これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

日本国憲法 (その9)

2019-06-29 07:59:43 | 司法・裁判
 今回は、第六章・司法に関連する裁判員制度について書きます。

 前回、書き忘れたのですが、憲法で『国民は、公開裁判を受ける権利』が保障されています。私は、この権利は非常に重要だと思います。北朝鮮では殆ど裁判無しで、政治犯だと言って処刑している様です。中国では、国家反逆罪は非公開裁判ですから、共産党に都合が悪い人間を抹消する事が出来ます。中国ではスパイ罪=国家反逆罪と言われています。旅行に来た外国人を、スパイとして逮捕すると(非公開裁判ですから、)外交の取引材料に使えるのです。

【はじめに】
 2004年、小泉内閣の時に『裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)』が制定されました。そして、2009年に最初の裁判員裁判が行われました。

 裁判員法は、衆議院がインターネットに公開しています。そんなに長文の法律では有りません。一応、私はこのブログを書く前に読んで見ました。憲法よりは長文で、私の様な素人には読破するのに時間が掛かりました。解説記事もインターネットで読む事が出来ます。

【国民が参加する裁判の意義】
 権力者が、一応裁判を開いても、自分に都合の良い判決を出すのは困ります。ヨーロッパ諸国では、市民の力が強くなって、権力者に勝手な裁判をさせない為に、裁判に市民が参加する様になったのでは?と思います。民主主義国家にとって、市民が裁判に参加する事は昔は重要だったのです。

 明治維新の10年程前(1859年)に、時の権力者・井伊直弼が、吉田松陰、橋本左内などの有能な人材を死刑(斬罪、切腹、獄門)にしました。(安政の大獄です。) 明治政府を立ち上げた人達の先達が、権力者に粛清された記憶は生生しかったと推察しますが、(明治維新は権力の奪還でしたから)再発防止対策は取らなかったのです。 明治政府は、欧米諸国が採用していた市民参加の裁判制度は導入しませんでした。(明治政府は、それなりに法治国家を目指した改革は進めたと私は思いますが。)

 戦後、GHQは日本に民主化を迫り、民主的な憲法草案を作成して半ば強制的に現在の憲法を制定させました。然し、何故か陪審制度は押し付け無かったのです。貴方は、何故だと思われますか?

 憲法草案を作成したアメリカ人達は、『ヒットラーの様な独裁者が誕生出来ないほど、アメリカの民主主義は発展し、国民が参加する裁判の意義が薄れ、寧ろ、参加者に重りを背負わす事になるデメリットの方が大きい』と考えたのではないかと、私は思います。

 裁判員制度によって冤罪が無くなる訳では有りません。一方、日本には死刑があります。裁判員裁判で死刑判決が出て、執行された後に冤罪だった事が判明したら!参加者達は、心穏やかには過ごせません。

【裁判員制度の目的】
 裁判員制度の目的については、裁判員法の第1条に『・・・司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資すること・・・』と有ります。

 上記の目的は、苦し紛れに考え出したものだと思います。言葉尻を捕らえる様で恐縮ですが、①市民が参加したら、どうして『信頼が向上』するのでしょうか? 現在の司法は、信頼を向上しなければならない状態なのでしょうか?

 ②市民を参加させたら、司法の理解が進むとは思えません。裁判員は、裁判の内容について一切口外してはならないのです!裁判員と補充裁判員以外の人は、密室で行われる審議の内容を知る事は出来ません。従って、『司法に対する国民の理解の増進』にはならないと考えます。

(私の提案) 裁判を国民が身近なものと感じ、理解を深める事が目的なら、傍聴者を大幅に増やす工夫をした方が効果的だと考えます。最も効果的なのは、中学校や高校の授業に裁判の傍聴を取り入れる事です。

① 各地の地裁を建て直すか、リホームして傍聴席を増やし、もっと沢山の人が入れる様にして、更に快適な空間にすべきです。

② 傍聴席の前を厚いガラス板で仕切って、傍聴席の音が判事側には漏れない様にする。子供達が傍聴した時、多少騒がしくなっても支障なく裁判が続けられます。お茶やコーヒーくらいは許容しましょう!勿論、裁判の音声は、スピーカーで傍聴席に流します。

③ 各地裁に傍聴者に裁判について解説する係員を配置し、説明資料を展示/配布する専用の部屋を設けましょう。

④ 混乱を避けるために、裁判所の表出入り口は傍聴人や記者が使用し、裏出入り口は判事、弁護士、検事など専用にする。

(余談) 日本の裁判所は韓国の様に世論を慮った(忖度した)判決は出していないとみています。正常で信頼されています。世論を慮るべきは国会議員です。時代に合う様な法律を制定したり、改正するのは国会の仕事です。裁判は、該当する法律の良し悪しを云々するのでは無く、その法律に従って白黒を付けるのです。ソクラテスの『悪法もまた法なり!』です。

【国民が参加する裁判の種類】
 欧米諸国では、市民が裁判に参加する制度が採用されています。次の②と③の制度です。国によって、制度の細部は異なっています。

① 裁判員制 :日本独自の制度だと言って”裁判員制”と言う造語を作りましたが、一種の”参審制”です。日本では民間人は1件毎に選任されますが、参審制では、一般的に任期期間があり、その期間中に複数の裁判に関わるのです。ヨーロッパでは民事訴訟も扱う国が有るようですが、日本では重い量刑が課せられる可能性がある刑事事件に限定しています。

② 陪審制 :刑事事件では民間人だけで議論して、有罪/無罪を決めて、判事が刑の重さ(量刑)を決めます。民事訴訟では民間人が「どちらの主張が正しいのか?損害賠償金額』を決めます。  アメリカ、イギリスなどで採用されており、日本でも昭和の初期に15年間ほど採用されました。

 アメリカでは、一部の州を除いて、陪審員の評決は全員一致が要求され、一人でも反対者がいたら、新たな陪審員達が選ばれて最初から裁判をやり直す様です。

 アメリカの民事訴訟では、被告側が故意に証拠を隠蔽した場合は、被告が痛手を受けると思われる懲罰金を課します。例えば、放置しておくと死亡事故が発生する可能性が有る事を承知していたのに、金が掛かるので対策せずに販売し、A氏が亡くなったとします。損害賠償金の他に懲罰金の支払いが命じられるのです。懲罰金とは加害者を制裁し、痛手を被らせる金です。従って、同様の事件でも、被告が年間売り上げが10億円の企業と1兆円の企業では、懲罰金の額は1,000倍程違っても不思議では無いのです。

③ 参審制 :民間人と判事が、事実認定~量刑まで判断する制度です。ドイツ、フランスなどヨーロッパ諸国で採用されています。国によって”まちまち”の様ですが、民間人は1件毎に選任されるのでは無く、任期期間務めるのが一般的です。ドイツの任期は5年、フランスは1件毎です。中国も、一応は参審制で、任期は5年です。

【裁判員裁判の判決の見直し問題】
 裁判員裁判の後に上告して、高裁が(過去のよく似た事件の刑の重さ(量刑)と比較して)「刑が重すぎる」と言う判断をするケースが有ります。

① 第1案 :過去の判例を重視するので有れば、裁判員裁判では有罪/無罪のみ決めて、(アメリカの様に)量刑は判事が決める様に法律を改正すべきです。市民は、残酷な事件や強欲で起こした事件については「重い罰を与えたい」と考えると推察されます。判例が正しいのか?市民の感覚が正しいのか?今後も裁判員制を続けるので有れば、市民感覚の方を重視すべきです。

② 第2案 :裁判員裁判では2回判決を出す案を提案します。先ず、有罪/無罪の判決を出します。その結論に被告/検察が不服なら裁判員裁判は結審とします。後は高裁で争うのです。被告側が有罪判決に異議が無ければ、弁護士と検事は、それぞれ自分に都合の良い判例を提示して量刑についてのみ弁ずる事にします。この案で有れば、”量刑の平等”はある程度キープが出来ます。

 第2案では、被告が無罪を主張する事件は実質的に、高裁から始まる事になります。従って、前回提案しました、高裁の数を8か所(+支部6か所)→50か所に増やす必要が有ります。裁判員裁判は被告が有罪を認めている事案のみを取り扱う事になりますから、公判を何回も。何回も行う事が無くなります。何よりも良い事は、裁判員が冤罪事件と無縁になる点です。(誰かを庇うために被告が有罪を主張するケースが考えられますが、万一、有罪の判決を出しても裁判員が精神的負担を感じる事は無いでしょう。)

【附則の第2条 :施行前の措置等】
第2条 :政府及び最高裁判所は、・・・裁判に参加することの意義、・・・を具体的に分かりやすく説明するなど、・・・国民の理解と関心を深めるとともに、・・・主体的な刑事裁判への参加が行われるようにするための措置を講じなければならない。

 本文の第1条:趣旨には、裁判員制が『司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上』とあります。附則の第2条では、『裁判に参加することの意義』と有ります。

 本当の目的を、具体的に述べるべきだったのです。目的が明確になっていたら、裁判員裁判に参加する関係者全員(裁判員、判事、検事、弁護士)が、裁判員裁判を効率的に、より公正に運用する工夫が出来たと思います。今からでも遅くないですから、『○○と△△の為に裁判員制を採用する』と裁判員法に明記して欲しい!

【附則の第3条 :環境整備】
第3条 :国は、裁判員の参加する刑事裁判の制度を円滑に運用するためには、国民がより容易に裁判員として裁判に参加することができるようにすることが不可欠であることにかんがみ、そのために必要な環境の整備に努めなければならない。

 裁判員法は2004年(小泉内閣で)に制定され、5年間もの準備期間を置いて2009年に施行されました。『環境整備が必要』だと、他の法律には殆ど例の無い記載が有るにも関わらず、何もしませんでした。近年の日本の政治家には”志”が無いのです!準備期間中に何も手を打たなかった内閣を整理しておきます。

 小泉内閣(2001年4月~2006年9月)→安倍内閣(~2007年9月)→福田内閣(~ 2008年9月)→麻生内閣(~ 2009年9月)→鳩山内閣・・・

 どんな環境整備が必要と思いますか? サラリーマンの場合は特別休暇制を企業に義務付ける。自営業や農民、漁民などには、代わりの人を雇える体制や補助金を検討する。・・・裁判員と補充裁判員の日当は現在1万円が上限だそうです!少な過ぎますよ!

【附則の第8条 :検討】
第8条 :政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、裁判員の参加する刑事裁判の制度が我が国の司法制度の基盤としての役割を十全に果たすことができるよう、所要の措置を講ずるものとする。

 裁判員法が施行されたのは2009年です。附則の第8条の規定に従って2013年に法制審議会で検討して、一部改正され2014年に施行しました。

問題点①: 公判が長引きそうな事案は、裁判員裁判には掛けないと改正しましたが、2018年の姫路地裁の裁判員裁判は207日間(公判70回)にもなりました。長すぎると思いませんか?曖昧な表現の改正をした為です。『原則として○○日を超えると予想される事案は裁判員裁判には掛けない』と改正すべきだったのです。(私は研究・開発に長年携わったので、曖昧な発言や表記が大嫌いです。)

問題点②: 「何年後に検討して見直せ」と明記した法律を、裁判員法以外に見た事がありません。画期的だと感心しました。2014年の改正時に次回の検討時期を明確に打ち出しているのでしょうか?

(余談) 会社の経営状態が悪化して、不祥事も続き社内改革が必要になった時に、ある重役が"社内会議の改革”を唱えられました。社外からアドバイザーを招き、議長になる年代の社員を集めて勉強会を開いてくれました。ポイントの一つは、会議出席者全員に発言させることでした。大学卒でも、自分の意見を殆ど持っていない社員が結構いて、全員に発言させるのは工夫が必要でした。裁判員裁判でだれが審議の進行役をするのか知りませんが、日本人には優柔不断の人が多いので、悪い人間が進行役になると『自分の考え方に皆を誘導する事』はそんなに難しく有りません。この点からも、日本には市民参加の裁判員制度は馴染まないと考えます。

(余談) 各国の国民性を実に見事に表したブラックジョークが、インターネットで読む事が出来ます。勤勉で従順と言う国民性は、先人や上司の指示には従うが、指示の無い事は『しない/出来ない』と言う事です。

日本国憲法 (その8)

2019-06-22 00:17:08 | 司法・裁判
 今回は、第四章の国会と第五章の司法についてです。司法の裁判員制度については次回に書きます。

第五章 内閣 : 第65条~第75条
【持論(1) :文民の規定】
 第66条の2項、『内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。』と規定されています。文民の対義語は”軍人”ですが、憲法が制定された時点には、軍隊は存在しませんでした。第9条で軍隊は保持しないと規定しています。従って、この規定は「元帝国軍人は大臣になれない」と言う意味だと思います。

 1954年に自衛隊が創設されましたが、「自衛隊は軍隊では無い」と言う屁理屈で、防衛大学出身で、元自衛官の中谷元氏が大臣になりました。私は、大臣になれない経歴を、憲法を改正して明確にすべきだと思います。(私は、アンチ巨人で、少しアンチ自民党ですが、中谷元氏の防衛大臣就任には賛成でした。兵器の進歩、外国の軍隊の知識がある人が防衛大臣になるべきです。)

(私の提案) 次の①の案を推奨します。戦前は、現役の将官が陸軍大臣と海軍大臣になる事が決まっていました。この為に、軍国主義になっていったのではと私は考えます。元自衛官の活躍を制約する、下の②と③案には反対です。

① 「現職の自衛官は(防衛大臣を含め)大臣になれない」と規定する。
② 「元自衛官は防衛大臣になれない」と規定する。
③ 「元自衛官は大臣になれない」と規定する。

【持論(2) :総理大臣の代行】
 憲法には総理大臣が急死する等の異常時に誰が代行するかの規定がありません。内閣法の第9条で、予め決めて置いた国務大臣が代行する事になっています。

(私の提案) 組閣の時に、代行順位を決めて公表すべきです。論功行賞か派閥の力学かで選ばれたと思われる、国会答弁が満足に出来ない大臣が時々いますので、そういう方は序列の最後にして国民を安心させて頂きたい。国会議員で無い大臣は、代行順位から外すべきと考えます。

(余談) 「内閣官房長官は国務大臣では無い」と誤解されている方が、時々おられますが、内閣法で「国務大臣」と規定されています。 何で、”内閣官房大臣”と呼ばないのでしょうか?他の大臣よりも重要な仕事をしている様に、私には思えるのですが!

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第六章 司法 : 第76条~第82条
 念のために、日本にある裁判所を下に列記します。憲法では、最高裁判所と下級裁判所の設置を規定しています。裁判官を裁く、弾劾裁判所は憲法第64条で国会に設けるとなっています。(従って、弾劾裁判所は司法には含まれない裁判所です。)

 下級裁判所(高等裁判所~家庭裁判所)は、裁判所法によって規定されています。知的財産高等裁判所は知的財産高等裁判所設置法によって、2005年設立されました。

● 弾劾裁判所 :国会に設ける・・・憲法第64条
★ 最高裁判所 :定員15名
★ 高等裁判所 :8か所、支部=6か所
★ 地方裁判所 :本庁=50か所、支部=203か所
★ 簡易裁判所 :438か所
★ 家庭裁判所 :本庁=50か所、支部=203か所、出張所=77か所(原則非公開)
★ 知的財産高等裁判所 :東京高等裁判所の支部

【持論(1) :司法制度の適正化、効率化が必要です!】
 叔父の奥さんの兄弟にあたる方が、高裁の判事でした。判事の給料は”とんでもなく”安いのです。最高裁長官の月給は、なんと”200万円”ほどしか有りません。新任官判事の月給は”23万円”だそうです。

 裁判官の定員は裁判所職員定員法で規定されます。2018年に改正され、(148人増えて)総定員は3,866になりました。日本弁護士連合会(日弁連)の2018年の会員数は40,066人です。判事は弁護士の"1/10"以下です。

 2017年の訴訟件数は361万件(出典:www.courts.go.jp)にもなり、判事一人当たり900件以上になります。近年、”働き方改革”が叫ばれていますが、判事が如何に激務か想像出来ます。発想を転換した改革が不可欠と思います。

(私の提案:1) 司法改革、判事の適正な定員、判事の給与等々を議論する、最高裁判所直属か独立の諮問機関を設けるべきと考えます。そして、毎年”白書”に相当する報告書を公開するのです。

(私の提案:2) 現在でも第一法規(株)が、判例をデジタル化して有料で公開していますが、裁判所として公式な「判例のデジタル化」を進め、弁護士と検事は、判例の番号を必ず示して論争する様にすれば、判事の負荷軽減と裁判時間の短縮が可能ではないかと考えます。

(余談 ;特許の例) 私は、特許庁に提出する”明細書”の殆どを自分で書きました。特許がデジタル化されてからは、自分で先行特許検索もしました。スムーズに審査をパスするポイントは、先行特許の番号を明示して、その問題点を示し、私の特許案が問題を解決出来る事を文系の方にも分かる様に説明する事です。(裁判と特許は少し似た所が有ると思います。)

【持論(2) :大岡越前守の時代では有りません!】
 江戸時代までは、法律らしい物は存在していませんでしたから、裁判は奉行の見識で白黒を決めたのです。(庶民の期待を思い量って、大岡越前守の様な名奉行の話しが作られたのです。)明治以来、種々の法律が制定されましたが、社会が複雑になって予想していなかた(法律に規定されてい無い)事件が起こり、裁判官の裁量が必要でした。

 現在は、各種法律が完備され、多量の判例が蓄積されています。裁判官の裁量が必要なケースは殆ど無くなっているのでは? 逆に、裁判官の個人的思想による判決は禁止すべきだと考えます。

 中国では、人口知能(AI:artificial intelligence)を用いた裁判の実験を始めた様です。”血も涙もない”裁判になりそうですが、公平(?)な判決が出る可能性が有ります。将来、日本でもAI裁判が導入される可能性が有ります。

(余談:大岡越前守) 映画やドラマに登場する大岡越前守(大岡忠相:1667年~1752年)は実在の人物です。ドラマは、町奉行での活躍を誇張した内容ですが、彼は旗本→山田奉行→普請奉行→江戸南町奉行→寺社奉行へと出世して、それぞれの役職で種々活躍して、寺社奉行の時に大名になりました。(大岡家は、一万石の三河国西大平藩(岡崎市)を拝領し、明治2年まで治めました。)

(余談) 2018年7月7日に、『皆で声を挙げましょう』と言うプログを書きました。実父に強姦されて、二人も子供を産んで、それでも迫ってくる父親を殺してしまった話です。大岡越前守だったら情状酌量して、軽い刑にして彼女が子供を育てられる様にしてやったのではと思います。事件が起こった1955年には、尊属殺人罪が有りましたから、判事は法律に従って重刑を言い渡したでしょう!

【持論(3) :訴訟開始から判決までの時間】
 競争の激しい企業に勤めておられる方は、”時は金なり(Time is money)”を実感されていると思います。憲法第37条に『すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。』となっています。疑いの目で見ると、個人が民事訴訟を起こした場合は、裁判はだらだらとやって良いと取れます。企業間の訴訟では、時間は非常に重要です。

 極端な例は、最高裁の民事訴訟です。大半のケースは書類の審査だけで、裁判が行われるケースは非常に少ない様です。書類審査で不受理の判断が何時出るか?明確で無く、2年後に却下の通知が突然来るケースも多々ある様です。(最高裁の判事は15名ですから、仕方ないですが!)

(私の提案) 曖昧な”迅速”と言う表現では無く、訴訟の分類毎に目標の日数を設定し、オーバーした件数、その原因を分析し、改善しなければ点を明確にして、毎年公表すべきです。

【持論(4) :専門裁判所の新設】
 司法試験では理学、工学、医学の様な理系の知識は要求されません。原子力発電所の安全、医療ミスなどの理系の知識と経験が必要な訴訟があります。この様な訴訟を文系の知識しか無い人間が(傲慢にも)白黒付けているのは、長年技術の世界で生きてきた人間としては腹立たしく思います。

 弁護士は専門化して来ています。判事も有る程度は専門化すべきです。私は特許を30件以上申請して、全て権利化出来ました。白状しますと、審査官が工学の知識/経験が乏しい事を逆手にとった明細書を作成したのです。会社の特許担当部署から、「そんな物は絶対に特許にならない!」と言われた機械の権利化にも成功しました。この特許は、アメリカを始め数か国で権利化しました。審査官が理科系の知識/経験が乏しいのは、日本だけでは有りません。

(私の提案) 知的財産高等裁判所の様な、理系の知識と経験が必要な訴訟を扱う特別の高等裁判所の新設を提案します。理系の才能の有る判事を選抜して、この高等裁判所に配属するのです。

【持論(5) :三審制】
 憲法第76条に『すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。」となっており、”裁判所法”で上述の高裁以下の裁判所の設置が決められている為に、同じ事件/訴訟で3回裁判が受けられる事になています。然し、最高裁の判事が15名しかいない為に、最高裁は十分な機能を果たす事が出来ず、「日本は実質的には二審制だ!」と言われるのです。

 『最高裁はどうあるべきか?』と言う議論を国会でした事が有るのでしょうか?判事の定員を15名と決め、『15名で出来る範囲で、適当に工夫してやれ!』と言っているのと同じです。本末転倒です。 貴方は、これで良しとされますか?

 最高裁の判事が次の様に考えても責められません。 『経験の浅い判事は地裁以下に配属し、”いっちょまえ”になったら高裁の判事に昇格させ、時の政府の覚えが良かったら最高裁判事になれる。初審は”半人前”の判事に任せ、時々可笑しな判決を出すから、、二審は”いっちょまえ”の高裁判事に任せよう、それでも上告して来たら適当に門前払いして、マスコミが注目している訴訟は真面目に取り組もう!最高裁には判事は15名しかいないのだから!』・・・言い過ぎでした!

 最高裁には、年間、民事訴訟が3,000件、刑事事件が2,000件ほども持ち込まれる様です。現状では、三審制では無く、実質は二審制と言っても過言では有りません。

(私の提案 :無意味な裁判はやめましょう!) 近年、両院の選挙の度に、”投票価値の平等(一票の格差)”についての訴訟が起こります。判例が沢山蓄積されている案件を整理して、裁判所が受理しない訴訟リストを公開すべきです。裁判には金(税金)が掛かっているのです。 一方、勝てもしない訴訟を勧める悪徳弁護士もいます。(私の従兄弟が、被害にあいました。)

(私の提案 :高裁の数) 高裁も地裁と同じ50か所に設け、高裁の判事を大幅に増員すべきと考えます。高裁を各都道府県に最低一か所設けたら、証人が遠方まで出掛ける必要もなくなる等々、メリットが多々有ると私は思います。

【持論(6) :非公開裁判を許容する件を明確に!】
 対審及び判決の公開 : 憲法の第82条の2項;裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行うことができる。・・・

 家庭裁判所が扱う離婚訴訟などはプライバシー保護のために、原則として非公開裁判となっていますが、レイプ事件は公開で行われる様です。被害者にとって恥ずかしい事は、非公開の裁判にすべきだと私は考えます。

(私の提案) 憲法に書くのは無理でも、レイプ事件などは、(裁判官の裁量に任せるのでは無く,)法律で「原則非公開裁判とする」と規定すべきです。

(余談) 大学で法律の概要を教える授業が有りました。教授は裁判の傍聴を強く勧めました。特に「レイプ事件は勉強になるぞ!」と言われ、幾つかの裁判について話をしてくれました。裁判では、具体的にどのようにして強姦されたのか、被害者と被告に演じさせる場合も有るそうです。

 レイプ事件は、現場を目撃した証人がいたケースは殆ど無く、証拠も少ない事が多いい様です。多分、そのために、どんな風に押し倒されたか?とか被害者に演じさせる必要が有るのでしょう。教授は被告が無罪になった例を何件か紹介しました、「押し倒された時に、ハンカチが女性のお尻の下に落ちていた(?)為に、無罪の判決が出た」・・・

【余談 :私と法律】
 私は、機械の設計・研究・開発に40年ほど携わって来ました。法律には無関係の様に思われるかも知れませんが、機械の設計/製造をするためには多くの法律を勉強する必要が有ります。私の仕事に関係した法律を下に書きます。他に関連の施行令や技術基準も勉強する必要が有りました。とんでもなく沢山の法律のもとで設計/製造しているのです。『産業法令一覧 ウィキペディア』で検索して見て下さい。

①高圧ガス保安法、②消防法、③電気事業法、④騒音規制法、⑤振動規制法、⑥建築基準法、⑦製造物責任法.(PL法)、⑧毒物及び劇物取締法、⑨船舶安全法、・・・

老後2,000万円

2019-06-15 13:56:15 | 天皇制
 金融庁が老後資金に2,000万円必要と公表した事が物議を醸しています。私は前期高齢者の分類に入れられていますが、結構楽しく充実した日々を送っています。お金以外にも、老後の為に若い時から心掛けて置いた方が良いと思う事を書いてみます。 (憲法の続きを書く予定でしたが、急遽変更しました。)

【目くじらを立てて騒ぐ問題では無い!】
 金融庁の役人が、老婆心で「国に金が無くなったので、十分な年金を支払う事は出来無くなっています。若い時から老後の事を少しは考えて貯金した方が良いと思いますよ!」とアドバイスしただけです。確かに、少し”おせっかい”でした! 同じ事を金融機関が言ったら、物議を醸す事はなかったです。

 警察がもしも、「警察は多忙で、空き巣や強盗対策に手が回らなくなっているので、各家や町内会で防犯カメラを設置した方が良いですよ!」と公表すると問題でしょう! 電気店や防犯カメラメーカーが、同じ発言をしても誰も問題にしません。

【50歳になる前に老後について考えました】
 25年前、私が48歳の時に、会社が主催する『老後の準備についての勉強会』に抽選で当たったと言う通知が来ました。同僚と、「申し込んでいないのに何で?」と話していたら、部長が「僕が申し込んでおいた。是非参加しなさい!」と言われました。私は何時も極めて多忙だったのですが、「部長命令だ!」とまで言われたので、渋々参加しました。一泊二日の勉強会でした。

 会社に余裕が有った頃は、昼休みだけで無く、お茶を飲みながら/タバコを吸いながら同じ趣味の仲間が集まって雑談したものです。48歳になった頃は、雑談はしなくなっていました。部長は、私が仕事一筋の人間と誤解されて、心配してくれていたのです。

 勉強会は、老後にはお金だけでなく、趣味を持つ事が重要などなどがテーマで、私にとっては非常に有意義でした。部長には今でも感謝しています。その後、会社の経営は益々厳しくなったので、この種の勉強会は、一回限りだった様です。

【25年前は1,500万円でした】
 その勉強会で、老後の経済について研究されていた大学教授が、「日々の生活費以外に発生する出費を整理して、まあまあ人並みの余生を送るには、定年時点で1,500万円の貯えが必要である」と話されました。

 この金額は、ある大手企業を定年まで勤め上げ、ローンを完済して、借金が無い等々の前提条件で算出された金額です。企業を特定していますから、平均どのくらいの年金が貰えるかも勘案しての話しです。

 近年、年金は国民年金、厚生年金、共済年金に統合されましたが、この三種類の年金でも支給額は大幅に違います。大手優良企業には”企業年金”もあり、医療従事者には日本医師会が年金制度を設けています。年金の支給額は”ピンキリ”なんです。長く派遣社員として働いた方を知っていますが、御夫婦は国民年金だけです。

(余談;1) 私の会社に共稼ぎの方が多数おられました。奥さんが学校の校長先生や市民病院の婦長だったりして、旦那よりも高給だったカップルを何組か知っています。世の中は色々です!

