ふと気がついた時にはもう夕陽は山の端に沈み、空一面が火の海のように見えた。
急いで家に飛び込みカメラを持って玄関へ、向かったが、暑がりで露出した肩や腕に上着が要る事に気がつき又部屋に戻る。
慌てふためいて外へ出るともう雲は色あせていた。
若い時のように小走りも出来なくなっていてもどかしさを感じながら、それでも夕陽への愛着が強い私は必死で西の方角へと急ぐ。
コンビニへ出かけていた息子と途中で出会い「もうあかんわ~」と嘆きながらそれでも諦める気にもなれず、墓地の駐車場へと急ぐ。
少しだけ夕焼け雲が空を染めていた。
両親も兄弟も実家も何も残っていない私にとって、沈みゆくこの夕陽がたまらない郷愁を誘うのである・・・誰よりも強く誰よりも恋しく誰よりもせつなく。
「お母さんがカメラを持って急ぎ足で行った後を猫が2頭追いかけていたよ」と、今朝になって息子に聞いた。
猫達にとって私は離れ難い存在であって、行動を共にしようとしている姿がいじらしい。
夕焼けを追いかける私と、私を追いかける猫達、共通点は淋しがりなのだろう。
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