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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

何者かになりたいがために平気で嘘をついてでも必死に他人にしがみつく女の子の生き様を描いた『猿楽町で会いましょう』

2021年06月17日 23時19分17秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:51/115
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
ラブストーリー
夢と現実
嘘と本音
セックス
メンヘラ

【あらすじ】
小山田修司(金子大地)は、
駆け出しのフリーカメラマン。
売り込み先の雑誌編集者の嵩村秋彦(前野健太)からは、
「作品にパッションを感じない」
と厳しくダメ出しされる。

そんな嵩村に紹介されたのは、
インスタグラム用の写真を撮影してくれるカメラマンを探していた、
読者モデルの田中ユカ(石川瑠華)だった。

撮影を通して距離を縮めていく2人。
しかし、ユカは決して身体を許そうとはせず、
家にも入れてくれず、
微妙な距離感が漂っていた。

そんなある日、
以前、小山田が売り込みに行った編集者から
仕事の依頼が舞い込んでくる。
またとないチャンスに喜ぶ小山田だったが、
突然、泣きはらした顔のユカがアパートにやって来る。

打ち合わせに向かおうとしていた小山田に抱きついて
「お願い、ひとりにしないで」と懇願するユカ。
小山田の中で溜まっていた想いが爆発して、
そのまま2人は初めて身体を重ねた。

数日後、小山田は意を決してユカの住むマンションの部屋を訪ねる。
ところが、目の前でユカの部屋に入って行く男の姿を目撃してしまう。
部屋の中に聞き耳を立てる小山田だったが……。

【感想】
夢を追いかけるフリーカメラマンの男と、
何者かになりたくて上京してきた女の、
夢と現実と嘘と本音が入り混じった映画。

人生に思い悩む若者系の映画で、
若者の青春を描く松居大悟監督、
男女の気持ちの交錯を描く今泉力哉監督の作品の、
ちょうど中間にあるような印象だったかなー。

時間軸がちょっと前後する構成になっていて、
全部で3章から成り立っているんだけど、
第1章の裏側が第2章でわかるっていう見せ方が面白かった。

特にヒロインのユカがね、
もう「何なんだこいつは」っていうほどのめんどくささ(笑)
人によって態度を変え、
呼吸するように嘘をつき、
自分を正当化し、
すべてを自分に都合のよい方向へ持っていこうとする。
そして、なぜかそれが許されると思っている。
限りなく「お引き取り願いたい」人種(笑)

ある程度歳を重ねた今なら、
「若いときってこういう感じの子いるよね」
って微笑ましく感じられなくもないけど、
身のまわりにいて巻き込まれたら完全に事故だろうな。

でも、それが彼女の処世術でもある。
強い意志もなく、頼れる人もいない。
でも、寄ってくる人はいる。
だから、そこにすがる。
嘘をついてでも。
誇りを売ってでも。

自分に何もないことは自分が一番よくわかっているから、
他人にしがみつくことに必死になるのかもしれない。

そこには、映画やドラマでよくあるような、
「がんばったから報われる」、
「たまたま才能を見つけてもらえる」
なんてお花畑のような世界はない。

むしろ、孤独や嫉妬、疑心や絶望といった
負の感情にまみれる現実が広がっている。
これを辛い現実と捉えるかは人それぞれだけれど、
綺麗事が一切ない物語と、
感情むき出しで体当たりな役者さんたちの演技は
見ごたえありでした。

いやー、
自分が付き合っている彼女がこうだったら、
相当ショックだよ。
特に男目線からしたら。
よほどの仙人か、
もしくは彼女に興味がない人じゃないと、
耐えられないと思う。

小山田が「彼女が嘘をついているかもしれないんです。でも、なんでそれが許せないんだろう」
ってぼやくシーンがあるんだけど、
ある意味、彼女のことちゃんと好きなんだなって思った。
自分が与えている愛と同等かそれ以上を返して欲しいと思うタイプか、
他人に期待してしまうタイプの人間ほど、
こういう現実は辛いかもしれない。。。

他人は信用しすぎない方がいいのかも、
この世を楽に生きていくには。
精神衛生上(笑)

それにしても、邦画でちょっと重めの話にするときって、
多くの場合「性」が絡むよなあ。

映画『猿楽町で会いましょう』公式サイト

映画『猿楽町で会いましょう』公式サイト。6月4日(金) 渋谷ホワイトシネクイント、シネ・リーブル池袋 他 全国順次ロードショー

 


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