夢の介音楽夜話

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『下町ロケット』の魅力

2015年11月11日 | 映画



ドラマ「下町ロケット」が面白い
面白さのポイントは人それぞれ、事業経営にかかわる人間模様と現実、追いかける夢に向けての展開が気になる

泉谷氏が「時代劇だ!」と評したのもうなづける
メインテーマが「勧善懲悪」だとしたら日本人ならDNAに刻まれているから

探査機「はやぶさ」の帰還によって、ロケットファン始めメイドインジャパンの信奉者は狂喜した
何年がかりで小惑星を探査してわずかな試料を持ち帰った「探査機」を擬人化してまるで日本代表が帰ってきたかのような喜びを与えてくれた

そこには下町で培われてきた小規模工場における技術力が組み込まれ、ドラマがあった
日本の製造業は、下請構造によって成長してきた

そこには親企業によるリーダーシップが優先し、大企業となればいやらしいほどのいじめが行われる場合もある
下請零細企業は景気の変動の緩衝材とされ、簡単に淘汰されたり、かろうじて生き延びたりする

バブル期の日本経済を知る人なら国の金融政策と銀行の豹変を身を以て体験してきた
散々貸し出しておいて或る日突然返せと言う「貸し剥がし」という造語ができたのもあの時代だった

弁護士の存在もかなりリアルに描かれていて知る人も知らない人も興味をそそられる
法律の専門家は法律の限界を知っていてなお、世の中が法律だけで出来上がっていないことも熟知しているから

主役の好演もさることながらキャストがユニークだ
落語家やお笑い界、ミュージシャンなど、演技キャリアに関わらずむしろ「リアリティ」や「パーソナリティ」が出る

この原作によるドラマ化は前にもあったようだ
大企業による不祥事が続いたこの時期に放映されたのは偶然なのだろうか

大企業に入ってエリートコースを歩きたいというスタンダード
小企業だからこそ好きな仕事をやってプライドを持ち続けたい

とどのつまり、誰もが自身の望むところを実現したい
それが手柄なのか、立身出世なのか、金なのか、人を貶めたい欲望なのか

事業経営は大変ながらも人の夢を育むことを振り返る
人は移ろい易い生き物だ


日曜劇場『下町ロケット』第4話ダイジェスト&第5話予告映像【TBS】

小惑星探査機「はやぶさ」帰還編


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