これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

政治資金規正法の改正について

2024-05-25 08:20:38 | 黒い金
【はじめに】
 岸田総理は今国会で政治資金規正法を改正する考えの様です。 然し、自民党は衆議院では単独で過半数を得ていますが、参議院では公明党を加え無かったら過半数には達しません。 公明党が自民党の改正案には反対していますから、野党案を取り入れて自民党の案を修正しないと、参議院を通過させる事は不可能だと思います。

 岸田総理は『のっぴきならない状態』に追い込まれています。 「さて?ドンナ手を打って、この窮地から抜け出すのか?」私は興味深々です!

・・・ パーティー券や『黒い金』についての私の投稿 ・・・
❶ 自民党を刷新する方法 (その1)~(その3) :投稿日=2024年3月2日~3月23日
❷ 政党、派閥と国会議員の支出 :投稿日=2024年2月24日
❸ 選挙運動の体験談        :投稿日=2024年2月17日
❹ 政党、派閥と国会議員の収入 :投稿日=2024年2月10日
❺ 政治と黒い金の作り方    :投稿日=2024年1月20日
❻ 政治家が黒い金を集める昔に仕組み :投稿日=2024年1月13日
❼ キックバック事件      :投稿日=2023年12月16日
❽ パーティー券問題      :投稿日=2023年12月9日

【私が岸田文雄氏だったら】
 岸田文雄氏は三世議員ですから、総理大臣になる事が夢だったと推察します。 然し、「総理大臣になって特にこれを実現したい!」と考えていた様には見えません。 たまたま、派閥間の混乱が有ったので→→自派閥が弱小だった事が幸いして→→総理大臣になれたのだと思います。

 『増税メガネ』、『賄賂メガネ』、『安本丹メガネ』、『ピント外れメガネ』、『姑息メガネ』と揶揄されようとも、安倍晋三氏以上の長期政権にしたいのが、岸田文雄氏の現在の夢だと思います。

 政治資金パーティーの問題は岸田文雄氏にとって、『棚から落ちてきた黄金の牡丹餅』だったと私は思います。 自民党の支持率が低下し、表向きには派閥は解消しましたから、『次回の選挙で自民党が勝てる政策』を打ち出せば、その政策が自民党の現職議員達にとって都合が悪い内容でも反対出来ないと思います。 議員は落選したら『ただの人』になってしまいますから!

 私が自民党の総裁だったら、現在の自民党の「政治資金規正法の改正案」を引っ込めて、次の様な新たな改正案を国会に提出します。 そうすれば、今国会で成立出来て→→自民党の支持率がアップするので→→岸田氏は続投出来ると予想します。

・・・ 私の改正案 ・・・
❶ 個人及び企業/団体からの献金を禁止 :党員が党費を納めるのは認めますが、献金は認めない事にします。 企業と団体が政治家や政党に献金するのを禁止します。 政党交付金を大幅に増額して、政党として政治活動と選挙運動が出来る様にしましょう!


❷ 調査研究広報滞在費の廃止 :政党交付金を増額する代わりに、毎月『100万円』支給されている『調査研究広報滞在費』を廃止しましょう!

❸ 政治資金パーティーの透明化 :政治資金パーティーは認めるが、パーティー券は金融機関への振り込みでしか購入出来なくします。 振り込まれた金は、政治献金の扱いにします。 外国人や外国の企業がパーティー券を購入する事は全面的に禁止しましょう!

❹ 収支報告書 :議員が関連する政治団体の収支報告書は、議員が作成し、署名捺印して提出する事にします。 違反が有ったら議員が責任を全面的に負う事にするのです。

❺ 『金』の受け渡しは金融機関の振り込みに限定する :政党から議員/政治団体、政治団体から政治団体への『金』の受け渡しは全て金融機関の振り込みに限定する事にします。

《官房機密費(報償費)》
 ウイキペディアによると、1947年から官房機密費の制度が始まった様です。 2002年以来、官房機密費の予算は『14億6165万円』で、民主党政権時代にも廃止され無かった様です。

 「安倍晋三氏が総理大臣だった頃、官房機密費から自民党の国会議員に一人当たり『100万円』配ったのでは?」と言う記事を最近読みました。官房長官が毎年『12億円』ほど領収書を貰わずに、誰かに渡しています。現在、自民党の国会議員は『373人』ですから、一人当たり『300万円以上』渡せる事になります。 この際、「官房機密費は廃止すべき!」と思います。

【可笑しな議論】
 テレビで、「政治資金パーティーは二、三十年前から始まった」と言いう様な発言をした方がいましたが、嘘ですよ! 私が社会人になった1971年に既に、政治資金パーティーは行われていました。

 「昔は裏金(黒い金)が少なかった」と言う方もおられましたが、真っ赤な噓です。 私が社会人になった1971年頃は、毎年『1兆円』以上の黒い金が全国津々浦々に流れていました。 税務署が民間企業の使途不明金を厳しく取り締まる様になったので→→民間企業が裏金を作るのが難しくなり→→『黒い金』がドンドン減ってきたので→→困った議員達が結束して→→1994年に『政党交付金』制度を設けたのです。

 野党の議員も政治資金パーティーを開催して、金儲けしている様ですから、叩けば埃が飛ぶのでは? 然し、野党は潔白だと言う素振りで、自民党を追及しています。 私は野党の一部の議員も自省する必要が有ると思います。

(余談 :高級料亭) 杉村太蔵氏が当選したのは2005年です。杉村氏は、当選後に「料亭に言ってみたい!」と言いましたが、既に東京近辺の高級料亭の多くは店仕舞いしており、黒い金は全盛期の『1/10以下』に減少していました。多分、杉村氏の夢は叶わ無かったと思います。

【国民と政治家の考え方の乖離】
 1990年以前に自民党の国会議員、知事、都道府県議員、市会議員になった政治家は、「『黒い金』を使って選挙運動をするのが当たり前だ!」と考えていたのでは?と思います。 犯罪だと言う認識は全く無くて、むしろ『男の甲斐性』だと考えていたと思います。

 『親の背を見て子は育つ』と言いますが、1990年以降に初当選した議員の多くは先輩達を見習って、今でも「選挙運動費の為に金を集めるのは、議員の甲斐性だ!」と考えている様に思えます。 然し、国民の多くは、段々と政治家に『清廉潔白』を要求する様になって来ました。

 公明党には世論を汲み上げる力が有ります。自民党が纏めた改革案では、国民が納得しないと判断して→→公明党案を自民党に打ち付けて→→自民党案の共同提出を拒否したのだと想像しています。

 自民党の改革案は、私の目でも抜け道を設けた『笊案』の様に思えます。 この案を自民党がゴリ押ししたら、自民党の支持率は更に低下すると予想します。 自民党議員達の考え方は、国民の考え方から大きく乖離してしまっています。

(余談 :麻生太郎氏の美談?!) 麻生太郎氏の義父は鈴木善幸氏です。鈴木氏は日本社会党から立候補して1947年に衆議院議員になり→→吉田茂の民主自由党に移り→→保守合同により自民党の衆議院議員になり→→1980年に総理大臣になりました。

 鈴木氏は『清廉潔白な政治家』と見なされていた様ですが、それは、鈴木氏自身で黒い金を集め無かった為だと思います。鈴木氏の人柄に惚れて生涯独身を通した女性(A女史)が、小さな町工場に務めながら、金集めをしたからです。

 昔は自民党の総裁になれば、総理大臣になれました。 総裁選挙に立候補する為には『二、三十億円』ほど用意する必要が有ると言われていました。A女史は地元の県内では「金集め」は出来ましたが、『二、三十億円』は県内で調達出来る額では有りませんでした。

 1980年の総裁選挙が近づいてきた頃、衆議院議員だった麻生太郎氏(当時40歳の若造)が、義父を総裁にする為に走り回りました。 麻生氏は金持ちの何不自由無く育った『ボンボン』ですが、頭を下げまっくったのです。 麻生氏自身から私が勤務していた会社にも、協力依頼の電話が有りました。→→巨額の金が集まって→→鈴木氏は自民党の総裁になったのです。

(余談 :松本人志氏の問題と自民党の問題には共通点が有ります!) 吉本興業の芸人達にはセクハラや女性の権利に関する世の中の考え方が変化している事を理解出来ていませんでした。 ①昔は職場で女性のお尻を触っても問題になりませんでした。②女性社員がお茶くみをするのが当たり前の事でした。 大企業では早くから①と②は許され無くなりました。中小企業でも、現在は許容しなくなっています。

 35年ほど前までは毎年巨額の『黒い金』が飛び交っていました。 民間企業が『黒い金』を→→国会議員、知事、市長に渡し→→その金の一部を→→地方議員、町村長が受け取りました。

 私が育った山村では、1960年頃までは国政選挙などが行われると、一票当たり『3千円~5千円』で買収していました。 『黒い金』は身近な所でも飛び回っていたのです。小遣いが貰えるので、選挙を楽しみにしている人達がいました。 多分、買収は「女性のお尻を触る」程度の罪だ!と考えていたのでしょう。

 『黒い金』の額がダンダンと減ってきて、1994年に税金から政治に必要な金を出す制度『政党交付金制度』が出来ました。この頃から「収支報告書に記載出来ない用途に政治家が金を使うのは犯罪だ!」と考える国民がダンダンと増えて来ました。 然し、自民党の議員達は国民の変化を無視して、「金を集めるのは、議員の甲斐性だ!」と言う考え方を持ち続けてきた様に見受けられます。

 政治資金パーティーの問題をマスコミが盛んに報道する様になり→→自民党の議員達は、国民の目で見たら全く不十分な「政治資金規正法の改正案」を纏めてしまったのです。

 吉本興業は反省して、所属の芸人達の教育に取り組んでいる様です。 自民党も党員の意識改革をしないと政権の維持は危うくなりますよ!

【自民党議員が金を何に使ったのか?】
 政治資金パーティーのキックバック金だけで無く、毎月100万円議員に支給される『調査研究広報滞在費』を含めて、何に使ったのか?岸田総裁は極秘に調査する必要が有ると思います。

 収支報告書に記載出来ない『金』が政治に不可欠なら、政治資金規正法を小手先で改正しても、議員達は益々不正に金を集めざるを得なくなるだけです。 選挙運動と議員の日常の政治活動に必要な『金』は収支報告書に記載出来る様にすべきです。

 怪しげな政治資金パーティーで金集めするよりも、(国民の多くは反対すると予想しますが)政党交付金を増やすべきだと考えます。 与野党の議員達が、「私は不正な金集めはしていません!」と凛とした態度で有権者の前に立てる日が来ることを私は切望しています。

(私の危惧 :党員会費の立替) 最近、岸田総裁は「党員を増やせ!」と発破を掛けた様です。 自民党の党員数は現在『110万人』もいます。 年会費は『4,000円』の様ですが、「地方議員と国会議員が党員会費を立て替えているのでは?」と私は危惧しています。 会費の立替は『買収罪』です。勿論、収支報告書には記載出来ません。

【私の提案 :黒い金を必要としない改革】
 政治資金規正法をドンナニ改正しても、今までの選挙のやり方を続けていたら、不正は無くならないと思います。 私は、2024年3月9日に投稿した『自民党を刷新する方法 (その2)』で、「① 衆議院の小選挙区の全てに自民党の支部事務所を設け」、「② 国政選挙を党本部と支部事務所が連携して行う」案を提案しました。

 支部長には、党本部から派遣された人をあてるのが良いと思います。 国会議員を支部長にしたら改革になりません。 私の案だと→→世襲議員を減らす事が出来ます。

 『自民党を刷新する方法 (その2)』に提案内容の詳細を書きました。是非とも読んで見て下さい。

【国民は覚醒する必要が有ります!】
 政治資金パーティーの問題で、卑劣な自民党議員達が炙り出されました。 国を良くする為には、自民党に『お灸を据える』必要が有ります。 下に列記する議員達が、次回の選挙で落選したら→→国民が怒っている事を示せるので→→自民党は本気で刷新に取り組むと思います。

 一番効果が有るのは、「岸田文雄氏を落選させる」事です。 広島1区の皆さん、日本の将来の為に頑張って下さい。

・・・ 落選して欲しい議員 ・・・
★ 岸田文雄氏 :広島1区 ・・・66歳、初当選=1993年
★ 松野博一氏 :千葉3区 ・・・61歳、初当選=2000年
★ 西村康稔氏  :兵庫9区 ・・・61歳、初当選=2003年
★ 萩生田光一氏 :東京24区 ・・・60歳、初当選=1991年;八王子市議会議員
★ 高木毅氏    :福井2区 ・・・68歳、初当選=2000年
★ 世耕弘成氏  :参議院・和歌山 ・・・61歳、初当選=1998年
★ 塩谷立氏   :比例東海ブロック ・・・74歳、初当選=1990年

● 長谷川岳氏 :参議院・北海道 ・・・53歳、初当選=2010年 ・・・傲慢な男!

【広島1区に強力な野党統一候補を!】
 広島1区に絞って、野党が一致団結して→→知名度の高い方を説得して→→次回の衆議院議員選挙に立候補して貰いましょう! そして、連合に全面的に協力して貰ったら、岸田氏に勝てると思います。

 現(?)か前(?)総理の岸田氏が落選したら→→自民党に激震が走り→→政治改革/刷新に本気で取り組む様になるのでは? ・・・私は期待しています。

・・・ 私が推奨する統一候補者 ・・・
① 有働由美子氏 :55歳、フリーアナウンサー、 神戸女学院大学文学部
② 高橋洋一氏  :68歳、嘉悦大学大学院教授、東大卒
③ 植山千穂氏  :48歳、テレビ朝日のキャスター、コロンビア大学国際公共政策大学院卒
④ 東野篤子氏  :53歳(?)、筑波大学教授、慶応義塾大学卒、バーミンガム大学大学院卒

【エピローグ :税務署の功罪】
 『黒い金』が劇的に減ってきたのは、税務署が民間企業の使途不明金を徹底的に厳しく取り締まる様になり→→民間企業が『裏金』を作るのが難しくなったからです。 然し、税務署は政治家の使途不明金には、何故か今でも目を瞑っています。 キックバック金から税金を徴収する事は出来そうに思いますが、税務署は動きません!

政党、派閥と国会議員の支出

2024-02-24 13:20:19 | 黒い金
【はじめに】
 各社の世論調査の結果は、岸田首相にとっては惨憺(さんたん)たる値です。 「支持率が低いから選挙は当分出来ない」と大方の報道機関は予想していますが、私は次の2点の方が自民党にとっては問題だと思います。

《問題点❶ :旧統一教会の支援が得られ無くなっている》 結構沢山の自民党議員は、旧統一教会の熱心な選挙運動支援を受けて当選したと私は見ています。自民党は、旧統一教会に対し『恩を仇で返す』様な言動と政策を進めているので、支援どころか反撃される恐れが有ります。

《問題点❷ :公明党の婦人達》 公明党の婦人達は、「不正に対して厳しい」と思われます。政治資金パーティーの『不正』に関連した議員の選挙に、今までの様な積極的な支援はしなくなる可能性が有る様に思います。

 最近、政治と金に関する投稿を続けてきましたが、今回は政党や派閥や議員の支出について私の考えを書きます。

・・・ 政治と金に関する投稿 ・・・
① 政治家が黒い金を集める昔の仕組み :投稿日=24年1月13日
② 政治と黒い金の作り方          :投稿日=24年1月20日
③ 政党、派閥と国会議員の収入      :投稿日=24年2月10日
④ 選挙運動の体験談           :投稿日=24年2月17日

●●● 政党の支出 ●●●
【政党の支出❶ :政党助成金】
 ウイキペディアでは、政党助成金は「人件費・光熱水費・備品消耗品費・事務所費・組織活動費・選挙関係費・機関紙誌・宣伝事業費・政治資金パーティー・調査研究費・寄付金等」に使用されると有ります。

