これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

日本の活性化❸ー1 :直面している政治/経済問題

2022-05-28 09:32:17 | 国際問題
【はじめに】
 最近、コロナ患者(?)が急拡大した北朝鮮で、金正恩氏が「建国以来の大動乱」と言いました。 私は、日本の政治/経済も『大動乱の状態』になっていると思います。

 日本の政治/経済の問題を列挙してみます。 解決には多額の『金』が必要な大きな問題がゴロゴロ転がっています。首相の周りに(官僚では無い)若手の優秀な人材を集めない限り、問題は解決しないと思います。

【岸田首相】
 岸田氏は、首相に就任する一ヶ月前(2021年9月)に一衆議院議員として『新しい日本型資本主義 ~新自由主義から転換』と題する文章を発表しました。(インターネットで検索してみて下さい。) 昨年末に顕在化していた問題点に対するザックとした考え方を表明しています。

 その後、ウクライナ戦争が勃発して問題が多数発生し、各問題が錯綜して複雑怪奇の状態になってしまいました。各問題の解決には兆円単位の金が必要です。 日本は戦時体制が必要な状況になってしまいました。

 岸田首相は5月5日にロンドンで「インベスト イン キシダ(Invest in Kishida)」と発言しました。「僕を信頼して日本に投資して下さい」と言いたかったのだと思います。自信過剰です! やる事をやってから言って下さい!

 麻生太郎氏は『緊縮財政』を、安倍晋三氏は『積極財政』を主張しています。政権運営の為には両派を立てる必要が有るのでしょうが、『大動乱の状態』を乗り切るためには、『積極財政』が不可欠だと考えます。国家と民間企業が一体となって、日本を再生する必要が有ります。

 来日したバイデン大統領と、日本が国連の常任理事国になる件について話し合った様です。私の持論は、「常任理事国の拒否権を廃止すべき!」です。常任理事国が拒否権を持たなかったら、国連は正常に機能すると思います。

・・・ 岸田政権の実績 ・・・
★ こども家庭庁の創設 :準備中で、2023年4月発足予定
★ 経済安全保障推進法 :5月成立 

【課題❶ :従来からの問題】
 最近、あまりマスコミが取り上げませんが、安倍政権時代から放置されてる問題が多数有ります。

★ マイナンバーカードの普及
★ 女性活躍社会
★ 少子化問題
★ 高齢者の増加→→福祉関連費の増加
★ 大和堆での違法操業問題
★ 皇室の継承問題

【課題❷ :ウイズコロナ】
 新型コロナは変化して感染力は高くなりましたが、重症化の恐れは低下しました。インフルエンザとほぼ同程度の疾患として、私たちは新型コロナと付き合える状況になったと思います。 経済活動に関する規制を全面的に撤廃して、経済活動を2019年の状態に早急に戻しましょう!

【課題❸ :米中貿易戦争】
 2016年頃から問題になり始めた米中貿易不均衡問題は、アメリカの考え方がドンドン・エスカレーションして現在は『米中貿易戦争』と呼ばれる状況になっています。(現在は貿易不均衡が問題では無く、中国の経済発展を阻止する事が目的の様に見えます。)

 2016年以降のアメリカの経常収支の推移を下に整理しました。赤字額が年々増加しています。ドルが世界の基軸通貨で無かったら、アメリカは破産国と呼ばれても可笑しく無い状況です。

① クワッド(日米豪印戦略対話:Quadrilateral Security Dialogue) :対中国政策の一環として、日米豪印の四カ国が参加する「外交・安全保障の協力体制」です。
② インド太平洋経済枠組み(IPEF) :13ヵ国が参加して経済発展に取り組む組織です。

(補足説明) クワッドとIPEFは、インドを中国に近づけ無いための協力体制です。インドは、非常に特殊な国です。 中国とパキスタンと国境問題を抱えています。ロシアは、(互いの通貨を使用する事を認めて)インドに多量の兵器を売って来ました。インドとロシアは親密な関係に有ると見るべきです。従って、クワッドとIPEFの会合で、ロシアを批判すると、インドが脱退する恐れが有ります。

 インドは、昔から欧米諸国の言いなりにはならない、独自の外交をして来ました。安倍政権の時は、インドの考え方/主張を理解した外交を進めて来ました。今回、クワッドとIPEFが出来たのは、「安倍氏の粘り強い努力の成果だったのでは?!」と私は見ています。

 インドは、昔から科学技術の大学教育に力を入れて来ました。優秀な学者や技術者を沢山輩出して来ましたが、(インド国内に製造企業が育っていない為)その多くは欧米諸国で活躍しています。(1972年・技術提携していたノールウェーの企業に優秀なインド人がいました。)

・・・ アメリカの経常収支の推移 ・・・
★ 22年≒―8,780億ドル  (中国≒2,130億ドル、日本≒1,170億ドル)・・・IMFの予想値
★ 21年≒―8,070億ドル (中国≒3,170億ドル、日本≒1,420億ドル)
★ 20年≒―6,160億ドル (中国≒2,490億ドル、日本≒1,490億ドル)
★ 19年≒―4,720億ドル (中国≒1,030億ドル、日本≒1,760億ドル)
★ 18年≒―4,380億ドル (中国≒ 240億ドル、日本≒1,780億ドル)
★ 17年≒―3,620億ドル (中国≒1,890億ドル、日本≒2,040億ドル)
★ 16年≒―3,980億ドル (中国≒1,910億ドル、日本≒1,980億ドル)
★ 15年≒―4,090億ドル (中国≒2,930億ドル、日本≒1,360億ドル)
出典 :世界経済のネタ帳「アメリカの経常収支の推移」

【課題❹ :原子力発電所】
 アメリカを除いた先進諸国では、「原油と天然ガスの価格高騰と入手が難しくなった」と言う難題に直面しています。差し当たっての問題は、電力不足が懸念されることです。 昨日(5月27日)政府は、「今年の冬季、大企業に罰則付きの『電気使用制限』を発令する事を検討する」と発表しました。

 日本には定期検査中で休止している原子力発電所が多数有ります。安全性審査を早急に進めて、再稼働させるべきです。

エレクトリカル・ジャパン(国立情報学研究所・北本朝展教授) :「リアルタイム電力使用状況」をインターネット上に無料で公開しています。各電力会社毎に、電力使用量と供給能力が表示されています。 「供給能力に休止中の原子力発電所の定格出力が含まれていない」と仮定して考えてみました。

