狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

趣味は幸福を担う多くの副産物を生み出してくれます。

2019年03月03日 20時14分28秒 | VSの日記





 本日3月3日は、藤原清衡が平泉に最初院多宝寺を建立した日で、。源義経が滋賀県蒲生郡竜王町の鏡の宿にて元服した日で、足利義昭が織田信長討伐のために挙兵した日で、フランスとイギリスが清に宣戦布告した日で、ロシア皇帝アレクサンドル2世が農奴解放令を発布した日で、ロシア・ウクライナのボリシェヴィキ政府がドイツ帝国・オーストリア=ハンガリー帝国・オスマン帝国・ブルガリア王国とブレスト=リトフスク条約を結んだ日で、トルコで1400年続いたカリフ制が廃止されて最後のカリフ・アブデュルメジト2世らオスマン王家の全成員が国外追放された日で、昭和三陸地震が発生した日で、衆議院委員会審議において「黙れ」事件があった日で、物価統制令が公布された日で、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約が調印された日で、ラトビアとエストニアでソビエト連邦からの独立を問う国民投票が行われた日で、ソマリアから最後のPKO部隊が撤退した日で、日本銀行が短期金利の指標である無担保コール翌日物金利を史上最低の0.15%に誘導することを決定してゼロ金利政策を開始した日で、桃の節句で雛祭りの日で、金魚の日です。

 本日の倉敷は曇り時々雨でありましたよ。
 最高気温は十度。最低気温は六度でありました。
 明日は予報では倉敷は曇りとなっております。







 或る日の事で御座います。

 御釈迦様は極楽の蓮池の淵を独りでぶらぶら御歩きになっていらつしゃいました。
 池の中に咲いている蓮の花はみんな玉の様に真白で其の真中に在る金色の蕊からは何とも云えない好い匂いが絶間なく周囲へ溢れて居ります。
 極楽は丁度朝なので御座いましやう。

 やがて御釈迦様は其の池の淵に御佇みになつて、水の面を蔽つている蓮の葉の間からふと下の容子を御覧になりました。
 此の極楽の蓮池の下は丁度下界に当つて居りますから、水晶の様な水を透き徹して下界の景色が丁度覗き眼鏡を見るようにはつきりと見えるので御座います。

 下界で狐と云う一匹の獣が蠢いている姿が御釈迦様の御眼に止まりました。
 狐はぐうたら者でふらふらと遊んでばかりいる怠け者です。
 それ故、孤独地獄をぶつちぎりで駆けていく羽目に陥つています。
 御釈迦様は狐の様子をご覧になりながらかつて狐が蜘蛛を助けた事があるのを御思い出しになりました。
 そうして其れだけの善い事をした報いには出来るなら狐を孤独地獄から救い出してやらうと御考えになりました。
 幸い、側を見ますと翡翠のやうな色をした蓮の葉の上に極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。
 御釈迦様は其の蜘蛛の糸をそつと御手に御取りになつて、玉のような白蓮の間から遥か下に在る下界の狐の元へ真っ直ぐに其れを御下しなさいました。

 然し、狐は新刊の本を買いに行く途中で本を買う事に夢中になつていたので御釈迦様が御卸下さつた蜘蛛の糸には気が付きません。
 超高速で御釈迦様が御卸下さつた蜘蛛の糸の前から駆け去つていきました。

 御釈迦様は極楽の蓮池の淵に立つて此の一部始終をぢつと見ていらつしやいましたが、やがて狐が孤独地獄をひた走り過ぎ去つていくと悲しそうな御顔をなさりながら、またぶらぶら御歩きになり始めました。
 趣味に夢中で他に目もくれない狐の心が御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましやう。

 然し、極楽の蓮池の蓮は少しもそんな事には頓着致しません。
 其の玉のやうな白い花は御釈迦様の御足の周辺にゆらゆら萼を動かして其の真中に在る金色の蕊からは何とも云えない好い匂が絶間なく周囲へ溢れて居ります。
 極楽ももう正午に近くなつたのでございましやう。



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つまらない新聞を読んで「なんて近頃はくだらないんだ!」と言った時代もあったろうが、最近の読者はこう言う。「なんてくだらない新聞なんだ!」と。

2019年03月03日 18時50分34秒 | その他の日記




 記者クラブという制度の中にいて記者クラブに所属していない記者を排除しながら、「報道の自由」を訴えるのは矛盾した行為です。
 そして自分の講演で特定の新聞社の記者を排除しておいて、「報道の自由」を訴えるのは矛盾した行為です。