 政党によっては、政党助成金、献金、会費等を合算した収入の一部を→→特定の政治家個人に渡しているケースも有ります。各党は、「特定の政治家個人に渡し金は、政党助成金からでは無い」と主張していますが、総収入の中から出した事になっているので、苦しい見解です。

 選挙の時に配るマニュフェストやチラシは、各党とも党本部が作成して→→各候補者に発送しています。結構な金額になっていると思われます。

【政党の支出❷ :本部と支部の費用】
 自民党の場合は、東京の本部の他に、各都道府県に支部『自民党会館』が有るので、人件費や事務所費に多額の金が必要だと思われます。

●●● 派閥の支出 ●●●
【派閥の支出❶ :事務所費など】
 自民党は派閥を解散する様です。今までは有力派閥は東京に事務所を構えていました。人件費、事務所費、食事代などに金が必要だったと思われますが、これらの支出は『表の金』で処理して来たのでしょう。 「その金を得る為に政治パーティーが必要だった!」と私は見ています。

【派閥の支出❷ :黒い金】
 自民党の派閥では、派閥のメンバーに『餅代と氷代』を毎年・一人100~200万円配っていた様です。その多くは収支報告書に記載されない『黒い金』だったのではと疑っています。

●●● 議員や候補者の支出 ●●●
【議員や候補者の支出❶ :事務所費や秘書費】
 殆どの議員は地元と東京に事務所を持っています。東京の事務所を『議員会館』に置けば家賃はタダですが、地元事務所は議員や候補者が、お金を工面して借りる必要が有ります。

 衆議院の小選挙区は、有権者数で区割りされますが、選挙運動は選挙区の面積が関係します。 北海道12区の様に、広大な面積が1選挙区の場合は、複数の地元事務所を運営している議員がおられる様です。

 前回の選挙で落選して、次回の選挙を目指している政治家(一種の浪人)も地元事務所が必要で、私設秘書を雇う必要が有ります。 議員としての収入は全く有りませんから、党か派閥から金を出してもらうのでしょうか?!

 政治家は、政治資金パーティーを開くなどして「金集め」が必要なんだと思われます。

(御参考 :武部新衆議院議員) TBSが『実録「政治にはお金がかかる」ある“先生”に密着してみたら…』と言う番組で、日本一広い選挙区・北海道12区の自民党の衆議院議員・武部新氏の日常の活動を紹介していました。 『実録「政治にはお金がかかる」ある“先生”に密着してみたら…』で検索したら、要約記事が読めます。

 武部氏は東京事務所、4ヶ所の地元事務所、札幌事務所、合計6ヶ所も事務所を運営していて、公設秘書・3人の他に私設秘書を9人も抱えている様です。

 2022年の武部氏の収支報告書では、収入≒9,489万円で、その内・政治パーティーの収入≒4,063万円、寄付≒3,617万円、政党交付金≒1,300万円となっていました。

 支出≒8,544万円で、その内・人件費≒2,896万円、事務所費≒1,817万円、後援会運営費など≒1,033万円となっていました。

《北海道12区》 北海道12区は、北海道の北北東・オホーツク海に面した地域、利尻島、礼文島を含む広大な面積(約14,740km2)の選挙区です。海岸線が640kmも有ります。人口は28万人程しか有りません。 面積が広いので、地元事務所を4ヶ所も設けているのだと思われます。

(余談 :私の故郷・和歌山県) 私は和歌山県(面積≒4,700km2)の出身です。 衆議院の小選挙区は、和歌山1区と和歌山2区に区割りされています。和歌山1区は和歌山市周辺の狭い地域で、面積は県の10%程度で、残り90%が和歌山2区です。2区は二階俊博氏の地元です。二階氏は1983年以来、13回も連続当選しています。 2区は広いですが、二階氏の地元事務所は一ヶ所の様です。二階氏は85歳ですから、「広い選挙区を回るのはシンドイのでは?」と推察します。

【議員や候補者の支出❷ :選挙の費用】
 選挙には色々金が必要になりますから、議員達は日頃から少しずつ貯蓄していると思います。帳簿に記載出来る金だけで無く、裏金も貯めておく必要が有ります。

 公職選挙法は、『秘書』と『法律で選挙時に雇って良いと定められた人』以外は、ボランティアを集めて選挙運動する様に要求しています。自民党以外の政党は、ボランティアを集められる様です。

 自民党の党員は100万人以上いる事になっていますが、ボランティアで選挙運動をする人が極めて少ないのでは?と私は見ています。 「その為に、今までは公明党と旧統一教会の支援を受けざるを得なかったのでは?」と思います。

 ボランティアを集められない候補者は、『黒い金』で運動員を集めざるを得ません。

(余談 :萩生田光一氏) 自民党の萩生田光一衆議院議員の地元は八王子市(東京24区)です。八王子市には創価大学など創価学会の施設が沢山有って、創価学会にとっては大切な場所です。萩生田氏は公明党の支援を受けて、2003年に衆議院議員になりました。民主党政権が誕生した2009年の選挙で落選し、09年~12年は浪人でした。 その間、萩生田氏は旧統一教会と密接な関係を構築して→→12年の選挙では旧統一教会の熱心な支援を得て→→当選しました。

 萩生田氏は、22年までの5年間で政治パーティーの裏金が『2,700万円以上』有った事が明らかになっています。次回の選挙では、旧統一教会の支援は期待出来ません。「公明党の婦人達も選挙運動に参加しないのでは?」と私は予想しています。 「ドンナ選挙運動をするのか?」、「当選出来るのか?」注目しています。

・・・ 金を支払って良い運動員と物 ・・・ 『公職選挙法141条の規定』と『公職選挙法の一部を改正する法律』
 公職選挙法等で、選挙の時に日当を払って良い人と日当の上限が決められています。

❶ ウグイス嬢と手話通訳者の日当 ≦15,000円
❷ 自動車の運転手の日当 ≦10,000円 ・・・離島の有る選挙区では船長さんも
❸ 事務員の日当 ≦10,000円
❹ 選挙カー/船のレンタル料
❺ 選挙事務所 :候補者一人につき1ヵ所(選挙区が広い場合は、政令で衆議院は3ヵ所、参議院は5ヵ所まで認められます。)

・・・ ボランティアが行う仕事 ・・・・
 選挙運動でドンナ仕事が有るのかについては、24年2月17日に投稿した『選挙運動の体験談』に書きました。是非読んで見て下さい。

❶ ポスター貼り :候補者ポスター掲示板にポスターを貼る仕事など
❷ ポスティング
❸ 公選はがきの宛名書き
❹ 電話掛け
❺ 街頭演説の場所確保と旗立てなど
❻ チラシやマニュフェスト配り
❼ 個人演説会場の設営

【議員や候補者の支出❸ :法律違反の支出】
 自民党が立ち上げた『政治刷新本部』で、「『黒い金』を何に使ったのか?」(公表は出来ないでしょうから)秘密裏に調査すべきです。予想外の使途が有るかも知れません。 私が予想する使途を列記しておきます。

❶ 選挙の人件費 :ボランティアが行うべき仕事の対価
❷ 党員の会費の立替 :買収の一種です。
❸ 買収 :地方議員の囲い込みの為に金を渡すのは買収の一種です。
❹ 高級料亭やクラブでの散財 :政治資金で遊んだら法律違反です。
❺ 女遊び、買春

《 票の買収 》
 現在は『票の買収』は殆ど行われていないと思います。 然し、候補者が→→金を渡して→→地方議員に票の取りまとめを依頼するのは一種の買収です。

 残念ながら、21世紀になっても買収する政治家は、完全には無くなっていません!

