◆BookBookBook◆

📚読書備忘録📚
(自己評価★★★★★)+泣ける物語
たまに山ブログ
         

E

2015-06-27 | 江國香織


江國香織
『左岸�』★★★

ハードカバーを新書で読んで、今回は文庫版で。



---



結局のところ、ほんとうに必要なものなんてそんなにはないのだ。



「でもね、物事には準備する時間は与えられてないんだ」



さよなら、またね。



大切なのは、受け容れられ、望まれるということだった。家族とか、学校とか職場とか、そういう背景と一切関係ない場所で、自分が誰かに望まれるということ。心だろうと身体だろうと構わない。何をもったいぶる必要があるのだろう。



空気は全部つながっている、



好意に甘えることと利用することとはどう違うのだろう。
「あたしたち、利用しあってるんじゃない?」



「考えるより、まず、飛び込む。それが必要な場合もあるのよ」



誰一人、おなじ場所にとどまってはいられない。



「あのね、誰かが心の中で何を思っているか知りたいと思ったり、わかったと思ったりするのは想像力だわ。口にだされなかった言葉をくみとるために、必要なのはつねに想像力なのよ」



「シアワセだ」



知らなかったことを知ると、知る前よりすこし遠くに行かれる。








4 恋におちる








人の人生にはいろんなことが起こる。そして、それは外からは見えない。



幸福な驚きと幸福な安心、幸福な胸苦しさと、幸福な自信。



まるで二つの人生を持っているみたいだ。



知らなかったことがどんどん起こる。そして、誰一人ひとところにとどまっていられない。



こんなにしあわせで、どうしよう。足が竦んだ。そして考える。しあわせすぎると足が竦む。このごろいつもそうだ。



「家族は一緒に暮らすべきだよ」



人は、なんてあっけなく死んでしまうものだろう。



ほめ言葉は鵜呑にしてはいけない。



「わからないわ。どんな場所も、行ってみなくちゃ絶対にわからない」



――どんな職業でも、大切なのは実力と人格です。それがあれば、何も恐れることはない。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする