これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

政治家や官僚と賄賂 (その3)

2020-02-29 11:05:36 | 社会問題
 今回は、「どんなにして貴方に魔の手が伸びてくるのか?」と言う話しです。 にわかには信じられない話しも書きますが、断じてフィクションでは有りません。 (私は、土曜日に投稿しているのですが、27日(木曜日)に『新型コロナウイルスと政治(その2)』を急遽公開しました。是非読んで下さい。)

【関西電力の不正】
 2019年に関西電力の重役達が高浜町の元助役から多額の現金や物を受領していた不正が発覚しました。 問題の根本は未だに報じられていない様に私は思います。

 電気料金は、電気事業法で「掛かった費用✖〇〇係数」となっています。「〇〇係数」は国が決めるので、電力会社は「掛かった費用」を大きくすると、売り上げ額や『利益』が増えます。(通常の民間企業の常識とは真逆です。) 電力会社は国が認めてくれそうな価格まで、『買値を高く』する必要が有るのです。

 『買値を高くする』にはどうしたら良いか? 種々の理由を付けて『随意契約』で発注します。企業間の競争が無いから、幾らでも高く買えます。 一例を挙げると、塗装工事が必要になったとします。出入りの業者(A社)に発注します。 A社は塗料メーカーから塗料を買いますが、缶のシールを剥がして、A社が製造した『特別な塗料』で有るかの様なシールを貼ります。こうして置けば、万一国の検査が入っても、塗料を不当に高い価格で購入した事はバレません。

 関西電力の重役達は、「元助役が何をするか?分からない怖い人間だったから、受け取って/返せなかった」と言い訳していましたが、本当に隠したかったのは、『掛かった費用』を水増ししていた事だと私は思います。少し頭の切れる方が電力会社と取引したら、問題の本質が分かると思います。 元助役は、この不正な料金制度を利用して、関西電力に食い込んだのでは?

 私は、関西電力の重役達が悪いのではなく、寧ろ・こんな料金体制を続けてきた国と、それを問題にしなかった我々国民が悪かったのだと思います。貴方が、関西電力の重役だったとして、元助役から、「買値を高くする不正をバラス」と脅されて、毅然と対応出来ますか?

 政治家の一部は電力会社の支援を受けており、野党を支援している連合には、電力会社や、電力会社から仕事を貰う会社の御用組合が入っています。 従って、政治家が電気料金体制の不備を正すのは難しいと思います。 官僚の一部が、この問題を緩和する手段として考え出したのが『電気料金の自由化』だと私は受け取りました。

 多分、「電力だけ自由化するのは不公平だ!」と誰かが言い出して、「ガスも自由化」する事になったのでしょう。 一見・公平な様に思いますが、現在の電力会社とガス会社では体力に差が有り過ぎます。電力会社には原子力発電所の稼働率低下、LNGが長期契約で通常の国際価格より高い、古い発電設備を多数保有する等の重い足枷が付いていますが、数年先には足枷を外して、ガス会社を壊滅させるのでは?と私は心配しています。

 電力会社とガス会社が、通常の民間会社となる『料金体制』を考え出す必要が有ります。でないと、元助役の様な人間が暗躍する事になってしまいます。私は前から考えていますが、まだ妙案が浮かびません。皆さんも考えて下さい‼

(余談 :月夜の晩ばかりでは無いぞ!) 関西電力の重役達は、「高浜町の元助役が怖くて、金品を返せなかった」と言い訳していましたが、私も脅迫された事が有ります。製紙機械を製造する小さな企業(N社)に出向した時に、製紙ラインの多くに採用されているカナダ製の装置の特許を調べました。カナダの某社(K社)が2件特許を持っていましたが、とっくの昔に期限切れになっていました。

 カナダのK社は、予備品を異常に高い値で売り、納期が一年と言う『殿様商売』をしていました。改造には一切応じず、使い勝手の良い様に工夫する製品開発も一切しませんでした。私が出向する前から、N社は強く頼まれた製紙会社に限って、(特許権に触れると思いながら)数台・問題の製品を作って/納入していました。

 ある日、体格の良い、強面(こわおもて)のK社の社員が訪ねて来て、「特許侵害だ、今後・作ったら提訴する!」と言うのです。 私が、「特許はとっくに期限切れです」と言うと、彼は「月夜の晩ばかりでは無いぞ!」と捨て台詞を吐いて帰りました。 N社の社長は、余程怖かったと見えて、問題の製品を積極的には売ろうとしませんでした。

【二重底のお土産】
 高浜町の元助役は、お菓子の入った箱に金の小判を入れて渡した事も有った様ですが、この手は昔からよく使われています。 普通は新札の一万円札を入れます。そして、その箱を”そっと”奥さんに渡した様でした。直ぐに開封して食べる物を入れないと、「到来物です」と言って、奥さんが親戚に回したら”えらい事に”なってしまいます。

 関係者が生きておられても90歳を超えているので、白状しますが、私は入社2年目頃から時々でしたが、超高価な神戸肉を買う担当をしました。店に入ると、「今日は50用でお願いします」と言うと、店員は何も言わずに仮包装した箱と、包装紙を渡してくれました。 「何をしていたか?」分かりますか?

 ”50”とは50万円のことで、二重底にして50万円がピッタリ収まるスペースを設けてもたらったのです。隙間が有ると、渡す時に音が出て困ります。 (当時の私の月給は6万円弱でした。)

 渡すのは、その晩・旦那さんが帰宅された時か、翌朝の出勤前です。渡したら、「何時もお世話になっています」とだけ言って、直ぐに帰った様です。その場で突き返したり、後日・返した方はいなかった様でした。 これを『夜討ち朝駆け』と言って、新聞記者達だけの用語では有りません。

【デパートの外商】
 私が東京勤務の頃、総務部から「出入りのデパートの外商担当者(D氏)に机を貸してやってくれ」と頼まれました。D氏は注文を受けた商品を超特急で包装する必要が有ったのです。 それから時々、私の居室で急ぎの包装をする様になりました。

 大抵は商品券でした。少額だと紙の箱に入れていましたが、百万円ほどになると立派な桐の箱でした。 時々、超高級でセンスの良いマフラーなども有りました。「これを見たら家内は満面の笑みを浮かべる」と思いました。「これは返す」とは言えませんから、贈り主に便宜を図らざるを得ないのです。

(余談) 私は紀州の出身ですが、親戚に一回りほど年上で、背が高く美男子の方がいました。彼は定年までデパートの外商でした。口が堅くて顧客の話しは殆どしませんでしたが、私の育った家よりも更に山奥の山林王の所に時々行っていました。当時は、どの家を訪問するか?は外商担当者が自分で決めていた様でした。「幾ら金が有る方でも、気持ちよく話が出来るのでなければ行かない」と彼は言っていました。 現在でも、単に金が有るだけではデパートの外商は来てくれない様です。

(余談 :紀州の山林王) 子供の頃に二軒残っていた山林王は、破産したのか?現在は存在しません。 一軒の建物はゲストハウス『吉祥』になっています。私の祖父は山林地主の子供でしたので、どんな所で育ったのか?と興味があったので、昨年・吉祥に行って見ましたが、昼間は門が閉まっていて、中に入れませんでした。 興味の有る方は『ゲストハウス吉祥』で検索して下さい。

【盆/暮れの受け取り検査】
 関西だけの習慣だったかも知れませんが、お盆と年末に業者に受け取り検査に行くと、検査成績書の入った封筒に万札が何枚か入っていました。それを楽しみにしている社員が、結構沢山いました。

