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ごあいさつ




書き留めておきたいことがたくさんあるのだが、多忙のあまり年内はあきらめることにした(笑)。


少々早いですがごあいさつ申し上げます。

明日から友人家族が来欧し、クリスマスはブルージュで、年末年始はイタリアのスキー場で迎える。おそらく今年中はもう更新はできないかな、と...


今年もたくさんの素敵なメールを頂戴し、本当にありがたいことと存じます。
2007年もみなさまにとって素晴らしい1年になりますよう、ご健康とご多幸をお祈りいたします。

どうか平安が世界中の人々の心を満たしますように。
よいholiday seasonをおすごしくださいませ。







メールのお返事も来年になるかと思います。
そんな状況ですが、
クリスマスや新年のメッセージを頂けるとうれしいです!


来年もどうぞよろしくお願いします!



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バレエと、更けゆく夜




劇場はシーズン真っ盛りである。


バレエオタクとしてはわくわくする季節のはずなのだが、ベルギーへここ数年毎年公演に来るサンクト・ペテルブルグ・バレエ団にひどい目にあっているので、今年は一枚も切符を手に入れなかった。

ブラッセル在住のバレエ・ファンの友人も、全くわたしと同意見。
「観客をバカにしてるわけ?!」


街角に張り出される優雅な宣伝ポスターを見ると「やっぱりそれでも見る?」という気持が心をよぎる。
でもつまらないものを見続けたとしても(たまには勉強になるけれど)、魂の肥やしにはならないので我慢。
気晴らしに去年も書いたことをここでもう一度叫んでおこう。

地元や超有名な劇場に出向かなければいいもの見れないのは分かっているけれど...


評論家よ、公平に批評してくれ。



年明け早々ブラッセルに来るスカラ座バレエは(一昨年の評判はぱっとしなかったが、わたしは見てないし)どうしようかと思っていると、友人がYouTubeで出演者の演技が見られるかも、と。

スカラ座バレエ団のダンサーとしては探すのを早々にあきらめた。なぜなら検索して一番にひっかかってきたのが「スカラ座で踊る」Zakharovaだったので!
容姿も技術も演技力もこれぞ時代のバレリーナ。

深夜に帰宅しながらそれでも夜更かしして見たのは、Svetlana Zakharovaの「海賊」の洞窟シーンを始め、検索して出てくるものほとんどすべて。
DVDを買おうと思っていたアメリカン・バレエ・シアターの「白鳥の湖」(G. Murphy A. Corella版)を全幕(!)。ABTはやっぱり好き...ABT節とも言うべきクセが強いし、少々成金っぽいと思う。同時に色々な意味で優れていてダンサー層も観客層も厚い。

時計を見ると丑三つ時。夜はまだ深く...

わたしが演出が大好きなドイツ国立バレエの画像は、さすがのYouTubeにもわずかしかなかったが、寝正月を堪能できそうな量のお宝があるので(今年はスキーに行くからそんなヒマはないが)、1人の夜の密かな楽しみとすることにしよう。


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夜のクリーム屋さん




娘と一緒にブラッセルで用を済ませ、外に出ると...うわ~、今いったい何時?


近頃は3時頃に日が暮れる前触れがあり、4時頃にはもう最後の光、5時になったら真っ暗である。

それでこそ映える年末のイルミネーションが美しい。


クリスマス・ショッピングの一部をしてもよかったのだが、娘もわたしも寄り道や一服が大好きなので、お茶を2件はしごした。

1件はcremerie、つまり乳製品販売業/簡易食堂(ロワイヤルによる)。簡易食堂、というのもかわいらしいけれど、それより「クリーム屋さん」という感じがぴったりのお店。昔々の日本の「ミルク・ホール」などという店カテゴリーを思い浮かべると、名前から受けるイメージはそっち寄りのような気がする。

暗闇の中クリスマスの灯りがきらめくせいで、まるで夜中におしゃべりしながらお茶を飲んでいるような錯覚。ああ、いいな~、こういう雰囲気。この独特の暖かい雰囲気を楽しむのにはバアやレストランであってはいけない。クリーム屋さんでなければ。
わたしは四季を通して「夜」が好きだ。夏は夏で22時頃まで「明るい夜」も素敵だけれど、真っ暗な夜長を楽しめる冬も捨てたものじゃない。


今後日本に住むようなことがあれば、夜遅くまで開いているクリーム屋さんをやりたい...勿論ワインも置いてある(笑)。



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破壊しに、と彼女は言う/detruire, dit-elle




ああ、がっくり...


