狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

どうせ生きているからには、苦しいのは当たり前だと思え。

2016年03月21日 22時43分25秒 | 職場に関する日記



 本日3月21日は、源義経が藤原秀衡の庇護下に入った日で、イングランドの宗教改革指導者トマス・クランマーが女王メアリー1世の命により火刑に処せられた日で、フランス民法典(ナポレオン法典)が発布された日で、横浜村のペリー応接所の庭で日本で初めて模型の機関車が運転された日で、オットー・フォン・ビスマルクがドイツ帝国の初代宰相に就任した日で、日本国産初のカラー映画『カルメン故郷に帰る』が公開された日で、南アフリカ共和国のヨハネスブルグ近郊のシャープビルでシャープビル虐殺事件が発生した日で、アメリカのサンフランシスコ湾にあるアルカトラズ島の連邦刑務所が閉鎖された日で、高松塚古墳で極彩色壁画が発見された日で、アメリカ合衆国大統領ジミー・カーターがソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して同年夏のモスクワオリンピックのボイコットを表明しやがった日で、プランクによる測定で宇宙の年齢は137.98±0.37億年であると発表があった日です。

 本日の倉敷は晴れでありましたよ。
 最高気温は十三度。最低気温は四度でありました。
 明日も予報では倉敷は晴れとなっております。




 土曜日・日曜日・月曜日と倉敷美観地区周辺はイベントが行われておりました。
 私も出歩きたかったのですが、お祭りで皆様が楽しんでいる時はお仕事に励むのが観光地のお店に勤める者の定め。
 我が命我が物と思わず、武門の儀、あくまで陰にて己の器量伏し、御下命如何にても果すべし。尚、死して屍拾う者なし。
 指を咥えてお仕事に励んでおりました。
 道行く人皆様、笑顔。善き事でありました。

 明日からもじゃんじゃんばりばり働きたいと思っております。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『氷平線』/桜木紫乃

2016年03月21日 22時28分18秒 | 小説・本に関する日記






 昨日の夜は、桜木紫乃の短編小説集『氷平線』を読んでいました。
 「雪虫」、「霧繭」、「夏の稜線」、「海に帰る」、「水の棺」、「氷平線」の六編が収められている短編小説集です。

 むぅ。
 このタイプの小説は作者の見得や虚飾や嘘や無知を拾ってしまうのだけれども、作者がきちんとそれらを排すると骨太なお話となります。
 淡々としていて静謐でだからこそ迫ってくる愛の物語。
 しなやかで強くて優しくて赤裸々で真っ直ぐで残酷なお話です。

 面白かったですよ。
 楽しめました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

我が夫となる者はさらにおぞましきものを見るだろう。

2016年03月21日 18時29分52秒 | 知人、友人に関する日記




 我が友に櫻の花に梅が香とめて柳の枝に咲く姿と聞くばかりも床しきを心憎き獨栖みの噂の者ありけり。
 たつ名 雅男の心を動かして山の井の水に浮岩あくがるる戀もあり。罪な者なり。

 同族中に其人ありと知しられて一重と呼ばるヽ令孃の美色。
 姉に妹に數多き同胞をこして肩ぬひ揚げの幼だちよりいで若紫ゆく末はと寄する心の人々も多かりし。

 空しく二八の春も二十の春も過ぎて、何ごとぞ飽くまで優しき孝行のこヽろに似す父君母君が苦勞の種の嫁入りの相談かけ給ふごとに「我まヽながら私一生獨栖みの願ひあり。仰せに背くは罪深けれど是ばかりは」と子細もなく、千扁一律いやいやを徹ほして、果ては世上に忌しき名を謠たはれながら、狹き乙名の氣にもかけず、更ゆく歳を惜しみもせず、靜かに月花を楽しんで、態とにあらねど浮世の風に近づかねば、慈善會に袖引かれたき願ひも叶はず、園遊會に物いひなれん頼みもなくて、いとヾ高嶺の花ごヽろに苦しむ人多しと聞きし。

 我、この者を知らぬ頃、いかなる風や誘ひけん、果放なき便りに令孃の噂耳にして可笑しき奴と笑つて聞きしが、その獨栖みの理由、我人ともに分らぬ處 何ゆゑか探りたく、「何ともして其女 一目見たし。否 見たしでは無く見てくれん。世は冠せ物の滅金をも秘佛と唱へて御戸帳の奧深に信を増さする習ひ。朝日かげ玉だれの小簾の外とには耻かヾやかしく、娘とも言はれぬ愚物などにて、慈悲ぶかき親の勿体をつけたる拵らへ言かも知しれず。夫れに乘りて床しがるは、雪の後朝の末つむ花に見參まへの心なるべし。笑止」と貶しながら心にかヽれば、何時も門前を通る時は夫れとなく見かへりて見ることも有れかしと待ちし。同族・同属の予感有りしか。

 時はあるもの仕事の歸りがけ、日暮れ前の川岸づたひを淋しく來れば後ろより駈け拔けし自転車の主は令孃なりけり。
 何處くの歸へりか黒髪おとなしやかに、白粉にはあるまじき色の肌の白さ。
 衣類は何か見とむる間もなけれど、上品で高尚き姿。
 もしやと敏し我知らず馳せ出せば、車の輪の何に触れてか「がたり」と音して一揺り搖れヽば自転車の籠から落つる物ありけり。
 夫れと知らねば自転車は其のまヽに急ぐを、敏し何ものとも知らず我遽しく拾ひぬ。

 落とし物は草子なり。顎の尖った美男弐名が睦むエロい表紙の草子なり。
 我 膝を打ちぬ。
 この者は腐の者であったか。腐の者 弐次元の戀を好むと聞く。獨栖みの願ひは斯様な訳であったか。
 我と少し趣味趣向に相違在りしが友となれるやも知れぬ。

 我、令嬢の屋敷の門を叩き令嬢の落とし物 エロい表紙の草子を令嬢に届けし。
 以来、我と令嬢はそうるめいとと相成りぬ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする