メロディで恋を語れたら、、、
歌詞を理解せずとも旋律が恋の情熱を語っているなら素晴らしい。
1940年にできたらしいこのスタンダード、アレンジでロック風にもなるしっとりとしたバラードだ。
憧れた女性が知的でお高くとても自分の手に届かない人だと思う時、男はコンプレックスに苛まれる。
ものを言えば馬鹿にされそうだし、だいたい気の利いた話題が出てこない。
しかしそうした高嶺の花の付き合う相手は、さもない粗野な男のような気がするのももてない男の僻みか、この世の常か。
リズミカルなアレンジもいいが、しっとりとしたバースから始まるジャズ・ボーカルがいい。
バースは作者に許されるインプロヴィゼーションなのだろうか。
エディ・カマエが来日した公演で彼の作品「E Ku'u Morning Dew」を歌い始めた時、初めて聴くバースに感動した。
「ああ、バースがあったのか」と。
ごく自然に導入部を語り、メロディの印象をより強いものとしてくれる。
その夜のコンサートの全てを彩ってくれるようだった。
メロディを作り、歌詞を書く、ことがやり慣れていないから遠い世界のように思える。
ラブレターを書いて恋の歌を捧げるという努力をしたら案外できるようになることかもしれない。
嗚呼「Fools Rush In」
Lesley Gore - Fools Rush In (Where Angels Fear To Tread)
Fools Rush In (Alternate Take 9) - Elvis Presley
Doris Day - Fools Rush In
Stacey Kent - Fools Rush In