夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

ティキ・カーヴィング

2015年06月11日 | クラフト


木工は楽しい。
思い描いた形のものが出来上がっていく、仕上げのサンドペーパーをかけて、塗装して、と。

考えたものを実現してゆくプロセスが楽しいという点では、木工に限らず絵画にしても音楽にしても建築やソフトウェアの構築まで共通していることか。
もっともこれが職業となると苦労が伴ったり、芸術であれば苦悩を伴うのだろうが。

子供の頃郷里のデパートにやってきたアイヌの木彫りの実演を興味深く眺めた。
民族衣装を纏った色の白い毛深いアイヌの方が黙々と木彫りを続ける、
設計図やお手本を見ないで仕上がってゆく工程は見ていて飽きない。

郷里は徳川家康がいたせいかものづくりが盛んだったように思う。
家具や竹製品、近年の楽器、オートバイなどの産業が盛んだったのはそういう土壌があったからだと思う。

「TIKI」はハワイの神像、ユニークな顔、おどけた表情と神の権威を兼ね備えている。

ハワイの土産物店で売られているのは観光客向けの普及品だが、ホテルのロビーなどで実演しているネイティブの作品は素晴らしい。

この世界も「師」がいて、「弟子」がいるのだろう。

ポリネシア人の誰もが木彫を手がけるわけでもなく、個から個へ伝統が引き継がれていくことにミステリアスなものを感じる。

仏像作りに名を残した人がいたように南海の楽園にも名工が存在するのは、神の導きがあるのかもしれない。




Tiki 'mania' Carving HD

"Tikipole" by RIOTURBAN Carving

Swedish Fire Torch

How To Make A Tiki Statue

リラックスしたボーカル

2015年06月09日 | 音楽



タイトなリズムと説得力のあるボーカルがジャズの魅力なら、ゆったりしたリズムとリラックスしたボーカルがハワイの魅力かもしれない。
「ジャズアレンジで、ハワイのゆったりさ加減を聴きたい」という探求の旅は続く。

シアトル在住のジャズ・ギタリスト、ボーカリストのブライアン・ノヴァを聞いたのは新宿の「DUG」だった。
オーナーの中平さんからお誘いを受けて初めて聞いたライブは衝撃的だった。

宙を舞うような高揚感と乾いたギターの音色、とにかくリズムが軽い。
ジョージ・ベンソンも歌うかもしれないが、このギタリストが歌い始めたことに感動した。

そしてライブも盛り上がった頃、「自分はハワイ島の出身なんだ、アカカ・フォールスを歌う」と。
完全なジャズ・アレンジで聴く「Akaka Falls」は至極自然であったし、ジャズを聴きながらハワイを思ったものだ。


ハワイで生まれたスティール・ギターは、コードワークが重要なエッセンスだ。
単音でメロディを弾く奏法もあるが、スティール・ギターらしさを発揮するのはコード弾きではないだろうか。

Henry "Kaleialoha" Allen氏の映像を見れば、スティール・ギターの演奏もあればジョージ・ベンソンとのセッションもある。
バッキングの編成はジャズ・バンドであり、彼はウクレレ、ギター、スティール・ギターを弾く。

そして歌う。

ジャズをジャズとして演奏し、歌うのはどこの国でも行われているだろう。
ジャズメン達は、どんな曲でも器用にジャズに仕立て上げる能力を持ち合わせている。

もしハワイアン・フィーリングというものがあるのならこれをジャズに持ち込むのは案外難しい。
許容と忍耐(?)、少なくとも「まあ、いいか」と言う鷹揚さとハワイ音楽に対するリスペクトが欲しい。