(余談;2) 東大出の野党議員が、麻生大臣に「自分の年金について考えた事があるか?」と言う愚門をしました。彼の論法は、「金持ちは貧乏人の事を考える事が出来ない。」→「金持ちは政治家や大臣になるべきでは無い。」なのでしょう。鳩山由紀夫.、細川護熙、吉田茂、ジョン・F・ケネディ・・・は政治家失格者ですか?

【若い時からの健康管理も大切です!】
 私は、入社してから運動を余りしませんでした。50歳で某小企業に出向したのですが、社長が何時も万歩計を身に着けておられ、「毎日、一万歩以上は歩く」と言われました。私も早速万歩計を買いました。出勤日は5,000歩~6,000歩でしたが、雨の休日は1,000歩以下で我ながらビックリしました。

 家から700歩程の私鉄の駅まで歩き→途中でJRに乗り換えていたのですが、家から1,700歩のJRの駅を利用する事にしました。昼食は外食だったので、少し遠い店に行ったので、ほぼ一万歩の目標が達成出来る様になりました。休日には必ず1時間程散歩しました。現在でも、毎日1回スマホをポケットに入れて(4,000歩を目標に)散歩しています。他に、簡単な体操もしています。

 年金生活に入ってもう直ぐ10年になりますが、歯科に延べ10日ほど行っただけで、他には医者のお世話にはなっていません。医療費の自己負担率が20%の年になっていますが、病気がちだったら生活は苦しいだろうと思います。

【趣味は人生を楽しくしてくれます!】
 退職後の生活を楽しくしてくれるのは趣味です。 若い頃に読んだ本に、「趣味は年とともに変わっていく。変えるべきでもある!」、「趣味は動物から植物へ、最後は鉱物へ!」と有りました。

★ 動物とは、身体を使う趣味です。例えば、ゴルフやスキーなどです。体力が衰えると、身体を使う趣味は難しくなってきます。足腰が悪くなって、出来なくなるかも知れません。(異性が好きなのも、「動物の趣味」の範疇だそうです。)

★ 植物は、盆栽や花壇で花を育てる事です。
★ 鉱物は、絵画や陶磁器製/ガラス製の食器や置物などです。音楽鑑賞も入ると思います。

【私の趣味談義】
① クラッシック音楽 ;大学の頃から交響曲、ピアノソナタ、ピアノ協奏曲などが好きで、演奏会にも時々行きました。以前はLP盤のオーディオセットでしたが、10年ほど前から、CDより少し高音質なSACDを買って、少し高価なヘッドホンで楽しんでいます。年取ると根気が無くなってきて、ヴェートーベンの第九を聞く時は、途中で休憩が必要になっています。

② 陶器のコーヒーカップ ;私は、お茶は滅多に飲みませんが、コーヒーを日に数杯飲みます。40歳頃から、陶器のコーヒーカップを少しずつ買ってきました。専用の飾り棚も買いました。立杭焼き陶工に私の趣味にピッタリの方がおられ、十客ほど集まりました。青備前も好きです。

③ ガラス製等々の酒器 ;ガラス製や陶器製の酒器も集めています。私は酒は少ししか飲めませんが、甘い酒以外は何でも好きです。親戚から頂くか安く売って頂くかして、高級な酒が種々入手出来ましたので、毎晩楽しんでいます。私の好きな酒は、日本酒では西宮・万代大澤醸造の”しずく酒”と伏見の琥珀光、ブランデーはヘネシーのXO、量産品で安いいのはバーディネのXOがお勧めです。ウイスキーではディンプル12年、バランタインの12年、(芸術品だと思う)サントリー響21年です。ワイン、紹興酒、テキーラ等々何でも好きです。年を取ると、残念ながら酒の香りが楽しめなくなって来ます。(嗅覚は大切です!)

④ 絵画の鑑賞 ;私は出張が多くて、全都道府県に行きました。地方都市にも美術館が出来てきて、日帰り出張で済む時でも自費で一泊して美術館に行きました。東京に4年強勤務したのですが、当時は隔週の土曜日が出勤日で”半ドン”でした。半ドンの午後は、神保町で古本を纏め買いするか、美術館巡りをしました。今でも時々、関西の美術館に行きます。私の好きな画家は、ジョルジュ・ルオー、棟方志功、神田日章・・・です。入社して直ぐに大原美術館に行った時に、初めてルオーの作品を見ました。その時の感動は今でも忘れません。神田日章の絵は、昔は札幌の美術館に展示されていました。札幌に出張が多かったので何回も見にいきました。

⑤ 陶磁器、漆器、ガラス器 ;東京勤務の時は銀座線を利用していました。赤坂見附に神戸のケーキ屋のベルが出店していて、時々買って帰りました。直ぐ近くにサントリー美術館があり、素晴らしい陶磁器、漆器、ガラス器を展示していたので、月一の頻度で入りました。客は殆どいなくて、ジックリ鑑賞出来ました。窯変天目茶碗を鑑賞したのはサントリー美術館だったと思います。サントリー美術館が六本木に移ってからも何回か行って見たのですが、絵画展でした。研究員に、陶磁器などはどうしているのか聞いて見ましたが、要領を得ない答えでした。

⑥ 中之島の東洋陶磁美術館 ;私の勤務した会社の大阪支店が中之島の近くに有ったので、出張のついでに東洋陶磁美術館には何回も行きました。陶磁器に興味が無い方でも、一度は行って見て下さい。私が行った時は何時も人が少なく、ジックリ鑑賞出来ました。

⑥ ラグビー観戦 ;学生の頃からTVでラグビーの実況中継を見ていました。1986年に、松尾雄治が新日鉄釜石に入ってからは釜石ファンになりました。私が勤務した会社にもラグビー部が有り、寮の隣室にラグビー部員が二人住んでいました。毎晩、ラジオをつけっぱなしで寝るので大迷惑でした。何時も負けてばかりだったので、時々注意してやりました。1986年頃に平尾誠二と大八木淳史が入社してからは、会社のラグビー部のファンになりました。

 大八木は190センチの大男で、体力で突進するタイプで私のラグビー理論とは違いました。TVで観戦していると、例の通りボールを抱えてゴール寸前まで独走しました、目の前に敵の選手が二三人立ちはだかっていましたが、何時もならそのまま突進するのですが、なんと!フォローして走っていた選手にパスしたのです。(生意気な事を言いますが)大八木はやっとラグビーが分かったと私が感動した瞬間でした。

 それ以来、球場に応援に行っています。今の仮住まいは、花園ラグビー場まで1時間以内で、電車代は往復500円も掛かりません。有線テレビが普及し始めて直ぐに、有線テレビに加入して海外のラグビーの試合を観戦しています。

(余談) 数日前に待ち合わせをしました。私の方が20分程早く着いたのですが、そのビルの柱等に大理石を貼っていました。天然の大理石では化石が見られます。化石を探していると、20分なんて直ぐに経ってしまいます。貴方もやって見ませんか!

日本国憲法 (その7)

2019-06-08 17:00:31 | 民主主義
 今回は、第四章の"国会"についての第2稿です。 今回も批判を覚悟して書きました。反対意見の方のコメントを期待しています。

【持論(4) :一票の格差】
第44条 :両議員の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、教育、財産又は収入によって差別してはならない。

 有権者(選挙人)については、この第44条にしか規定されていません。法律の基本は、『やってはいけない事』を規定します。『やって良い事』は書きません。即ち、一票に格差を設けても違法にはならないのです。”投票の価値”を平等にする件は、憲法は明記していません。

 国政選挙の度に、一票の格差に関する訴訟が起こされ/判決が出ますが、私は判事達は馬鹿ではないか?と何時も思います。裁判とは法律に違反しているか?どうか?を決めるものです。法律に書いていなければ、合法です。私が裁判官だったら、『違憲とは言えないが、一票の格差がなくなる様に法律を制定/改正すべきである!』と判決します。憲法、法律、条令を制定するのは、選挙で選ばれた議員で、決して裁判官では有りません。『違憲状態』との判決は、越権行為だと思います。

(私の提案) 私は、投票価値の平等は重要だと考えていますが、現在のルールの延長線では達成が難しいと思います。投票価値を平等にするためには、思い切った発想の転換が必要です。何年かに一度、選挙区を”分割したり”、”くっ付けたり”するのは、無駄です。

 全有権者数を全議席数で割った値が『100』だとします。100の選挙区で当選した議員には『1票』の投票権を与え、90の選挙区の議員には『0.9票』、120の選挙区の議員には『1.2票』と言う様に、国会における議員の投票権に差を設けるのです。(比例区で当選した議員には1票を与えます。) 世界で多分、こんな制度を採用している国は無い様ですが、一考の価値は有ると思われませんか?

 国会の採決の集計が煩雑になるとの批判が有りそうですが、投票をデジタル化すれば現在より簡単に/短時間に投票/集計ができます。階段を登って投票箱に木の札を入れるのは時代遅れです。目立ちたがり屋の議員が、時々”牛歩戦術”をやりますが、スマートとは言えません。

 『一票の格差を縮めると、人口の少ない地方の要求が無視される』との主張が有りますが、少数者の意見を国会が汲み上げるのは、別の問題です。現在、格差が2以下なら許容されそうですが、都市部の有権者が『1票』だとすると、地方の人に『2票』与えても良い事になります。今まで、格差は大きかったですが、過疎地の人達の意見が尊重されて来たとも思えません。私の案では、地方議員の”数”は現状とほぼ変わりませんから、地方の要求を主張する議員の数は減りません。

【持論(5) :議員の定数】
 議員の定数は、第43条の2項で『両議院の議員の定数は、法律でこれを定める』となっています。
 増税をする時に、『国民に痛みを要求するのだから、国会議員の定数を減らす』と言う方がおられます。 『議員一人当たり年間どの程度の金が税金で負担しているのか?』調べているのですが、分かりません。『3億円/年・人』程度だと言う記事が有りました。この値が正しいとすると、100人減らしても300億円の削減になり、国家予算の”0.03%”にしかなりません。

(私の提案) 両院にはそれぞれ17の委員会があり、各党には党首、幹事長等々の役職があり、与党には大臣、副大臣の役職も有ります。国会がちゃんと機能出来る様に、憲法に『議員の定数は〇数~×数とし、具体的な定数は法律で定める』と明記した方が良いと考えます。

(余談) 現在の国会議事堂の本会議場は、ほぼ衆参同じ広さになっている様です。ウィキペディアによると、設計時の議席数は衆参同じ”635席”です。議事堂が竣工した1936年の人口は7,000万人でした。2018年の人口は80%も増えているのです。1936年の衆議院の定数は"466"で、現在は”465”です。人口比では、大幅に減らした事になっています。

【持論(6) :二世議員】
 二世議員でも立派に活躍されている方もいますから、二世の出馬を法律で禁止するのは反対です。然し、俗に言われる『三バン(地盤・看板・鞄)』の存在は明らかです。『三バン)』が、優秀な人材を蹴落とす、強力な武器になっていることも事実だと思います。

 ”三バン”の”鞄(金)”には相続税が掛かりません。相続税を払わないで受け継いだ”金”で、二世が選挙運動をするのは、現在の法律では禁止されていませんが、公序良俗には反すると思います。最低、『”鞄”を禁止するか?議員が亡くなったり、辞めたりしたら、政党の支部に移すか、国庫に収納する』と改めるべきです。

(私の提案) 野党の殆どは、現在、既に政党の支部が選挙運動をしている様です。憲法に、「個人の後援会(政治団体)を禁止し、政党の支部が選挙費用を負担して選挙運動をしなければならない」と明記すべきです。

 ○○党の議員の父親が急死して、それまで政治に殆ど関係の無かった息子/娘が、”弔い合戦”だと言って立候補するのは賛成出来ません。志のある優秀な青年が、その地方で○○党の政治活動をしていたとします。急に二世の選挙運動をする様に言われたら、彼は自棄酒を呑む以外に無いです!

 既成政党に属さないで立候補したい人は、新しい政党を立ち上げれば、立候補出来ます。政党を離脱したら議員の資格が無くなる様にすべきです。政党が選挙運動をして当選したのですから!