★ 2019年 :河井夫妻選挙違反事件
★ 2023年 :柿沢未途選挙違反事件

 私が子供の頃、国会議員や県知事選挙になると、1票・3,000円~5,000円で買収していました。私の住んでいた集落に買収して回る人がいました。投票日の前日か前々日の夜に、提灯を持って話の付いている家を回るのです。川向うの集落を回っている時、私は「金を受け取っている家」が分かりました。当時は大家族制でしたから、一軒で3~4票買えたのです。 私の父は、選挙が有ると『開票立会人』をやっていたのですが、父は「誰が買収されて投票したか?分かる」と言っていました。田舎だったので、「分かったのだ」と思います。

《 高級料亭やクラブでの散財 》
 2005年に杉村太蔵氏が衆議院議員になった時、「料亭、行きてぇ!」と言って有名になりました。杉村氏が当選した頃には、闇献金の時代は終わっていたので、多分・超高級料亭の多くは店仕舞いしていたと思われるので、杉村氏の願望は実現しなかったでしょう!?

 超高級クラブや超高級レストランはまだ存在している様です。政党交付金は論外ですが、政治パーティーで得た金で、超高級店を利用するのは止めて欲しいです!

(余談) 九州に政党を転々と変わった、当選回数11回の衆議院議員(S氏)がいました。(2018年に亡くなられたので、書いても良いかな?!) S氏は芸者遊びが大好きで、国会が開催されている日でもお構いなしで、二、三カ月に一度は京都の祇園で遊んでいました。お金は『黒い金』では無く、利害関係の全くない某社の社長が出していたので、問題では有りません。

 多分、国会が開催されている日に、祇園に出掛ける時は『病欠届』を出して、JRの無料パスで新幹線のグリーン車に乗って、京都での宿泊費は『黒い金』で支払っていたのでは?と思われます。何故か?週刊文春も週刊新潮も取り上げませんでした。

《 女遊び 》
 「英雄色を好む」と言います。 1989年にわずか70日間ほど総理大臣を務めた宇野宗佑氏は、『英雄』とは呼べない人物でしたが、色を好んだと思われます。 「政治活動に使う」と言って集めた金で、女遊びをするのは犯罪です。 テレビ出演料や著作権料として得た金なら、私は許します。

 浮気が止められない議員もいると思われます。元衆議院議員の宮崎謙介が典型例です。彼は、厚顔無恥なのか?、今でもテレビに登場しています。

 昔・取引の有った中小企業の社長が、二号さんを囲っていました。商談の途中でコーヒーブレイクになり、同僚が「二号さんの相場は?」と質問すると、「男の収入に寄るが、大阪近辺で、僕くらいの所得だったら年間1,000万円くらいだ」と答えました。

政治と黒い金の作り方

2024-01-20 12:17:12 | 黒い金
【はじめに】
 前回は、黒い金を集める仕組みについて書きましたが、今回は「昔、ドンナニして企業が黒い金を作ったのか」、「何故、作るのが難しくなったのか」について書きます。

 今から・たったの三十数年前までは、官庁から『100億円』の工事や品物の注文を受けると→→『3億円』程の裏金を工面して→→政治家に届ける必要が有りました。営業マンの重要な仕事の一つが『裏金作り』だったのです!

【マルサの女】
 伊丹十三監督が『マルサの女』を公開したのは、1987年です。脱税で蓄財する悪党を、国税局調査部(マルサ)が懲らしめる話です。 政治の世界では、当時まだ巨額の黒い金が飛び交っていました。  伊丹氏は、「政治の世界の黒い金についても・ある程度は把握していたのでは?」と想像するのですが、政治の世界の黒い金の流れの実態を垣間見る事が出来なかったので、政治の世界は映像化しなかったのだと推察しています。

 なお、『マルサの女』が公開された頃、黒い金はピークに達していたと思われます。

【秘密の手帳】
 私が勤務していた会社では、国、都道府県、市町村向けの商売を『官庁商売』と呼んでいました。『官庁商売』には必ず黒い金が必要でした。官庁商売を担当する営業マンは小さな/嵩張(かさ)ばらない手帳に、黒い金の受け渡しについてメモして、スーツの内ポケットに入れていました。

 会社に検察の捜索が入っても、個人の持ち物を調べる為には、事前に調べる人間を特定して裁判所の許可を取って置く必要が有ります。その為、スーツまで調べられる事は殆ど無いのです。

【黒い金の川の水量が減少したのは?】
 1990年頃から黒い金の額は減少してきたと私は思います。 地検特捜部が活躍したからでは有りません。税務署が外堀を埋めてしまったからです。 税務署が民間企業の監査を厳しくする様になって→→領収書の無い支出を洗い出し→→使途不明金としました。 使途不明金が有ると→→同額の金を徴収する様になり→→更に、毎年・多額の使途不明金を計上する会社には「名前を公表する」と脅しました。

 某企業で、1,000万円の使途不明金が見付かると→→1,000万円税務署に納めなければなりません。 税務署が使途不明金を厳しく探す様になったので、裏金を作る手段がドンドン無くなってきたのです。

(余談 :税務調査) 1985年頃、私は研究所勤務でした。毎年1回、半日ほど税務署から二、三人来て税務調査をしました。一般に役人は『ノロノロ』と仕事をしますが、税務署の役人は一心不乱にテキパキと働きました。膨大な書類を、半日ほどでチェックして帰りました。(研究所では、不正な経理処理は見付からなかった様でした。)

《 手段❶ :空出張 》
 空出張で裏金を作るのは、昔から行われています。空出張で裏金を作るのは比較的簡単ですが、多額の裏金を作るのは難しいです。

 出張すると、(社員の誤魔化し防止だと思われますが、)乗車券、ホテル代、食事代等の領収書を清算時に要求する中小企業が有りました。こんな会社では、空出張で裏金を作るのは難しいです。

 私の勤務していた会社では、事前に、日時、出張目的と出張先及び前借金の額を書いた『出張申請書』を上司に出して、決済が得られたら→→直ぐに現金が貰えました。帰社後に、設計部署は出張報告書と清算書の提出が義務付けられていたので、空出張は出来ませんでした。

 営業部では、出張報告書は原則として提出しなかったので、空出張が可能でした。

 JRの在来線や新幹線の切符をチケットショップで、今でも売っていますが、多分・企業が多量に買って→→一部をチケットショップに売っているのだと思います。一種の空出張による裏金作りです。

《 手段❷ :裏金を作る商社 》
 東京は勿論、地方都市にも『裏金を作る商社』が有りました。 全て規模は小さく、『商社』としての商売をやっていました。『数百万円』単位の裏金が必要になると、営業が利用していました。 『600万円』の裏金が必要になったら、700万円の品物を注文した事にして→→700万円振り込んで→→600万円現金で返してもらうのです。 私は、営業活動をサポートする技術者だったので、『裏金を作る商社』は1社しか付合いが有りませんでしたが、官庁案件を受注すると→→必ず『裏金を作る商社』を利用していた様でした。

 『裏金を作る商社』が、「ドンナニして裏金を作っているのか?」色々考えて見ましたが、私の頭では裏金を作る方法は思い付きませんでした。

(余談) 1995年頃の話ですが、当時・私は小さな会社(N社)に出向していました。東南アジアの某国向け案件で。税務署が認めてくれない金『約300万円』が必要になりました。 時々仕事を依頼していた社員10人程の社長(T氏)が遊びに来た時、N社の社長が「領収書が貰えない金・300万円必要になって困っている」と話したら、T氏が「我が社が330万円の仕事をした事にして、現金で300万円お返しする案はどうですか?」と言うのです。

 T氏の会社の仕事の半分は『官庁商売』でした。こんな小さな会社でも、官庁商売をする為には『黒い金』が必要だったのです。

《 手段❸ :チケットショップ 》
 1980年頃、私は東京の八重洲に有った本社勤務で、土曜日は半ドンでした。「御徒町にデパートの商品券を売る店が開店した」と言う新聞記事を読みました。私は「裏金を作る店だ!」とピント来たので、土曜日に昼食後行ってみました。小さな店で、ショーケースの中に何店かのデパートの商品券を並べ、『5%引き』で売っていました。 (チケットショップの元祖だったと思います。)

