これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

核兵器の開発と現状 (その1)

2024-06-01 12:20:07 | 原爆
【はじめに】
 今回と次回は、核兵器の恐ろしい現状について書きます。「憲法9条の遵守と核兵器反対」を呪文の様に毎日唱えておけば、「平和に暮らせる」と考えている方が日本には沢山おられます。 然し、爆心から半径『100km』の生物を皆殺しに出来る核爆弾が製造出来、高さ『500m』の津波を発生させる事が出来る核魚雷の製造技術も確立されていますよ!

 本稿を書いていて、「人間は何と愚かなのか!」とツクヅク思いました。 人類は『霊長類』に分類されていますが、おこがましいです! 『阿呆類』か『浅短(せんたん)類』がお似合いの様に思えます。

・・・ 私の核兵器に関連する投稿 ・・・
① 核兵器保有国 (その2) :投稿日;2024年5月18日
② 核兵器保有国 (その1) :投稿日;2024年5月11日
③ 広島の原爆と父      :投稿日;2018年7月21日

【広島と長崎に使用された原爆】
 北マリアナ諸島に有るテニアン島を飛び立った『B-29爆撃機』が、およそ2,500kmも離れた広島と長崎に原爆を投下しました。

 広島と長崎で民間人が沢山亡くなられましたが、現在は凄まじい威力の核爆弾が多量に蓄積されており、アメリカ、ロシア及び中国が核戦争したらトンデモナイ事になってしまいます。

 ソビエト連邦が1961年に実験した『ツァーリ・ボンバ』は、爆発威力を設計値の『1/2』に減らして爆発させましたが、爆心から『半径100km』の人間が『三度の火傷』を負うと言う実験結果になりました。『三度の火傷』になると、速やかに救急救命室に運んで手術しないと助かりません。 広島の惨状から現在の核戦争を想像するのは誤りです!原爆の威力が桁違いに大きいのです!

★ 爆撃機 :B-29 ・・・ガソリンエンジン駆動のプロペラ機で航続距離≒6,300km程しか有りませんでした。爆弾搭載量≒4,500kgで、原爆をヤット1発積める能力しか無かったのです。
★ リトルボーイ :ウラン爆弾  ・・・広島、威力≒15kt
★ ファットマン :プルトニュウム爆弾 ・・・長崎、威力≒20kt

★ リトルボーイ :ウラン≒60kg、全体質量≒4,400kg
★ ファットマン :プルトニュウム合金≒6.2kg、全体質量≒4,672kg

(御参考 :広島と長崎で亡くなった方 )
 1945年末までに原爆で亡くなった人の数は、以下の通りです。

★ 広島≒14万人 ・・・広島の原爆死没者名簿には『333,907人』の名前が記載されています。
★ 長崎≒7.4万人 ・・・長崎の原爆死没者名簿には『195,607人』の名前が記載されています。

(余談 :父の被爆) 私の父は、広島で被爆しました。 その悲惨な状況は次のブログに書きました。
     投稿日=2018年7月21日 『広島の原爆と父』

(余談 :私とB-29)  1953年に私の故郷・和歌山県龍神村は豪雨で→→殆どの橋が流され→→道は崩壊して→→『陸の孤島』になってしまいました。 アメリカ軍が『B-29』で、何回も飛来して、落下傘を付けた重い救援物資を沢山!沢山!落としてくれました。 B-29が低空飛行したので、その雄姿をハッキリ見る事が出来ました。

【現在の核兵器の恐怖】
 アメリカ、ロシア及び中国が保有する核兵器の威力と数は、これらの国が全面的な核戦争をしたら→→殆どの国民が亡くなって→→国土は放射性物質で汚染されてしまうと予想します。

 プーチン大統領は、「核兵器は恫喝の道具としては使用出来る」と考えています。 私は国連総会で、「核兵器で恫喝した人間は犯罪者で、国際司法裁判所(ICJ)に訴追出来る」と言う決議をすべきだと考えています。

(核兵器の使用する意味❶ :戦意の喪失)
 核爆弾は、兵隊と一緒に(戦場の近くにいる)民間人も殺す兵器です。アメリカが広島と長崎で核爆弾を使用したのは、「民間人を沢山殺したら日本はギブアップするかも?」と考えての事でした。日本軍は広島と長崎の惨状を見ても、ギブアップする考えは無かった様です。 昭和天皇が英断されて停戦しました。

 戦争で民間人を殺害する事は『ジュネーブ条約と第1及び第2追加議定書』で禁止されています。  『ジュネーブ条約』が出来たのは戦後の1949年です。日本は1953年にサインしましたが、アメリカは『第1及び第2追加議定書』にはサインしていません。 ロシア、中国、北朝鮮はサインしています。

 ロシアがウクライナで小威力の核爆弾を使用したら、ウクライナ人は降伏するでしょうか? 欧米諸国の支援が続く限り、ウクライナ人は一層必死になって戦うと私は予想します。欧米諸国は、今まで以上に武器/弾薬を送るでしょう! フランス等がウクライナに軍隊を派遣する可能性が有ります。

 核兵器を保有する国が、持たない国に核爆弾を投下したら→→日本の様に戦意を喪失して降伏すると単純に考えるのは誤りだと私は思います。

(核兵器の使用する意味❷ :戦争の抑止)
 第二次世界大戦後、アメリカとソビエト連邦は必死になって「核爆弾の開発」と「運搬手段の開発」に取り組みました。そして、沢山の核兵器を保有する様になりました。現時点で、アメリカとロシアが核戦争をしたら→→両国は壊滅的な損害を被り→→大都市の住民の大半は生き残れないと思います。

 核大国のアメリカ、ロシア、中国は直接戦争が出来なくなっていいます。大国間の直接戦争を防止する手段としては、核兵器は有意義です。

(余談 :キューバ危機) 1962年にソビエト連邦がキューバに核ミサイルを搬入しようとしました。ケネディ大統領は断固とした態度で、この問題に対処しました。 当時、米ソの核戦力の差は、圧倒的にアメリカの方が優位でした。フルシチョフ書記が折れて→→核ミサイルの搬入を諦めたので→→事なきを得ました。 その後、ソビエト連邦は一層核兵器の開発と蓄積に励む様になったのだと思います。

(核兵器の使用する意味❸ :局所的核攻撃)
 軽量小型で威力を調節出来る核爆弾が開発されました。 この核爆弾は、限定された目標を叩く事を想定して開発されたと言われていますが、ウクライナの様に核を持たず、核の傘を差し掛けてもらっていない国に使用したら→→全面的な核戦争にはならないでしょう! 然し、核を持っていないNATO加盟国に、威力の小さい核を使用しても→→段々エスカレートして→→全面的核戦争に突入する可能性が高いと予想します。

 経済的に豊かな核兵器を保有しない国は、核兵器を持つ国と同盟して→→核の傘を差し掛けて貰う必要性が高まって来ている様に思えます。

(核兵器の使用する意味❹ :恫喝)
 プーチン大統領は、核兵器を持っていないウクライナに「核攻撃するぞ!」と頻りに恫喝しています。 「ロシアは国連の常任理事国ですから、世界の平和に貢献する義務が有る」と私は思っていますが、ウクライナに侵攻して、更に核兵器で恫喝するトンデモナイ国ですね!

