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cruising for bruising




ああ、なんといういい天気なんだ。

今朝は娘を車の中でしかりつけたりしたにもかかわらず、全てを洗い流す太陽と青空。
春を告げるクルーズ・ラインのドレス、今夜のコンサートにはこれを着よう。

赤の服は時々突然取り憑かれたように着たくなる。しかし探すとなかなか見つからない。
この赤は苺のような赤と言えばいいのか、さくらんぼのような赤と言えばいいのか、ルノワールの赤と言えばいいのか、写真よりはもっと「赤」で、ものすごく瑞々しく透明感のある明るい色だ。
着る人の潤いがどんどん失われて行くので、着るものくらいは水をいっぱい含んだような色が着たい...

いつものRoland Mouret、某店限定品でサイズ6はこの世に一枚だけ(と、店員さんが力説)。
ロラン・ムレもいいが今注目しているのはTomeとDelpozo。先日トランクショーを見せてもらい、あまりのかわいらしさに胸に痣ができるかと思った。
春夏物は見て歩いているだけでわくわくしますよね。色と軽さのせいかな、やっぱり...

いい天気と新しい服があると週末がいっそう楽しみになる。


(Crusing for Bruising...流行りましたね。バーシアです。美しい人でしたね。懐かしい)
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『都市、この小さな惑星の』








倫敦摩天楼! スカイライン! 夜景!
そうそう、わたしは高層ビル群が大好きなのだ。

ベルギーに13年間も住んでしまったせいで忘れかけていた...

普段はほとんど来ることもないシティだが、続くときは続くもの、先週に続き、今週の約束もシティだった。

ロンドンのシティには、レンゾ・ピアノ、リチャード・ロジャース、 ラファエル・ビニオリなどによる超近代的高層ビル群と、ロンドン大火の後に建築された新古典主義やパラディオ様式、歴史主義などの雅な建物が混ざり合い、えも言われぬ趣がある。
特にロイズ・オブ・ロンドンのビル、ぞくぞくする。

どうなのだろう、人には自然の中でこそ帰属感を感じるタイプが何割かいると思う。癒し癒しとみなが癒しを求める今、過半数? 
一方、わたしは自然の中で圧倒的な疎外感を感じるタイプ、そしてシティのような人工的な街に佇むとなぜか安心感に包まれるのだ。グレン・フライの曲が頭をかすめる(クサい)。

あなたはどちらでしょう?


夜景評論家としては、夜景はドバイ、昼間はシティ、と暫定しておこう。

と言いつつ、シンガポール(あの熱帯の緑との調和もたまらない)は? ニューヨーク(NYはパリのように都市居住型なのがいい!)は? 


この小さな惑星の都市はどこもみな魅力的だ。


(『都市、この小さな惑星の』は、リチャード・ロジャースのとても素敵な著書のタイトル)
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ものの値段








野生の鴨ざます。

他の地域のことは知らないが、サリー州(や、隣りのハンプシャー州、ウェスト・サセックス州にも)には、村に時々農家直営のおしゃれなファーム・ショップがあり、すごく質のいいもの(もちろん値段もそれなりに高い)を揃えている。

農場から直の牛肉や豚肉、羊肉、秋はジビエ、すぐ側で遊んでいる鶏の卵、採れたての野菜、手作りのハムやパイ、セレクトの優秀な英国産チーズ、自家製パン...イメージ、湧いてきましたか...?
店の雰囲気も小洒落ていてかわいらしかったりし、そういう店で特別な日の肉を買ったり、晩酌用のチーズを選ぶのは庶民の密かな喜びではある。


夫が今夜はどうしても鴨の丸焼きの気分だと言うので、仕事帰りに近所の肉屋に立寄るよう頼んだところ、たまたま置いていなかったそうで、車を飛ばし、20分ほど先のファーム・ショップまで行ったと。

2.5キロ、50ポンドの鴨を嬉しそうに買って来た。
50ポンド、今のレートで日本円でなななんと9000円ですよ!
(ちなみに一回り小さい鶏の丸焼き用のがスーパーで、有機で11ポンドくらい、安いのは7ポンド、安売りの時は3ポンドくらい...)

お祭りじゃあるまいに。ましてやうちは3人家族! 2日で食べ切ったが(笑)

「高いなとは思ったけど、鴨って結構するもんだと思ってた。あはは」だって!

結構する、結構するて...

主婦にはできない買い物だ。ものの適性値段を知らないのは怖い。まあ、わたしがタイヤ1本いくらか知っているかと問われたら知らないけど。
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ルーベンスの女








ロイヤル・バレエの「白鳥の湖」鑑賞前に、王立芸術院で開催中のルーベンス展を見た。

ルーベンスと言えば、生前から大芸術家として大成功し栄誉をほしいままにしたばかりでなく、裕福で、宮廷の外交官を努めるほど知的で、幸せな結婚をし、性格も穏やかで明るく、健康で、男前でとまるで言うことなし。痛快な男だ。


展覧会の主題は、ルーベンスが、弟子のヴァン・ダイクからドラクロワ、セザンヌ、そしてピカソを経て、ベーコン、フロイド(の溶けなかった系)、デ・クーニング、ポロック(の溶けた系)に至るまでグランド・マスターとして与え続けた影響力を見る、大変充実した展覧会だった。

「フランダースの犬」の画家志望のネロが、死ぬまでに一度ルーベンスの「キリストの昇架」ならびに「降架」を見たいと願ったのも写実であったのだ。
(ルーベンスの)感情面は平凡なので捨てたが、構図は積極的に取り入れたアーティスト、色を、ペーソスを、動きを、主題を真似たアーティスト...

展示物もものすごく多く、ひととおり見るだけで4時間以上かかった。


その後「白鳥の湖」を見ていると、舞台の上の白鳥の肌の色が、ライトのせいもあるだろうがはっきり「ルーベンス肌」でぞくぞくした。
すなわちピンクと白に青と緑...
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swan lake!








ロイヤル・バレエ、ナタリア・オシポヴァ(Natalia Osipova)の
オデット/オディール(オシポヴァは今夜初演の予定だったのだが、
すでに代役で立ったので今シーズンは2度目)を見て今帰宅、

興奮して全く眠れそうにないのでワインを開け、深夜一人余韻を楽しむ。

DVDを見るか、YouTubeを見るか、ここに溢れる思いを書きなぐるか...
書きなぐることにしよう。


誰か聞いて! 言葉にならないほど素晴らしかった! 
あ、言葉にならないんじゃ、聞いてもらえませんよね...

すごかった! 何がすごいって、すべてが!

オシポヴァが踊ると、観客はもう誰一人、息もしていないのか? という雰囲気に。
一般的な振り付けよりもさらにウルトラC級の振り付けをこなしながら
息をしているのは彼女ただ一人だった(事実、舞台が近かったので聞こえた)。

娘のピアノの先生は、You could have heard a pin drop
「ピンが落ちたのが聞こえるほど人が神経を張りつめ、感激しながら何かに注目していること」
なパフォーマンスをせよとおっしゃるが、まさにまさにそういう状況だった。

いや、それ以上。
たぶん、エイリアンが攻めて来ても誰も気がつかなかったろう。

特に3幕の王子の結婚相手を決めるシーンのオディールには、
会場全体が王子と同じように逃れられない魔法にかかって行き
心臓がむしり取られるかと思うほどだった。

ロイヤル・バレエの観客は盛り上がり上手だが、こんなに盛り上がるのも久しぶりだ。
これぞエンターテイメント!


幸せすぎて幸せすぎて...いい人になれそう。


(roh.org.ukより、2012年のもの)
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