SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

犬はなぜブドウを食べてはいけないのか?

2023-07-28 00:57:20 | 食餌・健康
タイトルの件「何を今さら?」と言われそうですね😅 

犬にブドウを食べさせてはいけないというのは20年くらい前から言われており、今では広く知れ渡っています。
ブドウやレーズンは犬に腎臓障害を引き起こすリスクがあるのですが、その原因やメカニズムは解明されていませんでした。

しかし2年前の2021年、アメリカ動物虐待防止協会の研究チームがこの長年の謎についての調査結果を発表しました。

「2年前って、おかーさん情報遅くない?」

遅いです。すみません。
私も1年くらい前に知ったのですが、その時点で「もう1年経ってるし他で発信されてるだろう」と思い、自分では書いていませんでした。

でもあんまり見かけないことに気づいて、今さらながら「書かなきゃ」と思ったというわけです。

最初に書いておくと、アメリカ動物虐待防止協会が発表したのは「有力な仮説」です。詳細についてはさらに研究が必要だとされています。

ブドウやレーズンを食べた犬が急性腎臓障害を発症する理由は『酒石酸』ではないかと考えられています。
酒石酸とはブドウやワインに多く含まれる有機化合物で、人間には無害です。
ブドウなどから抽出された酒石酸は調味料やph調整剤として使われることもあります。
お菓子作りをする人なら、シフォンケーキなどのメレンゲを安定させるために使うクリームオブタータをご存知かもしれませんが、あれは酒石酸水素カリウムです。

酒石酸が犬の腎障害を引き起こすのでは?と考えられるきっかけになったのは、子供が遊ぶための手作り粘土を食べて急性腎障害を発症した犬の症例です。
残念ながらこの犬は命を落としてしまい、原因解明のために解剖が行われました。

手作り粘土は小麦粉や食塩を使って作られることが多いのですが、この犬は大量の食塩で起こる高ナトリウム血症を起こしていませんでした。
この犬は重度のアゾ血症(血液中のチッ素濃度が高い状態)と嘔吐の症状があり、これはブドウ中毒による急性腎不全の多数の症例とよく似たものでした。

犬が食べてしまった手作り粘土の材料を確認したところ、食塩ではなくクリームオブタータ(酒石酸水素カリウム=酒石酸とカリウム塩の化合物)が使用されていました。

・ブドウにも酒石酸と酒石酸水素カリウムが多く含まれている
・犬は酒石酸に過敏な動物種であることがわかっている
・亡くなった犬とブドウ中毒の犬の症状が一致していた

これらの理由から、犬がブドウを食べた時に腎障害を起こすのは酒石酸のせいではないかという仮説が立てられました。
ブドウやレーズンを食べた犬の全てが腎障害を発症するわけではないのは、犬の個体差の他に、ブドウの種類、栽培方法、産地、熟し方によって含まれる酒石酸の量に違いがあるからだと考えられます。

ブドウに含まれる酒石酸が急性腎障害の原因ではないかという仮説はかなり有力だと考えられていますが、実際にどのくらいの酒石酸を摂取すると危険なのか、どのような治療が有効なのかはさらに研究が必要だとのことです。

危険な摂取量がまだわかっていないので、酒石酸や酒石酸水素カリウムを含む食品は犬が食べないよう厳密に管理することが大切です。

ブドウやレーズンの他にはタマリンドというインドやタイでよく食べられているマメ科の果実も酒石酸を多く含みます。馴染みの薄い果物ですがペーストやチャツネなど加工品も同様なのでお気をつけください。

もっと身近なものでは、お菓子作りに使われるベーキングパウダーは重曹と酒石酸水素カリウムを混ぜたものです。お菓子全体に大量に使うものではありませんが、犬用クッキーなどにベーキングパウダーを使うのは止めましょう。
※追記
ベーキングパウダーは重曹とクエン酸を混合しているものもあります。クエン酸か酒石酸か分からない場合は犬用には避けておきましょう。