 私が住んでいる関西電力の今日の発電能力は「14,840MW=1,484万kW」です。関西電力の休止中の原子力発電所の定格出力の合計は「452.8万kW」です。 1,484万kW+452.8万kW=1,936.8万kW 休止中の原子力発電所の一部を再稼働させたら冬季の需要を賄えると思います。

運転中の原子力発電所 :関西・大飯3号=118万kW、高浜4号=87万kW、四国・伊方3号=89万kW、九州・川内1号=89万kW  ・・・(出典=原子力規制委員会の2022年5月27日の資料)

・・・ 現在定期検査中の原子力発電所 ・・・
★ 北海道 :泊1号=57.9万kW、2号=57.9万kW、3号=91.2万kW
★ 東北  :東通1号=110万kW、女川2号=82.5万kW、女川3号=82.5万kW
★ 東京  :柏崎1号=110万kW、2号=110万kW、3号=110万kW、4号=110万kW、5号=110万kW、6号=135.6万kW、7号=135.6万kW
★ 日本原子力 :東海第二=110万kW、敦賀2号=116万kW
★ 中部  :浜岡3号=110万kW、4号=113.7万kW、5号=138万kW
★ 北陸  :志賀1号=54万kW、2号=135.8万kW
★ 関西  :美浜3号=82.6万kW、大飯4号=118万kW、高浜1号=82.6万kW、高浜2号=82.6万kW、高浜3号=87万kW
★ 中国  :島根2号=82万kW
★ 九州  :玄海3号=118万kW、4号=118万kW、川内2号=89万kW

【課題❺ :2024年の物流問題】
 『働き方改革』の一環として、2024年4月以降、自動車のドライバーの年間残業時間を960時間以内にする事が義務化されます。 遠距離トラックの運転手一人が一日に運転出来る距離が、250km程になる様です。

 ドライバー不足、輸送費のアップ、・・・等々の問題が発生しそうです。 「最大で10兆円を超える経済損失が発生する」と言う予想が有ります。

(余談 :ドライバーの給与) 私が管理している賃貸マンションに70歳過ぎの女性が一人で住んでいます。国民年金しかなく、(7万円ほどの)家賃は遠距離トラックの運転手をしている(妻と子供がいる)息子さんが支払っている様です。去年(21年)は遠距離トラックの仕事が減ったので、家賃は遅れ気味でした。「24年には家賃が払えなくなるのでは?」と心配しています。

 息子さんは月に一、二度、レジ袋に土産を入れて様子を見に来ます。「感心な息子さんですね」と言ったら、「苦労して育てたんだから、当り前よ!」と言いました。

【課題❻ :燃料の高騰】
 原油価格は2020年4月に底値を打って、その後は急激に高騰しています。 一方、ロシアは原油(石油)の世界第2位、天然ガスの第1位の輸出国です。日本を含む欧米諸国はロシアからの輸入を制限しようとしています。 一方、中国とインドは、最近・ロシアから原油を多量に輸入しています。「ロシアのウクライナへの侵攻を支援する行為のため、許し難い」と私は思います。

 西欧諸国は、ロシア以外の産油国からの輸入を拡大する必要が有りますから、当分の間・燃料価格は更に上昇すると予想されます。

★ WTI原油価格の推移 :2020年4月≒16.5$/バレル→→21年4月≒61.7$/バレル→→22年3月≒108.5$/バレル  2020年4月の原油価格は、コロナの影響などで、投げ売り状態だった(異常に低かった)ので参考にするには問題が有ります。

(豆知識 :WTI) WTIは「ウェスト・テキサス・インターミディエイト」の略称です。テキサス州とメキシコの一部で産出される原油のことです。硫黄分が少ないので、ガソリンや石油製品の製造に適しています。産出量は非常に少ない(世界で産出される原油の1%~2%しか無い)のですが、産出量の100倍も取引される不思議な原油です。

 若い人達は知らないと思いますが、1990年代から黒豚の価格が高騰し、店頭で販売される量が生産量の2倍以上にも達しました。要するに白豚を黒豚と誤魔化したのです。WTIの場合は、他の油田の原油をブレンドなどして、硫黄含有量をWTIと同等に調節したら、WTIと認められます。

(豆知識 :バレル) 1石油バレル(barrel)≒159リットル。 バレルは樽のことです。 アメリカとイギリスでは、ビールやウイスキーなどで『液バレルと』言う単位を使いますが、石油バレルとは大幅に異なります。

【課題❼ :穀物の高騰】
 世界の穀物価格は2020年以来、急激に上昇しています。もはや、企業努力で吸収できる状況では有りません。パン、麺類や菓子類の値上げが避けられいと予想します。

 家畜の飼料も高騰しますから、牛肉、豚肉、鶏肉が値上がりするでしょう!玉子も同様かも知れません。

 ロシアとウクライナは穀物輸出国です。 米国農務省が3月に公表したデータによると、ロシアとウクライナが20/21年度に輸出した量は、(世界全体の)小麦≒30%、トウモロコシ≒20%でした。日本は両国から穀物は殆ど輸入していませんが、戦争が長期化して両国からの輸出が減少すれば、世界の穀物価格は更に高騰して、日本の輸入価格も高騰すると思われます。

★ 小麦価格の推移 :2020年4月≒219$/トン(100%)→→21年4月≒281$/トン(128%)→→22年4月≒495$/トン(227%)

★ トウモロコシ価格の推移 :2020年4月≒147$/トン(100%)→→21年4月≒281$/トン(191%)→→22年4月≒348$/トン(237%)

出典 :世界経済のネタ帳『穀物価格の推移』

日本の活性化❷-2 :少子化対策

2022-05-21 10:30:06 | 未来予想
【はじめに】
 昨日、散歩で保育園の前を通ったら、抱っこ紐で胸に赤ちゃんを抱いて、自転車の後ろのチャイルドシートに幼児を乗せて、前にも空のチャイルドシートを付けた若いお母さんがやって来ました。 延長保育させていた子供を迎えに来たのです。彼女はまだ二十歳代の様でした。「たまには、御主人と二人で呑みに行きなさい」と言って、小遣いの入った封筒を渡し、ベビーシッターを派遣する様な粋(いき)な国になって欲しいものです!