 核兵器を恫喝の道具に使用する事を絶対に認めてはいけません。 ロシアがウクライナ戦争で勝利したら→→別の獲物を探して→→襲い掛かるでしょう! 日本に「北海道をよこせ! 然(さ)もなくば、核兵器を使用するぞ!」と威嚇してくる恐れが有ります。

【核爆弾の種類】
 ウラン爆弾を製造する為には『ウラン235』を90%以上に濃縮する必要が有ります。『プルトニュウム239』は天然には殆ど存在しませんが、原子炉でウランを燃やすと、生成します。 広島はウラン爆弾で長崎はプルトニュウム爆弾でしたが、この2種類の核爆弾は(製造コストが高いので)直ぐに製造され無くなりました。

 ウラン爆弾とプルトニュウム爆弾の大型化には限界があり、広島と長崎で使用された原爆の『10倍』が最大だと言われています。戦後直ぐにアメリカとソビエト連邦は大威力化が可能な水素爆弾(核融合爆弾)の開発競争に突入しました。

 1952年に、アメリカが液体の重水素と三重水素を用いた水素爆弾の実験をしました。 出力が『10.4Mt(=10,400kt)』も有りましたが、爆弾の質量が65トンも有り、実用化は出来ませんでした。

 1953年、ソビエト連邦が重水素を固体の『重水素化リチウム』にした画期的な水素爆弾の実験に成功しました。 アメリカもこの方式に切り替えて開発を続けました。

 核爆発で中性子が発生しますが、普通の核爆弾の場合は中性子の発生を少なくする工夫が施されています。 中性子が多量に人間に振り注ぐと死亡します。 中性子は金属やコンクリートも透過するので、中性子を多量に発生する核爆弾(中性子爆弾)を爆発させたら建物の中に隠れている人間も殺戮出来ます。 アメリカとソビエト連邦は、『中性子爆弾』の開発をしました。

 中性子爆弾には放射性物質の『トリチウム(三重水素)』が必要ですが、トリチウムの半減期は『12.3年』と短い為に、保管している中性子爆弾にトリチウムの補充又は交換が必要になります。 結局、この問題の為に米ロ共に中性子爆弾は配備していないのだと思います。

★ ウラン爆弾     :広島に投下された。 TNT火薬15キロトン ウランを90%以上に濃縮
★ プルトニュウム爆弾 :長崎に投下された。 TNT火薬20キロトン
★ 水素爆弾      :核融合爆弾 ・・・1952年にアメリカが実験した。
★ 乾式水素爆 :1953年にソビエト連邦が実験に成功しました。
★ 中性子爆弾 :小威力の人間だけを殺す爆弾を開発する狙いで、アメリカとソビエト連邦は中性子爆弾の実験をしましたが、配備はされませんでした。

(豆知識 :水素の同位体) 自然界の水素(H)には、普通の水素(軽水素)、重水素及び放射性物質の三重水素が存在します。 重水素は水を電気分解する等の方法で製造されています。

★ 軽水素 :自然界に存在する水素の『99%以上』は軽水素です。
★ 重水素
★ 三重水素(トリチウム) :自然界に微量に存在する。 ・・・放射性物質で半減期≒12.32年

【核爆弾の小型軽量化と大威力化→→小威力化】
 広島と長崎に投下された原爆は質量が約『4,500kg』も有りましたが、現在では『戦術核爆弾』に分類される小さな威力しか有りませんでした。アメリカとソビエト連邦は、安価に製造出来る乾式水素爆の技術を開発して→→小型軽量化と大威力化の開発を進めました。

 1961年、ソビエト連邦が超!超!大威力の核爆弾『ツァーリ・ボンバ』を実験しました。ツァーリ・ボンバの設計値の威力は『100Mt』でしたが、余りにも大きいので『50Mt』にして実験しました。『50Mt』は広島に投下された原爆の『3,300倍』もの威力です。実験に使用されたツァーリ・ボンバは、質量が27トン、直径が2m、長さが8mでした。 (爆撃機から投下して爆発させました。)

 アメリカは小型軽量で、使用前に威力を調節出来る核原爆(B61とB83)を開発しました。「ロシアが、このタイプの核爆弾を保有しているか?」は分かりませんが、広島の3倍程度の威力を持つ小型の原爆は持っている様です。

 『B61』の質量は、広島で使用された原爆の『7%』程しか有りませんが、威力は『0.02~23倍』です。小型軽量なので、F-16やB-35A戦闘機に搭載可能です。

・・・ アメリカの威力調節可能原爆 ・・・
★ B61シリーズ :配備開始は1966年、威力≒0.3kt~340kt、質量≒324kg ・・・戦闘機に搭載
★ B83 :配備開始は1983年、威力≒80kt~1,200kt、質量≒1,089kg  ・・・爆撃機に搭載

【戦略と戦術核兵器】
 1972年に米ソ間で締結された『核軍縮条約(ABM条約)』では、射程距離が『500km以上』の核弾道ミサイルを『戦略核兵器』と定義していました。 (ABM条約は2002年に破棄されました。)

 最近マスコミが、(時々ですが)戦略核兵器と戦術核兵器と言う言葉を使用しますが、定義は曖昧です。 私の理解している用語の定義を下に書いておきます。

★ 戦略核兵器 :アメリカ、ロシア、中国が直接戦争をする場合に用いる事を想定して製造された大威力の核兵器。
★ 戦術核兵器 :局地戦争で用いる事を想定した、小威力の核兵器。

【ウランの濃縮】
 ウランは海水中にも微量に存在していますが、まだ海水中のウランは利用されていません。ウランはマントルには存在し無いと考えられています。 地殻のウランが局在する場所(鉱山)から掘り出した鉱石を粉砕して→→化学処理を繰り返し→→二酸化ウラン(UO2)→→四弗化ウラン(UF4)→→六弗化ウラン(UF6)にします。

 原子炉には種々の方式が有りますが、『黒鉛炉』と『重水炉』は天然ウランを燃料として使用します。 日本の原子炉は『軽水炉』ですが、軽水炉では六弗化ウランを使用しています。

 下に示す様に、用途によってウラン235の濃度を高める必要が有ります。 六弗化ウランの沸点が『56.5 ℃』と比較的低温のため、気体の状態の六弗化ウランを遠心分離機に入れてウラン235の濃度を高めています。 ウランの濃縮には、超高速で多数の遠心分離機を動かす必要が有り、多量の電力が必要になります。

 原子炉の燃料棒は、10年間隔で交換されますが、原子力空母や原子力潜水艦のウラン燃料は『30年間』使用出来る量を、最初から原子炉の中に入れています。 燃料が切れたら→→艦も寿命になったと考えるのです。(換言すると、原子力空母や原子力潜水艦ではウラン燃料の補給/交換は行われません。)

 ウラン爆弾では、ウラン235の濃度を『90%以上』に高める必要が有りますが、膨大なコストが掛かるので、ウラン爆弾は殆ど製造されませんでした。

・・・ 天然ウラン ・・・
★ ウラン238 :自然界の濃度:99.2742 % (半減期≒44.7億年)
★ ウラン235 :自然界の濃度: 0.7204% (半減期≒7.07億年)
★ ウラン234 :自然界の濃度:  0.0054% (半減期≒25万年)
★ その他のウランの同位体 :自然界に存在するのは極!極!微量

・・・ 用途によるウラン235の濃縮 ・・・
❶ 原子力発電所用 :ウラン235の濃度;3%~5% ・・・軽水炉の場合
❷ 原子力空母や潜水艦用:ウラン235の濃度;93%~97%
❸ ウラン爆弾用 :ウラン235の濃度;最低20%、通常は90%以上

政治資金規正法の改正について

2024-05-25 08:20:38 | 黒い金
【はじめに】
 岸田総理は今国会で政治資金規正法を改正する考えの様です。 然し、自民党は衆議院では単独で過半数を得ていますが、参議院では公明党を加え無かったら過半数には達しません。 公明党が自民党の改正案には反対していますから、野党案を取り入れて自民党の案を修正しないと、参議院を通過させる事は不可能だと思います。

 岸田総理は『のっぴきならない状態』に追い込まれています。 「さて?ドンナ手を打って、この窮地から抜け出すのか?」私は興味深々です!

・・・ パーティー券や『黒い金』についての私の投稿 ・・・
❶ 自民党を刷新する方法 (その1)~(その3) :投稿日=2024年3月2日~3月23日
❷ 政党、派閥と国会議員の支出 :投稿日=2024年2月24日
❸ 選挙運動の体験談        :投稿日=2024年2月17日
❹ 政党、派閥と国会議員の収入 :投稿日=2024年2月10日
❺ 政治と黒い金の作り方    :投稿日=2024年1月20日
❻ 政治家が黒い金を集める昔に仕組み :投稿日=2024年1月13日
❼ キックバック事件      :投稿日=2023年12月16日
❽ パーティー券問題      :投稿日=2023年12月9日

【私が岸田文雄氏だったら】
 岸田文雄氏は三世議員ですから、総理大臣になる事が夢だったと推察します。 然し、「総理大臣になって特にこれを実現したい!」と考えていた様には見えません。 たまたま、派閥間の混乱が有ったので→→自派閥が弱小だった事が幸いして→→総理大臣になれたのだと思います。

 『増税メガネ』、『賄賂メガネ』、『安本丹メガネ』、『ピント外れメガネ』、『姑息メガネ』と揶揄されようとも、安倍晋三氏以上の長期政権にしたいのが、岸田文雄氏の現在の夢だと思います。

 政治資金パーティーの問題は岸田文雄氏にとって、『棚から落ちてきた黄金の牡丹餅』だったと私は思います。 自民党の支持率が低下し、表向きには派閥は解消しましたから、『次回の選挙で自民党が勝てる政策』を打ち出せば、その政策が自民党の現職議員達にとって都合が悪い内容でも反対出来ないと思います。 議員は落選したら『ただの人』になってしまいますから!

 私が自民党の総裁だったら、現在の自民党の「政治資金規正法の改正案」を引っ込めて、次の様な新たな改正案を国会に提出します。 そうすれば、今国会で成立出来て→→自民党の支持率がアップするので→→岸田氏は続投出来ると予想します。

・・・ 私の改正案 ・・・
❶ 個人及び企業/団体からの献金を禁止 :党員が党費を納めるのは認めますが、献金は認めない事にします。 企業と団体が政治家や政党に献金するのを禁止します。 政党交付金を大幅に増額して、政党として政治活動と選挙運動が出来る様にしましょう!


❷ 調査研究広報滞在費の廃止 :政党交付金を増額する代わりに、毎月『100万円』支給されている『調査研究広報滞在費』を廃止しましょう!

❸ 政治資金パーティーの透明化 :政治資金パーティーは認めるが、パーティー券は金融機関への振り込みでしか購入出来なくします。 振り込まれた金は、政治献金の扱いにします。 外国人や外国の企業がパーティー券を購入する事は全面的に禁止しましょう!

❹ 収支報告書 :議員が関連する政治団体の収支報告書は、議員が作成し、署名捺印して提出する事にします。 違反が有ったら議員が責任を全面的に負う事にするのです。

❺ 『金』の受け渡しは金融機関の振り込みに限定する :政党から議員/政治団体、政治団体から政治団体への『金』の受け渡しは全て金融機関の振り込みに限定する事にします。

《官房機密費(報償費)》
 ウイキペディアによると、1947年から官房機密費の制度が始まった様です。 2002年以来、官房機密費の予算は『14億6165万円』で、民主党政権時代にも廃止され無かった様です。

 「安倍晋三氏が総理大臣だった頃、官房機密費から自民党の国会議員に一人当たり『100万円』配ったのでは?」と言う記事を最近読みました。官房長官が毎年『12億円』ほど領収書を貰わずに、誰かに渡しています。現在、自民党の国会議員は『373人』ですから、一人当たり『300万円以上』渡せる事になります。 この際、「官房機密費は廃止すべき!」と思います。

【可笑しな議論】
 テレビで、「政治資金パーティーは二、三十年前から始まった」と言いう様な発言をした方がいましたが、嘘ですよ! 私が社会人になった1971年に既に、政治資金パーティーは行われていました。

 「昔は裏金(黒い金)が少なかった」と言う方もおられましたが、真っ赤な噓です。 私が社会人になった1971年頃は、毎年『1兆円』以上の黒い金が全国津々浦々に流れていました。 税務署が民間企業の使途不明金を厳しく取り締まる様になったので→→民間企業が裏金を作るのが難しくなり→→『黒い金』がドンドン減ってきたので→→困った議員達が結束して→→1994年に『政党交付金』制度を設けたのです。

 野党の議員も政治資金パーティーを開催して、金儲けしている様ですから、叩けば埃が飛ぶのでは? 然し、野党は潔白だと言う素振りで、自民党を追及しています。 私は野党の一部の議員も自省する必要が有ると思います。

(余談 :高級料亭) 杉村太蔵氏が当選したのは2005年です。杉村氏は、当選後に「料亭に言ってみたい!」と言いましたが、既に東京近辺の高級料亭の多くは店仕舞いしており、黒い金は全盛期の『1/10以下』に減少していました。多分、杉村氏の夢は叶わ無かったと思います。

【国民と政治家の考え方の乖離】
 1990年以前に自民党の国会議員、知事、都道府県議員、市会議員になった政治家は、「『黒い金』を使って選挙運動をするのが当たり前だ!」と考えていたのでは?と思います。 犯罪だと言う認識は全く無くて、むしろ『男の甲斐性』だと考えていたと思います。

 『親の背を見て子は育つ』と言いますが、1990年以降に初当選した議員の多くは先輩達を見習って、今でも「選挙運動費の為に金を集めるのは、議員の甲斐性だ!」と考えている様に思えます。 然し、国民の多くは、段々と政治家に『清廉潔白』を要求する様になって来ました。

 公明党には世論を汲み上げる力が有ります。自民党が纏めた改革案では、国民が納得しないと判断して→→公明党案を自民党に打ち付けて→→自民党案の共同提出を拒否したのだと想像しています。

 自民党の改革案は、私の目でも抜け道を設けた『笊案』の様に思えます。 この案を自民党がゴリ押ししたら、自民党の支持率は更に低下すると予想します。 自民党議員達の考え方は、国民の考え方から大きく乖離してしまっています。

(余談 :麻生太郎氏の美談?!) 麻生太郎氏の義父は鈴木善幸氏です。鈴木氏は日本社会党から立候補して1947年に衆議院議員になり→→吉田茂の民主自由党に移り→→保守合同により自民党の衆議院議員になり→→1980年に総理大臣になりました。

 鈴木氏は『清廉潔白な政治家』と見なされていた様ですが、それは、鈴木氏自身で黒い金を集め無かった為だと思います。鈴木氏の人柄に惚れて生涯独身を通した女性(A女史)が、小さな町工場に務めながら、金集めをしたからです。

 昔は自民党の総裁になれば、総理大臣になれました。 総裁選挙に立候補する為には『二、三十億円』ほど用意する必要が有ると言われていました。A女史は地元の県内では「金集め」は出来ましたが、『二、三十億円』は県内で調達出来る額では有りませんでした。

 1980年の総裁選挙が近づいてきた頃、衆議院議員だった麻生太郎氏(当時40歳の若造)が、義父を総裁にする為に走り回りました。 麻生氏は金持ちの何不自由無く育った『ボンボン』ですが、頭を下げまっくったのです。 麻生氏自身から私が勤務していた会社にも、協力依頼の電話が有りました。→→巨額の金が集まって→→鈴木氏は自民党の総裁になったのです。

(余談 :松本人志氏の問題と自民党の問題には共通点が有ります!) 吉本興業の芸人達にはセクハラや女性の権利に関する世の中の考え方が変化している事を理解出来ていませんでした。 ①昔は職場で女性のお尻を触っても問題になりませんでした。②女性社員がお茶くみをするのが当たり前の事でした。 大企業では早くから①と②は許され無くなりました。中小企業でも、現在は許容しなくなっています。

 35年ほど前までは毎年巨額の『黒い金』が飛び交っていました。 民間企業が『黒い金』を→→国会議員、知事、市長に渡し→→その金の一部を→→地方議員、町村長が受け取りました。

 私が育った山村では、1960年頃までは国政選挙などが行われると、一票当たり『3千円~5千円』で買収していました。 『黒い金』は身近な所でも飛び回っていたのです。小遣いが貰えるので、選挙を楽しみにしている人達がいました。 多分、買収は「女性のお尻を触る」程度の罪だ!と考えていたのでしょう。

 『黒い金』の額がダンダンと減ってきて、1994年に税金から政治に必要な金を出す制度『政党交付金制度』が出来ました。この頃から「収支報告書に記載出来ない用途に政治家が金を使うのは犯罪だ!」と考える国民がダンダンと増えて来ました。 然し、自民党の議員達は国民の変化を無視して、「金を集めるのは、議員の甲斐性だ!」と言う考え方を持ち続けてきた様に見受けられます。

 政治資金パーティーの問題をマスコミが盛んに報道する様になり→→自民党の議員達は、国民の目で見たら全く不十分な「政治資金規正法の改正案」を纏めてしまったのです。

 吉本興業は反省して、所属の芸人達の教育に取り組んでいる様です。 自民党も党員の意識改革をしないと政権の維持は危うくなりますよ!

【自民党議員が金を何に使ったのか?】
 政治資金パーティーのキックバック金だけで無く、毎月100万円議員に支給される『調査研究広報滞在費』を含めて、何に使ったのか?岸田総裁は極秘に調査する必要が有ると思います。

 収支報告書に記載出来ない『金』が政治に不可欠なら、政治資金規正法を小手先で改正しても、議員達は益々不正に金を集めざるを得なくなるだけです。 選挙運動と議員の日常の政治活動に必要な『金』は収支報告書に記載出来る様にすべきです。

 怪しげな政治資金パーティーで金集めするよりも、(国民の多くは反対すると予想しますが)政党交付金を増やすべきだと考えます。 与野党の議員達が、「私は不正な金集めはしていません!」と凛とした態度で有権者の前に立てる日が来ることを私は切望しています。

(私の危惧 :党員会費の立替) 最近、岸田総裁は「党員を増やせ!」と発破を掛けた様です。 自民党の党員数は現在『110万人』もいます。 年会費は『4,000円』の様ですが、「地方議員と国会議員が党員会費を立て替えているのでは?」と私は危惧しています。 会費の立替は『買収罪』です。勿論、収支報告書には記載出来ません。

【私の提案 :黒い金を必要としない改革】
 政治資金規正法をドンナニ改正しても、今までの選挙のやり方を続けていたら、不正は無くならないと思います。 私は、2024年3月9日に投稿した『自民党を刷新する方法 (その2)』で、「① 衆議院の小選挙区の全てに自民党の支部事務所を設け」、「② 国政選挙を党本部と支部事務所が連携して行う」案を提案しました。

 支部長には、党本部から派遣された人をあてるのが良いと思います。 国会議員を支部長にしたら改革になりません。 私の案だと→→世襲議員を減らす事が出来ます。

 『自民党を刷新する方法 (その2)』に提案内容の詳細を書きました。是非とも読んで見て下さい。

【国民は覚醒する必要が有ります!】
 政治資金パーティーの問題で、卑劣な自民党議員達が炙り出されました。 国を良くする為には、自民党に『お灸を据える』必要が有ります。 下に列記する議員達が、次回の選挙で落選したら→→国民が怒っている事を示せるので→→自民党は本気で刷新に取り組むと思います。

 一番効果が有るのは、「岸田文雄氏を落選させる」事です。 広島1区の皆さん、日本の将来の為に頑張って下さい。

・・・ 落選して欲しい議員 ・・・
★ 岸田文雄氏 :広島1区 ・・・66歳、初当選=1993年
★ 松野博一氏 :千葉3区 ・・・61歳、初当選=2000年
★ 西村康稔氏  :兵庫9区 ・・・61歳、初当選=2003年
★ 萩生田光一氏 :東京24区 ・・・60歳、初当選=1991年;八王子市議会議員
★ 高木毅氏    :福井2区 ・・・68歳、初当選=2000年
★ 世耕弘成氏  :参議院・和歌山 ・・・61歳、初当選=1998年
★ 塩谷立氏   :比例東海ブロック ・・・74歳、初当選=1990年

● 長谷川岳氏 :参議院・北海道 ・・・53歳、初当選=2010年 ・・・傲慢な男!

【広島1区に強力な野党統一候補を!】
 広島1区に絞って、野党が一致団結して→→知名度の高い方を説得して→→次回の衆議院議員選挙に立候補して貰いましょう! そして、連合に全面的に協力して貰ったら、岸田氏に勝てると思います。

 現(?)か前(?)総理の岸田氏が落選したら→→自民党に激震が走り→→政治改革/刷新に本気で取り組む様になるのでは? ・・・私は期待しています。

・・・ 私が推奨する統一候補者 ・・・
① 有働由美子氏 :55歳、フリーアナウンサー、 神戸女学院大学文学部
② 高橋洋一氏  :68歳、嘉悦大学大学院教授、東大卒
③ 植山千穂氏  :48歳、テレビ朝日のキャスター、コロンビア大学国際公共政策大学院卒
④ 東野篤子氏  :53歳(?)、筑波大学教授、慶応義塾大学卒、バーミンガム大学大学院卒

【エピローグ :税務署の功罪】
 『黒い金』が劇的に減ってきたのは、税務署が民間企業の使途不明金を徹底的に厳しく取り締まる様になり→→民間企業が『裏金』を作るのが難しくなったからです。 然し、税務署は政治家の使途不明金には、何故か今でも目を瞑っています。 キックバック金から税金を徴収する事は出来そうに思いますが、税務署は動きません!

核兵器保有国 (その2)

2024-05-18 06:09:01 | 原爆
【はじめに】
 先週は核兵器の拡散状況について書きましたが、今回は核兵器保有国の開発の歴史/経緯について書きます。

 核保有国の間で現在も紛争しているのは、『中国vsインド』、『インドvsパキスタン』です。イランとイスラエルは対立しているので、イランが核を保有すると、危うい事にならないか危惧しています。

『中国の核開発』
 毛沢東主席(1893年~1976年)の夢だった核爆弾は生前に実現しましたが、もう一つの夢だった原子力発電所は没後15年して(1991年に)ヤット完成しました。

 2023年4月時点で、中国は原子力発電所を『54基』完成させており、『24基』も建設中です。毎年、膨大な量のプルトニュウムを生産して、蓄積しています。 2023年1月時点の核爆弾の保有数は『410発』でしたが、中国が本気になって核爆弾の製造に取り組めば、アット言う間に米ロと同じ数の核爆弾を保有する事になりそうです。

 中国は核爆弾の運搬手段を自力で開発してきましたが、ステルス機の開発などでは、アメリカの技術を盗んだと言われています。 私の見立てでは、まだまだ改良の余地が有る様です。 現在の水中の音を拾うマイクロフォン(ソーナー)の感度は想像を絶する値ですが、中国の原子力潜水艦は「太鼓を叩きながら走っている様だ!」と揶揄されるほど、大きな音を出す様です。 水中航行しても、自衛隊や米軍は簡単に居場所を特定出来ます。

 中国は、ウクライナ戦争でロシアに協力する見返りに、「潜水艦の低騒音化技術」などの軍事機密情報を得る可能性が有ります。

(注記 :空母) 中国は空母を『3艦』保有していますが、原子力空母は持っていません。

・・・ 中国の核兵器に関する歴史 ・・・
★ ウラン鉱床の発見 :1955年
★ 第1回目の核実験 :1964年
★ 水爆実験   :1967年
★ 戦略爆撃機 :初飛行=1968年 ・・・H-6(轟炸六型)
★ 大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験  :1971年
★ 『JL-1』潜水艦発射弾道ミサイル :1980年製造開始
★ 原子力潜水艦 :『091型』が1974年に就役 ・・・対艦ミサイルを搭載している。
★ 原子力潜水艦 :『092型』が1983年に就役 ・・・潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載している。
★ 中国が独自に開発した原子炉   :1991年に運転開始
★ フランスから2基の原子炉導入  :1993年と94年に運転開始 ・・・90万kW/基
★ ステルス爆撃機         :初飛行=2011年 ・・・J-20(殲-20)
★ 『JL-2』潜水艦発射弾道ミサイル :2015年配備

【北朝鮮の核開発】
 北朝鮮には1986年に稼働した小型の原発(5MW=5,000kW)が有ります。プルトニュウムを『5.5kg~8.3kg/年』得る事が出来る様です。プルトニュウム爆弾を1個作る為には『5kg』必要なので、年間原爆を『1個』製造出来る事になります。2023年時点での原爆保有数は『30個』と推測されています。

 北朝鮮は、50MWと200MWの原発を建設していましたが、両方とも中断しました。 50MWの原発はボロボロの状態になっており、建設再開は難しい様です。200MWの原発の建設再開は可能な状態の様ですが、現時点で完成したと言う情報は有りません。 万一、200MWの原発が稼働したら、毎年『50個』ほどプルトニュウム爆弾を製造出来る事になります。

 北朝鮮は2016年に水素爆弾の実験に成功したと発表しました。 これが真実だったとすると、広島に投下された原爆の『100倍以上』の威力が有る爆弾の製造が可能になった事になります。

 2023年12月に北朝鮮が発射した弾道ミサイルの射程は『15,000km以上』だったと、防衛省の高官が発表しました。平壌とニューヨークの距離は『11,000km』ほどですから、北朝鮮はアメリカ全土を狙える様になったのです。

【インドとパキスタンの核兵器】
 インドとパキスタンはイギリスの植民地でした。 1947年にインド(ヒンドゥー教の国)とパキスタン(イスラム教の国)は独立しました。

 インドとパキスタンの北部山岳地帯の『カシミール』は、両国が独立した1947年の時点ではヒンドゥー教徒の藩王が治めていて、住民はイスラム教徒が大半でした。 パキスタンの東の飛び地は、1971年に独立してバングラデシュ人民共和国になりました。

 カシミール地方の領有権問題で、第一次印パ戦争、第二次印パ戦争が発生しました。 第三次印パ戦争は東パキスタン(現在のバングラデシュ)で発生していた独立運動を助ける為に、インド軍が東パキスタンに侵攻したのです。 3回の印パ戦争は、いずれもインドの勝利で終わりました。

 1998年にインドとパキスタンが核兵器を所有していると発表しました。 2023年時点で、インドが『164発』、パキスタンは『170発』の核爆弾を保有している様です。

 近年、インドがパキスタンに対して強硬な態度に出ている様に見受けられます。カシミールでの小競り合いは収まりませんから、「核戦争になる恐れが有るのでは?」と危惧しています。

・・・ インドとパキスタンの紛争と核開発 ・・・
★ インド&パキスタンの独立 :1947年
★ 第一次印パ戦争 :1947-8年 ・・・インドが勝利
★ 第二次印パ戦争 :1965年 ・・・インドが勝利
★ 第三次印パ戦争 :1971年 ・・・インドが東パキスタンの独立を支援する為に始めた戦争→→インドが勝利したので東パキスタンは→→バングラデシュとして独立しました。
★ インドの核実験 :1974年
★ インド&パキスタンが核実験 :1998年 →→両国が核兵器の保有を宣言しました。
★ 第四次印パ戦争 :1999年にカシミールのカルギリ地域で、両国軍隊が直接衝突しました。

【インドと中国の国境紛争】
 チベットは独立した国でしたが、1724年に清朝が侵攻して併合しました。清朝が滅亡した後、チベット人達は独立を目指して蒋介石の中華民国と戦いました。毛沢東の中華人民共和国(中国)になって、1951年にチベットを併合しました。 (以前、「チベットの地下資源が豊富なので、中国が併合した」と言う記事を読みましたが、それは誤りです。地下資源を発見したのは、併合の後だったと思います。)

 中国がチベットを併合したので、インドと直接国境を接する事になりました。国境線の長さは『3,500km』も有ります。中印間の国境は未だに確定していません。1990年以降は、銃や大砲を使用した抗争は発生していませんが、棒や素手による戦闘(?)は発生しています。 原始人の様に殴り合いをして、時々死者が出ている様です。

 1993年に『LAC管理協定』を締結して、仮の国境線を認め合いましたが、殴り合いによる国境紛争は続いています。 2010年にインドが「核弾道ミサイルを中国とパキスタンに対して配備する」と発表しました。核戦争にならない事を願うばかりです。

★ 中国のチベット併合 :1951年
★ チベット動乱 :1959年 →→ダライ・ラマ14世がインドに亡命
★ 中印国境紛争 :1962年 ・・・中国が勝利
★ LAC管理協定を締結 :1993年 ・・・実行支配している国境線(仮の国境線)に関する協定
★ 2010年、インドが、「核爆弾を搭載できる弾道ミサイルを中国とパキスタンに対して配備する」と発表しました。

【リビアの大量破壊兵器】
 リビアは20世紀の初めにイタリアの植民地になりました。第二次世界大戦でイタリアが敗戦したので、リビアはイギリスとフランスの共同統治国になりました。 1951年に独立して『リビア連合王国』となり→→『リビア王国』になりました。

 1961年に革命が起こり→→『リビア・アラブ共和国』た改名し→→カダフィ大佐が支配する様になり→→ソビエト連邦の援助を受ける様になりました。(然し、カダフィ大佐は共産主義は嫌いでした。) 1986年にアメリカが、カダフィ大佐を暗殺する目的で空爆しました。

 カダフィ大佐は、口では大量破壊兵器の開発を否定していましたが、化学兵器の開発には成功していた様です。生物兵器の開発は、あまり進んでいなかった様です。

 1975年頃からソビエト連邦の支援を受けて、核兵器の開発を始めましたが、結局、核爆弾を製造する事は出来ませんでした。 2003年にカダフィ大佐は大量破壊兵器を破棄しました。

 2011年にリビアで内戦が勃発して→→カダフィ大佐は殺害されました。

★★★ リビアの大量破壊兵器については『木村修三著:リビアの大量破壊兵器完全廃棄とその背景』が参考になります。

【南アフリカの核兵器開発の経緯】
 南アフリカは経済的にはアフリカ大陸の中では豊かな国の一つですが、非白人は貧しく、殺人事件が多発している等、問題の多いい国です。 2020年の日本の殺人は『0.25人/10万人』でしたが、南アフリカは日本の『136倍』も多いい、『33.96人/10万人』でした。

 第二次世界大戦の末期(1944年)に南アフリカでウラン鉱石が発見されました。当時はウランの需要は殆ど無かったので、南アフリカが多分産出量世界第1位だったと推測します。1950年にアメリカ、イギリス、カナダの3国がウラン鉱の開発に協力する事になりました。アメリカが小型の研究用原子炉を南アフリカに供与し、65年に臨界点に達しました。 南アフリカは鉱山で使用する火薬の代わりに、プルトニュウム爆弾(PNF)の開発を目論んでいた様です。 (結局、PNFの開発は断念しました。)

 南アフリカは、1948年から非人道的な『アパルトヘイト(人種隔離)』政策を続けていました。 アフリカの国だけで無く欧米諸国も、アパルトヘイトを問題視する様になって来たので→→他国から攻撃されない様に→→核爆弾の開発を始め→→82年に完成させました。

 93年に南アフリカは核兵器を廃棄すると宣言しました。この時、核爆弾を6個保有していました。 94年にアパルトヘイトを廃止ししました。

★ ウラン鉱石の発見 :1944年
★ アパルトヘイト法制定 :1948年
★ ウラン鉱の開発 :1950年 ・・・アメリカ、イギリス、カナダの3国
★ 研究用原子炉 :アメリカが南アフリカに研究用原子炉を供与→→1965年に臨界に達した。
★ 平和利用の核爆弾(PNE)の検討
★ 南アフリカを批判する国際世論が高まる :非人道的なアパルトヘイト政策に対する批判
★ 核爆弾を完成 :1982年
★ 核兵器の破棄を公表 :1993年 ・・・核爆弾を6個保有していました。
★ アパルトヘイトの廃止 :1994年

【御参考 :ウラン生産量と埋蔵量】
 御参考までに、近年のウラン生産量と埋蔵量を下に整理しました。生産量の世界第1位はカザフスタンで、埋蔵量の第1位はオーストラリアです。

 モンゴールは現時点ではウランを生産していませんが、埋蔵量は『144,600tU』も有ります。 埋蔵ウランを狙って、中国がモンゴールに侵攻して、併合するのでは?と心配しています。

・・・ ウラン生産量と埋蔵量 ・・・ 出典:グローバルノート 生産量は2022年、埋蔵量は21年の値
★ カザフスタン  :生産≒21,227tU、埋蔵≒815,200tU
★ カナダ     :生産≒ 7,351tU、 埋蔵≒588,500tU
★ ナミビア    :生産≒ 5,613tU、埋蔵≒470,100tU
★ オーストラリア :生産≒ 4,087tU、埋蔵≒1,684,100tU
★ ウズベキスタン :生産≒ 3,300tU、埋蔵≒131,300tU
★ ロシア     :生産≒ 2,508tU、埋蔵≒480,900tU
★ ニジェール   :生産≒ 2,020tU、埋蔵≒311,100tU
★ 中国       :生産≒1,700tU、 埋蔵≒223,900tU
★ インド     :生産≒ 600tU、埋蔵≒?tU
★ 南アフリカ   :生産≒ 200tU、埋蔵≒320,900tU
★ ウクライナ   :生産≒ 100tU、埋蔵≒107,200tU
★ アメリカ    :生産≒ 75tU、 埋蔵≒59,400tU
★ パキスタン  :生産≒ 45tU、 埋蔵≒?tU
★ ブラジル   :生産≒ 43tU、 埋蔵≒276,800tU
★ イラン    :生産≒ 20tU、 埋蔵≒?tU
★ モンゴール   :生産≒?tU、 埋蔵≒144,600tU
★ ボツワナ  :生産≒?tU、 埋蔵≒87,200tU
★ タンザニア  :生産≒?tU、 埋蔵≒58,200tU
★ ヨルダン  :生産≒?tU、 埋蔵≒52,500tU
● 世界合計   :生産≒48,888tU、埋蔵≒6,078,500tU

単位の『tU』はトンウラン ・・・ウラン鉱石では無く、精製されたウランの質量の事です。

核兵器保有国 (その1)

2024-05-11 10:15:13 | 原爆
【はじめに】
 左派系の人達や日弁連は、「憲法9条の遵守と核兵器反対」を呪文の様に毎日唱えておけば、日本は二度と核攻撃されないと考えている様です。

 核兵器を所有する覇権主義国が現在でも存在しています。ウクライナ戦争からロシアは、隙あらば身勝手な理由をでっち上げて核兵器を持たない国に侵攻すると考えるべきです。北海道には米軍の通信所が有るだけです。アメリカが参戦しないと判断したら、ロシア軍は北海道に攻めてくると考えるべきです。

 今回と次回は、核兵器が拡散してしまった恐ろしい世界の現状について書きます。

【大量破壊兵器】
 オウム真理教は、化学兵器の一種『サリン』と『VXガス』の製造に成功し、生物兵器の『ボツリヌス菌』と『炭疽菌』を開発しようとしていました。オウム真理教は、貧しい小国やイスラム国(ISIL)の様なテロ集団でも、化学兵器と生物兵器を製造出来る事を教えてくれました。 (金正男氏はVXガスを顔に塗られて暗殺されました。従って、北朝鮮はVXガスを製造出来るのです。)

 CIA、MI6、モサドでも化学兵器や生物兵器の製造場所や保管場所を特定するのは至難の業だと思います。 万一使用された場合の対策/方法を準備しておく必要が有ります。

・・・ 大量破壊兵器 ・・・
❶ 生物兵器
❷ 化学兵器 :第一次世界大戦で多量に使用されました。
❸ 核兵器
❹ 放射能兵器

・・・ 大量破壊兵器等に関する条約 ・・・
① ジュネーブ条約 :1886年に発効
② 生物兵器禁止条約(BWC) :1975年に発効 ・・・条約に違反していないか?を検証する方法については全く規定が無い! 有名無実な条約です。
③ 化学兵器禁止条約(CWC) :1997年に発効

◎ 化学兵器禁止機関(OPCW) :1997年にオランダのハーグに設置されました。 化学兵器の査察を行うのが使命です。

【核兵器に関する条約】
 20世紀に入って「戦争で一般市民を殺戮してはいけない」と言う考え方が広まって来ていたと思われますが、核兵器は「一般市民を多量に殺して、相手の国が戦意を喪失する事を狙う兵器」です。

 第二次世界大戦後に、アメリカとソビエト連邦が競争して多量の核兵器を製造しました。 ほぼ全人類を殺せる数の核兵器を備蓄する状態になったので、製造競争を続ける意味が無くなりました。

 ウクライナは核兵器をロシアに返しましたが、ロシアはウクライナ戦争で「核兵器を使用するぞ!」と恫喝しています。 核兵器を保有する国が、持たない国で使用する事と、核兵器の使用を仄めかして脅迫する事を禁止する条約が必要だと私は考えています。プーチン大統領やメドヴェージェフ氏を国際司法裁判所で罰せられる条約を作るべきです。

 プルトニュウム爆弾に使用されるプルトニュウムは、原発を運転すると得られます。 原発の年間発電量からプルトニュウムの生産量が計算出来ます。国際原子力機関(IAEA)がプルトニュウムの生産量と保管量をチェックして、「プルトニュウム爆弾を製造していないか?」監視しています。

① 核兵器不拡散条約(NPT) :1970年に発効 ・・・国連の常任理事国(5ヶ国)以外には核兵器の保有を認めないと言う条約。日本も署名しています。
② 核兵器禁止条約(TPNW) :2021年に発効 ・・・日本は不参加
③ 包括的核実験禁止条約(CTBT) :現在まだ未発効 ・・・日本は1997年に批准

◎ 国際原子力機関(IAEA) :1957年に設立

【核兵器保有国】
 国連の常任理事国(5ヶ国)だけが、核兵器不拡散条約(NPT)で核兵器の保有が認められています。 NPTで認められていなくても、核兵器を開発した国が4ヶ国も有ります。

 原子炉を稼働させればプルトニュウムを手に入れる事が可能です。原子力委員会のデータによると、2018年時点で原発を保有する国は『31ヶ国』で、原発を計画中の国が『9ヶ国』有ります。 これ以上、核保有国が増えない事を私は願っています。

以下の記事の出典 :世界平和拠点ひろしま 『世界の核兵器保有数(2023年1月時点)』
・・・ 核兵器不拡散条約(NPT)で認めている核兵器保有国 ・・・
❶ アメリカ :配備=1,770、貯蔵=1,938 ・・・水素爆弾を所有している。
❷ ロシア  :配備=1,674、貯蔵=2,815 ・・・水素爆弾を所有している。
❸ 中国   :配備=0、貯蔵=410    ・・・水素爆弾を所有している。
❹ イギリス :配備=120、貯蔵=105 ・・・水素爆弾を所有している。
❺ フランス :配備=280、貯蔵=10 ・・・水素爆弾を所有している。

・・・ NPTで認められていない核兵器保有国 ・・・
❻ 北朝鮮 :配備=0、貯蔵=30 ・・・2016年に水素爆弾の実験に成功したと発表。
❼ インド  :配備=0、貯蔵=164
❽ パキスタン :配備=0、貯蔵=170
❾ イスラエル :配備=0、貯蔵=90
● 世界合計 :配備=3,844、貯蔵=5,732

・・・ 核兵器開発中の国 ・・・
❿ イラン :ロシアの援助で100万kWの原子力発電所を建設し、2011年から運転しています。 更に、原発建設計画を進めています。

・・・ 核兵器を開発しているのでは?と疑われている国 ・・・
⓫ シリア :1991年に中国が研究用小型原子炉(30kW)を提供しましたが、イスラエルが破壊しました。 現在も原子力発電所は持っていません。
⓬ ミャンマー :原子力発電所は持っていません。

【核兵器を廃棄した国】
 アフリカ大陸で唯一の核保有国だった南アフリカは1993年に廃棄しました。 その経緯は後日書きます。

 下記の②~④の3ヶ国は、ソビエト連邦の一部で、ソビエトの核兵器が配備されていました。 1991年にソビエト連邦が崩壊した時に独立しました。 その後、3ヶ国に有った核兵器はロシアに返却されました。

 昨年(2023年)、ロシアはベラルーシに核兵器を持ち込みました。 ベラルーシには核兵器を使用する権限は与えられていない様です。ロシアの狙いは理解出来ませんが、「ベラルーシに核兵器を保管して置けば、多分ヨーロッパ諸国を脅せる」と思っているのでしょう!?

・・・ 核兵器を廃棄した国 ・・・
① 南アフリカ
② ウクライナ
③ ベラルーシ
④ カザフスタン

【核シェアリング】
 「西ドイツに何時からアメリカが核兵器を持ち込んだのか?」は分かりませんが、核兵器を搭載出来る爆撃機をアメリカは1950年頃に西ドイツに配備していた様です。

 ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギーに、アメリカの核爆弾・『B61-3』と『B61-4』が配備されており、数は各国・15発です。 いざと言う時は、各国が保有する戦闘機『F-16』か爆撃機『PA-200』に搭載されます。 ・・・これが『核シェアリング』です。

 『B61-3』と『B61-4』は威力を調節する機構が付いています。『B61-3』は0.3~1.7kt、『B61-4』は0.3~5ktの範囲で調節出来ます。 最近、アメリカ製ステルス戦闘機『F-35A』に『B61-12』が搭載可能になったと報じられました。『B61-12』の出力は0.3~50ktです。ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギーは『F-35A』を所有していますから、近い将来『B61-12』に置き換えると予想しています。 (因みに、広島に投下された原爆の威力は『15kt』でした。)

 イタリアにアメリカ軍のアヴィアーノ空軍基地が有り、そこにも核爆弾が20発保管されており、この核爆弾の使用はアメリカ軍が行います。

 トルコにアメリカ軍のインジルリク空軍基地があり、そこに核爆弾が保管されています。 いざという時には、トルコはアメリカ軍に核攻撃してもらう事になります。

・・・ アメリカの核を共有する国 ・・・
❶ ドイツ   :15発
❷ イタリア  :15発
❸ オランダ  :15発
❹ ベルギー  :15発
❺ トルコ   :20発

・・・ 核シェアリングを止めた国 ・・・
① カナダ :~1984年まで核シェアリング
② ギリシャ :~2001年まで核シェアリング

沖縄県知事がやるべき仕事

2024-05-04 13:50:41 | 沖縄県
【はじめに】
 玉城デニー知事は辺野古基地建設で国と訴訟合戦をしていますが、他に沢山やる事が有りますよ! 今回は、私が沖縄県の知事になったら実行したい政策を書いて見ました。

《ご参考 :沖縄についての私の投稿》
① 普天間基地の地主さんへの注意喚起! :投稿日=24年4月28日
② 沖縄県のデータ (その2) :投稿日=24年4月10日
③ 沖縄県のデータ (その1) :投稿日=24年4月6日
④ 辺野古基地の問題     :投稿日=24年3月30日
⑤ 普天間基地の跡地利用  :投稿日=23年10月14日
⑥ 普天間基地の問題     :投稿日=23年10月7日

【❶ 普天間基地の跡地利用】
 以前・普天間基地の跡地に『IR(カジノ+ホテル+劇場)』を提案しましたが、莫大な金が掛かるのと沖縄の人達がギャンブル依存症になる恐れが有るので、取り下げます。 沖縄県と宜野湾市は、跡地を住宅地と商業地にする計画ですが、この案も莫大な金が必要です。 現在の県と市には『金』が有りません

 私が恐れているのは、中国からの投資で跡地利用計画をする事です。中国は共産党独裁国家です、共産党の都合で約束を守ったり、平気で破棄したりします。 そして、沖縄には自衛隊と米軍の基地が有り→→国の安全保障の観点から→→中国に土地を明け渡してはいけないと思います。

 県と市の財政状況を考えて、私は『跡地を牧場』にする案を推奨します。 跡地を国に牧場として整備して貰い、JAに委託して管理/運営してもらうのです!

 面積が1,700haも有る『ナイタイ高原牧場』は、国が牧場に整備して、地元のJAが管理/運営しています。 普天間基地の面積は480haでから、ナイタイ高原牧場は『3.5倍』も広いです。

(豆知識 :大牧場) 日本で一番広い牧場は『小岩井農場』で、面積は『3,000ha』です。世界一は、アメリカのテキサス州に有る『キング牧場』で、面積は小岩井農場の『112倍』の『3,338km2』です。

【❷ 観光業】
 沖縄にとって一番重要な産業は観光業だと思います。今後も観光業の発展に力を入れるべきですが、住民の生活に支障が出る様な、観光客の急激な増加は好ましく有りません。

 新型コロナが問題になる前に、京都の清水寺に行ったのですが、『三年坂』は外国人観光客でゴッタ返していました。 タクシーを捕まえるのは至難の業で、バスは超満員で年老いた私は乗れませんでした。

 観光客の受け入れ態勢を少しずつ改善して、それに見合った数の観光客が増えるのが理想です。 観光産業についてだけでも、沖縄県がやるべき事は沢山有りそうです。

 私は前に、沖縄を『自動運転レベル4の特区』にする案を提案しました。 実現する為には、エネルギッシュな政治的な働き掛けが必要と予想します。玉城デニー知事さん頑張って下さい!

 沖縄にバギーで走り回れる観光農園が有ります。 1995年頃に有ったら、私は子供達を連れて遊びに行ったでしょう→→子供達に一生の思い出を作ってやれたのに、残念です! 役人や有識者等が考える案では無くて、庶民の『文殊の知恵』を集める事が肝要です!

【❸ 漁業】
 日本の国土面積は『37.8万km2』で、『世界第62位』ですが、排他的経済水域(EEZ)の面積は『448万km2』で、『世界第6位』です。 沖縄県のEEZは、日本全体の18%に相当する『82万km2』も有ります。

 国際ルールで、日本のEEZ内では他国の漁船は魚を捕ることは出来ません。 日本には、広大な太平洋に出掛けて漁業をする企業は少ない様です。中国などは大西洋に大型船団を出して魚を採っています。ヨーロッパの国では、大西洋での漁業を検討している様です。

 鯖や秋刀魚の漁獲量の減少が国際問題になっており、関係国が太平洋での乱獲防止について協議しています。日本はEEZに回遊してくる鯖や秋刀魚を取っていますが、年々漁獲量が減少しています。 日本を含めて、可笑しな数値で漁獲量の制限を決めていると私は考えています。 政府の高官達が政治的に漁獲量を決めるのでは無く、科学的に漁獲量を決める為に→→以下の提案をします。

提案(1) 漁業学部の新設 :琉球大学に学研的で無い、実用的/実際的な研究をする『漁業学部』を新設すべきだと思います。 以下の様な研究を行うのです。

● 「漁業を如何にしたら永続的に維持出来るか?」を研究し、提言するのが使命です。
● 全国的な漁業従事者(漁業者)の高齢化が進んでおり、漁業者の子供が後を継がなくなって、後継者不足が深刻な問題になっています。
● 漁業者の子供が漁業に魅力を感じる様にするには、どうしたら良いか?
● 漁民の子供以外の若者に、漁業者になってもらう為に、どうしたら良いか?

提案(2) 三世帯住宅 : 私が子供の頃、集落のどの家でも三世帯で暮らしていました。 母屋の中に土間を挟んで老人用の部屋が有るか?別棟に老人用の部屋が有りました。 若夫婦に子供が出来ると、老人は別室に移ったのです。全国的に寿命が延びていますから、今だと四世帯住宅が必要かも?

 少子化が進んできた原因の一つは『核家族化』だと思います。 三世帯住宅や四世帯住宅で住む人が増えたら→→子供を沢山生み/育てる家も増えるのでは?と期待しています。

● 漁民用に一区画・200坪(648m2)程の宅地を国が手配して→→後継者のいる漁民に格安の価格で販売し→→国は、家を建てる資金を低利で貸し→→宅地と家の相続税は大幅に軽減しましょう!
● 漁船、漁具の購入時には低利の融資を国が行い→→相続税は免除しましょう!
● 漁業組合にも低利の融資を国が行いましょう!

