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ブルージュのレストラン一件だけ




ブルージュの、今一番おすすめレストランを一件だけ紹介してほしいというメールをいただいたのでこちらにも書く。


「ブルージュでブルージュらしい一件に行くとして」というリクエストだったので、ではSan Cravateを。


4月にリニューアルして再オープンしたばかり。2週間目の帰省時、改装後初めて行き、サービス、店の雰囲気、そしてもちろん料理の質、値ごろ感など、全部含めてほんとうによい夜だったと思えた。

アミューズの一つ、牡蠣のジンのせも、前菜の一つ、手長エビの瞬間スモークも、メインのアンジューの鳩もどれもこれもほんとうにすばらしかった。


ロンドンで高いお金を出して「おいしい」食事に行くのもそれはそれで大都会風が楽しいが、ちょっとそういうのが馬鹿らしくなったほど。


おすすめです。
Tさま、ぜひぜひ。

http://www.sanscravate.be




そうそう、こちらB&Bも併説するようになり、昔、旅籠からスピンオフして発達した飲食店という形態が、以前のスタイルに回帰するというのがおもしろい。ブルージュでも他にレフターなどこういう店があるし、世界的な流行りなのだろうか。
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rothko room








ロンドンで、わたしが一番好きな部屋

テイト・モダン内のロスコー・ルーム



...の、この絵は入り口にかかっているロスコー
同じトーンのモネのジベルニーの睡蓮の向かいに掛かっている



ロスコー・ルーム内は彼の指定通り暗くて写真が撮れないので
(せいぜいこの下の写真、良さが全然伝わりませんね...)





この部屋の中では自分がなくなる

ではこの壁画を見ているのはいったい誰?
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st paul's cathedral








新しくなったテイト・モダンへの道すがら
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brexit...




英国のEU離脱に決まりましたね。

グローバリズムの産み出した格差の結果。
かといって、離脱が格差を縮めるかというとそうではないような気がする。


実は昨夜帰宅後、珍しく体調不良ですぐ床につき、結果を知ったのは今朝だった。

昨日わたしは1日中ロンドンいた。
ロンドンよりも南部の地方は天気が荒れに荒れ、線路や道路は冠水し、信号機が壊れ、電車は止まり、電車や車での移動に普通30分の距離が1時間半、15分の距離が1時間かかったりした。早朝はもっと時間がかかったらしい。

あの影響で投票に行くどころじゃなくなった勤め人は多かったのではないかと思う...でもその数くらいでは逆転にはならなかったかもですね。


非常に面白いと思ったのは、投票所として適当な場所がないような小さいコミュニティでは、パブ(コミュニティの最小の構成物がパブと郵便局と教会。集会と通信...人間はコミュニケーションなしでは生きられないのである)が投票場に利用されたことだ。「飲みながら投票できます!」という看板をあげている投票場も見かけた。



今後の世界は「自分」のことばかり考えるのではなく、国民国家の枠をとっぱらっても緩やかに連帯していくべきだと、わたしはこの結果が出る前も出た後も考えている。

しかし、損ばかりしていると感じている人がこれほどにも多く、得をしているらしい人にはどんな手段であれ爆弾を仕掛けて溜飲を下げたいという気持ち、これをきっかけに閉塞感が打破でき、あるいはゲームがリセットできるのではないかという期待...昨今は多くの国(日本もアメリカも)にそういう雰囲気が漂っている。


これからまた世界はナショナリズムへ回帰するのかと思うと気が重い。
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明日はどうなる? 英国とEU




いよいよ英国のEU離脱・残留をめぐる国民投票が明日に迫ってきた。

以下、どこかで聞いたような話しか書けないが、「こういう結果になると思ってた!」などと後出しでは言いたくないので、よろしければ読んでください...


英国在住の外国人であるわたし(半径5メートルくらいの視野しか持っていないのを断っておく)は残留を支持している。もちろん選挙権はない。


で、明日の結果予想。

たぶん明日は超接戦で「残留」という結果が出るのではないかなーと思っている。
希望的観測すぎるかもしれないが。
結局、やっぱり、という感じで。


在英で、EUとアメリカを相手に仕事をしている夫は、その成り行きをビジネス・タームで気にしている。
夫の話では、彼の周囲のビジネスマンはもれなく全員が「残留」支持派であるが、おそらく彼らは投票に行かないだろう、「離脱」に決まるとしたら「残留」派の投票率の低さのためそうなるだろうと。


