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タニザキジュンイチロウな午後




ブラッセルの午後。


1人でお茶をしながら谷崎を読んでいると(公共の場で、あるジャンルの谷崎が読めるというのは外国暮らしのいいところ)、居合わせた男性が「シツレイデスガ、タニザキ・ジュンイチロウデスネ。ワタシモダイスキデス。」と話しかけてきた。

新潮文庫の小さい日本語活字を読み取ることができるとは。

日本文学を研究しているそうで、大の日本好きでもあるとのことだ。


「日本びいき」と聞くと、たとえ谷崎好みの風雅な男であろうが、アニメ大好きオタク男であろうが、ひく体勢に入ってしまうのだが...短い会話はそれなりに楽しかった(笑)。


普段生活していて、映画のワンシーンになりそうな、あるいは小説の挿話になりそうな出来事って、よく起る。

妄想たくましいワタクシが、もし映画をつくるとしたら、この上記の場面は、すごくロマンティックな場面になるだろう。この「タニザキのわかる西洋人男性」、そりゃあ「ええ男」になって登場するんでしょうなあ。

彼の役は...
ジョージ・クルーニーではとても文学者には見えないし(やり手の弁護士かエグゼクティブにしか見えん)、やはりちょっとぼ~っとしたところのあるキアヌ・リーブスくらいに演じてもらおうではないか、などと思う。

アホである。




写真は谷崎にちなんで日本の桜。
桜宮で撮影した。
なんと優雅な地名なのだろう。
現実にはキッチュなものが連立するこの界隈だが...

ここには親友が住んでいる。



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さくらやさくら




例年より遅く、今年の桜が満開になった。

わが家のこの老木、下の方の枝はばっさり切り落とされていて(一番低い枝で3メートル以上の位置にある)、枝を手折ることも、花びらの形を愛でることもできない。もちろん甘いさくらんぼにも、脚立を使えど手は届かず。

まさに高嶺の花。

友人たちが花見に来て、よいやよいややる、と言っていたが、この陽気では間に合いそうにないよ!


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秩序破壊




日本ネタでひっぱって申し訳ないのだが...今日も日本ネタ。

大阪のリッツ・カールトンには野外熱々ジャグージがある。

威風堂々と立ち並ぶオフィスビルの狭間(はざま)で無為にフロに漬かっていると、まるで授業や仕事をサボっているような気持の良さを味わえる(笑)。フケるのが大好きなワタクシにとってはまさに天国だ。








隅から隅まで行き届いているリッツだが、ケアするスタッフの心意気と共に、客だってそれなりの配慮をすべきだと思う。


このプールエリアでは、水に入る場合は、水泳帽の着用が義務づけられている。
あの帽子を被ると美貌の90パーセント以上が台無しにされてしまう人がほとんどであるのは事実である。しかし、清々しくも美しいプール・エリアの清潔度を守るためには、客といえど、ルールに協力しなければならないだろう。公共の場だから。当然。

ある朝、無人のジャグージに漬かりながら朝日新聞朝刊を読んでいると、30代前半だろうか、カップルがやってきた。
このカップル、新婚さんかな?そういう生々しい雰囲気。
女性の方は水着姿にかなり長い髪をたらりとたらしたまま。イヤな予感....
彼女、ジャグージに漬かった。黒い髪が湯の中にただよう。

せめて髪をアップにまとめろよ!!!

と心の中で絶叫するワタクシ。

マナーとは何も難しいことではなく、単に、他者を侵害しないことである。


あ、小姑的にさらに突っ込ませていただくと、この2人、ケータイまで持って来ていた。リラックスできないほど緊急の電話を待っているならば、リラックスしたい人が集うスパなんぞには来ないでくれたまえ。


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シュビ・ドゥビ 1985




神戸のトア・ウエストと呼ばれるあたり。


1985年前後から、「ほんまにもうかってるのん?」と思ってしまうような、伊達メインのお洒落なお店ができ始めた。
何かに役立つものを売るビジネス、ではなく、雰囲気を売るビジネス、の誕生(と勝手に)。バブル前夜、という時期がまたまぶしい...

年中クリスマスの飾り付けを売る店。
ポスト・カード他、紙製品ばかり集めた店。
その草分け的存在、そして今も残る、唯一にして偉大な雑貨屋シュビ・ドゥビ。





ハンガリーの絵本、ラチとライオン。
わたしも娘も大好きなお話。
神戸でこのキャラクターに出会えるなんて...わくわく。
シュビ・ドゥビで購入。




その頃、わたしは神戸のかっこいい大人の真似をして、遊びに力を入れていた。
洒落たカウンターでお結びを出す、和食のお店。
高架下でシバリスやジェンマなんぞのイタリア下着を扱っていたお店。
地下にあって、近隣,北野の住人がやって来るバア。

どこのマダムもそれはそれは個性的で素敵で、わたくしのアコガレであった。


先日、その辺りをさまよってみて...

