本日9月21日は、フランスの国民公会が君主制廃止・共和制宣言を議決してフランス第一共和政が始まった日で、ニューヨーク・サン紙で社説「サンタクロースは実在するのか」が掲載された日で、西太后が戊戌の変法を推進していた官僚らの粛清を開始して変法を支持していた光緒帝を幽閉して戊戌の変法が終焉した日で、日本橋の三越呉服店が日本初のファッションショーを開催した日で、関東軍の要請により朝鮮軍指令官・林銑十郎が独断で満洲に侵攻した日で、蔵前国技館で土俵の四本柱を廃止した日で、新左翼・革命的共産主義者同盟全国委員会・中核派が千葉県収用委員会長を襲撃(以降も収用委員に対する脅迫が続いて10月に全収用委員が辞表を提出して収用委員会が機能停止となる)した日で、ロシア大統領ボリス・エリツィンが人民代議員大会及び最高会議解散の大統領令を発布した日で、日本野球機構がフリーエージェント制導入を決定した日で、自衛隊のルワンダ難民救援派遣が開始された日です。
本日の倉敷は晴れていましたよ。
最高気温は二十六度。最低気温は十五度でありました。
明日は予報では倉敷は曇りとなっております。
狐の友人に小さく愛くるしいのがゐる。
そして小さく愛くるしい奴には彼氏がゐる。
ちよつぴり前のこと。
ある日、この小さく愛くるしい奴の彼氏は、小さく愛くるしい奴の為に煙草を止めようと決心した。
小さく愛くるしい奴は彼氏のその決意を聞き、「嬉しい」と呟いて俯いた。
嬉しそうであった。
「僕の意志の強さを信じて呉れるね?」
彼氏の声も真剣であつた。
小さく愛くるしい奴は黙ってこつくりと頷いた。
信じた様子であつた。
小さく愛くるしい奴の彼氏の意志は強くなかつた。
その翌々日、小さく愛くるしい奴の彼氏は既に煙草を吸つていた。脆い。
日暮れて小さく愛くるしい奴の彼氏は蹌踉、小さく愛くるしい奴の前に立つた。
「すみません」と小声で言つて、ぴよこんと頭を下げた。
小さく愛くるしい奴の彼氏は、真実悪い。と思つてゐた。
小さく愛くるしい奴は笑つてゐた。
「駄目よ。揶揄つてばかり」
小さく愛くるしい奴の彼氏は戸惑つた。「おや? 僕は、僕は、本當に煙草を吸つてしまつたのだよ」
「たんと、たんと、揶揄いなさい」
小さく愛くるしい奴の彼氏は改めて小さく愛くるしい奴の瞳を凝視した。
「だって」小さく愛くるしい奴は濁りなき笑顔で応じた。「誓ったのだもの。吸うわけないわ。揶揄つてゐるのね」
てんで疑つてゐないようであつた。
小さく愛くるしい奴の彼氏は、後に狐に「あんな切なかつたことはございませんでした」としんみり述懐して行儀良く紅茶を一口啜つた。
狐は、小さく愛くるしい奴が彼氏が我慢できずに煙草を吸つたことを知つていることを知つてゐる。
小さく愛くるしい奴は彼氏が小さく愛くるしい奴の前に立つた時に匂いで分かつたさうだ。
今はもう小さく愛くるしい奴の彼氏は煙草を吸つていない、らしい。
小さく愛くるしい奴によると、「彼氏から煙草の匂いが全くしないので彼氏は煙草を吸っていないと断言できる」ということらしい。
匂いでわかるとは。
何だか淫靡な感じがして話を聴いていて狐はちよつぴりどきどきしてしまつた。
でも、どきどきしたのはあくまでちよつぴりだ。