 今回は『少子化対策』についての最終稿です。

【ライオンと象の家族】
 ライオンの家族は、血縁関係の無い雄が二、三頭と、子供達と雌達が15頭程で構成されている様です。雌達が協力して狩りをして、→→食糧を調達し、雄達は協力して敵から家族を守る様です。 ライオンの雄は生殖本能の他に、家族を守る本能も持っているのです。

 ライオンの雄は日中は寝ていて、夜になると「縄張りの中に他の集団や単独行動の雄が侵入していないか?」見て回るのが仕事です。何とか侵入したいと、チャンスを伺っている雄を追い払います。年老いて元気が無くなった雄は、単独行動の雄に追い出されてしまいます。 新しく集団に受け入れられた雄は、子供を殺す事が有る様です。 (子供を殺された雌は発情するので、前の雄の子供を殺すのです。)

 皆さんは、象の家族の映像を見たことが有ると思いますが、雌達とその子供達の集団です。 雄は単独か、雄の集団で生活しています。象の雌は大きくて、強いですから雌達だけで天敵に対抗出来るのです。(密猟者は別ですが。) 要するに、雌達にとって生殖以外では雄は必要の無いモノです。

【人類の家族】
 現在の日本では一夫一婦制が当たり前になっていますが、イスラム教の多くの国では今でも一夫多婦制です。 大分前ですが、中国の『通い婚制』が残っている地方の話を読んだ事が有ります。 家族制は人間の本能とは無関係で、その国の/その時代に子孫をより多く残す制度が採用されて来たのだと思います。

 人間の雄には家族を守ると言う本能が無く、女性が男性に守ってもらう必要性が無くなった社会(高福祉の女性活躍社会)になると、一夫一婦も一夫多婦制も存続の意味が無くなります。 社会福祉が進んだ国で、一夫一婦制を前提にした少子化対策をするのは無理です。

 女性活躍社会を目指すのは民主主義の一丁目一番地です。子供を産めるのは女性だけです。幸いな事に、女性には「子供を産んで、育てたい!と言う本能が有るようですから、フランスの様に多くの女性が『仕事と育児が両立出来る社会』になれば、日本の合計特殊出生率が改善すると私は予想しています。

(余談 :高校生の妊娠) 某中小企業に出向していた時の話です。小さな居室で、設計3人・和気あいあいで仕事をしていました。2月の月曜日に出社すると、私より10歳程若い社員(T氏)が暗い顔をして、殆ど喋らなくなってしまいました。数日経っても暗い顔をしたままでした。T氏には高校3年生の自慢のお嬢さんがいて短大に進む事が決まっていました。お嬢さんが妊娠している事を知ったのですが、既に中絶が出来ない週に入っていました。

 私はT氏の話を聞かせてもらいました。娘さんには短大への進学を断念させました。彼氏は既に私立大学への進学が決まっていたのですが、「就職して子供を養う」と言ったそうです。子供はT氏夫妻が養うから、進学する様に言ったそうです。

私の夢の社会 : ❶高校生が妊娠しても暖かく見守る社会になって欲しい! ❷国がベビーシッターを派遣する等して、娘さんも彼氏も進学出来る社会になって欲しい! ❸赤ちゃんポストを各都道府県に二、三ヶ所設けて欲しい! ❹子供は国家の宝物ですから、子供の支援に『慈善』と言う言葉を使わないで欲しい! ❺親が養えない子供達も、最低・高校には進学出来、大学にも進学出来る様になって欲しい!

【昔は何故結婚したのか?】
 日本の合計特殊出生率は『1.4』以下ですが、現在でも結婚したカップルの合計特殊出生率は『2.0』ほど有る様です。 それで、浮薄(ふはく)な某学者先生が「多くの若者を結婚させるのが、有効な少子化対策だ!」と主張しています。 国、都道府県、市町村の一部では、AIを用いた出会いサイトを設けたりしていますが、殆ど成功していません。

 江戸時代には、独身女性を年齢によって、娘盛り→→年増(としま:20歳前後)→→中年増(~28、29歳)→→大年増と言ったそうです。 結婚が国家にとって重要なら、今も昔も『娘盛り』の女性達に結婚を勧めるべきです。

 「昔は大半の人が、何故結婚したのか?」、「現在の若者の一部は、何故結婚したがらないのか?」考えてみました。 私の答えは、「民主主義思想が発展して、男女が自分で結婚を考えて良い時代になった」ためだと思います。

 昔は、長男が財産の大半を相続し、結婚して跡取り息子を設けるのが当たり前だと考えられていました。次男や三男は財産を殆ど貰えないで、働きに出て、自分で稼いで独立しました。(現在の様に財産を平等に分ける親は、『たわけ者』と馬鹿にされました。)

 娘は結婚させないと『世間体が悪い!』と言う風潮が有りました。親達は、伝手(つて)を頼って何とかして娘全員を結婚させようと努力しました。裕福な家では、持参金付きで嫁入り先を見付けようとしました。恋愛は御法度で、嫁入り先は親が決めたのです。 大昔は、写真が有りませんでしたから、結婚式が終わって初めて、お互いに顔を見たカップルが有ったと想像します。

 生涯独身の女性には、現在死語になっている下の❷の様な酷い陰口が叩かれました。離婚して実家に帰った女性は『出戻り』と軽蔑されました。

 大昔から戦前までは、結婚する割合が高く、合計特殊出生率が『4.5』程も有りました。 悲しい話になりますが、三、四人子供を産んだら、その後で生まれた子供は殺した(『間引き』した)のです。時代劇には障害を持つ子供や知恵遅れの子供が登場しませんが、そんな子供達は殺された(間引かれた)のです。この習慣は、戦後の1950年頃まで残っていた様です。『間引き』は小説や映画で取り上げられる事は殆ど有りませんが、仲代 達矢が主演した映画『果たし合い』には間引きのシーンが有りました。

・・・ 独身の男女への陰口 ・・・
❶ 男性 :半人前
❷ 女性 :行かず後家、売れ残り(売れ残り女)、薹(とう)が立った女、小姑鬼千匹(小姑一人は鬼千匹に向かう)

(余談 :私の見合い話し) 私の姉の一人が、資産家で、同じ名字の男性と結婚しました。 私が入社して直ぐの頃(1970年頃)、見合い写真が送られて来て、釣書(つりしょ/つりがき)に「持参金として一億円付ける」と言う様な手紙が付いていました。 オッチョコチョイの仲人が、義理の兄の実の弟と勘違いしたのです。間違いに気が付いて、直ぐに先方から断ってきたので助かりました。

(余談 :嫁入り道具と姉の思い出) 妻と私は紀州の出身で、1974年に結婚しました。 (私は知らなかったのですが)嫁入り道具は最初に『鏡』を搬入して、受け取るとき新郎(?)が鏡持参者に御祝儀を渡す習慣が残っていました。 この時、私の一番上の姉が(遠路はるばる)何故か来てくれていたのです。そして、そっと祝儀袋を手渡してくれました。