午後、ほんの30分ほど、近所の雑貨屋まで出かけて帰ったら、飼い犬(彼女、今7ヶ月半)がイヤに神妙な態度を取るではないか。

ふと見ると床にキラキラ輝く黒いものが散乱している...

や、やられた、コンソール・テーブルの上の黒ガラスのキャンドル・スタンド。



高さが1メートルくらいあり、光を反射させる具合がとってもとっても気に入っていたのだ。

2、3日前には今年買ったばかりのダイニング・テーブルの足を4カ所もかじられ、ハゲ状態にされたところだというのに...

1週間前には娘のカーディガンと帽子をセットでぼろぼろに引きちぎられ、来客のラビット・ファーのショールをいたずらされたばかりだというのに...



娘は成長の過程で、モノを壊したり落書きをしたりといったことが皆無だったので、割れものや高価なものや大切なものを頓着なくその辺に置けるのがあたりまえだと思っていた。
たかがモノ。されどモノ。

夫に訴えても「壊れてしまったものはしょうがないでしょう?」といわれるの決まっているので(笑)、自主的に犬よけのスプレーを家具に撒いてみることにした。
が、いやもう、これがすごい匂い。犬でなくても近寄りたくない。
なんとか人間の鼻だけは欺こうとヘタに薔薇の香なんかを焚いてしまったものだから、最悪の状態で食事をとらねばならなくなった。


この忙しい時期にいったいどこまでつき合わなければならないのだろう。
せめて病気はしないでくれ(笑)。


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去年マリエンバードで




昨夜、親友と映画の話で盛り上がっていて、ふと思い出したことがある。


L'annee Derniere A Marienbad

初めてこの映画を見たのは10代の頃だ。
DVDが発達したおかげで幸運にも今はわたしの手元にあるが、それ以前は毎日文化会館などで放映されるたびにしつこく見に行ったものだ。

「去年マリエンバードで」で思い出し、自分のために書き留めておきたいことがあるのだ。








『10年ほど前。わたしは大学に通い、猫と暮らしていた。
週末ごとに遊びに行っていた大阪の某所で、ある夜友だちと飲んでいると、たいそう若く美しい(<これポイント・笑)男がこっそり馴れ馴れしく近寄ってきて、先週の土曜日を一緒に過ごした僕のことを無視するのか、と恥ずかしそうに言うではないか。

わたしには全く身に覚えがないハナシで、しかし超真面目そうなその男は「人違いをしてるって?絶対にあなただった。覚えてないなんて信じられない。」ときた。
わたしは彼が「去年マリエンバードで」を見て「実験」をしようとしているのか、あるいは誰かからわたしがこの映画が好きだということを聞いて手の込んだナンパをしようとしているのか、はたまた罰ゲームでもやらされているのか、と思ったほどだった。

あまりにもかわいらしい男だったので、そのヨタ話につき合ってみてもよかったが(笑)、偶然にも彼はわたしがお互い家を行き来するほど仲のいい友だちであったジョセリンの新しいボーイ・フレンドだということが判明した。


その後、わたしが彼女と一緒のイベント時には、彼らはもちろんカップルで来るわけで、たびたび彼がものすごく挑戦的な目つきでにらみつけてくるのには閉口した。
そういった折々の機会で学んだのは、彼が純朴で月並みな男で、それ故「去年...」のような映画を見るようなタイプにはとうてい思えなかったし、仮に見たとしてもそれをネタに女を口説こうなどという蛮勇もないだろうということだった。
いずれにしても彼は自尊心をいたく傷つけられたようではあった。
幻の女に?時間に?自分の記憶に?


わたしは自分がウソをついていない、という「記憶」しかない。
別嬪だったジョセリンは彼とはとっくに別れてしまっているし、今となっては扱いようのない、つまらない、しかし我々が投げ込まれている世界を象徴するようなー

思い出。』




*「去年マリエンバードで」と、芥川の「薮の中」とは扱っている事柄からして違う、と思うのだがどうだろう。


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