かくして融合という結晶作用は、スタンダールを読んで以来私の永遠の課題なのである。







Kalele - Hawaiian Steel Guitar: Henry Kaleialoha Allen in Concert

Henry Kaleialoha Allen Promo Movie-H.264 800Kbps Streaming.mov

Brian Nova Trio at The Triple Door-Shadow of Your Smile

つる性植物

2015年06月07日 | 日記・エッセイ・コラム


つる性植物の栽培は面白い。
自由に伸びていくつるを誘引して花が咲き実がつくプロセスがいい。

初めて栽培したつる性植物は「へちま」だろうか。
ひょんなことからちゃんと作る責任に迫られたので専門の図書を購入した。

のべつまくなしにつるを伸ばし放題でいいと思っていたらこれが大間違いだった。
親づるから子づるが出て、実はどうやら孫づるにつくらしい。
少なくとも棚の高さに近づいたなら主芯をカットして横に子づる、孫づるを出すようにすると実がつく。

「ひょうたん」も同じことだ。
花はへちまの黄色い花が夏らしくていい、ひょうたんは白い花で美しくはないがぶら下がる実の形が楽しい。

次に植えたのがブラックベリー、今頃から夏にかけて青い実をつけ、それが赤くなり、真っ黒になる。
完熟したブラックベリーはジューシーで甘い。

可愛い花が咲き、カイガラムシがつくくらいで割と丈夫だ。
しっかりしたつるは冬には枯れてしまうので切ってしまいたくなるが、この枯れたはずのつるから翌年また葉が出てくるのも面白い。

ラズベリーも似たような性格だ。

こちらはトゲトゲしたつるから小さな青い実を沢山つける。
やがて実は赤みを帯びてきてイチゴのような真っ赤な実になる。

最初のうちは何かのトッピングに使うくらいしか収穫できなかったが、大きくなるとジャムを作るくらい穫れる。
そこでジャム作りを始めるのだが、完熟の実からでないと美味しくない。
毎朝完熟の実をつまむ作業が必要になってくる。

小さな種を平気で食べてしまう方もいるが、漉して捨てていた。
が、このエキス(?)と甘みが残っている残滓からゼリーを作ることを学んだ。

食感の異なるリンゴやメロン、柑橘類を入れたゼリーはまた楽しい。
量産はできないが、オーガニック、無添加のフルーツゼリーを楽しんでもらうのが嬉しい。

市販の食品は安全で信頼できるのだろうが、必ずや防腐剤とかなんらかの薬品が入っている。
無農薬で作った果実を無添加で加工する、これがいい。

日持ちしなくて腐るからいいのだ。
そういう食品は今や自身で作らなければいけない時代になってしまった。

オーガニックは大変だが、味がある。

音楽もジョン・スコフィールドのよう、味のあるギターを弾きたいものだ。


John Scofield Uberjam Band - Sarajevo Jazz Festival 2013

身体の動かし方と感性

2015年06月04日 | 音楽


リズムキープは音楽の基本だ。
洋の東西を問わず、一定のリズムというお約束の上で至福の時が訪れる。

ウクレレの初心の方が人差し指に親指を添えることがある。
無意識にそうするようで、ちょうどものをつかむような格好でダウン・ストロークをしようとする。
見ていると半数以上の確率で見られる現象なので、指さすとかものをつかむといった動作がそうさせるのか、
ひょっとして「ピックを持って弾くというイメージ」が強くてそうなるのか、不思議な現象だ。

それから手首の運動だけで弾こうとするケースも見受けられる。
どう弾こうと自由なのだが、次のステップに行った時、困ることが起きる。

とりわけコード・ストロークを行う際に、指の角度と手指の滑らかさが重要になる。
指を開いたままストロークをしようとしても、関節の構造上曲がらない角度ではうまく弾けない。


ドラムスの世界でもこうした身体の構造上の制約を知った上でのトレーニングが必須のようだ。

教則DVDを見ると、スティックの持ち方ひとつとっても奥深いことがわかる。

どんな楽器でもコントロールできているか否かがひとつの判断基準だろう。
弦楽器に関しては弦をコントロールすることがポイントだ。

誰が弾いても同じ音が出る(はずの)ピアノで、感動を呼ぶ演奏とそうでもない演奏があるように弦楽器の世界でも初心とベテランの違いは大きい。

理論でうまくなれるものでもないのだが、音楽への探究心は解体新書にまで及ぶものかと感嘆する。
科学的とはこういうことを言うのかもしれない。

それにしても美しくて淡々と弾く女性のアーチストはいい。




教則DVD 「ドラマーが知っておくべき身体の仕組みと動かし方」 Digest

ドラム教則DVD「ゼッタイ叩ける!ジャズ・ドラム超入門」Digest

Anthony Wilson, Larry Goldings & Jim Keltner: Live at Blue Whale - "Mezcal" (Wilson/Goldings)

好きにならずにいられない

2015年06月01日 | 音楽


茶トラの猫は概して性格がいい。
ある日我が家にやってきた大きな猫、エサが欲しいらしく首輪は付いていない。

野良猫にしてはガツガツしないでおっとりしている。
オスで目つきこそ険しいが、去勢しているせいか性格が穏やかで素直だ。

我が家の先輩猫たちと争う気配はなく、「我関せず」を貫いて我が家では彼を「銀ちゃん」と名付けた。
日中と夜半まで我が家にいるが、明け方近く寝ている私の頭を前足でガンと一撃して戸を開けさせ外へ出て行く。

首輪を買ってきてつけてあげると、なくして帰ってくるので別に飼い主がいるのかもしれない。
猫には、複数の家を渡り歩くパターンがあるらしい。

どういうわけかミニチュアシュナウザーのメス犬と仲良くしたいらしく、すり寄ってくる。
犬の方は関心がないが、彼女の散歩に銀ちゃんは嬉しそうについてくる。

犬の散歩に猫がついてくる絵は、相当珍しいらしく散歩仲間の近隣の方が近づいて来て犬と一緒にいる相方が「ネコ」と知ってびっくりする。
銀ちゃん本人は、犬の「チョコ」に擦り寄りながら外界を歩くのが楽しくて仕方ないらしい。
路上は危ないので公園に行くと銀ちゃんはまるで犬気取りで戯れる。

もっとも最初に飼った犬「チョコ」には、ネコのだれもがなついていてそれは可笑しかった。
ネコのほとんどが同性のメスなのに犬に寄り添って寝ているのだ。

彼女たちのママ猫は、いち早くこのハンサムで男気のあるでかい猫に惚れてしまった。
そういえば他界した彼女の前の老いた彼によく似ている。

美人の彼女を狙う野良猫は次から次へと後を絶たない。
そんな性的目的だけのストーカーが現れると我らが「銀ちゃん」は彼女を守るため傷を負いながら果敢に戦うのだ。

そして彼女は年下の彼を愛して少女のように従う。
庭石の上にちょこんと座った二人を見ると「愛に言葉は要らない」ことがよくわかる。

避妊手術を施した二人に愛の瞬間が訪れることはなくとも、同じ空気を吸って生きているだけで幸せなのだ。

そしてある日突然、銀ちゃんがいなくなった。

飼い主の引越しで一緒に連れて行かれたと思いたい。
近隣の方に聞いてみてもだれもが答えられず、むしろ可愛がられていた彼を心配する声が返ってきた。


しばらくしたある日、遠く離れた中野に彼にそっくりな茶トラの猫がいた。
銀ちゃんより小柄だが、外見はそっくりでやはり性格が良さそうだ。
手を差し伸べるとやってきた。

いや、ネコに学ぶ、
「好きにならずにいられない」ってことを、

銀ちゃんに逢いたい、、、








LT Smooth-Can't Help Falling in Love

Danny LT Smooth Boy

LT Smooth in Kailua Village doing a Slack Key Original 9-2014

"Waimanalo Blues" By LT Smooth With Kawika Kahiapo, Bobby Moderow, Stephen Inglis and Chris Lau