 嫁入り道具を受け取る作法が有って、姉は作法を私が知らないと思って来てくれていたのです。「幾ら入っていたのか?」と聞いたら「10万円」だと答えました。当時の私の月給は五万円ほどでした。「後日返す」と言うと、「私からの結婚祝いだから、返さなくて良い」と言ってくれました。

【現在は何故結婚しない人が増えたのか?】
 戦後、段々と結婚しない男女が増えて来ました。何が原因か種々議論されています。 どのコメンテーターも言いませんが、私は「結婚しなかったら世間体が悪い」と言う考え方が無くなり、男女が自分で結婚するか?どうか?を決められる時代になって来た事が最大の原因だと思います。

 「男女が出会うチャンスが少なくなったのが原因だ」と言う方がいますが、都会の会社で働いている男女は、(女性社員の数が一般に増加していますから、)昔よりもズット出会いの機会は多いいです。 私が勤務していた会社では、1995年頃・若い男女の社員達に月に一回『飲む会』を設けるのを奨励して、一人500円補助していました。然し、社内結婚は増加しませんでした。

 漁村や農村には若い女性が少ないので、確かに男女が出会うチャンスは少ないと思われます。農漁村の合コンに公費を投入する事に賛成します。然し、それだけでは不十分です。女性達が時々集まってワイワイガヤガヤやれる集会場を設けたり、女性の希望に添える環境を整備すべきだと思います。

 私は、「男女が協力して子育てしたら、子供は幸福だ」と考えるので、「一組でも結婚するカップルが増えたら良い」と願っています。然し、少子化を止められる程、結婚数が増加するとは考えていません。

(余談 :息子達) 私の開発チームには沢山若い人が配属され、私は教育係を兼ねて仕事をしました。社会人になってから相手を見つけるのは次第に難しくなって来ていました。 長男は女好きと言える程では有りませんでしたが、高校時代から彼女がいたので、心配しませんでした。 次男は、奥手(おくて)だったので、「大学中に好きな女性が出来たら良いが!」と願っていました。 (二人とも遠くの大学に入って、アパート暮らしをしました。)

 次男が大学3年生の時に、妻と二人で様子を見に行きました。アルバイト先で知り合った可愛らしい女性を紹介してくれたので、凄く嬉しかったです。 それ以来、年に一度は彼女を連れて家に遊びにきました。卒業したら結婚するのか?と期待していたのですが、7年間も待たされました。

【少子化対策は必要か?】
 私は、先進国の社会は現在・大変革時期に入っていると考えています。多くの先進国で一斉に少子化が始まりました。一方、世界全体で見ると、毎年!毎年!人口は1億人ほども増加しています。 人類の長い歴史の中で経験した事の無い現象が進んでいるのです。

 私は、少子化→→人口減少の問題は、以下に述べる理由から重要な問題では無いと考えています。未婚女性が子供を産んでも暖かく見守り、国が支援する様になれば、日本の合計特殊出生率はフランスと同程度までは改善すると予想しています。


❶ 人口密度 :日本は西洋諸国と比べると山が多くて平地が少ないのに、人口密度が高いです。 日本≒347人/km2、ドイツ≒237人/km2、イギリス≒275人/km2、フランス≒122人/km2。 戦後直ぐの日本の人口は0.72億人でしたので、人口密度≒1.98人/km2だったのです。

 このまま、少子化が進むと戦後直ぐの人口に近づいていくでしょうが、それでも、現在のフランスの人口密度よりは高いです。 今後、世界的には食糧の確保が難しくなってくると予想されるので、人口減少は『悪』とは言えないかも知れません。

❷ 省力機械/装置 :既に日本は高齢化社会ですから、種々の分野で省力機械/装置の開発を推進する必要が有り、需要も有ります。この面から、少子化の問題は、日本にとって『ピンチはチャンス』だと思います。

 介護用の素晴らしい省力機械が開発出来たら、欧米諸国だけでなく中国にも輸出出来るでしょう! 私の経験では、省力化のアイディアを出すのは中小企業の方が得意です。日本には中小企業が多いいですから、省力機械/装置の先進国になれる可能性が有ります。

❸ 自動運転自動車 :現在・既にレベル4の自動運転自動車の実験が行われています。「2025年にレベル4の車を市販する計画だ!」と政府は二、三年前に公表しました。実現したら種々の分野で無人運転自動車が活躍する様になると予想します。タクシー、バス、トラックなどの運転手が大幅に減るでしょう!

 この二、三年、電気自動車が話題になりますが、私は「当初の計画の通り自動運転自動車の開発に国は注力すべきだ!」と考えています。2020年の自動車の燃料税収は4.3兆円も有りました。急激に電気自動車が普及したら、別の財源を探す必要が有り、発電所の増設が必要になる等の問題が発生します。高齢化社会の問題解決には、自動運転自動車の普及の方が有効です。

❹ デジタル化 :昨年(2021年)に”ヤット”デジタル庁が出来ました。国と地方公共団体の事務が将来・大幅に効率化出来て、人減らしが可能になると予想します。

 中国ではAIによる裁判(AIが判事役)が実施されていますが、日本でも最近(2022年5月)民事裁判の手続きをIT化する民事訴訟法改正案が成立しました。過去の膨大な裁判データをデジタル化したら、民事訴訟はAIによる裁判に出来ると思います。裁判所の判事や事務員、弁護士の数が減るでしょう!





日本の活性化❷-1 :少子化対策

2022-05-14 11:59:59 | 社会問題
【はじめに】
 私は他人の乳幼児も好きです。先日、電車に乗ったら近くの乳母車に可愛い女の子がグッスリ寝ていました。若い父親が頬っぺたを突いて起こしたら、素敵な笑顔で目を覚ましました。錠剤の様な御菓子を与えました。次の駅で降りるので赤ちゃんを起こしたのだと想像しました。父親が抱っこして下車しました。急に抱っこしたら泣き叫ぶ恐れが有りますよね!