あのころ、お店の主人/女主人だったお洒落な人種はいったいどこに行ってしまったんだろう?

「バブル前からお店を持ってた人たちやっぱり親の財産やなんかがある人たちやったんかな案外変わり果てた神戸に愛想をつかして外国にでも移住してしもたとかパサディナとかサントロペとか(嫌に具体的)まどこに住んでてもかっこいい人らやろうねえ」
わたしのヨタ話を、子どもにうなずくようにして聞いてくれる当時からの遊び仲間。

真相はどうなんですか、先達よ。


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日本




一昨日、2週間滞在した花冷え日本から戻った。

たまに帰るとなんていい国なんだろう、日本は。


ホテル編
日本に一時帰国する時も、ホテル滞在主義を一貫している。限られた時間の中での利便、人間関係の煩わしさ(ひどい娘ですな)などを考慮すると今後も考えを改めることはなさそう。

今までは夫の趣味で大阪帝国ホテルを使っていたが、今回はワタシの嗜好でリッツ・カールトンに。ハリボテっぽい内装ながら、それでも満点を捧げたい滞在の心地よさは、いつでも、期間の長短にかかわらず、素晴らしい。特にコンシェルジェのOさん、好き。わたしが偉くなったら(来世でか?)ぜひ彼女を秘書をしてもらいたい。
甘やかされたワタクシはしばらく社会復帰できそうにない。


飛行機編
行きは満席、帰りはガラガラ。Cクラス、わたしたちの他に2人のお客さんだけだった。9.11以降、こんなに空いているのは初めてだ。客室乗務員で担当してくれた○村さん、ほんとうにかわいらしい方でどうにかして連れて帰りたかった(また彼女がポケットにでも入りそうなタイプだったんだよ)。最近、美人が減ったとか言うが、言いがかりである。
一方、彼女にデレデレする自分はどこまでおっさんなんや、とちょっと傷つく(笑)。


食事編
北新地の寿司屋から難波の和牛焼肉屋、老舗天ぷら屋、果ては病院のような照明のモスバーガーに油臭いお好み焼き屋...高くて旨いもの、安くて旨いもの、そのバラエティの多さ、サービスの良さ、食はやはり日本!
甘いものは辛いものに比べてそれほど好きではないワタクシも、日本のケーキ屋さんにはかなり(なぜか理由のない義務感にかられて)行く。甘さ控えめだから食べられるのである、きっと。
バアは昔の行きつけがなくなったり、移転して雰囲気が変わっているところがすごく多く、もの悲しさに耐えかねたが、新しいところで馴染めるお店に出会えて仕合わせ...
今後のために「一時帰国時訪問必須レストラン」リスト作成中。


買い物編
阪急百貨店は工事中だったが、ワタクシが欲しいな、と思うものはほとんどが揃う。あとは神戸大丸。ソニー・プラザ。
見ていて一番脈拍が上がるのが和食器。作家もの、骨董。
ヒルトン・イースト/ウエスト、ハービス・エントなどは、ほとんどが欧州物産ゆえ見て歩くのだけは楽しかった。
今回、初めてりんくうたうんにも連れて行ってもらった。ここも見応えがあった。よどばしカメラはモノが多すぎて年寄りにはきつい...でも念願のたこ焼き機を購入しましたのよ。
このタコのイラストが笑えるたこ焼き機、手荷物検査にひっかかたので40センチのバーキンから取り出したらぴりぴりした検査所の空気が一瞬にしてなごんだ。その場に居合わせた皆がくすっと笑った。ボケようとしたが(どこまでも関西人である)、拘留されても困るので黙っておいた。


エステ編
エステシャンの技術は世界一。もしかしたらカリスマっぽい人は出ないかもしれないが、技術の均一性はすばらしい~。エステのみならず、東洋医学や鍼、整体、それぞれがポリシーを持っていてすごい。これだけサロンがあれば競争の原理でいいものが残る、というわけか?


素晴らしき我が国、ではあるが、非常に不気味な点をひとつふたつ。
日本ってほんとう~にサーヴィスがいい。人も親切。感じがいい。
でも制服を脱いだとたん、つまり匿名になったとたん、無礼になる人も少なくない。
例えば地下街の雑踏や、電車の乗り降り...。

貧富の差。
ワタクシはこうやってバカみたいに浮かれているが。


すべてひっくるめてワタクシの国、日本。


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