 私は入社して直ぐに、尊敬していた先輩から「その場で封筒を開けて、必ず万札は返せ」と教えられました。アドバイスを守っていたのですが、一回だけ帰社後に封筒を開けたら、十万円入っていました。社長に返そうとしたのですが、頑として受け取って貰えなかったので、税務署が認めてくれそうな領収書を集めて渡しました。

【二号さんを手配する慣例】
 日本を代表する会社の話しです。 取締役に昇格すると、出入りの某商社が幹事になって、二号さん付きの家を手配する事になっていました。この慣例は1970年頃には廃止されていましたが、二号さんとの間で出来た子供は一人前になるまで出入り業者の団体(?)で”面倒を見る”と言う慣例は残っていました。勿論、その金は税務署に認めて貰えません。(私が顧客回りを始めた1975年頃には、まだ小さい子の面倒を見ていたようです。)

 1980年代の話しですが、某大手のエンジニアリング会社の本社資材課長になると、出入り業者の団体(?)が都心の一等地の高級マンションの一室を借りて、二号さんを手配していました。本社資材課は毎年、2,000億円ほど発注していたので、月に二百万円ほどの金は大した金額では無かったのでしょう。

 この慣例は本社の資材課長にだけ適応されていました、部長に昇進したり、他部署に移るとマンションを明け渡す事になっていました。二号さんに毎月のお手当を運ぶ幹事会社の担当者と私は懇意になって、課長さんを紹介して貰った事が有りました。 その課長さんが部長に昇格する内示が出たのですが、「二号さんと別れたくない」と言い出したので、担当者は”ほとほと困って”いました。

(余談 :正妻さんの気持ちは?) 男達は楽しかったでしょうが、「奥さん達はどんな気でいたのか?」と私は思いました。私に二号さんを手配すると言われても、家内が怖いので辞退したと思います?!

(余談 :外国でも) これは、1970年代の話しです。東南アジアの石油産出国の大手企業が、ヨーロッパからやり手の経営者をヘッドハンティングしました。多分彼は独身だっと思います。 プール付きの豪邸を与え、更に若い綺麗な女性まで準備したのです。 彼は関西が好きで、その女性を連れて年に一、二度来日していました。某大手商社が観光の案内をしていましたが、時々私の会社に接待の依頼があり、私も会った事があります。(彼は、日産のゴーン氏とはまるで違って、気持ちの良い人でした。) 彼と彼女は、年は相当違いましたが、仲が良さそうで夫婦の様に見えました。彼は、自慢の豪邸の写真を見せてくれました。 「英雄色を好む」と言いますから、説得するには美人を使うのが最良の方策だったのです!

【産業スパイの魔の手】
 私は長く研究開発に携わったのですが、産業スパイと思われる人間が接触してきて、「何を開発しているのか? 進捗状況は?」、「貴社では〇〇を開発しているらしいが、何処で?誰が?開発しているのか?」と聞くのです。 その内の何人かは、不思議なことに帝国データバンクの社員だと名乗りました。御承知の様に帝国データバンクは企業調査の会社ですが、企業の極秘情報を盗む会社では無いと思います。

 私は面白そうだったので、騙された振りをして、二、三回そんな人間と雑談しました。 私の部下だった、入社3年目の社員(T氏)に帝国データバンクの社員と名乗る男から「会って、少し話を聞きたい」と電話が有りました。経験を積んでもらう良い機会だと思って、彼ともう一人の若手社員(S氏)に産業スパイとの接し方を教えました。 勿論、「絶対にお金を受け取ってはいけない」と教えました。

 会社に300人は座れる広い社員食堂が有り、食事時間以外は喫茶店兼打合せ室として使っていました。 帝国データバンクの偽社員とT氏が座ったテーブルの、直ぐ近くにS氏と私は座って打合せをしている振りをしました。T氏はポーカーフェイスで、実に上手に応対したので、私は感心し/彼を見直しました。

 産業スパイはあの手・この手を使います。開発部隊のトップをA取締役とします、その上の、更に上がC専務だとします。若手社員はC専務の名前は聞いた事が有っても、声を聞いた事など有りません。 「本社のCだが、〇〇の開発はどうなっている?」と電話を掛けてきます。 そんな時は、私が代わる事にしていました。私が代わって出たら、電話はプツンと切れました。

【KGBの集金と魔の手】
 日本には未だにスパイを罰する法律が無い、非常に珍しい国です。「スパイ天国」と呼ばれているそうです。 ソビエト時代(1991年まで)、ソビエトのスパイ組織(KGB)は日本国内で大活躍していました。私の若い知人(N氏)がモスクワに出張しました。帰国後、皆で飲んでいた時、N氏が得意満面の顔で、「街で・綺麗な若い女性と知り合い楽しく酒を飲んだ」、「その夜、彼女がホテルの部屋に来て一夜を共にした。僕はソビエトではモテるんだ!」と言いました。

 同席していたベテラン営業マンが、「ソビエトで英会話の出来る女性は全てKGBで、きっと後日、ホテルでの”あられもない”写真を持った男が近づいてきて強請(ゆす)られる」と言いました。十日ほどして皆で飲んでいると、例のN氏が、「道を歩いていたら男がホテルでの写真を持って近づいてきた、僕は独身だから写真をバラまかれても困らないと言ってやった」と話しました。 KGBは当てが外れて引き下がった様でした。

 KGBが日本で活躍する為には『円』が必要です。 その集金組織は東京の某大手高級ホテルの一室に有りました。表向きには、ソビエトの某衛星国の商社(K社)の事務所となっていましたが、実際はKGBの集金組織だったのです。ソビエトへの輸出商談が進んで、金額等が合意されたとすると、K社から、「○○万円持って来い」と電話が入って、K社が受け取らない限り、正式契約書にサインして貰えなかったのです。 (日本は馬鹿な国ですね!民間の会社がKGBに金を渡して、自分の国の情報を盗むお手伝いをしていたのです。 勿論ですが、この金は税務署は認めてくれません。)

 今回のIR汚職の金は中国から不法に持ち込んだ様ですが、ソビエトは日本国内で巧妙に『円』を調達していました。ソビエトと取引していた企業の営業担当者で、K社を知らない人はいなかったと思われます。K社の記事は売れると思いましたが、何故か?三流雑誌は取り上げませんでした。記者達も命は欲しかったのでしょう?!

【立派な人の話しです!】
 浅ましい人の話しばかり書いて来ましたので、(口直しに)私にとって兄の様な存在で、大切な人(M氏)の話を書きます。M氏の父親は、M氏が小学生の頃に亡くなり、祖母、母、弟の四人家族の貧しい家でした。M氏は村の高校を卒業すると、信用金庫に勤め、彼の給与を殆ど出して、弟を家からは通えない町の高校に入れました。

 M氏の母親の兄の一人は、人格者で面倒見の良い方でした。彼は、事業に大成功して裕福になっていたので、援助をお願いしたら放ってはおかなかったと思います。 然し、M氏の母親は貧しくても『清廉潔白』を終生信条にして、誰にも頼らずに頑張って『名もなく貧しく美しく』生きられました。 M氏は今でも母親の教を大切にしている様に見えます。

 二十歳前後の男性が小遣い無しではやって行けません。M氏は、給与一、二か月分ほどの横領をして、露見してしまいました。大した額では無かったので、多分大目に見てくれたと思われますが、M氏は責任を取って辞めてしまいました。

 故郷の川は一級河川で、水力発電所が有るので砂利や砂が多量に堆積して水害が発生する様になっていました。一方、川砂や川砂利は全国的に不足して、高価になっていました。川の砂利や砂を採取する事業が始まり、採取権利の奪い合いの様な状態になりました。

