狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

人は忘れるために夢を見る。

2019年10月10日 23時02分28秒 | VSの日記

 本日10月10日は、日本銀行が開業した日で、辛亥革命が始まった日で、袁世凱が初代中華民国大総統に就任した日で、中国国民党が結成されて孫文が総理に就任した日で、疎開学童の帰京が始まった日で、鹿苑寺が再建されて落慶法要があった日で、第18回夏季オリンピック・東京オリンピックが開幕した日で、マグロの日で、坂田銀時のお誕生日です。

 本日の倉敷は晴れでありましたよ。
 最高気温は二十六度。最低気温は十二度でありましたよ。
 明日は予報では倉敷は曇りとなっております。



 或る夜の事。

 …………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。
 狐が薄々と眼を覚ました時、熊蜂の唸るような音はまだその弾力の深い余韻を狐の耳の穴の中にはつきりと引き残していた。
 其れをぢいつと聞いている内に……今は真夜中だな……と直覚した。
 そうして何処か近くでぼんぼん時計が鳴っているんだな……とぼんやりと思い又もやうとうとしている内に、其の熊蜂の唸りの様な余韻は何時となく次々に消え薄れて行つてそこいら中がひつそりと静まり返つてしまつた。

 狐は括と眼を開いた。
 かなり高い白塗の天井裏から薄白い塵埃に蔽れた裸の電球がたつた一つぶら下がつている。
 其の赤黄色く光る硝子球の横腹に大きな蝶が一匹泊まっていて凝然としている。
 其の真下の固い冷めたい人造石の床の上に狐は丸くなつて寝ているようである。

 ……おかしいな…………。
 狐は丸くなつた儘に凝然と動かず、瞼を一ぱいに見開いた。
 そうして眼の球だけをぐるりぐるりと上下左右に廻転さしてみた。
 青黒い混凝土の壁で囲まれた二間四方ばかりの部屋である。
 ……おかしいぞ…………。
 狐は少し頭を持ち上げて自分の身体を見廻わしてみた。
 白い新しい見知らぬ絹の着物を着ている。下着はない。のーぱんである。
 ……いよいよおかしい……。
 胸の動悸がみるみる高まつた。
 早鐘を撞くように乱れ撃ち初めた。
 呼吸が其れに連れて荒くなった。
 やがて死ぬかと思うほど喘ぎ出した。
 かと思うと又、ひつそりと静まつて来た。
 ……此処は何処……。
 ……森閑とした暗黒が部屋の外を取巻いて何処までも何処までも続き広がつていることがはつきりと感じられる……。
 ……夢ではない……確かに夢では…………。

 狐は飛び上つた。
 否……夢だ……夢の中だ……。
 窓の前に駈け寄つて磨硝子の向うを覗いた。
 暗闇の中で銀色の羽根を大きく広げた獣が歯を剥き出しにして唸りながら金色の瞳で狐を睨んでいる……。
 あそこに私の本性がゐる……。
 野生の私が唸つている……。
 閉じ込めた私を恨んでいる……。
 獣は狐を睨み乍ら舌なめずりをしてゆつくりと狐の近づいてくる。
 ……嗚呼。私はいつかあの獣に食われる……。
 ……あの獣に凌辱の限りを尽くされて穢されて汚されて辱められてありとあらゆる痴態を晒されて心まで穢されて支配されて地獄の奈落に突き堕とされて浅ましい獣にされた後に、生きたまま貪り食われてしまう……。
 獣は、狐が硬直して逃げられないことを察して高嗤いを上げ乍ら、ゆつくりと近づいてくる……。
 野生の猛々しさを誇示し口から涎を垂らしながら獲物を見据えてゆつくりと近づいてくる……。
 ……嗚呼。私はいつかあの獣に殺される……。




 …………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。
 狐が薄々と眼を覚ました時、熊蜂の唸るような音はまだその弾力の深い余韻を狐の耳の穴の中にはつきりと引き残していた。
 其れをぢいつと聞いている内に……今は真夜中だな……と直覚した。
 さうして何処か近くでぼんぼん時計が鳴つているんだな……とぼんやりと思い、寝惚けているのだなとぼんやりと思い、変な夢を見たとぼんやり思い、又もやうとうとしている内に、其の熊蜂の唸りの様な余韻は何時となく次々に消え薄れて行つてそこいら中がひつそりと静まり返つてしまつた。


 狐は再び眠りの中にふらふらと堕ちていつたのでありました。


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『ランチタイムは死神と』/柴田よしき

2019年10月10日 21時03分42秒 | 小説・本に関する日記

 昨日の夜は、柴田よしきの小説『ランチタイムは死神と』を読んでいました。

 憧れの男性の婚約者の死を夢想するOLの多美は、窓際族の総務部主任・島田に悩みを打ち明けることになった。
 すると島田は奇妙なことを言いだした。
 「私は死神。私がここにいるのは貴方かあなたの傍にいる人がもうすぐ死ぬから」
 そして多美に死の二者択一を突きつける……。

 死神が出てくる2編の物語が収録されています。


 死を突きつけられる。
 その時、今迄、一生懸命生きているのか生きていたのか? 
 考えさせるようなお話であります。

 面白かったですよ。
 楽しめました。

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Call it morning driving through the sound and in and out the valley

2019年10月10日 11時44分43秒 | 休日の日記

 本日は私はお仕事がお休みの日であります。
 今日はこれからお外に出てお外をぐるぐると廻ってきます。
 雪が降った時のお犬様の如くぐるぐるお外を廻ってきます。
 では皆様。
 素敵な木曜日をお過ごしくださいませ。


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自己管理によるマネジメントは、人間が責任や貢献や成果を欲する存在であることを前提とする。

2019年10月10日 11時13分04秒 | 漫画・ゲームに関する日記

 最近、ゲーム『信長の野望・創造 戦国立志伝』でちまちまと遊んでいるのです。
 あまりにも面白いので中断するのを忘れて延々と遊んでしまいます。
 私はもう大人なので止める人がいません。
 気が付いたら丑三つ時を過ぎていた……ということもしばしば。
 非常にやばい。自重せねば。
 己を管理できない者は大人とは言えません。大人だけど。

 シミュレーションゲームは、段取りを決めてやることの順番を決めて実行していく遊びです。
 アドリブで進めてもよいのですが、アドリブで進めるのならば物凄い演算能力が必要となります。
 段取りを決めて物事を進めていく。しかしですよ。突発的な出来事や予測していなかったことがゲーム内で起こり、段取りが全て御破算になる。そうなればまた新たに段取りを組み直し物事を進めていく。そこが面白いのです。
 プレイしている勢力が大勢力に成長した後は面白くないと言う人が多く見受けられますが、私は大勢力に成長した勢力を動かす方が好きです。
 大勢力を思いのままに効率よく動かすのは思ったよりも難しく、緻密な段取りが必要になります。
 華麗な戦術で戦場を制する能力と超巨大な戦力で相手を擂り潰す能力は全く別の能力で、華麗な戦術で戦場を制する能力があっても超巨大な戦力を作り上げて超巨大な戦力で相手を擂り潰す能力がある者には勝てません。
 戦いは数なのだよ。

 大勢力になると広範囲に多くのものを見なければならずかなり先のことを考えて段取りを組み立てなければなりません。
 区切りの良いところを見つけることができず、ついずるずると遊びを続けてしまいます。
 やばい。睡眠時間を削りまくってまで遊ぶべきではない。駄目絶対。
 でも、面白いのですよ。
 私、駄目になってしまいそうです。



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