夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

ハワイアン・ソウル

2015年06月24日 | 音楽


70年代「ハワイアン・カルチャー・ルネサンス」はハワイの文化を見直そうという主権回復ムーブメントだった。
ジョージ・ヘルムは音楽活動を続けながら美しいハワイを守ろうとする活動の旗手だった。

ハワイ語で「ケオキ」と呼ばれた彼が若くして亡くなり追悼する数々の歌ができた。
「J & R Corporation」というデュオが歌った「ハワイアン・ソウル」はハワイを愛し愛された彼を惜しみ、偲ぶ歌。

先日学生時代からファンだったNさんたちとピーター・ムーンの話題になった。
今や往年のミュージシャンのジュニアが活躍する時代になりピーターも例外でない。

色白のジュニアは育ちの良い温厚な印象で、親父さんと同じく「ピーター・ムーン」として活躍している。
「ピーター・ムーン・バンド」時代の親父さんとジュニアと区別ができていない人がいるのではないかという話になった。

ピーター・ムーンは「サンデイ・マノア」の頃から斬新なアレンジでトラディショナル&コンテンポラリーを実践してきた。
ギャビィ・パヒヌイをバックアップし、ハワイ音楽を世界に発信しようとした。

ピーターの初来日を実現するため協力したことが懐かしい。
そしてついにバンドで来日した頃の表参道「KAY」でのライブを見た人はあの光景を一生忘れないだろう。

連れてきたミキサーに細かく指示を送りながらギターやウクレレを持ち替えてぶっ続けで演奏した。
聴衆は立ちっぱなしで彼らの歌と演奏に圧倒されていた。

来日の都度バックメンバーは変わったものの基本は変わらない。
今そういう迫力を持ったミュージシャンがいなくなったような気がする。

音楽は、センスや志向、生き方など「人となり」全てを物語る。

だから悩ましいのであって、素晴らしい。

Hawaiian Soul by The Peter Moon Band

HHN Peter Moon_1

HHN Peter Moon_2

Kaho`olawe Aloha `Aina - George Helm

あなたの想い出

2015年06月22日 | 音楽


しとしと雨の降る日曜日、久しぶりに逗子へ出かけた。
駅前の通りはいつも明るい陽ざしが記憶にあるし、通りを越えた先の魚屋さんが海のそばであることを実感させてくれる街だ。

海はやっぱり快晴が似合うが、雨であっても岩場の崖っぷちのレストランは素敵だ。
流木を使ったテーブルや、ヨットの帆布を渡した雨よけ、野外のカウンターなどなどサーファーならずとも胸を掻き立てられる。

崖っぷちを降りて行くと海を見ながら飲食できるベンチスペースがある。
そのうち常連のサーファーらしき人たちが野外のパラソルの周りを陣取る。

今日は、Sくんの追悼ライブの日。
ハワイ音楽を愛した彼はサーフィンも楽しんだようで仲間が集ってきた。

Sくんのご長男と初めて会った私は「お父さんの結婚式に私のバンドが演奏したのを知ってるかい?」と切り出した。
ご長男は大学二年生、音楽サークルでドラムスをやっているという。

Sくん縁のミュージシャンたちが思い思いの音楽を始める。
生前の彼のエピソードを語っては彼の愛したナンバーを演奏する。


さてハワイに住むMさんが昨秋、2歳の愛娘Aちゃんを伴って一時帰国した。
歓迎会でニックネーム「ボン」ことSくんと再会したMさんの追悼メールを紹介しよう。


お葬式の日はボンさんは日本に居るだろうと思い、
次の日に海にレイ を捧げに行ってきました。
岸に押し戻されることもなく、ゆっくり沖に運ばれて行くレイを見ながら、
(ボンさん受け取ってくれたな~)と思っていたら、
Aちゃんが
「ボンちゃん、わ~!ってったね。」
とつぶやきました。

覚えてますか?
Aちゃんが
「ボンちゃ、パンケピン(パンケーキ)、つくっくら~さい(作ってください)!」
と言うと、
その度にボンさんが
「うっわ~~!たまんね!作っちゃうよ、オレ作っちゃうよ~!フライパンどこ!」
と遊んでくれたの。
とっても嬉しかったです。

日本から帰って来てしばらくの間、
Aちゃんはおでこと目の辺りに手をかざして『わ~!』というのがハワイでのブームでした。

(覚えてたんだね)、とちょっと感激しましたが、
もしかしたらボンさんがハワイイに来てくれてて
あみちゃんに『うっわ~』ってしてくれたのかも、、、、


このエピソードをライブの会場で語りかけたNさん、途中で言葉に詰まってしまった。

会場の外で海を見ると夕暮れの上に月が上がり、追いかけるように星が見えてきた。
あれはボンさんがAちゃんのためにパンケーキを作っているのかしら。

いい供養となった一日、安らかに眠れ、Sくん。

NさんとUさんがたった3曲だけど「天へ届け」と一生懸命演奏してくれたよ。











Herb Ohta, Jr.: "I'll Remember You"

Herb Ohta, Jr.: "Pua Lililehua"

Herb Ohta, Jr.: "Shimanchu Nu Takara"

バンドという生き物

2015年06月18日 | 音楽


学生時代のバンド活動がそのまま職業として続くケースがある。
大成功している例もあれば解散してそれぞれの道を歩むことも多い。

学生バンドの強みは同じ時代を生きてきた世代がなんらかのジャンルに共感してという大きな共通項があること。
そして何より仲が良いことだろう。

売れてくるとギャラの配分やら音楽性の違いなど様々な問題に遭遇する。
でも最終的には「同級生のよしみ」に落ち着くことになるのだろう。

ビートルズのジョンがポールを招き入れる時、周囲から才能のある彼を入れていいものかという声があったそうだ。
「いいんだ」と言って彼はポールを入れて「レノン&マッカートニー」による数々の名作を残した。

