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中世トーナメント










衝動的に見学に行ったので、詳しいことはわたしはもちろん夫も知らないのだが、ベルギーに中世のコスプレをして余暇を楽しむクラブ(グループ)があるそうだ。


今回のイベントには、フランス、オランダ、英国のクラブも参加していたから(さしずめクラブは部族だ)、コスプレネットワークは意外に欧州社会アングラで根付いているのかもしれない。
そういえばパリのジャパンフェアなどでも日本のアニメのコスプレをする男女がいると見聞きしますよね...



これらのクラブ、メンバーは中世のキャラクターになりきり、本格的なコスプレをする。
グループの中に、さらに小さいグループ、すなわち最小単位の「家族」がある。例えば赤ちゃんもしっかりコスプレして、小間使い姿の母親にお乳をもらたりしてるんですよ!

さらに小間使い姿の女性の夫君らしき男性は、彼女のパートナーとしてちゃんと身分秩序の中におさまる格好(つまり下男あたりの格好)をしていた。

妻は農婦に扮したいが、夫はどうしても伯爵をやりたがってゆずらない、などのもめ事はないのでしょうか。
アニメのコスプレショーだと、妻はセーラームーンで、夫はダースベイダーとか、頻繁にありそうなのですけれど。


そして騎士は武術の試合をやり、騎士にはペイジ(小姓)がつき、身分のある女はエナンをかぶり、鍛冶屋は鉄器を作り、石工は石を彫り、仕立て屋は服を仕立て、下女はパンを焼き...
って、ほんとうにやってるところがすごいのだ。

で、わたしたちのような見学客の視線を楽しむ、と。これが趣旨。








人間って、こういうグループを作るのが、好きなんですな。

日本のアニメのコスプレも、珍走団も、タケノコ族も(ふるっ)、公序良俗に反するとか、反社会的だとか、そうでないものとか、カウンターカルチャー系とか、まあそいう違いはあるが、同じメンタリティーなのだろうな、と思う。
同じような服装をして、同じような生活をし、同じ規範を守る人々が同部族を形成する...楽しいのだろう。



日本には、良き社会人が休日に中世のコスプレをしてグループを形成し、日本全国縦横に連絡を取り合いイベントを開催しては出没して楽しむ、というようなクラブはあるのだろうか。



...



今週末、待ちに待った冬時間が始まる。それとともに学校は秋休みだ。
わたしはしばらくロンドンへ(最近、ロンドンとパリしか行っていない)。ロンドンのKさん、連絡下さい。



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たこやき 関西の味




たこやきまんぼでなんぼ?


娘が幼児の頃、「おかあさんといっしょ」の、華麗にハイテンションなこの歌を何度歌わされたことだろう。
わたしゃ関西弁ネイティブなので、発音がええわけですよ。完璧なイントネーションに自分でもほれぼれしましたね。



たこ焼き器。

ベルギー人家庭にフリットポットがあるように、ユダヤ人家庭にメノラーがあるように
関西人家庭にはたこ焼き器がある。
そして関西人はたこ焼きが焼ける。

わが実家には鉄板がある。
ダイニングテーブルに鉄板がついているヤツ。
一般的なダイニングテーブルの鉄板(30センチ×50センチくらい?)ではなく、特注の幅1メートル以上もある本格的なものだ。
お客を迎えることが多いため、特に父の飲み友だちが集まったときに、ウイスキーを飲みながら、あわびや和牛や野菜を焼く...という使用方法だ。

子どもの頃、土曜日のお昼に学校が終わって(昔は土曜日も学校があったの!)帰宅すると、母がお好み焼きや、たこ焼きやパンケーキの用意をしていたものだ。それでたこ焼きの焼き方も自然に覚えたと...関西文化資本。
あ、うちはお好み焼き屋じゃなくて一般家庭ですよ(笑)。



ついこの間まで、娘はたこ焼きが好きではなかったので、この器具も宝の持ち腐れ状態だったのだが、おかげさまで娘も無事に関西人テイストを好むよう成長し、たこ焼き祭りを楽しむことができるこのごろである。