 今回は少子化問題についての持論を書きます。

【少子化と高齢化】
 「少子化対策が必要だ!」と言われる方の考えは、「❶高齢化社会が進むと(高齢者の割合が増加すると)→→❷医療費や社会福祉費(年金や生活保護費)が増加するから→→❸子供を沢山生んでもらい→→❹労働人口を増やして→→❺医療費や社会福祉費を現役世代に負担してもらう」と言う事の様です。

 この考え方は、一見良さそうに見えますが、私は間違いだと考えています。 今日、生まれた子供が働き始めるのは20年以上先です。一方、高齢化社会は将来の問題では無く、現代の問題です。 「少子化問題と高齢化問題は切り離して、別々に議論して対策を検討すべし」と言うのが私の持論です。

【歴代政府の少子化対策】
 日本の合計特殊出生率が『2.1』以下になったのは1970年頃からです。従って、現在50歳以下の人達は年齢が下がるに従って人数が減少しています。 一方、団塊の世代(1947年~49年生まれ)の人達は現在73歳~75歳になっています。 10年ほど前から、日本の現役人口は減少し続いています。

 合計特殊出生率が『1.57』まで低下した平成元年(1989年)に、本腰で少子化対策を始めたら効果が有ったかも知れません。然し、最初の少子化対策担当大臣が誕生したのは2007年でした。その後15年しか経過していませんが、担当大臣が20人も交代しました。民主党政権時代も含めて、「少子化問題を何とかしろ!」と言う世論に押されて、やっている振りをしているだけです。

 「日本の文化/伝統、家族の有りようを壊さない少子化対策を考え出すのは至難の業だ!」と頭脳明晰な官僚達が考えて、ノラリクラリとやってきたのだと思います。少子化対策の成功国と言われているフランスの例を見ると、保守的な老人が多いい国会議員達が満足しそうな少子化対策案は無い様に思います。

(合計特殊出生率) 一人の女性が一生のうちに産む子供の数を平均化した数値です。成人(子供を産む年齢)までに死亡するケースが有るので、『2.1』以下だと人口は減少します。 2019年の日本の合計特殊出生率は『1.36』でした。

【女性活躍社会と少子化問題】
 21世紀になって日本でもヤット「女性が活躍出来る社会にしよう!」と言う考え方が普及する様になりました。 日本でも民主主義的な考え方が広まって、「男女平等」の思想が受け入れられる様になった結果だと思います。

 女性活躍社会の実現と少子化問題を「ゴッチャ混ぜ」に議論する方がおられますが、切り離して考えるべきだと思います。

(余談) 息子の嫁さんの一人は、理系の修士卒で民間企業の研究員です。女の子(孫)を設けてくれました。産後1年間は休みをもらい、孫を保育園に預けて職場復帰しました。3歳ほどになった孫を連れて帰省した時、私は室内用の玩具のテントを買ってやりました。

 テントの中に人形を置いて、孫がお母さんの役で遊び始めました。テントが保育園で、人形が自分だとして遊ぶのです。孫が仕事に行こうとすると、人形が「延長は駄目!」と言うのです。 延長保育が多くて辛かったのだと思いました。私は素知らぬふりをして見ていましたが、お母さんは辛かったでしょう! もう一人子供が欲しかった様でしたが、2回流産して、精神的に大きなショックを受けてしまいました。

 現在・孫は小学3年生で、思いやりのある、賢い子供になっています。お母さんは管理職になって頑張っています。

★ 男女共同参画社会基本法 :2009年制定
★ 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍社会推進法) :2017年布告

【伝統文化と女性活躍社会】
 女性が大学に進む割合が段々と高くなって来ました。私が大学生だった50年ほど前には理系の学部では女性は非常に少なかったです。2021年の医学部合格者(≒14,300人)の内・41%は女性でした。今後、ますます高学歴の女性が増えて来ると予想されるので、出産後に職場に復帰出来、子育しながら仕事を続けられる社会に変えて行く必要が有ります。

 フランスは少子化対策の先進国です。女性が活躍出来る施策を種々実施して、結果として少子化に歯止めが掛かったのです。 日本が同じ施策を採用しても、(女性活躍社会にはなれると予想しますが、)少子化問題の解決にはならないと考えます。 フランスでは、女性活躍社会が充実してくるに連れて→→非嫡出子の割合が高くなり→→結果として合計特殊出生率が改善したのだと考えられます。フランスでは100人子供が生まれたら、60人ほどは未婚女性が生んだ子供(非嫡出子)です。

 日本や韓国では、(多分・儒教の影響が残っている為と思いますが)未婚の女性が子供を産むと、「はしたない女だ!」と言うレッテルを貼られてしまいます。 結婚と出産についての倫理観を変える運動と平行して女性活躍社会対策をしないと、日本と韓国の合計特殊出生率は益々悪化すると予想します。

 日本は近代化/工業化が要求した『核家族化』を受け入れて、大切にしてきた『大家族』と言う伝統文化を捨てました。現在の民主主義が要求する『女性活躍社会』が充実するに連れて→→日本でも未婚女性が子供を産むケースが増加して→→女性と子供だけの家族が増えてくると予想します。 貴方がこの流れに反対していると、娘さんとの仲が悪くなって孫を抱かせてもらえなくなりますよ!

・・・ 合計特殊出生率 ・・・
★ フランス :1970年≒2.48→→90年≒1.79→→2010年≒2.01→→19年≒1.86
★ 日本   :1970年≒2.13→→90年≒1.54→→2010年≒1.39→→19年≒1.36
★ 韓国   :1970年≒4.50→→90年≒1.54→→2010年≒1.22→→19年≒0.9
出典 :社会実情データ図録『合計特殊出生率の推移(日本及び諸外国)』

・・・ 非嫡出子(婚外子)の割合 ・・・
★ フランス :1970年≒6.0%→→16年≒59.7%
★ 日本  :1970年≒0.9%→→16年≒2.3%
★ 韓国  :1970年≒?% →→16年≒1.9%
出典 :社会実情データ図録『世界各国の婚外子の割合』

(余談) 現在は非嫡出子は少ないですが、明治末期から大正の初期には非嫡出子の出生率が9%程も有りました。多分、二号さんが多かったためだと思います。

【世帯主は廃止すべき!】
 未婚女性が出産するのを温かく見守る社会を実現する為に、私は戸籍制度を廃止し、住民票制度の見直しが必要だと考えています。

 住民票には『世帯主』の欄が有りますが、「少なくとも成人になった子供は、それぞれ親とは別の住民票を作成すべきだ!」、「結婚しても夫婦別々の住民票にすべきだ!」、「夫婦別姓の希望者には、結婚しても住民票の氏名欄をそのままにすれば良い」と言うのが私の持論です。

 最近、内密出産の二例目が認められた様です。この子達の親は分かりませんから、生まれた時から一人だけの住民票になります。現在は出産届を出すと親の住民票に赤ちゃんの名前が記載されますが、内密出産の子供と同じ様に赤ちゃんだけの住民票にすべきです。行政上には支障が無いと思われます。 (日本では毎年250人ほども捨て子が有るそうで、これらの子供にも住民票が作成されています。)

 戸籍制度は明治元年(1868年)から始まりましたが、住民票制度は諸外国の真似をして戦後・1952年から始まった新しい制度です。(戸籍制度は日本のガラパゴス文化の一つで、日本と台湾以外には有りません。韓国は廃止しました。)

 現在既に住民票も戸籍謄本もデジタル化されていて、国民全員にマンナンバーが振られています。誰と誰が結婚しているのか?誰の子供か?はマンナンバーで(役所が)把握出来る様にすれば良いのです。

(余談 :マンナンバーの悪用防止) 国は保険証の代わりにマイナンバーカードを使用させようとしています。一方では、「マイナンバーを他人に知られたら危険だ(悪用される恐れが有る)」と言う記事を見掛けます。私はマイナンバーが知られても悪用されない様に工夫して欲しいです!悪用したら重刑を科す様に法律を改正すべきです!

