川塵録

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渋沢栄一『論語と算盤』の時代背景

2024年09月11日 | 歴史
渋沢栄一『論語と算盤』が刊行されたのは、大正5年=1916年。

大正デモクラシーの初期。藩閥政治の終わり。

藩閥政治を代表する山縣有朋は、別荘・邸宅を7つ持っていた。目白の椿山荘とか京都の無鄰菴が有名。この「7つ」ってのはググっても出てこないけど、ネットが出る前の20世紀に、小島直記とかの本で私が読んだ。

30年ほど前の記憶に頼ってますが、ウィキでも山縣の邸宅は8個も出てくるから、大きな間違いではあるまい。山縣が死んだのは大正11(1922)年。

つまり、藩閥政治のネポティズム(コネ)が、まだまだ激しかった。立派な人間が出世するとは限らなかった。薩長出身というだけで、能力識見に劣る者が、でかい顔をしていた。

そんな時代に渋沢は、人格主義(論語)と合理性(算盤)の重要性に、警鐘を鳴らした。メリトクラシー(能力主義)にスポットライトを当てた。

あまりこういう考えは書かれていないけど、時代背景からしたら、こういう言い方もできる。

なお、『論語と算盤』の内容自体は、実は私はあまり面白いとか大事だとか思ってない。。

『論語と算盤』から我々が受け取るべきは、「みんなしっかりした人間になれよ」という、『自助論』(スマイルズ・中村正直)で書かれているような、やや道学者臭のする優等生的な好々爺のメッセージ。

『論語と算盤』を読むのもいいですが、私の3時間のセミナーにお越しいただくのもいいかもです! 

 こちら(9月20日セミナー)
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