宇江佐真理
『三日月が円くなるまで 小十郎始末記』★★
こういう儚い装丁が好き。
--------(抜粋)
仙石藩士・刑部小十郎は、藩の御長屋を出て、 江戸市中の借家に居を移した。
仙石藩はかねてより隣接する島北藩と不仲だったが、 仙石藩主が島北に面子を潰される事件「桧騒動」が勃発、
小十郎の朋輩・正木庄左衛門は義憤に駆られ、 藩主の汚名をそそごうとしていた。
小十郎は、その助太刀を命じられたのだ。
大家である古道具屋・紅塵堂の娘・ゆたとの淡い恋をはじめ、
人情篤き人々に囲まれた、ほろ苦く切ない江戸の青春時代小説
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この主人公小十郎が武士らしくない、 甘ちゃんな感じに好意を持つ(笑)
熱き思いを持ちお家に命を捧げる!?なんてナンセンスと。
時代に沿わぬキャラクターだけど、 その素直さ単純さが若者らしい。
父親からの命令で助太刀を引き受け、 流れ流され翻弄させられてゆく若者を上手に描いている。
さすが宇江佐さん。
「檜山騒動」(初耳)に材を得た物語
その檜山騒動とは?
合間合間に情報を仕入れているから、 内容的にちょっと迫力に欠けるかな。
「おれは江戸が好きだと心底思う」その気持ち分かる!
同じ東北の田舎者が江戸という大都市に感化されていく様
今の東京と重ね合わせ、自分と重ね合わせる。
ハッピーエンドが想像出来てしまうのが・・宇江佐フリーク?
やっぱり笑顔で終わらせて。
人生山あり谷あり(平坦がうらやましくも)