(余談 :妻の方が高所得だった例) 夫の方が所得が多いいのが当たり前の社会が続いてきたので、戸籍の筆頭者と住民票の所帯主を男性にするのが一般的です。 然し、私の周りには妻の方が高所得者だった夫婦が結構沢山いました。

例❶ :私より一回り程年配の男性達の話ですが、二人とも女性に惚れられて結婚したそうです。奥さん達は、戦後直ぐに美容院とブティックを始め、成功して、それぞれ何軒か経営されていました。 旦那さんが結婚後給料を渡そうとしたら、「貴方の給料は当てにしていません、小遣いにして下さい」と二人とも言われたそうです。 結婚して男性の『姓』は変わりませんでしたから、多分・住民票の『世帯主』は旦那さんになっていたと類推します。

 一人は私が勤務していた会社の部長で、もう一人は中堅企業の専務でしたから、年収は1,000万円以上有ったと思われます。 「羨ましい」と思われるかも知れませんが、(奥さん達が忙しいので、)二人ともウイークデーの夕食は外食していました。

例❷ :やはり一回り程年配の同僚の男性の話ですが、学校の先生と結婚されました。男性の給料は停滞していたのに奥さんの方は着実にアップして、定年10年前には、奥さんの方が高給になっていました。

例❸ :私と同年配の社員(T氏)の奥さんは、結構大きな病院の婦長になりました。 40歳になった頃、T氏と飲んでいたら「ボーナスは少し僕の方が多いいが、月給は妻に抜かれた!」・・・数年後「ボーナスも妻の方が多いい!」と嘆いていました。 その頃、T氏の服や靴は若々しい物に変わりました。私が褒めると、「息子の”お上がり”です」と嬉しそうに言いました。

例❹ :私より二歳年上の東大工学部卒の先輩(N氏)の話です。仕事の出来る多趣味の方で、私はクラシック音楽について種々教えて頂きました。 関西では有名な女子大卒の・素敵な”いいとこのお嬢さん”と社内結婚されました。 「お嬢さん」だと思っていたら、結婚後に本屋を始めて→→成功して→→二、三店舗に増やしました。出向の嵐が吹き始めた時、N氏はサッサと退職して奥さんの手伝いを始めました。

例❺ :私の勤務していた会社で大卒の女性の採用が始まったころ、高卒の男性社員と職場結婚するケースが何件か有りました。全て女性が『姓』を変えました。

【労働人口の確保】
 少子化を食い止めて労働人口を確保すると言う考え方は間違いです。先週投稿した様に、現在世界は人口爆発が問題になっていますから、後進国から出稼ぎに来てもらえば良いのです。

 「海外から働きに来られる方に、どの程度の社会福祉を認めるか?」ジックリ・ガラス張りの議論をして法律を整備すべきです。単に安い労働者を確保すると言う考え方は止めましょう!不埒な雇い主を監視する体制を確立し、罰則を明確にしましょう!

【竹田恒泰氏の少子化対策安】
 竹田恒泰氏は、第一子に1,000万円、第二子に2,000万円、第三子に3,000万円支給する案を提案しています。

 ドッカット金を支給したら、シングルマザーでも、現在の様には苦労せずに子育てが出来る様になります。結婚して、→→夫に不満が有ったら、→→サッサと離婚するケースが増えると予想します。 未婚の女性が子供を産むケースも増加してきそうです。竹田氏の案は、フランスの少子化対策が生んだ結果と同じになりそうです。 「夫婦が協力して子供を育てる」と言う日本の伝統が変わってきそうです。

 フランスは少子化対策を進めた結果、2016年には未婚の女性が生んだ子供の割合が『59.7%』にもなりました。 竹田氏は、日本の文化や伝統を重んじる保守的な方です。 竹田氏の案を実行したら、私が『未婚女性家族』と呼んでいる家庭が大半になる事を、彼は承知しているのでしょうか?

 2020年に日本で生まれた赤ちゃんは87万人です。竹田氏の案で100万人まで増加して、一人平均1,500万円支給すると毎年15兆円も必要になります。 消費税を1%アップすると、単純計算で税収は2.6兆円増加するそうです。財源を全て消費税で賄う為には、今よりも『5.8%』アップする必要が有るのです。

(竹田案の別の問題) 子供を産んだ時点で、親にドッカット金を渡したら、金を貰って→→子供を捨てる不埒者が出て来そうに思います。 東南アジアから女性を連れて来て→→子供を三、四人産ませて→→国から支給された金の一部を女性に与えて→→帰国させ→→子供は放置すると言う様な『新しいビジネス』が出てきそうに思います。竹田案を採用すると殺伐な社会になってしまいそうです!


人口爆発の時代です!

2022-05-07 10:55:14 | 社会問題
【はじめに】
 先進国の多くでは『少子化』が問題になっていますが、世界全体で見たら『人口爆発』の方が重大な問題です。 今回は、人口爆発問題について私の考えを書きます。

 第二次世界大戦後、比較的平和だったので先進国の多くで『自由・平等・博愛』を重んずる様になりました。然し、人口爆発がこのまま続いたら、食糧と地下資源の奪い合いになるのは必定です。 日本国憲法前文に書かれた、「・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して・・・いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない・・・日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」と言う理想とは真逆の世界になって行くと私は予想しています。

【人口爆発の原因】
 後述のようにキリスト誕生の頃から人類は増加し始め→→19世紀から爆発的な増加状態に入り→→10年間ほどで世界の人口は10億人ほども増加する様になっています。

 現在は間氷期ですが、氷河期になると1億人を超える人間が生き残れるとは思えませんが、氷河期は10万年ほどの周期で発生すると言われています。最後の氷河期は1.5万年前に終わりました。 従って、数万年以上は人類を含めた生物の繁殖に適した気候が続くと思われます。

 地震と津波は怖いですが、その被害は局所的ですから、超大規模な地震や津波が発生しても人類が絶滅する事は考えられません。 7.5万年前に発生した超大規模な火山噴火では、生き残った人類は『1%以下』だった様です。

 プーチン大統領はウクライナ戦争を始める前から「欧米諸国が手出ししたら、核兵器を使用する」と恫喝しています。現在、地球上には核爆弾が13,000発も有りますから、全てを爆発させたら7.5万年前の超大規模な火山噴火と同じように、人類は絶滅の危機になるのでは?と危惧しています。 (通常兵器で戦争を繰り返しても、人類が滅亡する事は無いと思います。)

 人口爆発には人間の知能が関係しています。 地球は何十億人まで人類を養う事が出来るでしょうか? もう・そろそろ限界に達しているのでは?!