この二人の関係は蜜月時代から大げんかして解散してしまい、ジョンが不慮の死をとげるところまで続く。
稀有の才能を持った二人による創作活動という観点から実に興味深い。

リンゴ・スターは売り出し直前に引き抜かれてメンバーになった。
ジョージは当初ギターを評価されていなくてレコーディングで別のミュージシャンに弾かせるなんて不名誉もあったようだ。

ジョージ・マーチンは彼らの音楽を売り物としての価値を最大限引き上げる能力に長けていた。
ハミングで出来上がった作品をたった一週間で世界的なヒット曲に仕上げることができたのは彼らメンバーの才能はもとよりジョージ・マーチン以下EMIのバックグラウンドの力が大きかったのだろう。


さてバンドを第三者的に見た場合「もっと良くなる要素があるのになあ」と思う時がある。
しかしそれはルックスや個人の技量だけでは解決できないことがある。

あるバンドのリーダー格の方から「ベースを弾いてくれないか」とオファーを受け、大変名誉に思ったものの丁重にお断りしたことがある。
なぜならベースだけ変わってもバンドサウンドは変わらないからだ。

ここに厄介な問題が潜んでいる。

バンド・クリニックをお引き受けするならメンバーチェンジを含めてという条件提示が必要かもしれない。
しかし、長年やってきているバンドにはメンバーを入れ代える余地などない。

バンド活動が楽しいと思えるのは素晴らしいことだ。
しかしなんらかの上位を目指そうと思った瞬間から苦悩が始まる。

悩みがあるからこそご褒美の楽しみが待っているのかもしれない。

仲良きことは素晴らしきことかな。




タイムファイブ Walk On By

フォーフレッシュメン

Four Freshmen 2006 Live + September Song

SweetSomeone Invitations

"Puka Pants" Buddy Fo and His Group

BOSE サウンドリンクmini 

2015年06月16日 | クラフト


アナログ人間の私も新しいものには関心がある。
家電量販店の若い営業マンとのやりとりで、BOSE社の「Sound Link Mini 」なる製品を試聴して驚いた。

手のひらサイズのスピーカーから出る音がまるで「ライブ」だったからだ。
国産メーカーの製品と比較すると、音の出方がまるで異なることに気がつく。

今スマホや「iPad 」や「 iPod」などに「Blue Tooth」なるものが標準装備され、音源データを無線で簡単に送ることができる。
受け側のスピーカーさえあれば大音量、高音質で聴けるわけだ。

この「Blue Tooth」オーディオ装置は、数センチの立方体から、ミニコンポサイズまで各種販売されている。
大きければ音がいいという判断は概ね間違いではないだろう。

しかしこの「 BOSE」社の「Sound Link Mini」に関してはスピーカーボックスの大きさからは想像できないような音が出る。
極端に言えば、他社のそれがスピーカーが鳴っているのに対し、これは音が外に出ている。

店員の説明によればこの製品、ストリートダンサーの依頼に基づいて開発されたという。
つまり最小のサイズ、充電式バッテリー駆動で野外で簡単に使えるもの、、なるほど。

「BOSE」社の製品は好き嫌いがはっきり分かれる。
いわゆる「ドンシャリ」系の作られた音が嫌いだという方には向かない。

そして「ローテク」なのだが新しい発想で商品開発をしている。
スピーカーそのものは一般的なものなのだが、音の到達する時間差や角度によって快適な音場空間を創造する。

デザインもアメリカ的な合理主義によるもの。
価格もそれなりに高価格を維持してきた。

2013年、2年前に発表されたらしいこの製品、2万円台で買えるようだ。

音響工学を語る資格はないが、音の出るすべてのものへの興味は尽きない。








【ビックカメラ】BOSE サウンドリンクmini 動画で紹介

Bose SoundLink Mini Unboxing & Review, Sound Comparison vs SoundLink II

Bose L1 Compact Portable PA demo - available @ Nevada Music UK

フラソングの魅力

2015年06月12日 | 音楽


フラソングの魅力は、けたたましいようなリズムの上でファルセットボイスが飛び交うようなライブで感じる。
もう大昔のアルバム「ワイメア・ミュージック・フェスティバル」というLPレコードに出てくる「ジェノア・ケアヴェ」がそれだ。

どうやって弾いているのだろうかと思うくらいウクレレがかき鳴らされている。
ウッドベースが鳴り響き、小ぶりのマーチンギターがサイドを刻む。

歌が、ウクレレが、ハワイが、心底好きでないとできない。
病院での末期の際までウクレレを離さなかったという記事が納得できる。

ところでどうやって会得したものかしらと聞かれる。
「とにかく、聴いて覚えなさい」としか言いようのない世界だ。

第二次大戦で左手指を失くしたビリー・ヒューレンのスティール・ギターとのセッション映像も素晴らしかった。
革手袋に固定されたスティールのバーで弾く演奏は、実に流麗なコードワークを実現してジェノア・ケアヴェたちのリズムと一体化していた。

「歌って、ウケる」「ウケる、から、また歌う」
やんやの拍手喝采は、ミュージシャンをさらに奮い立たせる。

「音楽はライブに限る」という主張に賛成しながら、ライブの名盤が数少ないのも実態だ。

音楽は、一夏の恋のように消えてしまうからいいのかもしれない。

NA PALAPALAI He Ui

GENOA KEAWE TRIBUTE.

Pomaika'i Keawe Lyman & Emily Abrigo with the Makaha Sons

Aloha Friday Music With Pomaikai