クリスマスマーケットが出たら、焼きソーセージ屋の隣で焼きたいなあ。「たこやき もえちゃん」。
「お客さんいっぱいや!」
「いや~マンボおどってはるわ~」
って。

焦げたらあかんで、がんばりや~


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死海文書を見た、頃




「約2000年以上前に羊皮紙などに書かれ、1947年以降に死海のほとりで発見された「死海文書」の全編が、デジタル撮影されてインターネット上で公開されることになった。イスラエル考古学庁(IAA)と米検索大手グーグルが19日、共同プロジェクトの計画を発表した。」(ヤフーニュース「死海文書」をデジタル化、ネット上で全編公開へ)

このニュースを読んで、グーグルの独擅場っぷりが空恐ろしくなったのだが。
それは置いて。

いろいろ思い出す。


学部生時代、わたしは中東に住んでいた。

歴史学者になる夢を見て彼の地へ留学したのだった。


何だったのだろう、年齢的なものもあったのだろうか、結局、勉学よりも自分探し(笑)に明け暮れ、ほとんど何も身に付かなかった。

周りの生徒は英国人、アメリカ人、フランス人、ドイツ人、ポルトガル人、ブラジル人などいろいろで、しかし彼らには「ユダヤ人」という共通のアイデンティティがあり、いったい何の関係もない日本人がここで何をしているのか、という感じだったから(みんなには本当によくしてもらったけど)、それでわたしは自分探しに目覚めたのかな...

今考えてみたら、「縁もゆかりもない」日本人としては、例えば「ユダヤ人」という思考の色メガネをかけていない、ユダヤ文化圏の外の人間としてモノの見方を提示する、などできたであろう。まあ何年も経ってから言うは易しですな。

で、「見つからない自分」の代償行為に恋愛にはまったりした。恋愛というのはアイデンティティを補強するための劇薬であるわけで。効き目も強いが副作用も強けりゃ、覚醒時も辛い、と。

そして戦争が始まるとともに撤退を余儀なくされた。

帰国してしばらくして、わたしは別のことを学ぶようになった。



今ではTVで会話を聞いてもほとんど理解できないが、当時はヘブライ語もできたのである。
ヘブライ語は神学や神秘主義との関係もあって非常に興味深い言語なのだ。

死海文書はエルサレムの死海文書館で見た。
あれの解読に参加できるような学者になっていたら(そんな才能はないから心配はないか)...まずベルギーには住んでいなかっただろう。

でも、探す自分などどこにもない、ということが分かったのは、ベルギーでの生活のおかげだから(単にベルギーに住んでいる間に年をとっただけなのかもしれない)まあ、人生、どうなるか分かりません。



もえ、はこのように書きます。右から読んでね。


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ムール貝、ベルギー料理




ベルギー料理で一番有名なのはムール貝の蒸したもの、だろうか。

時々「ムール貝のおいしいレストランを教えて下さい」と聞かれることがあるが、わたしにとってはムール貝は家で食べるものなので、全く知識がない(申し訳ありません、U様!)
いいレストラン、ご存知の方がいらっしゃったら、ぜひ教えて下さい。


家で食べるもの、だから当然うちにもムール貝専用鍋がある。
1人前1キロ用が6個。

ムール貝がオッケーな方がうちのお客人になった場合は「名物ムール貝」をお出しすることがある。準備も簡単だし。
そうしたら、まずこの鍋の存在を喜んでくれる。

鍋、安価なもので10ユーロくらい。お土産にいかが? Marcel Broodthaers の作品にもあるようにビジュアル的にもなかなかいいと思うのだが。



ムール貝にもいろいろあり、スーパーや魚屋で、キロ3ユーロほどのものから10ユーロくらいするものまで。
わたしも夫も身が大きいものよりも小さいものの方が好きなのでその観点で選ぶ。

基本の白ワイン蒸しは、香味野菜を炒め、よく洗ったムール貝をぶち込み、白ワインを好きなだけ加えて沸騰するまで待つ。
沸騰したら鍋の取っ手(4つありますよね!)をつかんで上下にふり、もう一煮立ち。火を止めて少し蒸らす。