 官房長官の記者会見の場で、事実誤認の妄想による自説を延々と演説してその感想を官房長官に尋ねるという行為を繰り返すということは、他の記者の質問時間を奪っていると言えます。
 そして官房長官の失言を狙っているかのように同じ質問を延々と繰り返す行為は、政府の見解を質すという行為ではなく、単なる嫌がらせでしかありません。

 そもそも官房長官が毎日2回も記者会見をしなければならない義理はありません。
 無駄な質問を延々と繰り返すだけの場と化すのならば、官房長官の記者会見をする必要はありませんよ。無駄な時間となってしまいますから。時間は有意義に使うべきです。

 件の記者は政治部ではなく社会部所属なのだから、社会部のネタを追うべきです。
 何故に官房長官の記者会見に出てくる必要があるのですか?
 東京新聞の政治部の記者はぼんくら揃いだから社会部の記者を官房長官の記者会見に出さざるを得ないということなのですか?
 しかしその件の記者は、ちょっと調べれば小学生でも分かることを知らずに官房長官に質問するぼんくらですよ?
 そして東京新聞が記事にしたことも知らないで官房長官に質問するぼんくらですよ?
 東京新聞の政治部の記者は件の記者よりもさらにぼんくらということなのですか?
 そうだとするならば東京新聞は取材能力が皆無の無能な記者だらけの新聞社ということになってしまいますよ?
 それでもよいのですか?


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『ススキノ、ハーフボイルド』/東 直己

2019年03月03日 15時37分38秒 | 小説・本に関する日記




 昨日の夜は、東直己の小説『ススキノ、ハーフボイルド』を読み返していました。

 主人公は高校3年生の松井省吾。
 進学校に在籍していて成績優秀。
 でもススキノで飲み歩いている。
 夏休みに入ったある日、クラスメイトの女子が暴力団の組長と一緒に覚醒剤所持で逮捕される。
 彼女を助け出そうとするクラスメイトの女子達の動きに省吾は巻き込まれて……。

 ハードボイルドなのだけどハードボイルドではないのです。
 頭は良いのだけれど世間ずれしているつもりの世間知らずな高校生の物語です。

 面白いですよ。
 楽しめました。



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普段会わない人に連絡をとりましょう。時として、その人があなたの心を癒してくれる場合だってあるのです。

2019年03月03日 14時20分37秒 | その他の日記



 以下の文は、産経新聞の『蔡英文総統、日本に安保対話要請 本紙インタビューで初明言』と題した記事の転載であります。



   台湾の蔡英文総統は1日までに台北市内の総統府で、産経新聞の単独取材に応じた。蔡氏は強まる中国からの脅威を念頭に、安全保障問題やサイバー攻撃に関して日本政府と対話したいとの意向を表明した。
   対話形式は「日本の考え方を尊重する」としつつも中国軍の動向に関する即時情報の共有も含め、日本との安全保障協力に強い意欲を示した。

   蔡氏が日本との直接対話の意向を明言したのは初めて。
   日本と台湾の間には外交関係がなく、安全保障に関する対話は現在、民間・学術レベルにとどまっている。
   蔡氏は「東アジアに位置する台湾と日本は同じ脅威に直面している」と強調し、「安全保障協力の対話のレベルを上げることが非常に重要だ」と日台の当局間対話を呼びかけた。

   蔡氏は「安倍晋三首相は台湾に非常に友好的で、就任以来、(日台関係で)思い切った決定をしてきた。次の段階として安全保障対話を強化する必要がある」と述べ、安倍首相の指導力に期待を表明。
   台湾や沖縄の周辺を通過して西太平洋に進出する中国の海空軍の動向に関する即時情報の共有についても「非常に重要だ」と意欲を示した上で、
   「日本側には法律上の障害を克服してほしい」と外交関係の有無を超えた日本側の対応を求めた。
   対話の内容については「伝統的な軍事面以外にサイバー戦争など新たな脅威についても意見交換したい」と述べた。