 電柱の陰に隠れて、探偵の真似をしました。暫くすると、大きな風呂敷包みを持った男性が来店し、店員が奥から数百万円は有りそうな札束を持ってきました。十数分すると、アタッシュケースを持ったスーツ姿の男性が来店して、さっきの商品券を買って行きました。 (多分、店員がデパートに商品券が入荷したと電話連絡していたのでしょう。)

 この店は30分も経たない間に二、三十万円稼いだのです。「素晴らしい商売だ!」と感心しました。 少しずつ、チッケットショップは増えて来ました。 (近年は逆に、店仕舞いするチッケットショップが全国的に増えています。)

★★★ チケットショップの仕組み ★★★
 A社が『1,000万円』裏金が必要になったら、Bデパートで『1,100万円』の商品券を買います。A社はその商品券をCチケットショップ(C社)に『1,000万円』で売ります。C社が、Bデパートに『5%』引きで『1,045万円』で買い取って貰うと『45万円』儲けた事になります。Bデパートの儲けは『55万円』です。

 A社は、『1,000万円』の使途不明金を発生させると、税務署に『1,000万円』収めるなければなりません。つまり、A社は『900万円』節約出来た事になります。

(注記) 昔、デパートは繁盛していたので、値崩れ防止のために、商品券を買い戻ししていました。 然し、デパートの現在の問題は客の減少です。 チケットショップで商品券を買って→→デパートで買い物してくれたら、前金で買ってくれたのと同じですから、デパートは大歓迎だと思います。

 チケットショップでは、現在・デパートの商品券を2%~5%引きで売っています。

(余談) 一生お金に不自由しない方がおられるのですが、彼は電車に1時間程乗って→→デパートで買い物しています。必ずチケットショップに寄って商品券を買って、段ボール箱に入った下着を纏め買いしています。スーパー等で買った方が得だと思うのですが、彼は食品以外はスーパーでは買わない主義なのだそうです。

《 手段❹ :野球場の指定券 》
 どの球場でもバックネット裏などの一番良い席は、年間契約の指定席で、民間企業が殆ど買っています。 接待に使うのが建前ですが、「一部の企業は裏金作りに利用しているのでは?」と私は疑っています。

 年間契約の指定席を買うと、領収書が貰えるので、経費として落とせます。 そして、試合の有る全ての日の券を発行して貰える様です。その券をチケットショップに売ったら現金が得られ→→裏金が出来るはずです。

 私は甲子園球場の年間契約の指定席券を何回もチケットショップで買いました。 雨で試合が流れても払い戻しは有りません。『一か八か』の券です。

《 手段❺ :神保町の古本屋 》
 東京勤務だった時は勿論、関西勤務だった時も、私は東京の神保町の古本屋で古本を纏め買いしました。 印刷が追っつかないベストセラーが出ると、新品の本が20%~30%値引で数十冊も積まれているのを、何回か見掛けました。 機械工学便覧の新版が出た時、新品が十数冊店先に置いていた店で買った事が有ります。 裏金を作る為に古本屋を使うのも、昔から企業がやっている手段の一つなんです。

【黒い金を作るのが難しくなってきました!】
 昔の黒い金を作る手段を、上に5点書きましたが、現在は税務署が頑張るので→→これらの手段は通用しなくなっていると思います。

 新聞赤旗や週刊文春は今まで取り上げ無かったと思いますが、今でも一部の分野では『族議員』が暗躍しています。 国立の研究機関が、民間企業に研究開発費を支援する制度が幾つも有ります。 建前は『公募』ですが、実態は『族議員』達が話し合って支援する企業を決めているケースが多々有ります。

 『族議員』の一部は、今でも黒い金を要求している可能性が有ります。 「民間企業は、こんなに難しくなっても裏金作りをする必要があるのでは?」と想像しています。

【デジタル化とキャッシュレス化が必要です!】
 キャッシュレス化を進め→→クレジット決済と銀行振込に限るとしたら→→政治の世界に流れる黒い金を作るのが難しくなるだけで無く→→脱税して蓄財する輩や相続税を誤魔化そうとする輩にとっても困ったことになります。

 キャッシュレス化を進めるためには、種々の分野でデジタル化を進める必要が有ります。 日本のデジタル化は遅々として進みませんが、2020年以来、デジタル大臣を置く事になりました。 然し、歴代の3大臣はコンピューター・プログラムの知識/経験が全く無い不適任者でした。日本の発展に必要不可欠なデジタル化を進める為には、コンピューター・プログラムに精通した(高橋洋一先生の様な!)民間人を抜擢してデジタル大臣に据えるべきです。

・・・ 歴代デジタル大臣 ・・・ 三人とも文科系大学卒で、コンピューターの知識は乏しいと思われます。
★ 2020年 :平井卓也氏   65歳 上智大学外国語学部卒
★ 2021年 :牧島かれん氏 47歳 国際基督教大学教養学部社会科学科卒
★ 2022年~ :河野太郎氏  61歳 ジョージタウン大学国際学部比較政治学科

【古物商や質屋】
 古物商や質屋にはインボイス制度の特例が認められていますが、取引相手の氏名、住所、取引金額、日時等を記載した書類を作成し、7年間保存する事が義務付けられています。

 将来、書類をデジタル化して、取引相手のマンナンバー又は法人番号をインプットする事を義務化したら、裏金作りや相続税の脱税を大幅に減少させる事が出来ます。

 知り合いの高齢の方が、金とプラチナのインゴットを買って、子供に残そうとしています。多分、そんな方が全国には沢山おられると想像します。『税金の公平/公正化』の為に、古物商や質屋の取引に取引相手のマンナンバー又は法人番号の記載を義務化すべきです。

《 余談 :金のインゴット 》
 近年、『金(ゴールド)』の価格は想像を絶する程、高くなっています。現在の相場は『1kg≒1,000万円』です。一万円札の重さは『1g』です。現在では、1,000万円の金と1,000万円の一万札は同じ重さ『1kg』です。

 『1kg』の金の体積は、ほぼスマホと同じですから、『20kg≒2億円』の金はスマホ20台分になります。スマホ20台を隠すのは簡単で、健康な人間だったら誰でも運べます。 金持ちの老人が相続税対策に『金』を買い漁る理由が分かって頂けたと思います。

《 余談 :山崎50年 》
 私はウイスキーが好きで、親戚から沢山送って貰っていました。 2018年にサントリーの『山崎』とか『響』を10本ほど売りました。担当者(T氏)が車で買い取りに来てくれて、写真付きの身分証明書の提示を要求しました。マイナンバーカードの番号部分を隠して、写真を撮りました。そして、現金で支払ってくれました。

 「今まで一番高かったのは何ですか?」と聞いたら、T氏が「最近、『山崎50年』を買い取って、『3,000万円』で売った」と言うのです。『山崎50年』は3回、抽選で1本『100万円』で売ったのを知っていました。「いくら何でも」と思ったので、インターネットで調べたら、『3,500万円』程で売っていました。今日、調べたら相場は『8,800万円』になっていました。

 『裏金を作る商社』が『山崎50年』を『100万円』で買って保管していたとします。社員の名前を使って売ったら、『7,000万円』程で売れそうですから、7,000万円程の裏金が出来る事になります。 古物商や質屋の取引の記録にマンナンバー/法人番号を記載させるべきです。

政治家が黒い金を集める昔の仕組み

2024-01-13 15:00:30 | 黒い金
【はじめに】
 先日(1月8日)に『黒い金』の記念碑的存在だった『目白御殿』が全焼してしまいました。 そして、とうとうパーティー券問題で逮捕者が出ました。 今年は、「黒い金を減らす」変革の年になって欲しいです!

