江國香織
『左岸�』★★
どんより湿度100%な土曜の朝
恋愛初期って気分が高揚していてメールがくるだけでにっこり
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抱かれること、大切にされていると感じること。
特定の人とくり返しするセックスは安らかで甘美だ。
たいしたことじゃない。そばに自分以外の誰かがるだけで、そう思えることが不思議だった。
無口というのと、言う必要のあることを言わないのとは、全然別だ。
「因果はめぐる」
「夢はいつかかなう。待つ者には」
「あたしたち、いっぱい男泣かせてきたったいねえ」
と、言う。
「そうやねぇ」
泣かされもしたけど、ということは言わずにおいた。
一日の終わりに、一杯のお酒にできること――
8 再び、恋におちる
「連れだしてくれて、ありがとう」
人生もまた、ワインとおなじくらい驚きだと思う。
時間がたちすぎた、ということは、時間がすこしもたっていないということに、何てよく似ているんだろう。
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ユーミンの復讐に苦笑し、
サカナクションの夜の東側の歌詞に聴き入り、
あてどなくランダムに曲を聴いて静かに過ごす休日