・・・ 人口爆発の原因 ・・・
❶ 現在は間氷期で、生物の繁殖に好ましい気温が続いている。
❷ 超大規模な火山噴火が発生していない。
❸ 医薬、医療技術の進歩
❹ 化学肥料や農薬の増産
❺ 農業機械の進歩、食物貯蔵技術の進歩、貯蔵設備の充実
❻ 土木機械の進歩→→農地の拡大、灌漑設備の充実
❼ 輸送機械の進歩→→遠距離の搬送が可能になった。
❽ 大型漁船の建造(遠洋漁業が可能になった)、養殖漁業の普及
❾ 網戸の普及→→乳幼児の死亡率が減少した。

【人口爆発の問題点】
 人口爆発が次の❶~➌の問題と関連する事は明らかです。 人口爆発が発生している/今後発生する国が後進国の為に、国家間の格差が拡大して行く事が最大の問題だと私は思います。

 日本は明治維新後、短期間に自力で近代化して豊かな国になりましたが、現在貧しい国は、自力で近代化/工業化するのは非常に難しくなっています。(先進国の援助と投資が無ければ不可能です。)

ミャンマーの例 :ミャンマーが民主主義国家になっていたら、日本を含む欧米諸国が投資して、現在・中国で生産している工業製品の一部をミャンマーで生産していたと思います。(中国が支援する)軍隊が支配する国家には、中国以外の国からの投資は殆ど期待出来ません。

ウクライナの例 :戦争が始まる前からウクライナは貧しい国でした。もしもロシア軍を押し戻すことが出来たら、日本を含む欧米諸国から経済援助と投資が行われ、豊かな国になる切っ掛けが得られる可能性が有ると私は考えています。

❶ 自然破壊、森林破壊、海洋汚染
❷ 食糧や地下資源の奪い合い→→内乱や隣国間での戦争が頻繫に始まる。
❸ 二酸化炭素(CO2)の排出問題
❹ 国家間の格差拡大→→現在貧しい国が豊かになるのが難しい。

(余談) 「中国がアフリカなどの後進国で農地を買いあさっている」と言う記事を読んで、「何と!浅はかな!」と思いました。 その国で人口が増加して→→国民が飢える様になったら→→内乱が発生して→→真っ先に中国人の農園が襲撃されてしまうでしょう! そんな状態になったら、中国は何万人もの兵隊を投入する必要が有ります。

【人口爆発対策】
 人口爆発が問題になるのは後進国です。 問題が発生する国が自ら対策を講じるのは、宗教と教育レベルを考えると、出来ないと思います。 先進国が「産児制限しろ」と圧力を掛ける事は出来ません。然しながら、放置すると後進国の多くで内乱が発生し、最悪の場合は隣国と戦争を始める恐れが有ります。

 先進国は団結して何らかの行動を起こす必要が有ると思います。然し、出来る事は、「人口増加を止められ無い国に対して、❶経済援助をしない、❷経済投資をしない、➌人道支援をしない」などしか有りません。

(余談 :人工妊娠中絶) カトリックの信徒数は現在12億人いるそうですが、未だに人工妊娠中絶に反対しています。人口爆発が進んで、食糧難が酷くなった国で内乱が発生するのは、人類の宿命(定め)です。 ローマ法王が平和を愛するのだったら、人工妊娠中絶を認めるべきです!

【人類の増殖】
 植物も動物も、厳しい環境の中で増殖出来る『種』だけが生き残る事が出来ました。 勿論、人類も同じです。 得られる食物の限界よりも沢山子供を産んで→→病気/疫病、天敵、飢饉、人間同士の殺し合いで数を減らし→→それでも増えすぎた時は餓死者が出て数を調節して来たのだと思います。

 オランウータンは単独行動が基本で、雌が子供を連れて生活しますが、人類は狩猟・採取の時代から、集団生活をしていたのだと思います。 集団生活は『一種の福祉社会』です。働ける者達が食物を手に入れ、子供や老人を養っていたのです。 (最近の研究によると、1万年以上前にトルコ南東部では狩猟・採取で沢山食物が得られたので『町』が出来て、神殿まで建設されていました。)

 農耕社会になって『土地(農地)』の私有が始まって、『家族』で子供や老人を養う様になったのだと思います。 集落が大規模化して→→集落間で土地を奪い合い→→人口が増加して→→国が出来→→大規模な戦争をして→→人口が増加して→→国家が出来ました。 人類は数を少しずつ増やし、何時も戦をしていたのだと思います。

(余談 :灌漑用水路) 私の故郷では五つの集落共用の灌漑用水路が有りました。川上の谷から水路が設けられていて、全長10キロメートルほど有りました。毎年春先に、各家から一、二人出て、水路に溜まった落ち葉や泥を除去しました。水路の石垣などが壊れそうになると、各集落の男達が集まって修復しました。水田を維持する為には、沢山の人間の協力が必要だったのです。 山の上に、集落の団結のシンボルだった神社が有り、毎年お祭りをして、『餅まき』をしました。

【世界の人口の推移】
 15,000年ほど前に間氷期に入り→→12,000年前に農耕が始まり→→1,000年ほど前から人口が増加して→→現在は10年間で10億人も増加する『人口爆発』の時代になっているのです。

★ 2021年:79億人
★ 2011年:70億人
★ 1998年:60億人
★ 1987年:50億人
★ 1975年:40億人
★ 1960年:30億人
★ 1920年?:20億人
★ 1810年?:10億人
★ 1500年?: 5億人
★ 0001年: 1.7億人~3億人
★ 12,000年前: 100万人~1,000万人 農耕社会が始まる!