 岸田総理は『政治維新本部』を立ち上げましたが、最高顧問の一人に派閥の長である麻生太郎氏を就任させ、メンバー38人中に問題の安倍派から10人も選びました。岸田氏の本気度が疑われます。 私は、「黒い金を必要としない、自民党に生まれ変わって欲しい!」と願っています。

 「衆議院を昔の様に『小選挙区制』に戻すべきだ」と言う方がいますが、黒い金が飛び交う事になってしまいそうなので、私は大反対です。

 本稿では、「昔、黒い金をドンナニして作ったのか?」を皆さんに知って頂く必要が有ると思ったので、私の経験談を書きます。私より詳しい方が、今でも数十万人は生きておられると思いますが、皆さん墓場まで秘密を持って行くと決められている様です。

【政治家の金が絡んだ事件】
 戦後の政治家が絡んだ、(私の記憶に残っている)黒い金の事件を以下に列記します。

・・・ 戦後の政治家が絡んだ、黒い金の事件 ・・・
★ 福島県政汚職事件 :1950年 ・・・800万円→→木村守江知事
★ 田中彰治事件 :1966年
★ ダグラス・グラマン事件 :1970年に発覚 ・・・日商岩井・5億円→→松野頼三氏
★ 東京佐川急便事件 :1987年~ ・・・発端を作ったのは総理就任前の竹下登氏、数千億円の金が動きました。事件に関する本が沢山出版されました。
★ リクルート事件 :1988年~89年 ・・・竹下登氏
★ 共和汚職事件 :1991年
★ ゼネコン汚職事件 :1993年~94年
★ 日歯連闇献金事件 :2001年 ・・・1億円→→橋本龍太郎氏、野中広務氏、青木幹雄
★ 河井夫妻選挙違反事件 :2019年
★ 日本風力開発汚職事件 :2023年 ・・・数千万円→→秋本真利衆議院議員
★ パーティー券問題 :2023年
★ 柿沢未途議員公選法違反事件 :2023年

【黒い金についての私見】
 古株の記者達は、巨額の黒い金が動いていた事は承知していたと推察しますが、あまりにも全国津々浦々に蔓延していたので、「ニュースにはならない!」と考えていた様に思います。 国民の多くは、「政治には金が要る!」と黒い金を問題視しなかったのでは?と思います。

 目白に有った田中角栄氏の御殿で、「土産として紙袋に1億円入れて持って来たのを、目撃した」と話す記者がいましたが、「彼は黒い金に麻痺して、殆ど問題視していない」様に見えました。

 今から・たったの三十数年前まで、毎年!毎年!1兆円~2兆円もの黒い金が政界に流れていました。現在60歳代の政治家の多くは、そんな黒い政治の世界に足を踏み入れたのです。先輩達は、ふんだんに入って来る黒い金で愉快にやっているのを見ていたと想像します。彼らが、当選回数を重ねるたびに黒い金の額が小さくなっていって→→高級料亭や高級クラブに行けなくなりました。

 現在55歳以下の営業マン達は、入社後に裏金作りに走り回る必要が無くなっていたと思います。 国民は段々政治家の不正を嫌悪する様になり、現在では黒い金は最盛期の『数%』まで減少していますが、収支報告書に記載しない事すら問題視する様になっているのです。

 政治家達は三十数年間に、「黒い金が悪だ!」と言う学習が出来ませんでした。国民の多くは「黒い金が悪だ!」と考える様になりました。政治家達と国民の考え方の乖離(かいり)が大きすぎる様に思います。

【政治家が黒い金を集める昔の仕組み】
 戦後、政治家の絡んだ『黒い金の事件』は沢山あり、特捜部が活躍しました。 然し、特捜部は『黒い金を集める仕組み』を暴く事は出来ませんでした。

 三十数年前の日本の政治/経済を知って頂く必要が有ると考えているので、適任者とは言えませんが、私が『官庁商売』で得た知識を以下に書いておきます。

《 第0ステップ :黒い金の相場 》
 官庁商売では、受注金額の『3%』を現金で、国会議員、知事、市町村長に渡すのが相場になっていました。千葉県は成田空港建設の頃から『7%』だったと記憶しています。発注金額が『4%』高かったので企業は損をしなかったのです。某県は何故か?『5%』で、発注金額が『2%』高かったです。

 誰も集計した事が無いと思われるので、確かな話では有りませんが、国の一般会計予算と特別会計予算、地方公共団体の予算の総額から人件費を除いた額の『3%』が黒い金になったと思います。従って、1990年頃でも、黒い金は『2兆円』に近かったと私は見ています。

(余談 :革新系市長) 1990年頃の話しですが、某政令指定都市の一市(K市)に革新系の市長が誕生しました。私が勤務していた会社では、「今後は市長が発注先を決める慣習は廃止する」と判断しました。就任して間も無く、「市長の沖縄出張の航空券、ホテルを某社が手配して、現地で大接待した」と言う情報が入りました。 新市長は、メーカー選定権を独占して、黒い金を貰ったのです! 私は、「金を何に使うのか?」不思議に思いました。

 K市では、前任の市長の時代から市民病院を建て替える計画が進んでいました。 建物の構造的問題から、非常用発電設備の燃料タンクの設計が難しく、私は知恵を絞って特殊なタンクを設計していました。 市長が、非常用発電設備を他社に発注しました。 受注した会社から、破廉恥にも「タンクだけ作ってくれ!」と言ってきました。

《第一ステップ :業界の談合組織への参加 》
 昔は、官公庁向けだけで無く大手民間企業に納入する会社は、業種毎に作られた『談合組織』に参加していました。鉛筆や消しゴムなどの文房具業界にも、『談合組織』が有りました。

 兆円単位の巨額の取引を行う『談合組織』も有りましたが、事務所は設けていませでした。 組織に参加している会社の課長か部長が、ホテルの一室で話し合いをしたのです。

 重電機器(重電)業界の談合組織は鉄壁の結束を誇る組織でした。3社組織、7社(?)組織などが有り、各案件の受注会社を決めていました。

談合体質の問題点 :競合会社がフェアーに競争して/切磋琢磨して技術を革新し、コストダウンするから国際競争力を養う事が出来ます。 談合は、この公理に反します。

 1980年代の話しですが、談合組織に入るのが嫌で舶用や海外向けにのみ製造/販売していた優良企業が有りました。ポンプの新興金属工業所(現:(株)シンコー)と発電機の大洋電機(株)です。

 ニデック(日本電産)は1973年に設立されて、精密モーターの分野では世界トップ企業に成長しています。 昔は、大型のモーターは重電が製造していましたが、現在はニデックが沢山製造しています。「多分、ニデックは談合組織に参加していないのでは?」と想像しています。

談合の擁護 :談合は昔から犯罪でした。然し、悪い面ばかりでは無かったのです。 例えば、ダムの建設は計画開始から完成まで十年以上掛かります。毎年計画変更が有って、その都度・見積書、仕様書、配置図などの図書の提出依頼が有りました。 業界で各計画毎の担当会社を決めて対応せざるを得ないのです。

 役所が経験の無い設備が必要になったとします。役人は勉強しませんから、メーカが『負んぶに抱っこ』して、計画を練り上げる必要が有り→→メーカの負担が大きくなりますが→→予算は通常の案件とほぼ同じになります→→談合が必要になります。

 談合は、関税と同様に外国企業の参入を防止する効果が有ります。(アメリカは今でも『インチ/ポンド単位』を使用していますが、外国企業の参入防止に現在は役立っていません。)

《 第二ステップ :入札参加資格 》
 国や地方公共団体が工事や物を発注する場合は原則として、『競合入札』の形にします。(稀に『随意契約』が有ります。) 入札に参加する為には『入札参加資格』を事前に取っておく必要が有ります。

 各社が→→入札参加資格審査申請を役所毎に提出→→審査→→問題が無ければ→→実績などを加味して、会社のランクを決め→→『入札参加資格』が認められます。

 国や地方公共団体の工事や物を発注する部署・それぞれに入札参加資格審査申請を提出する必要が有り、審査基準や有効期限がマチマチなので厄介です。 『入札参加資格』の詳細は書略します。

《 第三ステップ :情報の収集と担当者への働き掛け 》
 国や地方公共団体の情報は比較的簡単に入手出来ます。営業マンは自分が担当している機械装置が計画に入っている時は、役所の担当者に会って、「お手伝いさせて下さい」とお願いするのです。

