まだ2歳と半ぐらいの稚児が大切な宝物を奪われて泣き寝入りをしてしまった。
その大切な宝物は二度と稚児の元へは還らず、もう何十年も何十年も泣き寝入りから目覚める事のない閉ざされた心。
決して人には見せなかった憎しみや怒り、背負ってきた哀しみや苦しみをもうこの辺りで解き放そうとおもう。
この季節になると必ず咲くシロアヤメ、稚児の生地で時の流れをずっと見ていた。
純粋無垢なシロアヤメ シロアヤメ シロアヤメ
明治の頃には咲いていた
稚児の生家で咲いていた
時の流れの中で 今はちひろの庭で咲いている
シロアヤメ
シロアヤメは菖蒲や花菖蒲のような華やかさはありません。
小さなお花ですが、庭一杯に広がるでしょう。
明治・大正・昭和・平成・・・そして次の世も生き続ける事でしょう。
私に残された心の故郷です。