 村長さんが(独断で)M氏の名前で採取の申請書を出して許可を取ってくれました。採取し易い場所だったので、権利を売れば一年は優に食べていけるお金が得られたと思いましたが、M氏は辞退しました。村の人達は、「M氏は馬鹿正直過ぎる!」と言いましたが、私は・ますますM氏を尊敬する様になりました。 私の田舎に帰る楽しみは、M氏と一献傾けることです。 (息子さんは立派に育って、医者になっています。)、

新型コロナウイルスと政治 (その2)

2020-02-27 12:05:26 | 社会問題
 政府が新型コロナウイルス対策に、全力を挙げて取り組まないので、もう一度、私の考えを書く事にしました。

【私は呆れています!】
 2月15日に『新型コロナウイルスと政治』と言うタイトルで投稿しました。その後の政府の対応は、私の予想を遥かに超える『お粗末極まりないもの』でした。私は、”怒る”よりも”呆れて”います。

 韓国の文大統領は、四月の選挙を控えている事も有るかも知れませんが、安倍総理/加藤厚労相より全力で取り組んでいる様に見えます。新興宗教団体『新天地イエス教会』の信者の感染が確認される直前から、検査体制と隔離施設確保に動いていた様です。それでも、韓国では予想以上に感染者が増加しています。

 日本は、世界に約束したオリンピックを7月に控えています。安倍政権にとって、新型コロナウイルスの感染を抑えることは、文大統領よりも重大な課題のはずです。オリンピックの事を考えると、4月の末までには感染を抑え込む必要が有ります。時間は殆ど残っていません!

 野党は、やっと国会で取り上げ始めましたが、今までの対応の不備/不手際を追求するだけです。私は、今までのミスを議論する時間的な余裕は無いと考えています。野党は、具体的な対策案を提案すべきです。 幼稚だと言われるのを覚悟して、以下に私の対策案を提案します。

【直ぐにやるべきこと :①若手に総理の座を譲るべき!】
 安倍氏は、最後の仕事として今の国会で、『コロナウイルス対策専任大臣』を設ける法律(大臣を一名増やす特例法)を制定すべきだと考えます。 これは、極めて急を要します。

 超エリートコースを歩んでこられた加藤厚労相は、現行法と慣例の枠内で対処されています。多肢に渡る厚労省の仕事の一つとして、コロナウイルス対策をとらえている様に見えます。ダイヤモンド・プリンセス号の対応を見ても、加藤厚労相の手法では感染を短期間に抑え込む事は無理でしょう。

 「桜を見る会」、「検事長の定年延長」、「消費税アップによる景気後退」、「首相補佐官と女性官僚の海外出張」の問題が有るので、今後も国会はこれらの問題で貴重な時間を浪費する事になりそうです。 首相が代わって、謝れば野党の追及は下火になると思います。 今が辞める潮時だと思います。

【直ぐにやるべきこと :②専任大臣】
 安倍氏は、最後の仕事として今の国会で、『コロナウイルス対策専任大臣』を設ける法律(大臣を一名増やす特例法)を制定すべきだと考えます。 これは、極めて急を要します。

 現在は、都道府県知事がコロナウイルス対策を行う事になっていますが、各知事の協力を得て、専任大臣が陣頭指揮すべきです。現行法では、その都道府県内の感染拡大に知事が責任を負う事になっています。人口が少なく、予算も少ない県は医療体制も十分では有りません。そんな県で感染が広がったら、政府が対応せざるを得ないでしょうが、今から検討/準備しておく必要が有ります。

 ダイヤモンド・プリンセス号への厚労省の対応を見ていたら、専任大臣の下には厚労省の役人は最小限しか付けてはいけません。危機意識の強い役人を選任すべきです。防衛医科大学校出身者を私は推薦します。

【直ぐにやるべきこと :③国債の発行】
 十分な対策を行うための国家予算が足りないと思われますが、『コロナウイルス対策国債』を発行したら解決します。一、二兆円は直ぐに調達出来ます。

 財政法第5条で、国会の承認が得られたら日銀が直接国債を引き受けて良い事になっています。丁度良い事に、国会開催中ですから直ぐにでも国会の承認は得られます。その金を全て、専任大臣に与えたら、思い切った事が出来るはずです。 (野党は反対出来無いと私は思います。) 要は、政府に「やる気が有るか?どうか?」だけの問題です。

 対策を進めるために必要な資材を洗い出して、増産が必要な物の製造設備を国が金を出して買って、企業に貸与する方法を取るべきです。買取数量と買取金額を国が保証したら、企業は無理してでも協力してくれると思います。 医薬品、医療機器、マスク、防護服、ベッド、寝具、食器、調理器具、食料品・・・

【直ぐにやるべきこと :④情報の一元化】
 『情報の一元化』が絶対必要です。国民は豊になっており、交通機関が発達して、皆さん遠くにまで出掛けます。感染者の移動経路を都道府県知事が追跡するのは至難の業になっています。

 厚労省はやっと、『新型コロナウイルス 国内感染の状況:(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)』を立ち上げました。このブログを公開する前に見ようとしましたが、開けませんでした。厚労省のやる事は信頼できませんね!

【直ぐにやるべきこと :⑤検査体制】
 地域別(市町村別)に、一日に検査出来る人数を正確に把握/公表する必要が有ります。不足する地域には、至急対応策を検討し、実行して欲しいと思います。国が主体で実行しないと、お金の無い県では対応出来ません。 国が最新の検査機器や検査試薬を買って、全国に配布すべきです。

【直ぐにやるべきこと :⑥隔離施設の確保】
 予定通りにオリンピックを開催するためには、感染者と濃厚接触した人を、「自宅に閉じこもってもらって様子をみる」のではなく、隔離施設に入ってもらうべきです。

 ダイヤモンド・プリンセス号では20%ほどの人が感染してしまいました。自宅だと家族が感染するリスクは高いと思われます。家族が自由に出歩いたら感染を拡大する恐れは無いのでしょうか?

【直ぐにやるべきこと :⑦入院施設の確保】
 陽性者が増加してくる事を想定して、ドンドン入院施設を増やす努力が必要です。韓国の様に、一日に百人、二百人と感染者が増加したら、現状では直ぐにパンクしています。

【直ぐにやるべきこと :⑧ポスターとチラシ】
 政府はガイドラインを発表しましたが、具体的な内容にして、ポスターとチラシを作成して周知徹底を図るべきだと思います。 どう言う状態になったら、何処(○○番号)に電話して、どんな交通手段を使って、何処に行け・・・マンガや図入りの資料を作成して配布するのです。 先日のガイドラインには、以下の様な問題が有ると思いますので、再検討すべきと考えます。

 私の予想では、チラシを見たら「新型コロナウイルスの検査が出来る施設」が少なくて、「国民は呆れてしまうのではないか」と思います。 検査に行く人は、人ごみの中を歩く事も出来ず、電車にもタクシーにも乗れません。 「37.5度」になって、4日間も我慢していた人が、自家用車を自分で運転して検査施設に行くのですか? 車を持っていない人や、運転出来ない人はどうするのですか?

 単身世帯が多くなっています。一人住まいの人が、高熱を出して4日間も部屋に閉じこもっておれると思いますか?