 稀なケースでしたが、自民党の政治家の事務所から電話を掛けて貰わないと担当者が会ってくれない事が有りました。 役所の担当者が、「黒い金を集めるシステム」を公然と認めていたのです。

 私が勤務していた会社(K社)では、民間企業の情報を得るのは難しかったです。重電3社は、支店、営業所に情報収集のセンサー網を張り巡らしていて、重電3社に内緒にする事はほぼ不可能でした。 某国から大規模な装置をK社が受注した時、重役の一人が中堅の重電に大型のモーターを注文したら→→重電3社の1社(T社)の重役が乗り込んできて→→「貴社も談合しているでしょう! 本件は当社が受注する事になっていた。今回は目をつぶるが、次に同じ事をやったら重電3社との取引は出来なくなりますよ!」と言ったそうです。

《 第四ステップ :政治家への働き掛け 》
 官庁案件の場合は、各社がそれぞれ、別々の政治家にお願いしておきます。 例えば、A1社はa1先生、A2社はa2先生・・・A5社はa5先生に、「メーカ選定権利を得たらよろしく」とお願いしておきます。

 民間企業が顧客のケースでは、業界の談合組織の中で話し合って受注者を決めるのが原則でした。特別の県以外では、民間案件に政治家は介入しませんでした。 大手企業のKH社が、殆どの民間案件で、他社は勿論、KH社も赤字になる金額で見積書を提出して困りました。

緊急の金集め :総理大臣が代わる時は、20億円~30億円の金が必要になると言われていました。そんな時は、民間案件に政治家が介入して短時間に金を集めました。 例えば、民間企業(A社)が装置を→→B社に発注していたとします→→政治家からA社に「発注先をC社に変えてくれ」と圧力を掛けます→→A社は仕方なくC社に発注して、B社にお詫びします→→C社から黒い金が政治家に渡されたのです。

 C社は談合組織のルールを破った事になりますが、新総理大臣には逆らえませんから、談合組織内では問題になりませんでした。私は、こんな金集めで2回も被害を受けました。

《 第五ステップ :入札金額 》
 役所が「これ以上の金額では契約できない金額」を決めます。これを『予定価格』と呼びます。競争入札の場合は、各社が金額と会社名を書いた紙を封筒に入れて箱に入れます。役所の担当者が、全ての封筒を開けて→→一番安い金額を書いていた会社に発注します。 然し、全ての会社の価格が『予定価格』を上回っていたら、第2回目の入札が行われます。5回ほど入札しても、『予定価格』を下回る会社が出て来なかったら、日を改めて入札が行われている様でしたが、そんな事は私の経験では有りませんでした。

 政治家が落札して良い業者を決めましたが、『予定価格』は承知しておらず→→業者に教える事は有りませんでした。

 5社(A1社、・・・A5社)が入札するケースについて書きます。A1社がお願いしていた先生がメーカ決定権を得ました。A1社は残りのA2社~A5社にそれぞれ、第1回~第N回の入札金額を書いたメモを渡します。各社はそれぞれ、そのメモに書かれた金額で入札します。 入札を何回やっても、必ずA1社が一番安い様に仕組まれているのです。

 落札してはいけない会社(A3社)が第N回目に記入する金額を、間違えて二、三回目に書いてしまったので、A3社が落札してしまったケースが有りました。こんな場合は、(どんな業界でも)A3社がA1社にお願いして機械を作って貰い→→A3社が作った事にして納入しました。保守点検は、全てA1社が行いました。

 民間企業の入札でも同じような要領で行いました。大企業の入札で、1回だけハプニングが起こりました。私の勤務していた会社が落札する事になっていたのですが、何が何でも受注したい会社が、第1回目に『1円』と書いたのです。開封したのが、技術に詳しい温厚な紳士の重役さんでした。開封して、顔を真っ赤にされて、「君の会社の慈悲を受けなければならないほど、我が社は零落れていない!」と仰いました。

《 第六ステップ :政治家に黒い金を渡す 》
 納入が完了して役所から金が支払われると、企業が先生に黒い金を渡しました。 勿論、領収書は頂けません。

 渡す前に衆議院選挙が有るケースでは、先生は銀行から借金するケースが多かった様です。 先生が、黒い金を受け取る前に亡くなられた事が有りました。息子さんが補欠選挙で当選したら、多分、黒い金は息子さんに渡されたと想像します。血族で無い人が後を継いだら→→亡くなった先生の権利は、白紙に戻して→→先生達が話し合って→→別の先生が権利を得た様です。

 大昔、現役の国会議員(特に衆議院議員)が 急逝(きゅうせい)されて、銀行等に多額の借金が残ったケースが有りました。私は、そんな例を二、三知っています。

 黒い金は先生達の表か裏の事務所に現金で届けました。某県には黒い金を集める事務所が有って、全ての先生達の金はその事務所に一旦集めていました。別の某県では、社会党の古参の市会議員(M1氏)の事務所に一旦集めていました。 私が絡んでいた案件で、黒い金を渡す数ヶ月前に、市会議員選挙が有り、M1氏が立候補しなかったのです。 先生から、「社会党の市会議員(M2氏)の事務所に届けてくれ」と連絡が入りました。 金の一部は、M1氏とM2氏に渡っていたと想像しました。

【技術志向の役所】
 昔は、役人がメーカを決定するのは原則タブーでしたが、技術者を育てて、計画中の案件に最も適した装置/機械を製造するメーカを選定する役所が有りました。 旧国鉄や防衛省などです。

 民間企業でもプラントエンジニアリング会社(日揮、千代田など)は人材育成に力を入れて、日ごろから各種装置/機械の勉強をして、公平な機種/メーカ選定をしていました。

 近所の奥さんは免許書を持たず、体調が悪いので長時間・車に乗れませんでした。旦那さんが休みの日に、奥さんの気晴らしの為に、近くのスーパーに二人で買い物に車で出掛けていました。 大型のハイブリッド自動車に買い替えたのですが、経済的とは言えませんよね! 使用目的/条件によって機種を選定すべきなんです。

パーティー券問題

2023-12-09 10:57:58 | 黒い金
【はじめに】
 今から30年ほど前までは、国政選挙になると巨額の黒い金が飛び交っていました。「もう無くなったのか?」と思っていたら、2019年に河井克行元法相夫妻の買収事件が発生しました。『黒い金』を悪とは思わず、今でも使う議員先生がいるんですね!

 「赤信号みんなで渡れば怖くない!」と、政治パーティーのキャッシュバックを裏金にして→→良からぬ事に使っていたのだと推察します。国民は『黒い金』に対して強い拒否反応を示す時代になっている事に、議員先生達は気付いていなかったのです。

【私と政治家の事務所】
 1972年~84年に、私は官庁(国及び地方公共団体)にも買って貰える機械の設計と営業サポートをしていました。 当時、衆議院は中選挙区制でしたから、選挙に沢山裏金が必要でした。官庁が発注した金の3%~5%が自民党に献金される仕組みになっていました。 大半の献金は裏金として処理されていた様でした。

 国と地方公共団体の予算には『一般会計』と『特別会計』が有ります。1972年~84年頃は、両会計の金が自民党への献金の対象でした。 例えば、50兆円発注されると、1.5~2.5兆円も献金されたのです。

 国会議員は全て東京と地元に事務所を持っていましたが、自民党の有力議員の中には、その他に裏金を扱う秘密の事務所(裏事務所)を持っている方がいました。大きな案件の場合、官庁の担当者に会う為には、裏事務所から電話を掛けて貰う必要が有りました。 そんな分けで、私は数カ所の表事務所と裏事務所に行った事が有ります。

 選挙が近づくと裏選対事務所を作り、そこで現金の受け渡しされるのが一般的でしたが、一部の議員は裏選対事務所を持たないで、表選挙事務所に現金を持って来る様に指示していました。少し気の小さい友人が、(現役の間づっと)業界を代表して数百万円持って行ってましたが、「逮捕されるのでは?」と心配していました。彼が逮捕されたと言う話は聞かなかったので、彼は生涯で10億円を下らない現金を配って回ったと思います。

 政治家の主催するパーティーは、大昔から有ります。パーティーの収入は、『表の金』として使用していたと思います。

 1994年に『政党助成金法』が出来ましたが、その頃から『黒い金』の流れる川の水量が減って来た様に感じました。 然し、今でも族議員が暗躍しているので、川が干しあがった訳では無さそうです!