また犬の手作りごはんのレシピでリンゴ酢を使うものがありますが、リンゴ酢の代用でワインビネガーを使うことは厳禁です。ワインビネガーには酒石酸が非常に多く含まれるからです。


「うたがわしいものは全部やめとけってことよーーー!」

そういうことです。
「前にも食べて大丈夫だった」としても、今回のブドウやレーズンは酒石酸の多いタイプかもしれない。大切な愛犬にそんな危険なロシアンルーレットをやらせるわけにはいかないですもんね。

犬とブドウの件で続報が発表された際には遅れずに紹介するようにしますね。

《参考URL》
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ニヤの誕生日、ブログも17歳

2023-07-20 19:48:20 | ニヤ
今日はニヤの書類上の誕生日です。
元気なら17歳。

譲渡書類では7月の他の日だったけれど、登録書類はブログの開設記念日に合わせて20日にしました。

ブログを始めたのが2006年でニヤも2006年生まれ(推定)
ブログもシニアなので、がんばって生き永らえるべく奮闘中😅 
17年前はFacebookもTwitterもなくてブログ全盛だったんだよね〜。
今時は長文書くならnoteなんかの方が良いんだろうか?とか色々考えつつグダグダしています。
考えてることはいっぱいあるんだけどねえ。


これはちょうど10年前、2013年7月20日のニヤ。美しいなあ😊 
「当たり前じゃない」

おかーさんさあ、今もピクミンたちと毎日散歩してるんだ。
散歩中にたまにミニピンさんに会うんだけど、無意識に足が止まってしまうよ。

ミニピンさんも他の犬さんたちもみんな可愛いんだけど
ニヤよりも私の心を鷲づかみにするような子はまだ見たことがないよ。

「そんな子はあたし以外どこにもいないんだから、それも当たり前よ」

上の写真は2021年の最後の誕生日。
この日が迎えられたことが嬉しくて、ちょっと遠くの公園まで出掛けた日。

15歳のニヤは言葉で言い尽くせないほど愛おしかった。

言い尽くせない愛おしさは今も同じ。
愛しているよ、スイートハート。
(↑これは毎日のようにニヤにかけていた言葉)

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リスのゴン奈の記事をアップしました。

2023-07-15 16:56:49 | ニコとニヤの日常
ゴン奈、ニコやニヤによろしくね。
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知らない犬種がいっぱい

2023-07-15 01:56:59 | 犬のおはなし
また他に書いた記事のリンクですみません。
でも今日のメインはお知らせではないんです。

とりあえず記事はこちら
コリーやシェパードなどの牧畜犬種やレトリーバーやポインターなどの猟犬種は人間と協力して作業をしますよね。
反対にテリアやサイトハウンドは人間の指示を受けずに自立して作業をします。
この協力作業犬種と自立作業犬種の社会的学習の違いについて、ハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学が行なった実験について書いています。

で、記事の中では「牧畜犬種やガンドッグなどの協力作業犬種」「テリアなどの自立作業犬種」と、犬種についてはサラッとしか書いていません。
なぜかと言うと、この実験に参加した犬種が知らないものだらけで具体的に書くと混乱しそうだったから。

ハンガリーの研究機関なのでハンガリー原産の犬が多くて面白いんですよ。

実験参加犬のうち協力作業犬種に分類されたのはこちら
ジャーマンシェパード、ムーディ、ボーダーコリー、プーミー
ハンガリアンビズラ、ラブラドール、ブービエデフランダース、
コリー、オーストラリアンシェパード、ゴールデンレトリーバー
シェトランドシープドッグ、ワイマラナー、ブリアード、
カーディガンウェルシュコーギー、タービュレン、

そして自立作業犬種に分類されたのはこちら
アイリッシュテリア、ダックスフンド、トランシルバニアンハウンド
ホファヴァルト、ピットブルテリア、バセットハウンド、ガルゴ、
ヤクーチアンライカ、ケアンテリア、フォックステリア、
ジャックラッセルテリア、コモンドール、ハンガリアングレーハウンド、
ウエストハイランドホワイトテリア、ポーリッシュグレーハウンド、
ボルゾイ、シベリアンハスキー、