 感染した人が、開業医の所に行ったら大変な事になるのは理解出来ます。 然し、日本ではインフルエンザで少し熱が出たら、クリニックに行くのが普通になっている事も配慮しておく必要が有ります。

 御用学者かな?と疑いたくなる医者がテレビで、「新型コロナ肺炎は、インフルエンザと同程度の病気だ、心配無用」の様な話しをしていました。肺炎は入院するのが常識です。インフルエンザは殆どのケースで自分の体力で治りますが、新型コロナ肺炎患者を自宅療養にしたら死亡率が高くなるでしょうから、決して同程度では有りません。

【オリンピック】
 オリンピックとパラリンピックは目前に迫って来ています。(7月22日から、サッカーと野球の試合が予定されています。) 最近、オリンピック委員会は「5月に、どうするか?」決めると公表した様ですが、私は「どういう状態なら予定通りに開催する」と早急に、政府が決定しておくべきだと考えます。

 『開催出来る条件』の達成を目指して、政府と与党議員が全力で取り組む必要が有ると、私は思うのです。 (今は、政局の密談をしている場合では有りません。) このまま、好い加減な対策を進めていたら、オリンピックを取り止めざるを得なくなります。日本の無能ぶりを世界に示す事になってしまいます。

 そうなったら、安倍政権は破綻してしまうでしょうが、自民党と公明党は大きなダメイジを負う事になってしまいます。次の選挙では、政権交代の可能性すら有ると、私は見ています。

① 予定通り開催する。
② 延期する。
③ 無観客で実施する。
④ 取り止める。

【国会は休会すべきではない】
 山本太郎氏は「国会を休会すべきだ」と提案した様ですが、「感染したら重体になる恐れの有る議員は欠席しても良い」と決めれば十分です。休会は以ての外で、国会議員全員で感染抑制に取り組むべきです。

【私の前稿の提案】
 2月15日に提案した下の①~③についても、今国会で議論して欲しいと考えています。防衛医科大学校は”お坊ちゃん”では務まらない厳しい環境で学ぶ様になっています。 学生は全て寮生活で、なんと、朝の6:30起床で、8:30~17:00まで授業が有ります。”ずる休み”なんて以ての外です。

 防衛医科大学校出身の医師は、新型コロナウイルスの治療の様に、厳しい勤務にもきっと耐えてくれると私は信じています。

① 防衛医科大学校を二、三校増やす。
② 自衛隊の地域病院を各都道府県に設ける。
③ 病院船を建造する。



政治家や官僚と賄賂 (その2)

2020-02-22 11:22:06 | 社会問題
 今回は領収書の貰えない金の話しと、金に纏わる不正の話しです。日産のゴーン氏は桁違いですが、会社の金を旨く回して、個人名義で不正に不動産を買った社長が何人かいました。ここには書きませんが、中小企業で、その会社に無くてはならない(首に出来ない)社員が、複数の出入り業者からワイロを貰っていたのも知っています。人間の金に対する欲望は底知れず/凄まじいですね!

【闇献金の集金】
 脇の甘い政治家は事務所の裏などで闇献金を受け取っていましたが、裏事務所での遣り取りも多かった様です。お粗末な政治家は、選挙中に人の出入りの激しい選挙事務所で受け取るケースも有った様で、金を運んだ人が「警察にばれないか?」心配していました。

 某県では一つの裏事務所が県全体の闇献金を一括して受け取っていました。別の県でも一括受け取りでしたが、なんと!責任者が野党の古手市会議員(A氏)だったのです。当時・私達は、その県で毎年の様に受注していたのですが、A氏は高齢だったので次の市会選挙に立候補しませんでした。「何処に金を運んだらよいのか?」と営業担当者が悩んでいたら、「同じ野党のB氏市会議員」を指定してきました。 警察が、A氏やB氏の不審な動きを察知しても、野党議員ですから立証は至難の業です。

【不正な金を要求する人は沢山います!】
 民間企業のサラリーマンでも、時々でしたが、公然と”金”を要求する人がいました。私の経験した範囲では、最高が40万円でした。国の検査を代行する団体に天下った元公務員が、”金”を要求するケースは結構多かったです。 『せこい役人の話し gooブログ』で検索して見て下さい。

 去年、私が管理している賃貸マンションに家賃滞納で強制執行が行われました。 巧妙な手を使われたので強制執行は不調になりました。 この時の経緯は、『法律の不備を正せない日本  gooブログ』で検索して見て下さい。 某弁護士さんに教えてもらったのですが、「家賃保証会社の一部では、執行官に小遣い程度の金を渡して、執行日を速めてもらったり、部屋で問題の書類が見つかったらポケットに入れてもらう」様です。 執行官は裁判所の職員ですから、不正な金を受け取っていたら、世も末ですね!

【民間企業の悪人】
 有る中堅の装置産業の某工場の営繕課(えいぜんか)の話しです。課長が本社から転勤して来ました。営繕課の係長は業界で有名な悪人で、高額の付け届けをする会社にだけ発注して私腹を肥やしていました。 歴代の課長達は無視されていたのです。

 新任の課長は我慢できなくなって、私の会社に「係長に内緒で、計画を進めたい」と言って来ました。課長は機械についての経験/知識の無い方でしたが、手取り足取りで、何とか計画を纏めました。問題の係長は、注文書を発行する為には課長印が必要な事を忘れてしまっていた様でした。結局、私の会社が受注しました。

(余談 :憎めない悪人) 超大手企業のメイン工場の機械設備担当課長さんの話しです。彼はマージャンが趣味で、強かった様です。週に一、二回、出入り業者を集めてマージャンをしました。 二、三半荘(二、三試合)はルールに従った正常なマージャンですが、彼は突然「待った!、あれはポンだった、それはチーだ、それで上がってた!」と言い出すのです。そんな事を何回か繰り返して、十分な掛け金を得たら、「僕のおごりで飲みに行こう」と言いました。 彼は、「絶対に業者の接待は受けない、業者と飲む時は僕が金を出す」と公言していました。

 彼は結構な酒豪でしたが、綺麗な飲み方をしたそうです。問題点をお気付きになりましたか? 領収書が貰えませんよね! 企業の担当者は自腹を切るか?裏金を作るか?する必要が有ります。

【若い資材課の担当】
 これは私の会社の恥かしい話しです。ある工場の資材課に、大学卒で入社二年程の男性社員(A氏)がいました。 私は出入り業者の社長を沢山知っていたのですが、M社長から「30万円くれたら数百万円の仕事を回すと、さっき、A氏に言われた」と相談を受けました。「その仕事が欲しいかったら、金を渡すしかない」とアドバイスしました。M社長はこの時は、A氏にキッパリと断りました。勿論、仕事は別の会社に発注されました。

 A氏は、段々と大胆になってきて、入社五年目頃に工務店に依頼して一戸建ての家を建て始めました。懇意にしていたN社長が遊びに来て、「A氏からシステムキッチンを買えと言われたので、現場を見に行った。S社長とT社長が瓦と浴槽を持って来ていた。」、「柱、板材、クロス材等々、すべて出入りの業者に手配させたらしい!」と言いました。もう、二人で笑うしかなかったです。 結局、N社長は高価なシステムキッチンを持っていきました。 ドラマは勧善懲悪ですが、A氏は今でも首にならずにいると思います。もしかしたら、資材部長になっているかも知れません。

 私が資材課長に、A氏の悪行を報告したとします。資材課長が部長に報告したら、「君は部下の指導が出来ないのか!」と怒鳴られるのが必定です。部長が真面目な方で、上司に相談しても、「君は部下の指導/監督が出来ないのか!」と言われるのです!

 コンプライアンス遵守を標榜する会社が多くなっていますが、本気で取り組んでいる会社は少ないと思われます。多くの会社ではコンプライアンスの定義が曖昧で、A氏の様な悪行を無くそうと努力している会社は殆ど無いと思います。

 A氏が巧妙に動いたとしても、A氏の噂は社内に広まってしまいます。 会社の進めているコンプライアンス運動に違反する事を、上司から命令されても、「A氏のやっている事より罪は軽いから、まあいいか!」とやってしまうでしょう。

【接待費を自分のために使う社員】
 この話は裏金の話しでは有りませんが、親の七光りで入社して、やりたい放題した社員のとんでもない話しです。お坊ちゃん育ちですから、顧客の接待は大の苦手で、顧客に胡麻をするなんて事は全く出来ない人間でした。 親がいくら偉い方だったとしても、”ぼんくら”で”我がまま”で、会社の金を私用に使う人間を営業課長にしてはいけないと言う話しです。

 私が東京勤務の頃に担当していた機械の営業は、課長(S氏)と部下3人の部隊でした。課長のS氏は、昔・メインバンクの副頭取だった方の息子で、何をやっても咎められませんでした。 S氏は酒は殆ど呑めないのに、女性を口説きに高級クラブに足繁く通っていました。

 課の接待費は半年で二、三百万円ほどでしたが、殆ど全てS氏が個人の遊興に使っていました。 転属して来た課員が、一年ほどしてS氏を見習う様になったので、営業はお歳暮やお中元を買う金が無くなってしまいました。

 官公庁向け案件が多かったのですが、担当者の机の周りに座って話を聞いてもらうケースが殆どでしたが、盆暮れの時は各社が待ってきたお歳暮やお中元を、お雛様の様に並べた部屋に通される事が多々有りました。真面目な営業担当者二人が、ボーナスを出し合ってお歳暮やお中元を買いました。余りにも気の毒だったので、私はボーナスを貰うと毎回数万円、二人に渡しました。

(余談) 年に一、二度、クラブのママさん達が会社に取り立てに来るのです。ママさんが来ると営業担当者が私を呼びに来てくれました。毎回、S氏は早々に逃げてしまうので、ママさんは部長に噛みつきました。「これは酒の金では無い、身体の金だ! この金を払って貰え無いと私は銀座で商売出来無い!」と大きな声で部長を責め続けました。部長は終始無言で、ママさんは小一時間すると、諦めて帰りました。

 当時、部長の接待費は半年で五百万円ほどでした。 部長は自分の接待費でママさんが要求した金を処理させていました。 普通の社員だったら首になったと思いましたが、S氏は部長から叱られる事は無かったので、全く懲りずに悪行を続け、一年もしない内に別のママさんが押しかけて来ました。 (彼の机の引出しには、呑み屋の請求書が溢れるほど入っていました。)

【民間企業のフィードバック】
 昔は非上場で中規模のオーナー会社が結構沢山有りました。そんな会社から10億円の仕事を貰ったとすると、数千万円を現金でフィードバックする慣習が有りました。(会社が給料として社長に支給すると多額の税金が掛かります。要するに脱税していたのです。) 私の経験では、2000年頃にまだやっている会社が有りました。

 当然の事ですが、フィードバックする金には領収書は発行されません。税務署にバレナイ様に数千万円用意するのは、想像以上に大変な事です。

【飲む打つ買う】
 『飲む打つ買う』と言う言葉は若い人達には死語になっている様に思います。『大酒を飲み、ばくちを打ち、女を買う』と言う、男の煩悩です。私は、「自分の金でやれ!」と言いたいのですが、その金を企業に要求する人間は今でも絶えません。

 『飲む』は領収書が貰えるケースが多いいですが、『打つ』の金は裏金を渡すしか手が無いように思います。『買う』の金は意外と領収書が貰えます。

 昔は大手企業の一部に、重要な顧客を接待する”寮”が有りました。”寮”は、高級料亭であり、宿泊所でもありました。夜の接待をする女性達が沢山いたのです。1970年までに”寮”を廃止した会社が多かったですが、1975年頃まで私の勤務していたビルの近くに、某大手企業の”寮”がまだ有りました。 その寮の担当者と仕事で知り合ったのですが、彼はまだ三十歳ほどで、入社以来15時頃から寮関係の仕事をしていました。 勿論、私は昼の前後に彼に応対してもらったのです。 彼は、「会社を辞めたい!」と言い続けていました。

 女性を要求する顧客は少なかったですが、今後も絶対に無くならないと思います。『英雄色を好む』と言いますから、そんな要求をする顧客は”遣り手”の方が多く、重要な顧客です。税務署が認める業種の(実在する)会社名で領収書を発行して貰える、超高級ソープランドに営業が連れて行きました。『容姿端麗、眉目秀麗』の若い女性達が働く、顧客満足度No.1・請負のソープランドだった様です。 (この手のソープランドは今でも有る様です。)

【昔の個人の不正】
 1987年の『マルサの女・伊丹十三、宮本信子』は面白かったですね! 確か?二号さんが隠し貯金の印鑑を多量に隠していて、見つかってしまうのです。 当時は、同じ金融機関で同じ名義で通帳を何通も作れました。 新しい口座を開設する時、印鑑さえ持って行けばOKでしたから、他人の名前や実在しない人の名前でも通帳を発行して貰えたのです。

 万年野党だった社会党の重要な使命の一つは金持ちの脱税防止だと、私は考えていました。 1980年頃に、不法な資産隠しの防止が出来るマイナンバー制度の導入を自民党政権は進めていたのですが、反対して潰したのは社会党などの野党でした。 野党の政治家達は、金持ちの実態を知らなかったのか? 政府のやりたい事に反対すれば票が集まると考えたのか? この時、金融機関の口座とマイナンバーを連動させていたら、映画『マルサの女』は製作されなかったと思います。

(余談) 大昔、私は、まだカードの無い時代に大手銀行に口座を設けました。去年、カードが必要になって銀行に電話して手続き方法を聞きました。暫く後に銀行から電話が有り、「貴方の名義の通帳が3通有るので、1通・解約して欲しい」と言われました。 全く心当たりが無く、「どこの支店の発行か?残高は幾らか?・・・」と聞いたら、「個人情報ですから答えられない」との回答でした。 個人情報は本人にも秘密なんですね! 今でも他人名義で預金する方がおられるのですね!

新型コロナウイルスと政治

2020-02-15 11:45:02 | 社会問題
 今回は予定を変更して、新型コロナウイルスに対するお粗末な政治について、私の考えを書きます。

【私は怒っています!】
 テレビを付けたら予算委員会で「桜を見る会」について討議していたので、”腸が煮えくり返り”ました。中国では、「武漢に応援に行く看護婦達が、大切な髪を切って丸坊主になっている」、「トイレに行く時間が欲しいので”紙おむつ”をしている」などと報じられています。ダイヤモンド・プリンセス号では感染の恐怖に怯えながら四千人近い人が閉じ込められています。こんな時に、貴重な予算委員会で「桜を見る会」を取り上げる野党の政治家の頭の中はどうなっているのでしょうか?!

 自民党と公明党の議席数は衆参ともに過半数を大幅に上回っています。衆議院に至っては2/3を超えています。こんなに沢山の議席を与えられているのに、なにもしなかったら、”でくの坊”の集団と言われても、反論出来ません。

【ダイヤモンド・プリンセス号】
 ダイヤモンド・プリンセス号は、2004年から就航している外国の船です。(三菱重工で建造中の2002年に火災が発生したニュースを覚えていますか?)