現地のメディアはご存知のように侃々諤々(けんけんがくがく)。
日々、家のポストには離脱・残留両派からチラシが入っているし、近辺の村や町をドライブしていると、自分の旗色を掲げた家々:「離脱に投票して!」「残留を支持して!」を見かけたりもする。
(右上の写真は今朝ポスティングされていた離脱支持を乞うチラシ)

そのわりに個人個人の意見は分かりにくい。パーティーで宗教と政治の話は禁物と言われるが、実際、英国人はパーティーなどでも意外なほど政治の話はしない。Aさんは離脱派、Bさんは残留派...などというのはかなり親しくないと分からないのではないか。

一方、先日ベルギー人のパーティーに出席したときは、この話で異常に盛り上がった。対岸の火事的に見ているのだろうか。ベルギーは英国セントラルな経済圏のはずなんだが...


サリー州という英国内では比較的裕福な地域(英国のEU参加で利益を得てきた層)に住んでいること、そして外国人であるわたし自身の損得勘定、自分の行動圏が主にロンドンであること、そして英国人の落とし所のつけ方(<やっぱり保守的)...そういった狭い生活圏で知りうる限りでは微妙に「残留」優位と感じるのである。

これがまた別の地域に住んでいたりすると感じ方も全然変わるのかもしれない。それはわたしには今の時点ではちょっと実感できない。


離脱派の気持ちも分かる。特に「グローバリズム反対」を持ち出されると、反グローバリズムのわたしは言葉に詰まる。しかし、グローバリズムの阻止は物理的な鎖国くらいではどうにもならないだろう。それにEUを離脱したところで英国はアメリカ化が進むだけではないだろうか。



なぜこのような事態を招いたのか。
もともと英国はひとつの欧州という構想を内側から崩すつもりだったとか、ドイツを崩壊させて儲けるためだとか、島国根性の発露だとか、EUが絵に描いた餅だとか、英国経験主義だとか、いろいろあって、もちろん理由はひとつではない。

まず、わたしは国民に二者択一を迫るような政治をしたキャメロン首相をこそ責めたい。
岐路で、イエスかノーかの究極の選択をしなければならないような崖っぷち状況を避けるのこそが、政治手腕だと思うのだがどうだろう。



能天気を正直に言う。わたしは、16日にリーズで残留支持派の議員が殺害されるまでは「英ポンドが下がったらいやだなあ」「ビザが更新しにくくなったらどうしよう」「だから残留したらいいなあ」くらいのタームでしかこの国民投票を考えていなかった。

が、あの事件以降、同じ国に住む、(いわゆる)人種も、宗教も、言語も同じ、それこそ隣に住んでいるような人が、「意見が気に食わない」という理由で人を殺す可能性があるのだと知り、その時点から英国は残留すべきと考えるようになった。

キリスト教世界には「隣人を愛せよ」という理念があるが、これは隣の家のうっとうしいおばちゃんを我慢せよ、という意味では当然ない。
人種が違い、宗教が違い、言語が違い、政治的思想が違い、財産の多寡や社会的地位の違う人さえも、ひとつの共同体のメンバーとして排除するなということである...というのをわたしは中東に住んでいるとき身にしみて教わった。

そして人間全体が今後、近代以前の価値観に退行することなく、精神的な成熟を目指すならば、2000年前にラディカルな青年宗教家から発されたらしいこの言葉を重んじて、ひとつひとつ対策する方法しかないと思うのである。

時間がかかる? 経費がかかる? じゃ、国境線を引き直し、気に入らない人物や事がらは粛清するのか?


残留派は既得権益を手放したくないと思っているし、離脱派は自分たちばかりが損をしていると思っている。
わたしは国内とEU内での話し合い、すり合わせによってしかこれを解決できないと思う。



ネットで見る限り日本でも大きく取り上げられており、日本の友人たちも「どうなるんやろね?」と心配している。
この結果が世界を巻き込んでいくのは明白であり、また、何かさらに大きな事件のきっかけになるのではないかと暗い気持ちになったりもする。

ま、離脱に決まったとしてもリスボン協定という砦がある。
つまり英国で離脱派が過半数取ろうと、すぐに何がどうなるわけでもないはず...

ないはず...

ポンドはどうしたって暴落するだろうが。
昨日の20ポンド分の買い物が、明日は25ポンドの支払いになるのがどうしても悔しいの...わたし、やっぱり半径5メートルの感覚が拭えない小人物なのである。
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