ね?馴染みのない名前が多いでしょう?
私が知らなかった名前を太字にして、画像を探して来ました。


ムーディ(またはムディ)はこういう犬。
ハンガリー原産の中型の牧羊犬だそうです。
オオカミが羊の毛皮を着ているように見える😄 
Hondenras Mudi.jpg
By Vulpes at Dutch Wikipedia - Transferred from nl.wikipedia to Commons., Public Domain, Link


こちらはプーミー(またはプミ)
やっぱりハンガリー原産の中型の牧羊犬です。
ハンガリーの犬って毛がモシャッとした感じが多いのかしら😁 

Pumi 2.jpg
By No machine-readable author provided. Caronna assumed (based on copyright claims). - No machine-readable source provided. Own work assumed (based on copyright claims)., CC BY-SA 3.0, Link


こちらはブリアード
フランス原産の大型犬で、牧羊犬の他に家畜の番犬でもあるそうです。
AnsPixによるPixabayからの画像


そしてここからは自立作業の犬たち。

アイリッシュテリア
中型のテリアで、テリア種の中でも最も古い犬種だそうです。
並外れた狩猟欲が特徴。
congerdesignによるPixabayからの画像



トランシルバニアンハウンド
ルーマニアまたはハンガリーのトランシルバニア地方原産のセントハウンド。
貴族の猟犬として飼育されていたんですって。

Erdelyi kopo VadaszNimrodSzeder01.jpg
By Lnko2323 - Own work, CC BY-SA 3.0, Link



ホファヴァルトという犬種はこちら
一見するとレトリーバーみたいですが、自立作業犬種なんですねえ。
ドイツで家畜を守る番犬として飼育されていた犬種だそうです。
The three colours of the Hovawart.jpg
By Oxborrow - Own work, Public Domain, Link


ヤクーチアンライカ(名前だけ聞いても犬と認識できない😅
ロシア原産のソリ犬で、とても古い古代犬種だそうです。
スピッツ系で樺太犬にも似ていますね。

Yakut laika.jpg
By Ajarvarlamov - Own work, CC BY-SA 3.0, Link



そしてコモンドールという犬種がこちら。
モップドッグとも呼ばれるプーリーとよく似ていますが
プーリーは中型の牧羊犬であるのに対してコモンドールは大型の家畜番犬。

Komondor delvin.jpg
By Nikki68, CC BY 2.5, Link


知らない犬種のことも興味深いなあと思ったんですが、ヤクーチアンライカやハスキーなどソリ犬は自立作業に分類されるんだというのも面白いです。

犬ゾリって人間の指示よりも犬の判断がメインなんですね。

犬の研究、難しくて頭がこんがらがることも多いけれど興味深いことがいっぱいあって面白いです。
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7月の犬のココカラは小型犬のお話です

2023-07-11 00:43:37 | ごあいさつ/お知らせ
犬のココカラ、7月の記事がアップされました。

今回は「小型犬症候群(Small Dog Syndrome)」を取り上げてみました。
これは正式な病気の名前ではなくて「小型犬はすぐ吠えたり唸ったりする」という望ましくない行動のカジュアルな言い回しです。

でもそれって、小型犬じゃなくて人間のせいじゃない?ということを書いています。
一部の人たちではあるんだけど、大型犬の飼い主さんが「だから小型犬は......」と眉をひそめるのを見かけると悲しくなります。
反対に、これも一部の人たちではあるけれど、小型犬の飼い主さんが大型犬を見て「こわい〜」なんて言うのも同様。

大きくても小さくても犬は犬。
犬のニーズを正しく満たすことで犬も人もハッピーになれるということを
できるだけたくさんの人に伝えて、犬に優しい世界を作る一助になれたらいいなと思っています。


「わたしたちいい子なのにねえ」「失礼しちゃうわねえ」

テリアのセイディちゃんとスノーイーちゃんです。
コメント (2)
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