ムール貝用のソース(容器に詰めて売られている。さもなければマヨネーズにマスタードとパセリ等を適当に混ぜる)を添え、必ず、必ず、必~ずフライドポテトとともに。
鍋の蓋は殻入れに使うべし。



「ムール貝を食べるのにはカトラリーは不要、ムールの貝殻をトングのように使って食べる」と言われることもあるようだが、地元民は貝殻トングを野暮とし、そんな食べ方はまずいたしませんね。フォークで食べます。
これ、なぜそのように言われるようになったのだろう...例の有名な、ほら、殺し屋みたいな名前のムール貝チェーン店が広めたのだろうか(言いがかり?失礼)。



香味野菜を炒める段階でカレー粉を加えてカレー風味、仕上がりにクリームを混ぜてクリーム仕立て、トマト缶を加えて、ビールで...などと好きなように調理すればいい。
うちの家庭の味は14ハーブだ。
香味野菜を炒める段階で、家庭にあるありとあらゆるハーブ、つまりバジルやタイム、ローズマリーやエストラゴンなどなどをバランスよく14種類以上炒めて香りを出し、白ワインなどの水分は一切加えず、そのまま蒸す(もともとスピノラというレストランのレシピ)。

子どもの頃からムール貝が大好物の夫の一番好きな味だ。義理の母も、レシピを教えろ(レシピなんかない)と言うほどの美味さ、とここには書いておこう。


ムール貝、おみおつけの具にしてもおいしいのです。ということは味噌仕立てもいけるのだろう。
試したことはないが、ガーリックバター醤油なんかも...ここではなかなか手に入らないあさりのつもりで料理すればいいのかも。



初めから終わりまで同じ味でお腹がいっぱいになる、という食事の仕方があまり好きではないので、わたし自身は好んでムール貝を料理するわけではない...でも友だちとわいわい言いながら食べるとあっというまに鍋の底が見え、っていうのはええもんなんですな。

日本の鍋のようなものか。



今夜は夫がラスベガスから帰宅する。好物を用意してやろうかな。


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パリから寄り道 スーパーauchan




パリから寄り道番外編。


ブルージュからベルギーの首都ブラッセルへは車で70分だが、北フランス最大の街リールへは45分ほどで行ける。

でもまあ、訪れる理由もなく、今まで12年間に3回しか行ったことがない。「小パリ」のようで魅力的な街なんですけど。



パリとブルージュを結ぶ高速道路からリール辺りでフランスのスーパーマーケットAuchanの威風堂々たる姿を見ては、ああ、これがうわさの”おしょん”か!と感嘆してはいたのである。

聞くところによると、その売り場面積の広さ、品揃え、そして価格の安さ、ブラッセルやゲントからわざわざ買い物に出かける人がいるほどの吸引力があると言うのだ。



先週末パリからの帰途、リールであまりに渋滞がひどかったため、時間稼ぎと避難目的でこのスーパーマーケットに行ってみた。

小腹がすいていて、帰宅したらワインと一緒につまめるものを買おう、牛肉のにこごりとか、フォアグラとか、カルバドスで洗ったカマンベールとか、スモークサーモンとか、バゲットとか、塩分摂取過剰が心配なものばかりだが気にしないーというノリで。


ここがすごかった...商品の多さ、売り場の広さ、人の多さ。
ベルギーにも多いスーパーチェーン、カルフールも売り場面積が広いのが売りだが、さらに広く、さらにものの数が違う。これがフランス人の胃袋か!



日常の買い物をしに普段のスーパー(わたしはデレーズ派だ)に出かけるのは苦痛だ。
なぜなら毎回買うものが決まっているから。
売り場配置的にりんごに始まって、冷凍のホタテで終わる、という感じ。

でも、未知の、しかも外国のスーパーというのは何と楽しいのだろう。

ワインが安っ(ベルギーでも安いが、ここは3ユーロから5ユーロほどの価格帯のものの品揃えが一番多かった)、見たこともないお菓子のパッケージ、パン・ド・カンパーニュの種類がどんだけあるねん!


楽しかったです。


日本から友人が来た時にリール観光に組み込んでお連れしよう。


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