 外国の船でも日本の港に停泊中は、『国際海洋法条約(UNCLOS :United Nations Convention on the Law of the Sea)』によって日本の法律が適用される様です。この条約に日本とイギリスは批准していますが、アメリカは批准していません。

★ 船主 :アメリカのプリンセス・クルーズ社
★ 船籍 :イギリス・ロンドン
★ クルーズの運営 :東京の(株)カーニバル・ジャパン
★ 旅客定員 :2,706名
★ 乗務員 :1,238名

【プリンセス号での感染経緯】
 旅客と乗務員合わせ3,760名程が乗っていて、乗客の半数は日本人の様です。

★ 1月20日 :横浜港出航
★ 1月25日 :香港で新型コロナウイルス感染者が1人
★ 2月3日  :横浜港に帰った。
★ 2月4日  :横浜港沖で再検査 ;61人が陽性→病院に収容
★ 2月5日  :早朝まで船内では通常通りの生活・・・歩き回っていた。
★ 2月8日  :3人感染→病院に収容 (累計=64人)
★ 2月9日  :6人感染→病院に収容 (累計=70人)
★ 2月10日 :65人感染→病院に収容 (累計=135人)
★ 2月12日 :39人感染→病院に収容 (累計=174人)
★ 2月12日 :船内で検疫していた担当官が1人感染
★ 2月13日 :44人感染→病院に収容 (累計=218人)
★ 2月14日 :希望する80才以上の11人下船→和光市・税務大学校
★ 2月14日 :感染者を運んだ救急隊員が1人感染

【お粗末な政府の対応】
 私は、加藤勝信氏が厚労相ですから、適切な対応をしてくれると安易に信じていました。 (加藤氏は東大の経済学部卒で、上級国家試験(国家一種)に合格し、エリートコースの大蔵省主計局で仕事を始めた方です。)

 私が政府の対応で、一番不思議に思うのは、武漢には飛行機を派遣したのに、プリンセス号に乗っている日本人は救出しないことです。船の中に沢山の人間を閉じ込めたら、感染が広がるのは素人にも分かります。私は、2月3日の時点で、全員を下船させて隔離すべきだったと考えます。

 プリンセス号に乗っていた方で死亡者がでたら、誰かが責任を取らなければなりません。加藤氏は大臣を辞めるだけで無く、議員も辞めて二度と政界に復帰すべきでは有りません。そのくらいの覚悟で、今後、対応して欲しいと思います。

(私の独断と偏見) 私は東大卒の方・20人以上と仕事をして来ました。入試問題は答が一つですが、現実の問題は正解が無いか、近似解が幾つも有るケースが多々有ります。東大卒の方の多くは、「仮定を導入して近似解を幾つか出し、このケースでは”どの解”を採用すべきか?」と言った判断をするのは苦手でした。加藤先生!「東大卒でも出来るんだ!」と言う証明をして下さい。

【はやり病で死ぬのは寿命では無い!】
 日本でも大昔から伝染病で、沢山の方が亡くなりました。『はやり病』で死んだら、「寿命だたのだ! 仕方ない」と諦めたのだと思います。 私の記憶する近世の流行性疾患を列記しておきます。

◎ 1918年~19年 :スペイン風邪 ;感染者=5億人、死者=5,000万人~1億人
◎ 1976年6月~    :エボラ出血熱 ;南スーダン→
◎ 1981年~    :AIDS(エイズウイルス発見)
★ 2002年11月~3年7月 :SARS ;中国→
★ 2012年9月~    :MERS ;サウジアラビア→
★ 2020年1月~  :新型コロナウイルス ;中国→
◎ 2019年~ :アメリカ・B型のインフルエンザ大流行 :感染者=2,600万人、死亡数=2.5万人

【私の提案① :法律改正】
 現在、国会開催中ですから、流行性疾患に関する法律を制定/改正する絶好のチャンスです。

 政府が手配した飛行機で中国から帰国した二人が、検査を拒否したと報じられました。私は「とんでもない人間だ!」と思いますが、日本の法律の不備を明確にした”功労者”かも知れないと思います。 異常時で無くても、検疫官が必要と判断したら、検査を義務化すべきです。 国籍によらず、拒否する人間は入国させないとすべきです。

 中国では、武漢に行った事実を隠して他人を感染させ、その人が死亡したら、最高刑は死刑の様です。 今回、検査を拒否した二人が、誰かを感染させて死亡させたら、ドンな罪になるのでしょうか? 私は、少なくとも彼等と感染した人の、治療費の全額を彼らに負担させるべきだと考えます。

【私の提案② :担当大臣の緊急任命制度】
 総理を除いた大臣の定員は、内閣法で最大17人と決まっていますが、緊急を要する事件が発生した時は、(国会の審議無しで)その事件を担当する(専任の)大臣を一人追加出来る権限を総理大臣に与えるべきです。 法律を新たに設ける必要が有ります。 (2011年・民主党政権の時に、東日本大震災の復興を担当する大臣が一名追加さました。2015年にオリンピック関連で一人追加されました。 従って、現在・大臣は19名ですが、近い将来17人に戻ります。)

 縦割り行政ですから、全ての権限を持った専任の大臣で無かったら、今回の新型コロナ肺炎に対処するのは難しいと思います。 隔離施設、医療スタッフ、医療資材(薬、防御服等々)、調理/配膳スタッフ、清掃スタッフなどの確保が必要です。

 国立病院や国立大学の付属病院に活躍して貰う必要があります。全国で沢山・病院を運営している赤十字社も協力してくれると思われます。私は、防衛省が所轄する病院の協力が不可欠だと思います。

 政府は防衛庁が運営する病院を減らす方針ですが、私は大反対です。今回の様な非常時の為に、防衛医科大学校を二、三校増やし、全ての都道府県に一か所以上・自衛隊地区病院を設けるべきです。日本医師会は大反対すると予想しますが、問題が発生した時に日本医師会が責任を持って医療スタッフを確保/派遣してくれるとは到底思えません。非常時の医療体制については、非常時に責任を取りそうに無い、医師会のわがままを聞く必要は有りません。

❶ 独立行政法人・国立病院機構 (2019年末現在)
★ 病院数 :141
★ 病床数 :53,520床
★ 職員数 :約62,000人

❷ 防衛省
★ 防衛医科大学校 :医科定員=80名 ;学費無料、手当=約11万円/月✙賞与2回、衣食住付き
★ 病院数 :17 (医科大学病院、自衛隊中央病院、自衛隊地区病院)
(注記 :1) ダイヤモンド・プリンセス号に医療スタッフを既に派遣しています。
(注記 :2) 自衛隊病院を一般に開放する方針が決定されています。

【私の提案③ :隔離施設を確保】
 アメリカは、中国に派遣した飛行機を空軍の飛行場に着陸させて、軍の施設に全員隔離したと報じられています。ロシアはシベリヤの施設に全員隔離した様です。 今回は、経営者の英断で『勝浦ホテル三日月』が確保出来ました。然し、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客を全員隔離する能力は、まだ確保出来ていません。

 野党の論客(蓮舫氏、辻元氏、枝野氏・・・)の身内がプリンセス号に乗船していたら、乗客への対応が今国会で議論されていたと思います。 然し、乗客の半分程は日本人の様ですから、「桜を見る会」どころでは無いはずです。 家内と私が乗っていたら、料金は二人で税込み44万円~304万円もするそうです。野党は金持ちが苦しむのは、”痛くも痒くもない”のですね!