《豆知識 :水産業》 ・・・出典:水産庁『数字で理解する水産業』/2019年水産白書
 水産業には海以外での湖や川の漁業も含まれます。海の水産業の漁獲量を以下に整理して見ました。生産額は『14,438億円』。 湖や川での漁業の漁獲量は『57千トン』で、『1,141億円』でした。

① 沿岸漁業 : 968千トン ・・・漁港から日帰りが出来る程度の海上で行う漁業
② 沖合漁業 :2,042千トン ・・・EEZ内での漁業
③ 遠洋漁業 : 349千トン ・・・公海での漁業
④ 養殖業   :1,005千トン

《漁業権》
 1900年(明治42年)に明治漁業法が制定され、戦後の1946年(昭和24年)に民主化の目的で現在の『漁業法』が制定され→→既に78年経過しています。

 漁獲量の減少を食い止め、漁業従事者の数を維持する観点で、現行の漁業法に問題が無いか?検討する必要が有ると思います。

【❹ 沖縄の農業】
 沖縄県の農業では、漁業と同様に高齢化と後継者不足が深刻な問題になっています。 台風が勢力を保ったまま沖縄に接近し、好天が続くと旱魃(かんばつ)になりやすく、耕作面積が少ない・・・など、沖縄の農業は厳しいのです。

 沖縄県では、マンゴー、パインアップルなど、美味しい果物が出来ます。庭にバナナを植えたら育つ様ですから、観光バナナ園をモット沢山作って、木で完熟させて観光客に食べて貰ったら感動すると思います。(沖縄本島の南に『ぐしちゃん銀バナナ農園』と言う観光農園が有ります。)

 農地、山林、牧場などは、特別な法律を作って『分割相続』しなかったら相続税を軽減する必要が有ります。 昔から、『田分け者』と言う言葉が有ります。 民主主義に反する様ですが、永続的に農業や林業を維持する為には、分割相続してはいけないのです! 国と県は農家を『株式会社』化するのを支援すべきです。株式会社にした農家には、農機具の購入時に低利の融資をすべきです。

 (かなり昔から、) 町工場等では、父親(社長)が亡くなった時→→工場を継いだ息子(娘)は、他の子供達よりも沢山の資産を相続して→→工場を維持出来る様になっており→→延いては、従業員の雇用を維持出来る様になっています。

(余談 :奄美大島のバナナは美味でした!) 50年ほど前の話しですが、奄美大島に出張した時、小さな雑貨屋の店先に小ぶりのバナナを置いていました。食べて見たら素晴らしく甘くて美味しかったです。 妻に食べさせたくて、帰る日に買おうとしたら、「本土には持って帰れません!」と言われました。 木で完熟したバナナは、近所のスーパーで売っている物とは全く違います。

(豆知識 :バナナ) 大きなスーパーでは、3種類のバナナを置いています。栽培地の3種類の標高で区別しています。 標高が500m以上を『ハイランド・バナナ』、200m~500m『ミッドランド・バナナ』、~200mまでを『ローランド・バナナ』と呼びます。 標高が高くなると→→実の成熟に時間が掛かり→→甘く、濃厚な味になるので→→価格が高いのです。

【❺ 沖縄防衛医科大学】
 沖縄に、復帰前の1965年に佐藤栄作総理大臣が「琉球大学に医学部を設置する提案」をして→→計画を進め→→70年に琉球大学付属病院が出来ました。 (沖縄が復帰したのは1972年です。) 今でも、医学部は琉球大学にしか有りません。

 自衛隊は、埼玉県に『防衛医科大学』を持っています。学生は国家公務員になり、授業料は免除され、全寮制で、制服が支給され、給与が貰えます。 (毎月12万円程、40万円程のボーナスも貰えます。)

 日本医師会の圧力で、医学部を新設するのは難しいですが、防衛省が「沖縄県に医科大学を新設する」と発表したら、日本医師会は表立っては反対しないと私は予想します。

 沖縄の貧しい家の子供でも、高校で一生懸命勉強したら『沖縄防衛医科大学』に入学出来ます。

【❻ 病院船】
 現在、自衛隊には病院船は有りませんが、日本軍は沢山病院船を持っていました。 アメリカ軍は巨大な、1,000床も有る病院船を2隻就航させています。老朽化したので、最近・新型の病院船を3隻発注して、一番船を2026年に就航させる計画を進めています。

 国が大小2隻の病院船を建造して→→沖縄本島に配備して→→海上自衛隊に運行してもらい→→医師や看護師は『防衛医科大学』から派遣してもらうのです。

 小型の病院船には病床を設けないで、MRI、X線CT、超音波検査(エコー)、生化学自動分析装置等、最新鋭の医療機器を装備して→→定期的に離島を回って診察するのです。

 大型の病院船には100~200床と救急救命室などを設け、最新鋭の医療機器を設置して、多量の医薬品を備蓄して置きます。 大災害が発生した地域に行って、活躍してもらうのです。 ヘリコプターが発着出来るのが理想的です。

 世界の紛争地域に大型病院船を派遣すれば、国際的な評価が得られると思われます。 万一・台湾有事が発生したら、在留邦人(約21,000人)を救出する必要が有りますが、沖縄に病院船が常駐していたら多くの人を助ける事が出来るでしょう!

【御参考 :沖縄県の産業】
 沖縄県が公表している産業別の付加価値額と従業者数を御参考までに纏めて見ました。 沖縄にとっては観光産業は非常に重要ですが、観光産業としては集計されていません。 沖縄県は、別に『観光収入』を集計しています。 2018年の『観光収入』は『6,979億円』となっていました。

・・・ 沖縄県の産業 ・・・ 2021年
❶ 農林漁業(個人経営を除く)  :付加≒ 72億円(0.4%)、従数≒ 39百人(0.7%)
❷ 鉱業,採石業,砂利採取業 :付加≒ 24億円(0.1%)、従数≒4百人(0.1%)
❸ 建設業              :付加≒2,237億円(11.3%)、従数≒451百人(7.7%)
❹ 製造業             :付加≒1,184億円(6.0%)、従数≒322百人(5.5%)
❺ 電気・ガス・熱供給・水道業 :付加≒ 399億円(2.0%)、従数≒20百人(0.3%)
❻ 情報通信業          :付加≒ 826億円(4.2%)、従数≒141百人(2.4%)
❼ 運輸業,郵便業        :付加≒ 800億円(4.0%)、従数≒282百人(4.8%)
❽ 卸売業,小売業        :付加≒3,928億円(19.8%)、従数≒1,204百人(20.6%)
❾ 金融業,保険業        :付加≒1,343億円(6.8%)、従数≒125百人(2.1%)
❿ 不動産業,物品賃貸業    :付加≒ 741億円(3.7%)、従数≒201百人(3.4%)
⓫ 学術研究,専門・技術サービス業 :付加≒ 874億円(4.4%)、従数≒199百人(3.2%)
⓬ 宿泊業,飲食サービス業    :付加≒ 774億円(3.9%)、従数≒733百人(13.2%)
⓭ 生活関連サービス業,娯楽業  :付加≒ 324億円(1.6%)、従数≒273百人(4.9%)
⓮ 教育,学習支援業        :付加≒ 553億円(2.8%)、従数≒174百人(3.4%)
⓯ 医療,福祉            :付加≒3,860億円(19.5%)、従数≒1,110百人(19.0%)
⓰ 複合サービス事業       :付加≒ 296億円(1.5%)、従数≒55百人(0.9%)
⓱ その他のサービス業      :付加≒1,579億円(8.0%)、従数≒513百人(8.8%)
  合計 :付加≒19,815億円(100%)、従数≒5,842百人(100%)

出典 :沖縄県の概要 令和3年経済センサス‐活動調査 調査結果(確報)
凡例 :『付加』とは純付加価値額、 『従数』は従業者数