【持論(7) :選挙区制と多党化】
 民主主義の根幹の一つは、少数政党にも議席と発言のチャンスを与え、最後は多数決で決める事です。日本には二大政党の時代は来ないと私は確信を持って言います。現在は多過ぎる程、政党が有ります。多少の合併が有るかも知れませんが、複数の政党が存在すると言う前提で、憲法を見直すべきです。

 選挙で各政党が得た得票数に応じて議席を配分すると、一見民主主義の様に思えますが、安定数の政党(与党)が出来る確率が少なくなり、考え方がかなり違う複数の政党が連立政権を立てざるを得ないケースが多くなります。国会が紛糾して何も決定出来なくなる恐れがあります。 然し、1選挙区の定員が一人の”小選挙区”にすると、死に票が増え、少数政党が議席を確保出来なくなってしまいます。

(私の提案) 私は、現在の衆議院で採用している、小選挙区比例代表並立制に賛成しますが、比例の定数をもう少し削減した方が良いと思います。但し、比例区はブロックでは無くて、全国区にして、少数政党に配慮するのです。 比例区の定数は、最低○○%の得票を得た政党には1議席与えられる値にするのです。

 ○○%の具体的数字は、民主主義を維持するのに重要ですから、党利党略に囚われずに国会で審議して決める必要が有ります。 例えば、『1%』と決めたら、比例区の定数を100人、『0.5%』なら200人となります。

(小選挙区制の欠点) 小選挙区制の欠点は、政党支持率が少し増減しただけで、政党の議席数が大幅に増減する可能性がある事です。

(中選挙区制と大選挙区制の欠点) 同じ選挙区内に政党が複数の候補者を立候補させるために、選挙区内に派閥を作る必要がありました。派閥を維持/拡大するために莫大な裏金が必要になったのです。(その凄まじさは、官庁向け商売をされた方に聞いて下さい。) 最も支持率の高い政党でも、過半数を得る事が難しい点も、欠点だと思います。

(余談) 近年、野党が分裂したり合併したり目まぐるしいです。野党議員が、離党したり、党を移ったりしています。私は、○○党のA候補に投票したのに、××党に移っられると戸惑ってしまいます。次の選挙でA氏が××党から立候補したら多分別の人に投票します。A氏は、自分の人気だけで当選したのだと自惚れていませんか? 少なくとも、比例区で当選した議員は、離党したら議席を失うと法律に明記すべきです。

【持論(8) :一院制も検討しては?】
第42条 :国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。(両院の比較を下に整理して置きます。)

★ 解散 :衆議院=有り、参議院=無し
★ 任期 :衆議院=4年、参議院=6年
★ 被選挙人 :衆議院=25歳以上、参議院=30歳以上
★ 選挙区 :衆議院=小選挙区比例代表並立制、参議院=中選挙区比例代表並立制
★ 定員 :衆議院=465、参議院=242
★ 比例区定員 :衆議院=176(38%)、参議院=96(40%)
★ 比例区 :衆議院=10ブロック、参議院=全国区

(私の提案;A) 日本の国民性の悪い点は、「物事がなかなか決められ無い」ことだと思います。衆議院でやっと可決したのに、参議院でまた同じ様な議論する必要は無いと思います。”ねじれ国会”にメリットが有ると思われますか?私は参議院を廃止すべきと考えています。

(私の提案;B) 参議院の権限を大幅に縮小して、選挙区選挙を廃止してブロック・比例代表選挙だけにしては? 支持率の少ない政党も、現在よりは議席が確保しやすくなります。

 法案は現在とは逆に、参議院に提出し、→参議院の意見書を添付して→衆議院に廻し、→衆議院で審議/修正/議決する方式です。 ブロック・比例代表にすれば、参議院議員は地元に帰って選挙運動する必要が有りませんから、参議院は常設でも問題ないでしょう! 参議院の委員会には、大臣や官僚のトップは原則として出席する必要が無いとします。

 三権分立の重要性と意味を国会議員の皆さんは、少し誤解している様に思います。”内閣”には各行政機関を指揮監督する重要な仕事もあります。両院の委員会に、当然の事の様に、多忙な大臣や官僚のトップを呼ぶのは止めましょう!必要最小限にすべきです。私のA案かB案にすれば、大臣と官僚のトップの執務時間を増やす事が出来ます。

(余談) 衆議院は、明治時代に貴族院に対して考え出された造語で、『皆の衆の議会』と言う意味か?と思います。英語では『House of Representatives(代表者の議会)』です。参議院は終戦後に貴族院に代わって設けられましたが、『参』にどういう意味を持たせた造語なんでしょうか? 『参議』は太政官の官職の名称ですから、『参議院』と言う名称は相応しく無いと思います。 昔は、『良識の府』と言われていましたが、現在は『第二衆議院』と呼ばれても可笑しく無い状態です。

【持論(9) :選挙カーの禁止?】
 定員の多いい市会議員選挙の時は、選挙カーに”うるさい!”と叫びたくなる事が有りませんか? 18歳から選挙権が与えられる様になっていますから、若者にも受け入れられる、スマートな選挙運動方法を工夫したら、より有利な選挙運動になると思います。選挙カーを禁止してみてはどうでしょうか?

 関西学院大学の三浦麻子教授が赤穂市長選で選挙カーの効果を調査して、論文を発表しています。家の近くまで選挙カーが来た候補者に投票する傾向が見られたそうです。『まあ、そんなものだろう!』思いましたが、悲しいです! 現在でも多くの有権者は、名前と顔で投票するのです。
 三浦麻子教授の論文の概要は、次で検索して下さい。 『https://www.kwansei.ac.jp/press/2017/press_20170407_015918.html』

(余談) 選挙カーは街宣車の分類に入って、税金の安い”8ナンバー”なんです。従って、右翼の街宣車も”8ナンバー”で税金は安いのです。大音響で走り回る彼らが、税の優遇を受けるのは納得出来ませんが、共産党も街宣車を走らせていますから、片方を規制するわけにはいきません。

【ウグイス嬢の賃金】
 これも憲法の問題では有りませんが、近年、公職選挙法に規定されている額以上にウグイス嬢に支払ったと言う問題が報じられますが、アルバイトの賃金が高くなっているのに法律の金額を変更しない方が悪いのでは? 犯罪を誘発する様な法律は、絶対に有ってはなりません。

(余談) ウグイス嬢は、単なる女学生のアルバイトだろうと誤解されている方が多いですが、彼女達は訓練を受けた専門家だと思った方が良いです。展示会やイベントでマイク片手に活躍している若い女性を見掛けた事が有ると思いますが、彼女達はそんな仕事もしています。彼女達は、容姿は普通以上で、結構頭の良い機転の利く女性です。 私が勤務していた会社が展示会をする時、何時もお願いしていた女性が、なんと、私の同僚(部下)になった男性社員の彼女でした。彼は入社間もなく彼女と結婚しました。彼女は結婚後、展示会やイベントに女性を派遣する会社を立ち上げたので、私はその業界について知識を得る事が出来ました。ウグイス嬢は、安い金では雇えませんよ!


