昨日の夜は、宇月原晴明の小説『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』を読み返しておりました。
第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作で織田信長が主人公の伝奇小説です。
織田信長を主人公にした小説は世の中に数多く存在しますが、この小説の設定はかなりぶっ飛んだ部類に入ります。
物語は、シュルレアリスム詩人のアントナン・アルトーの独白で幕を開けます。
シリアの古代太陽神。牛頭人身の至高神。牛頭天王。織田剣神社。熱田神宮。草薙剣。素戔嗚尊。天照大神。ローマ帝国の若き皇帝ヘリオガバルス。太陽信仰。シリアの女皇達。錬金術。詩人アントナン・アルトー。ナチスドイツ。ちょび髭の男。第六天魔王。イスカリオテのユダ。ロンギヌスの槍。バールの霊石。両性具有。織田信長。これ等の魅力的なキーワードを一つの物語の中に放り込んで、幻想的で妖しい世界を作り出しています。
凄いなぁ……。
これだけのキーワードを一つの物語に突っ込んで、見事にまとめあげるなんて。
しかも、書かれた当時の最新の歴史の学説と史実をキチンと押さえつつ、虚構の世界を立ち上げている。
物語は重層構造をしていて、物語がどの方向に進むのか分からず、最後までハラハラさせられる。
そして濃厚で豊潤な文章。
凄いですよ。
面白くて、圧倒される小説でありました。