   蔡氏は、ネット上の偽情報にも言及。
   昨年9月に関西国際空港が台風21号の影響で浸水した際、「中国の総領事館がバスを手配し中国人を優先的に救助している」との情報がネット上に拡散し、蔡政権の対応が批判された事案を挙げ、
   「一つの偽情報が台湾に大きな混乱をもたらした」と指摘した。
   蔡氏は、中国の「網軍(サイバー部隊)」は昨年11月の台湾統一地方選でも、中国寄りの野党と「協力関係にあった」と述べ、中国の選挙介入に強い警戒感を示した。
   その上で「台湾が今日直面する課題は、他国も将来、直面する可能性がある」と警鐘を鳴らし、
   「多くの人々が台湾の経験を参考にしようとしているが、台湾も他の国と協力して網軍の効果を抑制する必要がある」と国際社会での一致した取り組みが必要だと訴えた。

   蔡氏は「台湾は地政学上、中国が太平洋に出入りする要衝に位置する」と強調。
   「台湾の安全は世界にとって重要だ」と述べて、台湾の安全保障への国際社会の支持を呼びかけた。

   蔡氏が2020年1月の総統選への再選出馬を表明して以降、メディアの単独取材に応じるのは初めて。
   取材は2月28日、産経新聞東京本社の井口文彦編集局長が行った。
   会見には台湾の呉釗燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)らが同席した。


                           転載終わり。








 中国大陸での第二次世界大戦の戦勝国は国民党政権です。
 中国共産党は武力で国民党政権を中国大陸から台湾へと追い出しました。
 そして武力で中国大陸を制圧して、国際連合の常任理事国の座を国民党政権から奪い取り、台湾を国際連合から追いだしました。
 中華人民共和国は中国大陸を統べる正当性を持っていませんし、国連の常任理事国である正当性を持っていません。

 台湾は現在、中華人民共和国から軍事面と経済面の両面で圧力を受けています。
 我が国は、中国共産党のやり口を台湾から情報収集ができるのならばした方がよいし、連携が取れるのならば連携を取った方がよいと思われますよ。
 台湾が中華人民共和国の手に落ちるようなことになれば、我が国の九州方面に対して中華人民共和国の軍事的圧力が増大することになるのですから。



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喉奥流し込んで 躊躇いなど捨てて すぐさましてほら たった一口 これで終わらせないで

2019年03月03日 10時59分09秒 | VSの日記





 或る夜の事。

 狐は先輩と一緒に或るパブリック・ハウスのカウンター席に腰をかけて、絶えずミルクを舐めてゐた。
 狐は余り口をきかなかつた。
 しかし先輩の言葉には熱心に耳を傾けてゐた。

 「御酒には媚薬効果があるというけれども媚薬効果ではなく脳内の様々なリミッターを酒精で麻痺させているに過ぎない。酒精によって人は普段は抑えられている欲望が剥き出しになつてしまふだけなの」
 先輩は頬杖をした儘、極めて無造作に私に述べた。
 「つまり、人は基本的にはすけべえであるといふこと」
 左様でございますか。
 「うむ。一年中発情している動物なんてとても珍しいの」
 そうなのですか?
 「うむ。ところで私はお水が欲しいの。君、マスターに頼んでお水を貰つてきてくれ給へよ」

 狐は、マスターにチェイサーを頼み、ついでに自分用にカルーアを注文した。

 「うむ。此処にお水が入つた割賦がある。私は大変に酔つている。お水を飲もうにも零してしまいそう。君、私にお水を飲ませておくれ」と先輩は目を潤ませて云つた。
 そんなに酔つているやうには見えませんが?
 「む。君は私の言葉を疑うのかね?」
 否ですよ。疑つたりはしません。
 「では私にお水を飲ませ給へ」

 狐は割賦を捧げ持つて先輩の口元に寄せた。

 「違う違う違う! 口移しで頂きたいの! 口移しで!」
 む。酔つているふりをすれば何でも要求が通ると思つていませんか?
 「ちよつと思つておりまする」先輩はにへらと笑つた。「口移し! 口移し!」
 断固拒否します!

 狐は、割賦の中でカルーアとホットミルクと混ぜ合わせてカルーア・ミルクを作り、舐めた。
 私の言葉は先輩の心を知らない世界へ神々に近い世界へと解放したのかもしれない。

 先輩は言つた。「いけず。私のことが好きなくせに」




 先輩は勘違いしている。それとも勘違いをしているのは私なのか?
 狐は何か痛みを感じた。が、同時に又歓びも感じた。
 人の考えとはわからぬものであるな。面白ひものだ。




 其のパブリック・ハウスは極小さかつた。
 然しパンの神の額の下には赫い鉢に植ゑたゴムの樹が一本、肉の厚い葉をだらりと垂らしてゐた。




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