(余談) 500万年ほど前に人類の祖先はアフリカで誕生し→→20万年~30万年前にホモ・サピエンスが誕生して→→少しずつ数を増やし、住む場所を広げて→→7万年ほど前にアフリカから世界に拡散し始めたと言われています。(『トバ・カタストロフ理論』によると、一旦人口が激減した様です。) 日本にホモ・サピエンスが到達したのは3.8万年ほど前だと言うのが定説になっています。

『トバ・カタストロフ理論』とは、75,000年前に発生したインドネシアの『トバ大噴火』で→→地球が寒冷化して→→全世界の人口が10,000人ほどにまで激減したと言う説です。

(余談 :氷河期) ホモ・サピエンスは少なくとも2回の氷河期を生き抜いたのです。ドバ火山の大噴火による絶滅の危機を乗り越え、最後の氷河期が終わった後、高収量品種の米と麦を発見して農耕社会に入りました。

❶ ヴュルム氷河期 :70,000年前~15,000年前 (最後の氷河期)
❷ リス氷河期 :18万年前~13万年前
❸ ミンデル氷河期 :30万年前~23万年前
❹ ギュンツ 氷河期 :47万年前~33万年前

【インドネシアの人口爆発】
 近年・人口爆発が起こっている例はインドネシアです。最近の30年間で51%(9,300万人)も増加しています。 現在、インドネシアの人口は世界第4位です。 今後も増え続けると予想します。

★ 2020年≒2.74億人 (151%)
★ 2010年≒2.42億人 (134%)
★ 2000年≒2.12億人 (117%)
★ 1990年≒1.81億人 (100%)
(出典) グローバルノート

【中国の人口推移】
 中国は税金と兵隊を集める為に古くから戸籍調査が行われて来ました。 そして、新しい王朝が誕生すると、その前の王朝の記録(正史)を作成しました。 正史を調べると、人口の推移が分かります。

(余談 :正史) 中華民国と中華人民共和国が、それぞれ『清史』を作成し、正史は『二十五史』だと主張しています。 正史の数は、『明史』までの『二十四史』が正しいと私は思います。 その中に、司馬遷の『史記』や、『魏志倭人伝』が含まれる『三国志』が有ります。

 キリスト誕生以来の中国の人口推移を以下に整理してみました。1500年頃までは増えたり/減ったりしています。 減少の最大の原因は、天候不順による凶作だった様です。(各正史に凶作の年や大規模な戦争に関する記載が有ります。)

 大規模な戦争で男性が沢山死んでも、昔の中国は厳密な『一夫一妻制』では無かったので、女性が生き残れば10年ほどで人口は回復したはずです。何回も繰り返した中国の人口減少は、凶作が主な原因だったのです。

 中国で人口爆発が始まったのは、1700年頃(江戸時代の中頃)からです。1.4 億人だった人口が、200年後の1900年には4.0 億人になり→→その後も増加しましたが→→毛沢東の失政で餓死者が多数出て減少しました。その後・人口爆発が始まったので、1979年に『一人っ子政策』を始めました。深刻な高齢化社会が予想される様になって、2001年『二人っ子政策』に切り替えましたが、出産率は回復せず→→高齢化社会になって来ています。

(余談 :少数民族と『一人っ子政策』) 1979年に始めた人口抑制政策では、少数民族には特例が認められていました。農村部は3人、都市部は2人まで許していたのです。ウイグル族などでは、1979年以降も人口が増加し、→→産児制限を強制された漢民族を説得する為に→→ウイグル族の人口統計を誤魔化し→→ウイグル族への弾圧が続いているのだと私は見ています。

★ 2020年≒14.11億人
★ 2000年≒12.7 億人 ・・・2001年『一人っ子政策』を見直した。→→『二人っ子政策』
★ 1980年≒ 9.9 億人 ・・・1979年『一人っ子政策』
★ 1962年≒ 6.84億人 ・・・大躍進運動(毛沢東の失政) ・・・人口減少
★ 1959年≒ 8.83億人
★ 1949年≒ 5.42億人 ・・・中華人民共和国
★ 1900年≒ 4.0 億人
★ 1880年≒ 3.7 億人 ・・・人口減少
★ 1840年≒ 4.1 億人
★ 1700年≒ 1.4 億人 ・・・人口減少
★ 1600年≒ 1.6 億人
★ 1500年≒ 1.0 億人
★ 1275年頃≒0.55億人 ・・・人口減少
★ 1193年頃≒1.01億人
★ 1020年頃≒0.50億人
★  970年頃≒0.30億人
★  786年頃≒0.29億人 ・・・人口減少
★  780年頃≒0.36億人
★  764年頃≒0.29億人 ・・・人口減少
★  755年頃≒0.61億人
★  604年頃≒0.51億人
★  221年頃≒0.14億人 ・・・旱害
★  188年頃≒0.60億人
★ 0000年頃≒0.7~0.8億人 ・・・キリスト誕生
(出典) ①山田利明『中国史に見る人口激減現象について』、②加藤徹『中国の人口の歴史』、③図録▽中国とインドの超長期人口推移

【日本の人口推移】
 鎌倉幕府が誕生した頃(13世紀)の日本の人口は800万人ほどです。 1281年の蒙古襲来(弘安の役)の時の蒙古軍総数は55万人だったと言われています。疫病と台風が蒙古軍を弱体させ→→日本軍が決死の覚悟で奮戦して→→蒙古軍を撃退したのだと思います。

 江戸時代の初期に1,200万人だった人口が、約260年後の明治維新の時(1868年)には2.8倍ほど増えて3,300万人になりました。 多くの国では、人口が増加すると戦争が始まりますが、徳川幕府は海外への出兵はせず、大名同士の戦を禁止して、大名の反乱も許さなかったのです。 江戸時代は、長く平和が続いた珍しい国の一つだったのです。

 明治時代になって、化学肥料と西洋医学・医薬が普及する様になって人口が爆発的に増加しました。終戦の年(1945年)までの約80年間に人口は2.2倍になりました。 日本を取り巻く世界情勢に問題が種々有りましたが、日本が覇権主義国家になって大陸で戦争をしたのは、人口爆発も原因の一つだったと私は思います。

 第二次世界大戦で男性が沢山亡くなりましたが、女性の死亡者が少なかった為に、戦後も人口爆発は続きました。 戦後の45年間(1945年~90年)に53,000万人も増加しました。 その後、少子化が始まり→→日本の人口は2009年にピーク(1.286億人)になり→→減少が始まりました。

★ 2020年≒1.26億人
★ 2009年≒1.286億人 ・・・人口のピーク
★ 1990年≒1.25億人
★ 1945年≒0.72億人 ・・・終戦の年
★ 1868年≒0.33億人 ・・・明治維新
★ 1720年頃≒0.31億人 ・・・江戸中期
★ 1603年≒0.12億人 ・・・江戸幕府成立
★ 1192年≒0.076億人 ・・・鎌倉幕府成立