雨雲が空一杯に拡がっている。
雨が降るのだろう。
今日は昔のサッカー仲間を送り出す日だ。
市のサッカー少年委員会が危機に立たされた二十数年前。
彼はこの町で最初の頃作られた少年団の代表を引き継いだ。
委員会創立時に立ち上げに尽力した多くの人たちが亡くなったり辞めた。
委員会を引っ張る人材が一度に居なくなってしまったのだ。
私たち各団の代表達は毎週末、時には平日の夜遅く集まり会合した。
今後どのように委員会を運営していくかを議論したのだ。
全員で協力するからと最後に彼を委員長に選任した。
サッカーに熱い男だった。
その後も会合を重ね、運営方針などを決めていった。
彼の家の二階も良く会議場になった。
あれから二十数年、今では県のサッカー協会で重職を担っていた。
その彼が病に倒れ先日亡くなったのだ。
私はあの頃の約束を守れなかったことがある。
仕事とは言え、中国で働くことがメインになり団の代表を辞退したからだ。
そのことが心の片隅で小さい傷になっていた。
試合会場でその後も彼とは良く会い、話もした。
しかし、どこか冷たかった。
今日は、あのときの約束を実行に移せなかったことを謝ろう。
そして天国に送り出そう。
お疲れさま。
私より三歳若かった。