 将来、同様の問題が発生する事を想定して、隔離施設を建設すべきだと考えます。アメリカの様に自衛隊か海上保安庁の施設を活用するのが、一番合理的な様に思います。 私は自衛隊病院の拡充か病院船の建造を推奨します。  皆さんも考えて下さい!

(病院船) 戦前には日本も病院船を多数保有していましたが、戦後は一隻も持っていません。 先進国の多くは保有しています、特にアメリカはスゴイです。 船だと災害の有った地域の近くに、直ぐに駆け付けられます。 ハードの確保だけで無く、スタッフの確保についても検討/法制化しておく必要が有ります。

【私の提案④ :水際対策の神話】
 新型コロナウイルスの様な流行性疾患の防疫は、入国ゲートの外側は国の管理で、内側は都道府県の管理で行われる様です。 (ゲートの内外で適応する法律も違う様です。) 流行性疾患の侵入をゲートで食い止めると言うのは、”神風”と同様の『神話』です。

 「ゲートを通過する前に患者が何人いたか?」は厚生労働大臣が発表し、二、三次感染者数は都道府県知事が発表するのを見られて、馬鹿馬鹿しい制度だと思われませんか? 危機管理意識が日本には無いのですね! 情報を一か所に集めて、公表することは現在の法律のもとでも出来るはずです。

 ゲートの外でサーモグラフィー(赤外線温度分布測定装置)でチェックしていますが、解熱剤を飲んでいたり、潜伏期間中だったら”OK”になってしまいます。一旦、入国してしまうと個人情報保護法に守られて、全国どこにでも自由に行けます。都道府県知事には渡航歴は報告されません。病状が悪化して感染が確認されて初めて、渡航歴を調べる事になります。(こんな状態になって渡航歴が分かっても遅すぎです。)

 都道府県が発病者の国内での行動を追跡して、『濃厚接触』した可能性の有る人を調査/特定して監察または隔離する事になります。こんな体制で感染を止められると思われますか?

【私の提案⑤ :観光立国】
 ビザ無しで外国から観光客を呼び込む等々したので、海外から沢山の観光客が来ています。新型コロナウイルスが問題になって、政府の対応の不味さ(まずさ)が露呈しました。将来、新しい流行性疾患が発生する恐れが有りますから、今回を教訓にして国民の犠牲を最小限に抑え、かつ、観光客にも安心して貰える体制を確立する必要が有ります。

 私が上で提案した様な隔離施設を設けて、必要なスタッフを集められる体制を整備して置けば、ダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に帰って来た2月3日に全員下船させて、陸上で検査/治療/隔離していたと思います。 感染者数はずっと少なかったでしょう。 日本は安全な素晴らしい国だと世界に認めて貰えたと思います。 絶好のチャンスを政治家達の無能で逃してしまいました。

 日本は「事が起こってからしか行動しない国」だと言われています。今回、将来への対策が何も出来無かったら「事が起こっても何も出来ない国」と世界から蔑(さげす)まれてしまいます。政治家諸君!『観光立国』を目指して、直ぐに行動を起こして下さい。

政治家や官僚と賄賂 (その1)

2020-02-08 12:28:30 | 社会問題
 政治家や官僚への贈収賄だけで無く、民間の不正な金の問題について、私の経験と、私の考えを何回かに分けて書きます。「美しい国、日本」では無くて、私は「できるだけ清らかな日本」になって欲しいと考えています。

【IR汚職から考えたこと】
 IR汚職の報道を読んで、私は新聞記者達と大分違った考え方をしている事に気付きました。少なくとも1990年までは百万円単位の金を政治家に渡すのは、極当たり前の様に行われていました。証拠が残らない様に、種々工夫されていた事も有って、百万円単位の贈収賄が報道される事は殆ど無かったのです。

 衆議院を小選挙区制にしたり、政党助成金が出る様になったりして、政治家への闇献金は、段々・必要性が無くなってきました。秋元司氏はよく知らないのですが、下地幹郎先生に面識の無い人間が百万円持って行って、何かやって貰おうと考えるのは『虫の良すぎる話し』です。多分、金を渡した方は「情報が少し欲しかったか?電話一本して欲しかった」くらいだと私は思います。全国紙が大々的に取り上げる様な話では有りません。

 昔の酷かった時代を知らない若手の新聞記者やテレビ記者が増えて来ている様に思われます。彼等に、「昔の酷い状況、その後どんなにして改善されたか?」を知って貰いたいと思います。 過去と現在を知らないと、未来への提言が出来ません。

 贈収賄や金に関する不正は、人間・誰でも持っている”欲望”が原因です。不正を減らす努力は必要ですが、根絶することなど出来ません。三流の新聞や雑誌は読者が好きなゴシップ記事を漁っても良いですが、一流の記者達には枝葉末節に拘らない記事を報道して頂きたいです。 水清ければ魚棲まず!

 今でも闇献金で私服を肥やしたい政治家はいると思いますが、現在の政治家の多くは”金”より”票”が欲しいのです。 貴方が政治家の助が必要になったら、親戚/知人を駆けずり回って後援会名簿に署名を集めて下さい。 この手は選挙の前には特に有効です。不法行為では無いので逮捕される恐れは有りません。

【昔は選挙になんで巨額の金が必要だったのか?】
 昔は衆議院は中選挙区制で、選挙区の定員は3~5人程度でした。与党の候補者の敵は、野党の候補者では無くて、与党の他の候補者だったのです。与党の県会議員や市会議員を一人でも多く、自分の味方にする必要が有りました。県会や市会の議員の中には”金”で何方に付くか?決める輩が結構沢山いたのです。

 戦後、政府の指導で市町村の合併が進められ、市町村の数が段々減ってきました。それに伴って市町村会議員の定数も減少しました。ウイキペディアによると、1987年の都道府県と市区町村の議会議員の定数は69,028人で、2018年には32,448人に激減しています。

 ここからは、私の独断による推測ですが、7万人の地方議員の半数に二百万円ずつ配るためには700億円必要になります。候補者が400人いたとすると、一人当たり1.75億円になります。 (ちなみに、現在の政党助成金は年300億円ほどです。)

【買収請負人】
 私の故郷の集落には、1965年ころまで『買収請負人』がいました。彼は、誰からの依頼でも良かったのです。 当時の田舎では、日が落ちると人の往来は殆ど無かったのですが、投票日の一、二日前に夜の八時過ぎに懐中電灯をもって、彼は話の付いていた家を廻って金を配りました。川の対岸の集落からは、彼の動きは丸見えでした。どの家が金を受け取ったか、秘密では有りませんでした。

 昔は核家族では無かったので、多いい家では四、五票有りました。一票が五千円ほどだったそうです。当時は国会や県会の選挙を待ち望んでいた家も有ったのです。彼は、多分・『ちょろまかし』はしなかったのでしょう。 その筋では信頼の有る人間だったと思います。 (当時、買収で一万票を得るには、6,000万円以上必要だったと思われます。)

(余談) 彼は1960年頃に共産党員になりましたが、その後も『買収請負人』を続けていました。彼の小遣い稼ぎを知らない人は村にはいませんでしたが、共産党は見ないふりをしていた様です。(共産党は意外と大人なんだと思いました。)

【昔の政治と金】
 私は何にでも興味が湧く、少し困った人間です。後述の様に叔父の一人が政治家の裏金を扱っていたのと、公官庁に機械を売る仕事をしたので、政治と金について情報を集めました。 30年以上前の話しなので、名誉毀損で告訴されるが心配は有りません。 (現在は、これから書く様な事が行われていないと信じています。)

 当時は選挙のたびに巨額の黒い政治献金が動いていました。その総額は、私の試算では(一般会計✙特別会計)✖0.03≒1~2兆円ほどだったと思います。その内の一部は族議員と呼ばれていた政治家の取り分で、残りの金は都道府県の知事、市町村長や地元選出の国会議員に配分される様になっていました。

 有る年の一般会計と特別会計の総額がF円だとします。その内、G県の管内でFG円使われると、県選出の国会議員、知事、市町村長に3%が渡るのが一般的だった様です。(特別な県では6%~7%でした。)30年前でも、地元の政治家達に渡った金の総額は、年間1兆円ほどになったと思われます。配分の仕方の一例を書いておきます。

 H市で市民病院を建設する計画が始まったとします。7階に”W”と言う機械を据える部屋が設けられ、機械Wを製造する会社が4社有る場合、4社がそれぞれ自分の会社の機械を据え付けた時の配置図を病院の設計事務所に提出します。(4社は提出する配置図に、自分の会社が描いた図面だと分かる、目立たない仕掛けを入れておきます。)

 4社はそれぞれの先生(国会議員、知事、市町村長の何れか)にお願いして置きます。病院の計画が進み、何かの選挙が近づくと極秘の会議で先生達に権利が配分されるのです。機械Wの権利を市長が得たとすると、市長にお願いしていた会社(N社)の図面で入札が行われる事になります。(これを、『天の声』と呼んでいました。)

 N社は市長や秘書から落札上限価格と最低制限価格を教えてもらい、他の3社に入札価格を指示します。三回目の入札で落札する時は、3社に3通りの金額を指示して、毎回・N社が一番低い金額になる様にするのです。非常に稀なケースですが、落札してはいけない3社の内の1社が三回目に出す金額を一回目に出してしまって、落札する様なアクシデントが起こります。 そんな場合には、厳しい罰が与えられる事になっていました。この手のミスは、機械Wの業界だけの問題では無くて、ミスした会社が”四の五の言う”と、日本での商売が難しくなる横の連絡体制が整っていました。

 先生へのお礼(賄賂)は機械Wの検収(受け取り)後に現金で行われました。先生がその前に金が必要な時は、銀行から借りるのですが、銀行は例の秘密会議で先生が得た権利の総額を知っていた様でした。

 業界の談合は全て口頭で行われ、一切書類は作成されませんでした。担当者はスーツのポケットに入る手帳にメモを取って、肌身離さずに持っていました。会社に警察や検察の家宅捜査が入っても、個人のスーツの中身を調べる事は無かったためです。上司への談合に関する報告も、全て口頭で行われました。

(余談) 秘密会議で配分された権利は、生存している事が条件だった様です。例えば、前述の市民病院が完成する前に、銀行から金を借りて選挙に突入して、選挙運動中に亡くなったら、権利が消滅して借金だけが残る事になります。(二世の政治家には権利が継続したのかも?)

(余談) 談合には種々のタイプが有りました。例えば、機械Wが必要な設備でも顧客が最適なメーカ(M社)を選定して、M社に「宜しく頼む」と連絡する場合も有りました。M社が他の3社に『天の声』が出たと報告して、業界を纏める分けです。 そんな場合でも、黒い金は動いた様です。

【政治家の裏事務所】
 もう20年ほど前に二人とも亡くなられたので書きます。私の叔父の一人が某衆議院(A氏)の裏金を扱う役を長年やっていました。 叔父は高収入の有る立派な仕事をしており、裏の仕事は全くのボランティアでしていたのです。叔父はA氏を尊敬していて、A氏は”どろどろ”した金を集めるのは苦手な方だったので、友人二、三人と裏の仕事をしていたのだと思いました。叔父の家は広かったので、一室が裏事務所になっていました。晩年になってA氏は大臣になられたので、叔父は嬉しかったと思います。

 志の有る立派な方でも、お金が無かったら政治家になれず、続ける事も出来ませんでしたが、昔は損得抜きで(黒子に徹して)応援する旦那衆達がいたのです。戦後、段々と世知辛い世の中になって、叔父の様な旦那衆達は絶滅してしまったのです。

【政治家に一生を捧げた女性】
 某県で大きな計画が始まり、担当者(B係長)に機械を売り込みたくて何回も面談をお願いしたのですが、会って頂けませんでした。他社のベテラン営業マンに相談すると、県庁所在地の小さな鉄工所の女性を訪ねる様にとアドバイスしてくれました。

 鉄工所に入ると、絣の”もんぺ”を着た中年の女性がおられて、応接室に案内してくれました。彼女がお茶を持ってきてくれ、「今日は、どんな御用件ですか?」と言われました。”なんと!”彼女が紹介して貰った女性だったのです。「県庁のB係長に会いたいのですが」と言うと、目の前で電話してくれました。会社のトラックで県庁に送って頂くと、B係長が丁寧に応対してくれました。

 彼女は若い時からC代議士が好きで、一生独身でC氏を裏で支えたのです。C氏は彼女のお蔭で清廉潔白な政治家だと言われていました。後にC氏は総理大臣になりました。 当時、総理大臣になるためには二十、三十億円の裏金が必要だと言われていました。 彼女の手には負えない金額でしたから、某代議士が大活躍しました。(その代議士はまだ御健在ですから、金集めの話は書けません。)

(余談 :総理になるための金) 強力な業界団体が昔の自民党の主流派を支援していて、総理になる時に必要な金を工面していました。1970年代~80年代に集金能力に乏しい方が総理になる前にやった、酷い話を書いておきます。私達が苦労して受注した案件を取り上げられたのです。二人の総理候補が、『1億円以上/件』の仕事・数件を、無かった事にしたのです。 内・2件は民間の大手企業向けの仕事でしたので、私は”啞然と”してしまいました。

 正式な注文書を頂いて、既に制作を開始していました。製作打合せ(詳細な仕様を詰める打合せ)を何回かした後で、顧客の担当者が、ある日突然「本件は無かった事にして下さい、理由は聞かないで下さい」と平身低頭に謝りました。自民党の総裁選挙間近でしたから、聞かなくても理由は分かります。 会社で、営業担当と私は”こっぴどく”怒鳴られました。 (当時・国内向け案件の契約書には、違約金について書かないのが一般的でした。)

【役人と賄賂】
 昔は役人が賄賂を要求したと言う話は殆ど聞きませんでした。 役人達が清廉潔白だった分けでは決して有りません。役所の仕事に関する情報、例えば『落札上限価格』を教えるのは政治家本人か秘書がやりました。勝手に役人が入札情報を漏らしたりすると、閑職に飛ばされたのです。

 1990年以降、役人の汚職事件が時々報道される様になりましたが、「国や地方公共団体の発注に政治家が絡む割合が少なくなってきた」と私は見ています。

(余談) 私は某市の案件を営業と二人でフォローしていました。某市の担当者を業界では『タヌキ』と呼んでいました。彼は、ある企業から小遣程度の金を貰って、他社の入札妨害をするのです。 段々大胆になって来たので、業界の偉い方達が市長に談判しました。その市には動物園が今でも有りますが、彼は”なんと!”狸の飼育担当”に左遷されました。

(余談) 役人の汚職は、業界(企業)の談合と密接な関係が有ります。私は「企業が国際競争力を付けるために、日本は談合体質から出来るだけ早く脱却すべきだ」と考えていますが、談合は単純な問題では有りません。談合体質が改まらない状態では、権力を握った役人に『魔の手が伸びる』のです。逆説ですが、収賄で逮捕される役人達は、日本の体質の犠牲者だと言えます。談合については、後日・私の考えを公表したいと考えています。