コロナウイルスに感染すると深刻な合併症が起こる危険が高い」と英科学誌ネイチャー電子版に発表したからだ。それはネアンデルタール人から受け継いだ遺伝子コードを保有する人が新型コロナに感染すると、人工呼吸器が必要となる可能性が3倍高くなるという、具体的には遺伝子が発見されるのは地域によって異なり、バングラデシュ人の場合、63%に1個以上の遺伝子が発見された。南アジア人では半分が、ヨーロッパ人の中では約16%がこの遺伝子を持っていた。一方、韓国や日本を含め東アジア地域やアフリカではこの遺伝子はほとんど発見されなかったという。共同研究されたZeberg教授は「年齢や他の疾患なども重症化には影響を与えます。しかし、遺伝的要因の中では、このバリアント（遺伝子多様体）が最も強力なものです。」と付け加えた。
私たちは、これらの長い長い歴史を持つさまざまな遺伝子を引き継ぎながら生きていると考えるとなんとも感慨深いもので、「死滅したネアンデルタール」と共に生きている事実に深い感動を覚える。