★ 1948年 :政治資金規正法
★ 1950年 :公職選挙法
★ 1972年~84年 :私が官庁商売に関わっていた期間
★ 1994年  :政党助成金法

(注記 :官庁商売) 私が勤務していた会社では、国、都道府県、市町村向けの商売を『官庁商売』と呼んでいました。

【私の率直な感想】
 1972年~84年に、私が官庁向けの仕事をしていた頃は、巨額の金が裏献金されていました。その金は派閥のボスから→→派閥の議員に渡され→→議員の地元の地方議員に流れ→→一部の金で公職選挙法で禁止されている運動員を雇ったり、稀に買収金として使われました。

 自民党の総裁に選ばれると→→総理大臣になれる時代でした。総裁選挙が近づくと、総裁選挙に立候補する派閥のボスは→→20~30億円ほど裏献金を集め→→他の派閥のボスに渡し→→支持を取り付けるのが一般的だった様です。

 公設秘書制度が始まったのは、1993年です。それまでも、議員は秘書を雇っていました。全て自腹で給与を支払っていたのです。『表の金』で支払っていたのか?『裏金』だったのか?分かりませんが、秘書の給与を捻出する為に議員先生達が苦労している様な話は聞いた事が有りませんでした。

 裏金で先生達は、高級料亭、高級レストラン、高級クラブ、ホテル等に集まって、結束を固めたり、良からぬ密談をしていたと推察します。巨額の裏献金が流れなくなると→→高級料亭、高級レストラン、高級クラブの多くが店仕舞いしました。

 私はドブ川の様な政治の世界を見て来たので、パーティー券問題が報じられる様になって、正直、「日本の政治世界は、驚くほど清純になった!」と喜びました。『裏金の額』は二桁ほど小さくなっている様に思います。

 近年、「衆議院を中選挙区制に戻すべきだ!」と言うコメンテーターがいますが、中選挙区制では同一選挙区で同じ政党の候補者が戦う事になりますから、地方議員を取り込む為に『巨額の黒い金』が飛び交う事になります。2019年に河井克行元法相夫妻が引き起こした買収事件を思い出して下さい。

 派閥の長が→→多額の裏献金を企業に要求する様になり→→子分達に配って→→地方議員が票の取りまとめをする様になります。沢山裏金を獲得した派閥が、与党内で力を発揮する様になります。中選挙区制に戻すのだったら、裏献金が出来なくなる法整備が絶対に必要です。

【パーティー券問題を解決するのは簡単です!】
 金融機関への振り込みでしか、パーティー券の購入が出来ないと政治資金規正法を改正したら→→パーティー券問題は発生しません。

 パーティー券の購入は政治献金の一種です。政治資金規正法の『第22条の6の二』で、政治献金は金融機関への振り込みでしか出来ない事になっています。 そもそも、パーティー券を現金で売る事が可笑しいのです。

 「国会議員達は、キャッシュバックで裏金を作る事を前提にして、法律を作ったのだ!」としか、私には思えません。野党も法案の審議に参加していたので、裏金作りを承知していたはずです。野党は一丸となって、「パーティー券は振り込みで購入しなければならない!」と政治資金規正法を改正する案を提出すべきです。

【政治資金規正法】
 政治家のパーティーを規制する法律は、1948年に成立した『政治資金規正法』の『第22条の8』です。この法律では『政治資金パーティー』と呼んでいます。

 政治資金団体への献金(寄附)は『第22条の6の二』に規制されています。「献金は預貯金口座への振り込み」しか認められていません。 下に、『第22条の8』と『第22条の6の二』を御参考までに転記しておきます。

《政治資金団体に係る寄附の方法の制限》
第22条の6の二  何人も、政治資金団体の預金又は貯金の口座への振込みによることなく、政治資金団体に対して寄附をしてはならない。ただし、その金額が千円以下の寄附及び不動産の譲渡又は貸付け(地上権の設定を含む。)による寄附については、この限りでない。

2 政治資金団体は、その寄附を受ける者の預金又は貯金の口座への振込みによることなく、政治活動に関する寄附をしてはならない。前項ただし書の規定は、この場合について準用する。

3 何人も、前二項の規定に違反してされる寄附を受けてはならない。

《政治資金パーティーの対価の支払に関する制限》
第22条の8  政治資金パーティーを開催する者は、一の政治資金パーティーにつき、同一の者から、百五十万円を超えて、当該政治資金パーティーの対価の支払を受けてはならない。

2 政治資金パーティーを開催する者は、当該政治資金パーティーの対価の支払を受けようとするときは、あらかじめ、当該対価の支払をする者に対し、当該対価の支払が政治資金パーティーの対価の支払である旨を書面により告知しなければならない。

3 何人も、政治資金パーティーの対価の支払をする場合において、一の政治資金パーティーにつき、百五十万円を超えて、当該政治資金パーティーの対価の支払をしてはならない。

【政治資金パーティーは商売ですよ!】
 個人、企業、政治家は、有料のパーティーを開く権利が有ります。

① 個人や企業の場合は、無料のパーティーもOKです。有料のパーティーだと、出た利益は課税の対象になります。

② 政治資金パーティーの場合は、無料にしたり、有料でも赤字になると、公職選挙法の『買収罪』に問われる可能性が有ります。

③ 政治資金パーティーは『商売(商い)』の一種ですから、「その利益には課税すべきだ!」と私は思うのですが、皆さんはどう思われますか?

④ 個人や企業の場合は収支を証明する書類(領収書など)を整理して→→保管しておかないと、税務署が許してくれません。政治資金パーティーには税務署はタッチしない様です。この点も可笑しいですね!

【議員達の言い訳】
 国会議員には国から給与が支払われる公設秘書を3人雇用する事が認められています。 「陳情に対応したり、地元の意見/要望を調査するのに私設秘書を数人雇う必要が有るので、政治資金パーティー等々で私設秘書の給与を捻出する必要がある!」と若手の議員達は主張します。

 私は野党議員の地元の事務所に出入りした事が有りますが、公設秘書が一人とパートの女性が一人か二人しかいませんでした。東京の事務所には、公設秘書が二人いると言っていました。 昔から、野党議員に陳情に来る客は少ないので、公設秘書は現状の3人で十分だと思います。

 (私は公明党議員の事務所には行った事が有りませんが、)自民党の有力議員の地元事務所には男性秘書が三、四人いました。

 与党議員が、本当に公設秘書を増やす必要が有るのだったら、国会で「適正な人数は何人か?」議論すべきです。野党議員の多くは、「現在は野党でも、将来は与党になってやる」と日々頑張っているのだと推察しますから、自分の事として取り組むと推察します。 与野党の若手議員達だけで議論したら、良い案が浮かぶ様に思います。

 次の資料に、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの議員秘書に関する規定が整理されています。一長一短ですから、日本独自の制度を真摯に検討/立案する必要が有ります。
★ 参考になる資料 :国立国会図書館 2020年3月5日 『欧米主要国の議員秘書制度【第 3 版】』

【余談 :キックバックの罪】
 キックバック(謝礼金)は罪にはなりません。但し、収支報告書に記載していない場合は、脱税か政治資金規正法違反で罰せられる恐れが有ります。裁判で懲役か禁固の判決が出たら、その政治家は政治生命を絶たれると予想します。

❶ 脱税 :キックバックで貰った金を飲み食いに使ったと主張したら、脱税罪になります。時効は7年で「10年以下の懲役」、「1,000万円以下の罰金」、又は「両方」が課せられます。

❷ 収支報告書不記載 :時効は5年です。刑罰の軽重はケースバイケースで、禁固刑が課せられる可能性が有ります。