日本国憲法 (その6)

2019-06-01 01:45:29 | 民主主義
 今回は、第四章の第41条~第64条に規定されている国会についてです。GHQで憲法草案を担当した人達には、『自由主義/民主主義国家にとって理想的な国会とは?』、『国会を理想に近づけるためには?』などについては思想も知識も経験も無かったのだと思います。

 国会中継を見ていると、紛糾に紛糾して最後は力で採決したり、水を掛けたり、殴ったりのシーンが見られたりします。

 日本には、憲法学者が沢山おられ、学会や研究会が複数有ります。憲法の権威者と言われる学者がテレビで、『自衛隊は違憲だ!』と言われますが、民主主義国にとって重要な国会の有り方や議員選挙制度についての提案は聞いた事が有りません。

 議会選挙や国会について、私は種々言いたいことが有るので、今回も2回に分けて書きます。批判を覚悟して書きました。反対意見の方のコメントを期待しています。

【持論(1) :決定出来る国会が必要です!】
 民主主義の根幹の一つは、国民が選んだ議員が、必要な改革を議論して法律を制定(決定)する事です。私は『英国の国会は素晴らしいのだろう!』と思い込んでいましたが、EU離脱について3年間ほど議論して、未だに結論が出ていないのを見て、『理想の民主主義国会はどんなにしたら達成出来るのか?』と考え込んでしまいました。

 民主主義の基本は、種々議論して最後に”多数決”で決定する事です。英国の様に議員が党の決定に拘束されずに採決すると、、EU離脱の様に重大な問題では何も決定出来ない事が有り得るのですね!

(私の提案) 法案は該当の委員会で内容/趣旨を説明します。→各党で議論して党としての代案や賛否を採決して決めます。→委員会で討議します。・・・→本会議で採決します。このルールを憲法に明記しましょう!

 私の提案は現在と同じ様に見えますが、ポイントは党内で活発な議論をし、→党の考え方を決めて委員会や本会議に臨み、→党として発言/投票する点です。(現在は、時々ですが党の方針に反旗を振りかざす議員がいます。)

【持論(2) :新しい首都が必要です!】
 国会は、国の現在から未来について議論し、未来への方針を決定する場所です。過去を引きずった議論をする場所では有りません。現在の国会議事堂は、暗くて、手狭で、古い骨董品の様な建物です。超近代的な議事堂を作ったら、旧弊から脱却するのではと期待します。”まがい物”の骨董品の様な、とんでもない議員がいますが、居心地を悪くしてやりましょう!

 私が勤務していた会社が、工場の事務所を1990年頃に建てました。大会議室には、大きなスクリーンが有って、CDに記録したデータ、ノートパソコンにUSBケーブルを接続してデータを取り込める装置、印刷物をカメラで撮影してスクリーンに写し出す事も出来ました。勿論、マイクロホンがあり、録音も出来ました。私は長く研究・開発に取り組んで来ましたが、実験装置の写真や、運転状況の動画や、データをグラフ化した物を見てもらいながら説明しました。印刷物を配布して、説明する時よりも、居眠りする人も無く、活発な意見交換が出来ました。

(私の提案)  災害の少ないと予想される地方に、アメリカのワシントンD.C.の様な首都を建設して、立派な・明るい・広々とした、何よりも最新設備を完備した会議室を沢山備えた議事堂を新設する事を提案します。議員会館、議員宿舎、秘書宿舎、政党本部、各省庁、公務員宿舎、等々を合理的に配置した、世界に誇れる首都を建設しましょう!

 国会議事堂以外の政府の建物の多くは、近年建て直されています。肝心の国会議事堂は80年間も、何故そのままなんでしょうか?憲法に50年間隔で建て直せと書かないと、今回建て直しても、未来の政治家達も古くなった議事堂で、旧弊を続ける恐れが有ります。

(国会の環境をガラッと変えましょう!)  民間企業は職場環境の改善に金を掛けています。仕事がし易いだけで無く、”やる気を出す雰囲気”にする事にも力を入れています。植物を植えた鉢を置き、アロマを用いて心地良い香りのする休憩室を設けた企業も増えて来ています。机の上に書類が山積みになっているオフィスは、民間企業では殆ど見掛けなくなっています。

 古い事が”ありがたい”のは神社仏閣です。国会議事堂は斬新を売りにすべきです!内装や家具も斬新な物にした方が良いです。例えば、壁には、(株)リクシル(LIXIL)が開発した内装用のタイル(エコカラット)の使用を推奨します。日本で開発された建材を使用して、世界にアピールしましょう!

(余談) 現在の国会議事堂は石造の様な外観ですが、表面に石を貼った鉄骨鉄筋コンクリート造です。着工が1920年で竣工は1936年です。最近のコンクリート造の寿命は100年と言われます。強度の面でも建て直しが必要な時期になっていると思われます。 打合せの為に何回も行った”旧丸ビル”は、国会議事堂とほぼ同時期(1923年)に出来、1999年に解体され、2002年に”新丸ビル”が出来ました。入って見ると、全く違う世界になっていました。企業は時代に取り残されたら倒産しますから、”旧丸ビル”は80年で建て直されたのです。

【持論(3) :NHKの大改革が必要です。】
 本会議と予算委員会をNHKは実況中継していますが、他の委員会も同じ様に放送すべきです。野党は、党と議員本人をPRするために、TVで放送される予算委員会で予算と殆ど関係の無い質問をしています。

 御参考までに国会の委員会を下に列記します。(衆議院、参議院にそれぞれ17の委員会が有ります。) 加計問題は⑥文部科学委員会で、籠池氏の森友問題は⑤財務金融委員会で取り上げるべきだったと思います。

(私の提案) NHKは、ラジオ3波、地デジ2波、BS2波+1波、BS4K、BS8Kと、沢山放送権を持っていますから、予算委員会以外の委員会の中継が可能です。視聴率はNHKの収入に一応は無関係ですから、全ての委員会を平等に扱って放送すべきです。NHKの勝手な判断で、予算委員会を偏重しているために、国政を歪め、国会が改革出来ないのだと思います。

直ぐに実施すべき事 :(イ)中継中に、暴力沙汰になりそうになったり、ヤジが酷くなったり、牛歩戦術が始まりそうになった時などは実況を中断すべきです。そんな国民の恥を、国営放送が内外に発信する必要は無いと思うからです。 (ロ)国会中継中の画面に、『NHKは、本会議と予算委員会以外の委員会は重要と考えないので、中継しません』と言う字幕を流すべきです。

① 内閣委員会
② 総務委員会
③ 法務委員会
④ 外務委員会(参議院は外交防衛委員会)
⑤ 財務金融委員会
⑥ 文部科学委員会
⑦ 厚生労働委員会
⑧ 農林水産委員会
⑨ 経済産業委員会
⑩ 国土交通委員会
⑪ 環境委員会
⑫ 安全保障委員会(参議院には有りません。)
⑬ 国家基本政策委員会
⑭ 予算委員会
⑮ 決算行政監視委員会(参議院は決算委員会と行政監視委員会に分かれています。)
⑯ 議院運営委員会
⑰ 懲罰委員会