高校の頃、ウッドベースを弾いていた。
高一か高二の頃、エレキ・ベースを弾きながら「All My Loving」を歌うF君に感心したものだ。
大学で音楽研究会に入った私はウッドベースをエレキ・ベースに持ち替えて歌う必要が出てきた。
ここでF君が高校時代にいとも簡単にやったことが結構難しいことを改めて認識することになる。
ベースは単音をフレーズやメロディのように弾くパートであって、頭の中にコード進行はもとよりなんらかのメロディを浮かばせながら弾いていく楽器だ。
一方で歌は、そうしたパートの都合はお構いなしに進行していく。
つまり二つの異なるメロディを同時に頭の中で進行させることを要求されるわけだ。
とりわけ4beatなど休む間も無く弾き続ける場合、どちらかがおろそかになるという現象に戸惑う。
しかしこれも「慣れ」がある程度解決してくれて、8beatなど規則的なリズムパターンで弾く場合はなんとかなる。
そしてコーラスパートを担当することも楽しくなってくる、「ベースは縁の下の力持ち」とかおだてられていつしかコンマスみたいなことをやることになる。
ジャズを敬遠してきた私にとってジャズベースは深窓の令嬢みたいなもの、手が届かない永遠のテーマだ。
親しくさせていただいているジャズスポットでベテランのベーシストの演奏を感心しながら見ている。
クラシックの世界では女性ベーシストは多いし、音大出身の女性ジャズベーシストにお会いしたこともあった。
が、ジャズベースを弾きながら歌う姿はあまり見たことがないし、ましてや女性となれば信じられないくらいだ。
でも信じられない人が世の中にはいるもの。
師匠の力か、天分か、、、やればできるということかしら
Hold On Me & I Can't Help It (Michael Jackson cover) Esperanza Spalding live 2012
Wayne Shorter & Esperanza Spalding, Directed by Jonathan X
Esperanza Spalding - "Jazz Ain't Nothin But Soul"