マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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蔵堂村屋坐弥冨都比売神社宵宮祭

2014年02月16日 09時14分40秒 | 田原本町へ
田原本町千代(ちしろ)の明神講の痕跡や伝聞を調べてやってきた村屋坐弥冨都比売神社。

夕刻になる直前のことだ。

幾度となく訪れる神社では禰宜さんが竹の灯りを点けていた。

在所の蔵堂では氏子もおられるのだが、神社行事に関心が薄れたようで禰宜さん一人が支度をしている。

かつての神社宵宮は境内一面に夜店が並んで、それぞれの郷中からやってきた参拝者で賑わったと云いう。

村屋の郷中は蔵堂、大木、為川南方、為川北方、遠田(天理市)、金澤、平田、東井上、西井上、伊与戸、笠形、大安寺、阿部田、南阪手、阪手の15ケ大字。

数多くの参拝者で賑わったのであろう。

「夜6時からお神楽が行われます」とマイク放送を聞きつけた参拝者がやってきた。



隣村の伊与戸でお世話になった尼講のM導師は一番のりだ。

次々と訪れる参拝者。



里の巫女さんが舞うお神楽の後は鈴でシャンコシャンコの祓い。

それを受ける郷中の氏子たち。



「ご縁があって娘が舞っているのです」と話す母親も祓いを受ける。



参拝者の多くは隣村の伊与戸の人であった。

見慣れた人やMさんも家族連れで参拝する。



竹の灯りが彩る舞いの拝殿。

まさに宵宮の様相を醸しだす。

舞いに太鼓を打つのは守屋宮司。

音色に合わせて舞う神楽は平神楽だ。

他地で拝見した神楽舞いとは多少違うようだ。

前半は3人の小学六年生の巫女さんで、うち一人は郷村の東井上須佐之男神社の秋嘗祭で舞っていた女児。



流れるような作法で舞う姿が美しい。

後半は2人の高校生の巫女さんも登場して扇の二人舞い。

拝殿下で遠慮するように撮らせてもらっていたら、守屋宮司からカメラマンは拝殿に登って撮っても構わないと云うありがたいお言葉に甘えて、もう一人の報道記録カメラマンとともに拝殿で撮らせていただく。



翌日のマツリでは矛の舞、一本剣の舞、薙刀の舞、扇の舞などの太々(だいだい)神楽を舞うが、家の事情で断念せざるを得ない。

かつてのマツリには御湯もあった。

拝殿で行われる御湯は水を用いない空御湯(からみゆ)だったようだ。

いずれは復活したいと宮司が話していたことを覚えている。



宵宮のお神楽は参拝者も来なくなった19時半ころにはお開き。

誰もいなくなった境内にしとしと降りだした雨。

村人たちの心構えが良かったのか雨にもあたらずであった宵宮祭のシャンコシャンコはこうして幕を閉じた。

(H25.10. 9 EOS40D撮影)